2622.中国の発展と日本



インホイールモータの先生の所に行った。その話。  Fより

1.中国の発展
先生は中国からいろいろな相談を受けているので、中国の事情に詳
しい。その先生が私を呼んだ理由は今後の日本に不安を持ったから
ではないかと思う。

中国へ原子力や自動車などの60才以上の日本人退職技術者が、高
給で移転している。中国企業はこの20年儲けてきて、大量の投資
可能な現金を持っている。中国国家も産業政策を持ち、予算も余裕
がある。数千億円単位で重点産業を支援している。

そして一番大きな利点は、いろいろな需要が大きく、産業政策でも
産業振興をやりやすい。原子力発電所は今後20年間で、600基
を作る計画であり、需要量が日本と2桁違う。中国政府は日本の原
子力設備メーカ3社を全て抱えて、かつ中国人技術者を日本人技術
者に付けて、学ばせようとしている。日本は原子力企業を3社も食
わせるほどの需要はない。

また中国企業は技術を持っている日本企業を買収しようと狙ってい
る。しかし、日本企業は中国の需要がないと売り上げが伸びない。
このため日本企業も技術の流出を覚悟して、中国のビジネスを進め
るしかないのが現状である。と先生。

中国人は仲間のグループが中心で、企業を信用していない。このた
め個人は優秀であるが、企業としてのまとまりはない。長くても中
国人は2・3年しか1つの企業に勤めない。ここが中国企業の弱点
であり、それと日本人が教えた技術を企業内部でその技術を広める
ことをしない。このため、日本人退職技術者をこれから永遠に必要
になると先生に言った。中国人は組織力はそんなに高くない。個人
の力は確かに強い。

2.日本企業の問題点
日本の自動車産業は今、頂点に立った。しかし、今後を考えると中
国企業にやられる可能性がある。GMと同じように日本の自動車メ
ーカもなるのではないかと不安である。自動車以外の分野を今から
準備しておく必要があると思うと。
ホンダはロボットや飛行機に移行していると私が言うと、その方向
が正しいと言う。

ガワール油田が枯渇する可能性があり、3年で石油危機がやってく
ると言うと、電気自動車も3年以内に実用車に適用するべく日本や
中国に言っていると。このため、電池の研究も必要であるが、モー
タの改良が必要である。このモータの研究者達と話すと中国の電気
モータの研究は凄いレベルにあるようだ。レアメタルの使い方と磁
気制御が優れていると。

電気自動車は中国に取られる可能性がある。このモータができると
、エネルギー効率が低い内燃機関はなくなり、このモータに取って
代わられることになる。中国人がこのモータで大発明をする可能性
があると。

これに比べて、日本の研究所や開発の効率は非常に低い。知的生産
としての効率は日本は概して低い。中国の研究機関の効率は日本以
上である。個人としての能力が高い分、中国が有利である。

先生は次は鉄道車両であろうという。世界が日本の鉄道に目を向け
始めている。新幹線の優秀さを認め始めている。韓国のTGV車両
は勾配に弱いことを知らしめた。この鉄道車両にも新技術を入れる
努力が必要である。鉄道のレールを走る車輪はカーブでスリップし
ている。この車輪のスリップをさせなくすると、エネルギー効率が
上がる。このためにもインホイールモータということが必要になる。

勾配を上がる時にもスリップしている。これもスリップしないよう
に制御すればエネルギー効率が上がることになる。日本の鉄道車両
にアイデアを入れるので、今後益々よくなると。

また日本の中小企業から呼ばれて、お話を聞くが皆が次の技術に困
っている。大企業から言われたままの図面の通りに作っているだけ
で、自分から提案をしていない。このため、大企業からの発注がな
くなると終わりである。このため、先生の所に相談に来る。

日本企業はけしって強くないが、アイデアを出していくしかない。

3.生物研究
先生の経歴を見ると、50才までは電気関連の製品研究であるが、
60才以降になると一転して、生物研究にシフトしている。
どうして、生物研究に移行したのかを問うと、電気系は数式で解け
る問題である。このため、他にもできる人がいる。その人たちに任
せればいい。

しかし、生物研究は数式では解けない。いろいろな実験が必要であ
り、その生物特性を掴み、その特性に従った方法を確立する必要が
あり、忍耐力が必要になる。今、各地の温室を指導しているが、
気流の流れや水のやり方、土の作り方を間違えている。

作物の茎の下まで外気が流れるように空気の取り入れ口を開閉制御
し、水のやり方を少なくするだけで、果実や野菜の質が大きく違う。
これも生物の活性度を見る方法が確立したことで分かったことであ
る。

4.日本の今後
日本の次をしっかり見据えないと、日本は衰退してしまう。中国と
日本が技術的な意味で連邦制のような感じになっている。退職技術
者や研究者の質と言う意味で中国と日本は連携していく必要がある。

先生と話していると、日本の今後が見えることになる。
日本は拡大日本として技術者や工場を世界に送り出している。日本
は母工場や研修所に特化するしかない。需要の中心は日本以外で
あるために、そちらで作るしかない。日本は地道な研究することに
適した民族であり、その特性に会った研究を行い、世界に貢献する
ことでしょうね。その特性合った研究とは生物研究のような気がす
る。
==============================
数兆円の特需の可能性…ロシアも新幹線技術に注目
(SANKEI)

 ロシアのモスクワ〜サンクトペテルブルク間を結ぶ「ロシア新幹
線」の建設に向け、ロシア側の鉄道関係者らが来日し、日本の鉄道
関連メーカーと接触していたことが17日、分かった。世界的にも
高い水準にある日本の鉄道技術の調査などが目的。現時点では技術
供与など具体的な協議には進んでいないもようだが、ロシア側は調
査を元に計画策定に向けた検討を進める方針。台湾新幹線に次ぎ、
日本の新幹線技術が海外に進出する可能性もある。

 今回、来日したのはロシア鉄道傘下のスコロスヌィエ・マギスト
ラリ社(モスクワ)のセルゲイ・クロノプロ総裁ら「ロシア〜サン
クトペテルブルク間高速鉄道運行プロジェクト」の一行。同プロジ
ェクトは、モスクワ〜サンクトペテルブルク間の約650キロを2
時間程度で結ぶ、時速350キロの高速鉄道新線を建設する計画だ。

 一行は、16日に東芝・府中事業所を訪れ、車両・交通システム
などを扱う現場を視察したほか、日立製作所や三菱電機、川崎重工
業などの国内メーカーを精力的に訪問した。また、JR東日本の技
術担当の石田義雄副会長らとも懇談した。

 メーカー側は今回の訪問について、「現時点では特に何らかの要
請があったとは認識していない」(東芝)、「ビジネスの話ではな
く、鉄道の経験やノウハウなど、お互いの情報交換にとどまった」
(JR東)としており、車両調達や技術供与など具体的な協議には
至っていないもようだ。

 ただ、寒冷地のロシアでは、耐寒性や耐久性など既存の高速鉄道
にない技術が必要で、建設費用は「少なくとも数兆円規模に上るの
では」(鉄道関係者)との指摘もある。このため、ロシア側は台湾
新幹線に採用された日本の高度な技術に注目しており、今後も調査
を継続する見通しだ。


コラム目次に戻る
トップページに戻る