2630.エタノールの問題点



エタノールが石油代替として注目されているが、問題がある。
                        Fより

米国とブラジルが中心に、石油代替のエタノールを生産している。
米国はトウモロコシ、ブラジルはサトウキビから製造しているが、
食糧としての価格に比べてエタノールの値段が高いために、食糧と
してのトウモロコシやサトウキビの値段も上昇している。

そして、1978年の米国の立法でエタノールの生産1ガロンに
52セントの補助金を米国政府は出して、エタノール生産を支援し
ている。

レスター・ブラウンによると大型車のガソリンタンクをエタノール
で満タンにすると、人間1人が1年に食べる穀物と同じ量が必要に
なる。すべての穀物をエタノールに替えても米国の自動車の燃料需
要の16%程度しかカバーしないという。

これでは、地球上の貧しい20億人は餓死する危険もあるために、
この政策は成り立たない。トウモロコシは家畜のえさでもあるので、
連鎖で肉、牛乳、卵、チーズなどの価格も大幅に上昇してしまう。

エネルギーを食糧との奪い合いにすると、このようなことが起きる
ことになる。中国やインド、ブラジル、ロシアなどの国民が豊かに
なり欧米と同程度の生活になってきているために、今後肉類の消費
が多くなり、食糧生産が足りなくなると見られている。

その上に、この食糧生産で今、問題が起きている。水不足である。
地下水の水位が下がっている。人口急増で農業の灌漑に使う水が増
えているからだ。このように食糧も不足する事態になっているのに
、トウモロコシやサトウキビなど食糧起源のエタノールは総合的な
見地から見ると、人間が直面する問題の解決にならない。

この代案は、電気自動車しかない。電気は、原子力発電や風力発電
で作れる。原子力は、ウランなどの鉱物資源であり、高速増殖炉が
開発されると、ウランとウランが分裂しできるプルトニュームが使
えることで、石油、天然ガス、石炭より資源的な寿命が長い。高速
増殖炉が出来る前はプルサマールというプルトニュームを現行の原
子力発電所で使う計画を政府は出している。

このように原子力起源の電気があり、電気にはまだ余裕がある。
このため、電気自動車が優位になるように感じる。今でもプラグ式
ハイブリット車が米国で、はやっている。このクルマは家庭の電気
で充電できるため、短距離の買い物には電力だけの走行でほとんど
賄えるので、エタノールやガソリンを使わなくて済む。

今後は電気を短期に充電するスタンドなどの設備や蓄電池の性能向
上、モータの高出力化などの電気自動車を構成する部品の性能を上
げる研究が必要になる。しかし、この電気自動車は内燃エンジンの
自動車に比べて、モジュラー化されるために、日本の自動車メーカ
が得意な擦り合わせ型の自動車生産ではなくなる。このモジュラー
型になると中国、台湾の独壇場になる可能性がある。

日本は原子力発電事業に磨きを掛けて、安全な原子力発電を世界に
発信する役割がある。このために、ウランなどの資源からウラン再
処理までのライフサイクルの全ての施設の完備が必要になる。日本
とフランスは共同で安全な原子力発電所を世界に作る使命があると
みる。原子力がある程度世界に普及すると戦争ができなくなる。

これは日本の平和の理想でもあり、世界平和を電気供給の面から仕
掛けることができる。
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ウラン、カザフから大量調達 シェア40%へ急拡大(ASAHI)
2007年04月14日08時06分

 原子力発電の燃料として需要が高まっているウランについて、日
本がカザフスタンで権益を大量に確保する。同国の独占企業との契
約次第では、現在1%程度にとどまっている輸入に占める同国のシ
ェアを最大40%にまで引き上げることができそうだ。ウラン争奪
戦に出遅れていた日本が、官民挙げての資源外交で一矢を報いた格
好だ。 

 カザフスタンは世界第2位の埋蔵量を持つ。国営のウラン独占企
業であるカズアトムプロムのジャキシェフ社長が13日、東京都内
で朝日新聞と会見し、対日輸出を2010年に年4000トンまで
増やせるとの見通しを明らかにした。日本側が実際にどの程度購入
するかは今後の契約次第だが、全量輸入されれば同年の日本の需要
予想の約4割を賄える。 

 同社は30日、甘利経済産業相と共に同国を訪れる東京電力や東
芝など約20社の首脳らとの間で、長期売買契約など十数件の合意
文書に署名する。住友商事、関西電力とはすでに合弁会社を立ち上
げている。 

 ウラン価格は、世界的な原発回帰の動きなどから急騰している。
米調査会社の調べでは、今月初めて1ポンド=100ドルを突破。
00年末の約16倍だ。 

 調達難を見越して消費国の資源外交が活発化しており、同国にも
05年までに韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領、中国の胡錦濤
(フー・チンタオ)国家主席が相次いで訪問した。オーストラリア
とカナダに依存していた日本もカザフスタンを「主力ターゲット」
(経産省幹部)に据え、昨夏には小泉首相(当時)が現職首相とし
て初めて訪問し、関係強化で合意した。 

 ただ、空前の売り手市場で同国も自信を深め、「資金力だけでは
絶対に資源を渡してくれない」(大手商社)。経産省は国内の原子
力関連企業を総動員し、同国が求めるウラン精製や成形加工など技
術面での協力を売りに交渉を続けていた。 
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電気自動車、「軽」並みコスト目標・経産省が産学と開発
(nikkei) 
 経済産業省は自動車や電機業界、大学と協力して、電気自動車の
本格普及に向けた共同開発に乗り出す。高性能電池の開発などで
2015年をめどに、現在の軽自動車とほぼ同じコストで利用できるよ
うにする技術を開発。充電スタンドの普及や優遇税制など利用奨励
策も検討する。ガソリン消費を段階的に減らし、温暖化ガスの排出
抑制につなげる狙いだ。 

 電気自動車は充電して電気だけで走るため走行中の二酸化炭素
(CO2)排出量はゼロ。ガソリンと電気モーターで走るハイブリ
ッド車などに比べても環境負荷が少ない。ただ車両価格が高く、一
度の充電で走れる距離も短いため、ほとんど普及していない。 
(07:00) 
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ロシア、核査察受け入れ・原子力庁長官が表明
(nikkei)
 【モスクワ=坂井光】ロシア原子力庁のキリエンコ長官は4日、日
本経済新聞記者と会い国際原子力機関(IAEA)による同国の民
生用ウラン濃縮施設への査察を受け入れることを表明した。日本は
原子力発電所の燃料となるウランの濃縮をロシアに委託する交渉に
入ったが、前提となるのはロシアの核拡散防止体制の確立。査察受
け入れは委託実現を後押ししそうだ。

 キリエンコ長官は10日から訪日の予定。核拡散防止条約(NPT
)のうえでロシアはIAEAの査察受け入れの義務はないが、長官
は東シベリアのアンガルスク濃縮施設を査察対象とすることを言明
。IAEAの査察受け入れ実現への「障害はない」とも強調した。
(07:01) 
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コーン作付面積、63年ぶり高水準 エタノールブームで(ASAHI)
2007年03月31日10時00分

 自動車ガソリンの代替となるエタノールの需要急拡大に伴い、そ
の主原料となるトウモロコシの作付面積が今年、米国で急拡大する
見通しとなった。米農務省が30日発表した農家の作付け意向調査
によると、今年のトウモロコシの作付面積は前年比15%増の
9050万エーカー(約36万2000平方キロメートル)と
1944年以来、実に63年ぶりの高水準になる見込みという。


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