2642.東アジア情勢と米国



東アジアと米国の関係が複雑になっている。その検討。 Fより

中国の唐家セン国務委員は、安倍首相の訪米が「成功」だったとの
認識を示した。中国政府から言われると、その意味を考察するしか
ない。安倍首相の訪米は中国によって非常によかったという意味に
しか捕らえることができない。

中国が米国を抱き込んで、日本を押さえたように見えるのは私Fだ
けならいいが、どうでしょうね。中国の外交は米国と同盟関係にあ
る動きをする時があり、日本は非常な注意を持って米中関係を見な
いと日本が孤立してしまうことになる。

その心配は、北朝鮮問題でも出てきている。ゼーリック前米国務副
長官は「米中プラス韓」の連携が必要と日本を明確に排除した提言
をしている。日本は拉致問題を解決できないと経済援助をしないと
しているが、ゼーリックはイラク戦争に集中するために北朝鮮問題
を収束したいので、拉致問題を上げる日本を抜きでも解決する意向
を提言したが、現政権は、そこまで日本を排除するとは思えないが
危ない。拉致問題を解決したいなら日本は孤立も覚悟するべきでし
ょうね。ここまでは日本に不利な情報であるが、中国と米国の関係
も決して、好いわけではない。

もう1つの動きが、対中経済制裁法案が米議会で「可決の公算」が
あると財務長官が発言している。米国が経済上で中国と対決する可
能性もある。中国も対抗上、米国企業を締め出すことになる。こう
なると貿易戦争が米中で起こる可能性がある。米企業は今、中国で
儲けているので、これにより、中国に進出している米企業の収益が
大きく落ち込むことになると見る。

このため、中国は米国一辺倒では経済的な面で危ないので、日本と
の経済関係をより緊密にするために、言い換えると日中友好のため
に、胡錦濤主席の訪日時期の検討指示が出ている。中国と日本の経
済的な面での連邦制を中国は志向してくるはず。中国国内市場が大
きくなり、市場としての米国はそろそろ必要がなくなってきている。

それより日本の技術が重要であると中国企業は見ている。欧州の鉄
道車両、日本の鉄道車両、米加の鉄道車両を比べれば、一目両全で
日本の技術が他国を圧倒していることがわかる。中国人は、その面
の見極め能力はすごい。経済上から日本に中国は擦り寄ってくる。
反対に、日本は中国市場がどうしても企業経営上ほしい。このため
、両国の利害は一致している。

日本+中国が仲がよくなると、東アジア共同体の可能性が一段と増
すと見た米国はそれに対応するために、東南アジアとの友好を促進
する意向を示している。日本と中国がASEAN諸国連合とFTA
を結ぶ可能性が増している。この発展系が共同体になり、ACUと
いう共同通貨構想になる。これに対応するには東南アジアで一番、
民主主義的なシンガポールに近づくしかない。

そして、日米同盟はより強固になってきている。F−22も日本へ
の配備を米国はして、アジアでの米国のプレゼンスを増そうとして
いる。

全体像として、この東アジアでも敵味方の区別がわかりにくくなっ
てきている。
さあ、どうなりますか??
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安倍首相の訪米は「成功」 中国・唐国務委員(ASAHI)
2007年04月29日19時54分

 中国の外交を統括する唐家セン国務委員(副首相級)は29日、
北京で日中友好議員連盟会長の高村正彦元外相らと会見し、安倍首
相の訪米が「成功」だったとの認識を示した。そのうえで、日米同
盟の充実がアジア地域に好影響を与えることへの期待感を表明した。 

 唐委員は「私たちは日米関係がより強化されることを希望する」
と述べた。さらに「日米同盟がより充実することが世界の、そして
私たちが住んでいるこの地域の平和と発展にプラスになることを期
待する」と続けた。 
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北朝鮮対応には「米中プラス韓」の連携必要・前米国務副長官
(nikkei)
 「北朝鮮は時にためらったり、困惑したりしているように見える
だろう。だが事態を前進させるには米国と中国が韓国とも連携して
関与することが特に重要だ」。ゼーリック前米国務副長官は2日、シ
ンクタンクで講演し、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議での「米中
プラス韓」の連携を訴えた。

 ゼーリック氏はライス国務長官の下で副長官を務め、中国を「責
任ある利害共有国(ステークホルダー)」と位置づけた当事者で、
2005年に6カ国協議が共同声明を取りまとめた時は当局者だった。

 中国の北朝鮮政策についてゼーリック氏は「2月の6カ国協議の合
意プロセスは始まったばかりだ。失敗や誤解のリスクもあるだろう
」と、現在のブッシュ政権の対話路線を支持した。

(ワシントン=丸谷浩史) (21:07) 
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対中経済制裁法案、米議会で「可決の公算」・財務長官が見解
(nikkei)
 【ワシントン=藤井一明】ポールソン米財務長官は2日の講演で、
中国への経済制裁を盛り込んだ法案を求める声が議会で出ているこ
とについて「明らかに法制化の可能性が高まっている」と語り、可
決の公算が大きくなっているとの認識を示した。同時に「法制化は
貿易を困難にする」とも語り、長官自身は反対する考えを明確にし
た。

 議会では、中国からの輸入製品に高率の関税をかける法案や、為
替の人為的な操作が疑われる国に為替政策の変更を求める法案が浮
上している。長官は23、24両日にワシントンで開く米中戦略経済対
話に出席する中国の呉儀副首相が議会の幹部と意見交換する見通し
も明らかにした。議会の強硬論を和らげる狙いとみられる。長官は
中国の人民元改革について引き続き加速を促す考えも表明。市場で
価値が決まる通貨を持たずに中国が世界経済に組み込まれることは
「不自然な動きだ」と指摘した。「我々は長期の目標に注目するの
と同時に短期の結果も追求する」とも語り、人民元の変動相場制へ
の移行を視野に、当面は相場の切り上げを促す方針を強調した。
 (23:00) 
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胡錦濤主席 訪日時期の検討指示
4月30日8時0分配信 産経新聞

 中国の唐家●国務委員は29日、北京を訪問中の日中友好議員連
盟会長の高村正彦元外相らとの会談で、胡錦濤国家主席の来年の訪
日について胡主席自身から「いつごろ訪日すればよいか検討するよ
う指示が出ている」ことを明かにした。唐氏は「なるべく早い方が
よいと思っている」と述べた。日中議連関係者が明らかにした。
(北京 福島香織)
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米、東南アジアと関係強化・大統領がシンガポール訪問へ
(nikkei)
 【ワシントン4日共同】ブッシュ米大統領は4日、ホワイトハウス
でシンガポールのリー・シェンロン首相と会談、東南アジア諸国と
の関係強化のため9月にシンガポールを訪問することで合意した。両
首脳が会談後、記者団に明らかにした。

 大統領は、9月8日にオーストラリアで開かれるアジア太平洋経済
協力会議(APEC)首脳会議前にシンガポールに立ち寄る意向を
表明。「(地域の)パートナー、友邦と貿易、安全保障問題を話し
合う」と述べ、シンガポールで東南アジア諸国連合(ASEAN)
首脳と会談する方針を示した。

 今年は米国とASEANとの対話開始から30年に当たり、リー首
相は「両者の関係を一歩先に進める新たな計画を検討すべきだと大
統領に提言した」と説明。「米国が中国、日本双方と良好な関係を
保つことが東南アジアにとっては極めて重要だ」と語り、アジアへ
の関与継続を大統領に求めた。(09:38) 


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