2603.景気回復の原因



日本の景気がいいようである。その検討。   Fより

原因の1つが円安ウォン高で、世界的に韓国製品が日本製品より高
くなり、売れなくなっている。AV家電は松下、ソニー、日立、三
菱など日本製品がサムソン、LG電子に負けていた分野であるが、
円安のために韓国人までが日本に商品を買いに来る時代が到来して
いる。

造船でも日本が韓国に負けている分野であるが、この造船でも日本
が復活してきている。日本は特殊な構造の船に特化するしかなかっ
た。たとえば、二重底のタンカーなど数センチの隙間で鉄板を貼り
付けるロボットを開発した日本しかできない分野があった。しかし
、単純な貨物運搬船やコンテナ運搬船などは韓国に取られていた。
そして、ウォン高で一転して、日本での製造の方が安い事態になっ
ている。

特にAV系では日本製に比べて韓国製の方がデザインが良いという
ことで高額に設定できるのでしょうが、その値段があまりにも高額
な方向に離れると日本製が優位になるようだ。

AV家電も造船も中国が急激にその生産量を増やし、かつその製造
コストも安いために価格も安い。このため、低価格分野は、確実に
中国製になっている。しかし、まだ、この品質は低く発展途上国向
けに限られている。

日本は物作りで生きている国家であり、商業国家ではない。商人や
金融業界が中心ではなくて、工業製品が中心の国家であり、その工
業製品が他に比べて優位にないと、日本の将来はなくなると見てい
る。しかし、円安が日本の復活に繋がっている。

自動車など海外生産が多い分野は、韓国現代との戦いは品質や性能
であるが、現代の車が米国で売れなくなっている。値段より下取り
価格の下落が日本車に比べて大きいということが原因のようである。

日本のトヨタ、ホンダはハイブリット車が好調で、現代はハイブリ
ット車を持っていないことにもよる。日本車でも日産車が米国で売
れていない原因でもある。日本はいつも先端技術を手にして新しい
工業製品を作り続けなければならない。それがないと日本製品は売
れない。

海外の日本製品が好調であることを受けて、国内景気もどうも好転
したように感じる。

好景気を実感するのは、5月の連休をヨーロッパで過ごそうとして
ネットで予約しようとすると、ほとんど満杯であるし、それではと
旅行代理店で小笠原を予約しようとしても満杯、沖縄も満杯という
ように、どこにもいけない状態である。この数年経験したことがな
いような旅行ブームである。お金がとうとう家計に回ってきたこと
なのでしょうね。しかし、5月連休を家で過ごす事になりそうで、
私として面白くない状態にはあるが、どうしようもない。

また、知人から聞くと募集を掛けても人が集まらないという人手不
足で仕事は沢山あるのに、断っている状態にあるという。ここでも
景気の回復を感じることになる。人事担当は地方回りをしてでも人
員を集めようとしているし、レベルを下げて募集を掛けることも考
えていることのようだ。

このため、ニート・フリーター問題はこの景気回復で解決するよう
な気がする。また、この頃、マクドナルドでも高齢な店員が増加し
てきている。ここでも人手不足が深刻になっていることを感じる。
売り手市場から買い手市場に労働市場は変化した印象を持っている。

労働市場の変化は、消費の変化を引き起こすことになる。それが5
月連休の旅行ブームのように感じる。
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円安が変えた韓国人の消費パターン 100円=780ウォン時代到来 
韓日の物価逆転現象【朝鮮日報】

 ホームシアター機器に関心のあるサラリーマンのヤンさん(41)
は、来月日本へ出張に行く際、年内に国内発売予定の三菱製のホー
ムプロジェクター(LVP-HC1100)を購入するつもりだ。日本で同製
品は10万7999円で販売されており、ウォン換算で(100円=800ウォン
基準)86万ウォンだ。一方、価格比較サイトのエヌリドットコムで
調べた同モデルの国内最低価格は135万ウォンだった。日本現地での
価格が49万ウォンも安い。入国する際に税金を払っても、日本で購
入するほうがずっと安いのだ。

 円安で韓日の物価逆転現象が起こり、日本旅行が急増。日本製品
を購入する代行サイトを通してゴルフ用品やブランドなど高価格製
品を購入するケースも増えている。また国内の百貨店では、日本の
食料品の売り上げが急増している。円安が韓国人の消費生活を変え
たのだ。

 円の価値はここ数年で劇的に変化した。2004年に100円=1100ウォ
ンだったのが、現在は100円=780ウォンになった。100円の日本製品
を購入するのに1100ウォン払っていたのが、780ウォンを払えば済む
というわけだ。
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12月の失業率、4.1%──06年の有効求人、14年ぶり1倍台回復

 総務省が30日発表した昨年12月の完全失業率(季節調整値)は4.1
%で前月比0.1ポイント上回った。男女とも完全失業率が前月比0.1
ポイント悪化した。ただ2006年平均の完全失業率は4.1%と4年連続
で低下。厚生労働省が同日発表した06年平均の有効求人倍率(原数
値)も1.06倍と前年を0.11ポイント上回り、14年ぶりに1倍台を回復
した。両省とも「雇用情勢は改善を続けている」との判断を維持し
た。 

 完全失業率は15歳以上の働く意思がある「労働力人口」の中での
完全失業者の比率。昨年12月の男女別の完全失業率(季節調整値)
は男性は4.3%、女性は3.8%。女性で自己都合の完全失業者が3カ月
ぶりに前年同月を上回るなど「より良い職を求める積極的な失業が
増えている」(総務省)。 

 06年平均では景気回復で多くの企業が積極雇用に転じ、雇用者数
は5472万人と前年比79万人増加、1953年の調査開始以来、過去最高
だった。なかでも非農林業の従業員数1―29人の小企業の雇用者数が
4年ぶりに増加した。 

 一方、職を求めている人に対して企業の求人がどのくらいあるか
を示す有効求人倍率は昨年12月には1.08倍(季節調整値)となり、
前月を0.02ポイント上回った。年間で見ても有効求人数は前年比
6.1%増で4年連続で前年を上回った。 
[1月30日/日本経済新聞 夕刊]
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▼韓国紙・中央日報
 中国の商用車製造大手、福田汽車の最高経営者は「五年以内に韓国自動車に追い付く」
 と予測した。生産台数は既に韓国を追い越し、独自のエンジンを作れるほどに技術力も
 向上した。「安物」を作っていた以前の中国を考えては誤算だ。中国がインテル、GE
 など八百ほどのグローバル企業の研究開発(R&D)センターを誘致して西欧の先端技
 術を熱心に学んだ結果だ。

 日本も韓国の追撃圏内から外れた。日本のメーカーは昨年の景気回復により設備投資を
 21%増やした。技術が優れて労使関係が安定した日本企業が、投資まで増やせばかな
 う相手はない。実際に日本の部品に対する依存度はますます大きくなっている。現代自
 動車や三星電子の携帯電話にも間違いなく日本の部品が使われている。

 こういったことを理由として対日貿易赤字が昨年、二百五十三億に達した。最終製品
 は中国と競争し、核心部品は日本に頼っていたのでは、韓国企業の境遇が困窮するほか
 ない。そうしている間に経済の基礎体力ががたっと落ちた。昨年の製造業の生産能力は
 前年比3・1%増にとどまった。四年ぶりの最低値だ。大韓商工会議所によると売り上
 げで上位から五百番目までの企業の中で、55%が「自社の業種は、将来に向けて有望
 な産業ではない」と回答した。

 成長の原動力が弱化し、意欲もビジョンもないというのは、何とももどかしい。誰かを
 とがめる前に企業が先に奮発しなければならない。失敗を恐れない起業家精神で武装し
 て、日本と中国を勝ち抜く方法を見つけてほしい。政府も、今からでも市場と企業を尊
 重する政策に切り替えてほしいと思う。国民が願うのは活力ある経済と豊富な働き口だ。

 毎年10%ずつ成長する中国と20%ずつ投資を増やす日本を見ればわれわれに与えら
 れた時間はあまりない。(二月二十一日)

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