2635.アジア発展の展開



アジア発展に何が必要かを検討しよう。    Fより

中国温首相の来日で、日中間の関係は安定した関係になっている。
今後、日本とアジアの連携が問題になる。米国の政治面でも、経済
面でも衰退が差し迫っている状況では、東アジア共同体をどう構築
するかが重要になっている。その上では中国との関係が一番厄介で
慎重を規す問題であった。それが安定にしたことはいいだ。

経済面では、中国とインドの発展、東南アジアの発展と日本をどう
関係つけるかが重要になっている。経済面と言っても、金融系はビ
ジネス的にアジア諸国ではまだ大きな分野ではない。どうもアジア
は「ものづくり」のネットワークを築いて、この関係を整理統合し
た戦略の構築が必要になっている。

「豊かさ」と「活力」のトレードオフから引用するが、
http://www.study-mirai.org/works/the_world_compass0602.htm
(引用始)
一般に、経済が未成熟で人々の所得水準が低い段階では、人々の所
得や消費活動に対する欲求は切実で、経済全体として成長ペースを
維持しやすい。産業構造の高度化や、経済発展で先行した国からの
技術導入や投資の受け入れによって成長を加速できるケースも多い。
しかし、その結果として所得水準が上がってくると、人々の欲求は
切実さを失い、成長ペースは次第に低下する。

 本質的にはともかく、現代の資本主義経済の下では、所得水準は
「豊かさ」の、成長力は「活力」の指標となっている。それを前提に
すると、経済の発展は、「活力」と引き換えに「豊かさ」を手に入
れる「成熟化」のプロセスだということもできる。
 戦後の日本経済も、まさにこの成熟化のプロセスをたどってきて
いる。

日本経済は、低所得ながら手厚い産業政策に守られて急成長を実現
した高度成長期から、石油危機を経て成長ペースを落とした安定成
長期、一時的に成長ペースを加速したバブル期とその反動として訪
れた長期不況期、いわゆる「失われた10年」といった流れで、「活
力」を低下させながら「豊かさ」を獲得してきたことが読み取れる。

長期不況を脱した今後の日本経済の成長率は、当面は2%弱、その
後は労働力人口の減少ペースの加速によって徐々に低下していくこ
とが想定されるが、その見通しは、これまでの成熟化の軌跡の延長
線上の、「成熟期」のポジションに、きれいに納まるものと言える
だろう。
(引用終)

日本とアジア諸国の発展はこの成熟化プロセスを日本の産業が各国
と共同して、各国に成長の活力と豊かさを齎らすことが重要である
が、各国の国民性に合った方策が必要になっている。

中国は自国産業で何でもこなし、自国生産に拘るし、擦り合わせ型
の工業製品をコピーして、部品までもモジュラー化して、製品全体
をモジュラー化し、低価格製品にして販売する。

このいい例が、オートバイである。ホンダの製品をコピーして、そ
の派生系の似たようなオートバイが数百社から出されている。こう
なると日本製品はその価格で競争は出来ない。派生系では信頼性が
必要がない部分の材質を落として安くしている。安さの競争が起こ
っている。家電でも日本からキー部品を買って、その上でモジュラ
ー化した製品を作り、世界に輸出している。

タイは、日本産業の基点として非常に優れている。タイ人は従順で
決められた手順を正確にこなしていく素地を持っている。このため
タイに進出した企業はそこに根付いている。テイジンのタイ工場に
は日本人がいないし、トヨタのタイ工場から工場ライン指導員が出
てきている。長期に日本の工場にタイ人の従業員は勤めるために、
技術の全てを教えることが出来る。中国人は勤めても2年程度で止
める人がすごく多い。このため、すべての技術を教えられない。

ベトナム人は手が器用で、かつ頭がいい。昔、越の国であったため
に漢字文化圏でも在る。今はベトナム語はローマ字記述になってい
るが、漢字が分かる。越は揚子江の一帯が元々の領土であったが、
北から強力な元などの遊牧民に南下されて、今のベトナムまで移動
した。今のベトナムにはチャンパ王国があったが、その王国を滅ぼ
して建国した。今でも中南部にはチャンパ人たちが住んでいる。
元中国人であるので、物覚えがいい。応用も利く。勤務状況はまだ
分からない。将来が楽しみな国ですね。

マレーシアは、イスラム教地域では、マハディール元首相がルック
・イースト戦略で日本を見習い日本の企業を誘致したことで、すで
に工業国家になっているが、政治指導者のマハディールがいなくな
った後が心配である。政治的な混乱が起こる可能性がある。

このように東南アジアの工場国の役割が見えてきた状態になってい
る。ラオスとカンボジア、ミャンマーは特異な農業国として国を作
るとしている。

インドネシアは多様性があり、その多様性が今まではアチェなどの
闘争になっていたが、今後は石油や天然ガス、それと植物系が他の
アジアとかなり違うなどのために、その価値を上げるように感じる。
今後、植物研究からいろいろな有効成分を抽出して、未来の産業は
たんぱく質合成にその道を開くことになる。その拠点となると見え
る。

日本はそのアジアでの研究センタとしての役割になるような気がす
る。キー部品を作り、母工場を作り研修し、そこで各国の工場の指
導者を育成するような国になっているような気がする。それが東南
アジアを東アジア共同体に統合する意味でもあると見ている。
また、アジアの共通通貨(ACU)を創設する母体になると見るが、
どうであろうか??


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