新聞報道だけから北朝鮮、中国と米国の交渉を見てみよう。大所の 交渉は終了した。その交渉はどうであったかを見よう。 Ｆより マカオの銀行から北朝鮮資金を移転する作業が大幅に遅れていた。 米国はＢＤＡと米銀との取引を停止処分をそのままに、北朝鮮資金 を北朝鮮に返還しようとしたが、中国の金融当局は、ＢＤＡがマネ ーローダリングにかかわっていないから、ＢＤＡへの米銀との取引 停止も解除するべきであると対応した。 しかし、米国としては北朝鮮の麻薬取引を押さえて、かつＢＤＡの 北朝鮮口座が使われていたために、ＢＤＡへの取引停止はそのまま で、北朝鮮資金だけを中国銀行に移管してほしいと交渉していた。 米財務省としては法理上、譲れない。今までの罪状がウソとなって しまう。 なぜ、中国は米国にそこまで強く交渉したかと言うと、北朝鮮の中 国離れを警戒したためのように感じる。中国にとって、北朝鮮は仮 想敵国である米国・日本陣営との緩衝地帯であり、首都北京に近い この地域に神経を昔から尖らせていた。中国の最強軍団が今でも中 国東北地方（旧満州）にいる。昔から満州は戦略的な要所である。 中国は、アジア的な外交に長けている。言わないでそれとなく分か らせるという方法を北朝鮮に行っている。同じ文化圏であるので、 それで通じるのだ。このため強硬な物言いをしない。北朝鮮が核実 験をした直後に見せた輸出禁止処置も、大々的に禁止とは言わずに 、石油パイプラインの点検などという言い方をしている。 今回は、中国に隠れてベルリンとニューヨークで米国と北朝鮮が直 接会談をして、かつ北朝鮮の金桂冠外務次官が中国を無視した言い 方に対して、北朝鮮に中国の実力を見せようとしたように感じる。 平襄放送でガナリ立てる北朝鮮は、最重要としたこの件では中国や 米国を非難しなかった。中国が邪魔していることが分かっても、そ れを非難すると、国境貿易を止められて、自国が大打撃を受けるこ とを知っているために、何も非難できなかった。 そして、米国にも中国を無視してアジア外交、特に北朝鮮外交はで きないと見せ付けようとした。このため、ヒル国務次官補も中国と の交渉に疲れ果てている様子である。ご苦労様。 中国が米国の言うことを聞かないので、米国は韓国とＦＴＡを結び 、韓国の米国離れを食い止め、中国に対しては相殺関税を掛けると いう方法で米国は中国に圧力を掛けている。この交渉窓口は米国務 省ではなくて、米財務省であり、ＦＴＡや関税は財務省のマターで あることで分かる。グレーザー財務副次官補が交渉に当たっていた。 交渉窓口は国務省ではない。 米国の内部でもこの問題では国際協調派ライス国務長官が苦境にあ る。早く北朝鮮の核施設の封印をしないと危ない。このため、まだ 中国との交渉が終わったわけではないが、資金解放という方向の合 意はしたというレベルなのでしょうね。協議は継続である。ここで も米国は大幅な譲歩をしたように思う。グレーザー財務副次官補も 報道機関に何も言わないことが気に掛かる。 やはり、想像した結果になっている。米外交力はは弱くなった。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 米、ＢＤＡ内凍結解除提案 他銀行への送金断念(ASAHI) 2007年04月07日15時36分 マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア（ＢＤＡ）で凍結されてい た北朝鮮関連資金について、米政府が他の銀行への送金を断念し、 ＢＤＡ内で凍結を解除したうえで北朝鮮側に資金の活用を認める提 案をしていることが分かった。北朝鮮の返答を待っているという。 米政府当局者が６日、朝日新聞に明らかにした。 北朝鮮は、ＢＤＡの資金が返還されるまでは核放棄に向けた動き を進めないとしている。米政府はこのため、グレーザー財務次官補 代理を北京に派遣するなどし、問題の解決を急いでいた。 米国が資金洗浄の疑いを指摘したＢＤＡでは、北朝鮮関連の５２ 口座、約２５００万ドル（約３０億円）が凍結されている。米政府 は、このうち不法活動にかかわるものはすべてＢＤＡ内に設ける北 朝鮮口座に移し、人道目的で使うことを認めると提案した。正当な 資金については本来の口座保有者の元に残すこともできるという。 実施にあたり北朝鮮は口座保有者の了承を得る必要がある。 米朝はＢＤＡの凍結資金について、北朝鮮の銀行が持つ中国銀行 の口座に全額を移し、人道目的で使うことにいったん合意した。 だが、不法な資金を扱って信頼を失うことを懸念した中国銀行が受 け入れを拒否。口座保有者の中にも資金を自らに返還するよう求め る動きが出たため、合意は実行できていない。 ただ、北朝鮮が米提案を受け入れるかどうかは現時点でははっき りしない、という。北朝鮮は送金問題を通じて米国から資金はすべ て正当だとの保証を得ることを目指しているとの見方もある。ＢＤＡ は米金融機関との取引ができずドル送金ができないため、北朝鮮に とって使いづらいという問題もある。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 北の資金問題は協議継続＝米副次官補、帰国へ 4月6日19時2分配信 時事通信 【北京6日時事】北京の米大使館当局者は6日、北朝鮮資金の返還 問題解決のため、北京に滞在中のグレーザー財務副次官補（テロ資 金・金融犯罪担当）が間もなく、帰国の途に就くことを明らかにし た。同当局者は同問題について「協議が継続される」と述べ、結論 が出ていないとの認識を示した。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 北朝鮮資金、香港経由で返還か・韓国紙報道 (nikkei) 【ソウル＝鈴木壮太郎】韓国紙の中央日報は6日付で、韓国政府当 局者の話として、米国、中国とマカオの銀行バンコ・デルタ・アジ ア（ＢＤＡ）が、ＢＤＡで凍結中の北朝鮮資金について、香港の金 融機関を経由して北朝鮮に返還することで合意したと報じた。10日 ごろ香港に送金される見通しという。 米朝は凍結資金の全額を中国銀行に移管することで合意したが、 中国銀は違法行為が疑われる北朝鮮資金の受け入れに難色を示して いる。同紙によると、北朝鮮資金を仲介する金融機関は、中国銀本 社とは別法人として運営されている中国銀香港法人が有力とみられ る。(13:17) ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ６カ国協議「合意履行が重要」、米報道官が解決遅れ示唆 (nikkei) 【ワシントン＝丸谷浩史】米国務省のマコーマック報道官は4日の 記者会見で、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議について「2月の合意 文書の実行が重要だが、困難を乗り越えるため全力を尽くすことも 重要だ」と述べた。寧辺（ニョンビョン）の核施設停止・封印など 「初期段階の措置」の期限が迫る中、北朝鮮関連口座など金融問題 を巡る解決が遅れる可能性を示唆した発言だ。 報道官は困難な問題の例として、マカオの銀行「バンコ・デルタ ・アジア（ＢＤＡ）」に凍結されていた北朝鮮関連口座の資金移管 を挙げた。そのうえで「予期せざる困難だ。6カ国協議参加国のいず れもが、実行がここまで複雑だとは想像しなかったと思う」と述べ た。(12:00) ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 初期段階「期限内の履行困難」 北朝鮮核で中国外務次官(ASAHI) 2007年04月04日13時27分 北朝鮮の核問題をめぐる６者協議で議長を務める中国の武大偉外 務次官は４日、同協議で合意した非核化に向けた初期段階措置の履 行期限が今月中旬に迫っていることについて、北朝鮮の資金移管問 題が障害となって履行がずれ込むとの見通しを示した。 武次官は、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジアから北朝鮮の資 金を移す問題が難航し、期限内の履行が困難な情勢と指摘したうえ で「もう決まりでしょう。しょうがない」と語った。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 北朝鮮が中共を無視 日本、韓国と中国が驚く 07/04/04 01:41【新唐人日本】 中国時報は、北朝鮮は中共がその政権に対し脅威があると感じ、 中共を疎遠し始め、積極的に米国との関係を強化していると近日指 摘して報道しました。 3月27日中国時報は、米国と北朝鮮の近頃のベルリンとニューヨー クでの最も重要な2度の会談は、すべて中共を避けて、直接1対1で会 談をしたと報道しています。これは日本、韓国と中国を大いに驚か せました。 報道では、北朝鮮副外長・金桂冠氏は米国外交政策全国委員会な どの機関が主催した昼餐会で「中共は北朝鮮に対しあまり大きな影 響力をもっていない、米国は核問題を解決するためにあまり中共に 対し期待してはならぬ。過去6年間、米国はずっと中国に依存して北 朝鮮の核問題を解決しようとしたが、しかし得た結果は何なのか？ 私達はミサイルを発射し、核実験を行い、私達がやりたいことは すべてやった、しかし中国は1件も事を解決することができなかった 。」と語りました。 報道は、北朝鮮政府のルールから分析すれば、これは決して金桂 冠氏個人の意思ではないと指摘しています。 新唐人総合報道