5819.数学の映画



数学の映画
From: 小川 眞一
得丸さん 及び 皆様

最近見た映画で「奇跡がくれた数式」が面白かった。
独学で数学を学んだ名もないインド・マドラスに住む若い事務員と
イギリス・ケンブリッジ大学の老齢数学教授との出会いによる数学
の大発見の実話である。
舞台は我々が数年前に出かけたインド・マドラスとイギリスのケン
ブリッジである。トリニティカレッジに初めて撮影が許可された
映画で、第2次大戦中でもあり、インド人に対する差別のなかでの
研究活動を描いている。
この中でインド人天才数学者のラマヌジャンが数列、連分数に関す
る定理を次々と発見するのだが、証明がなされていないと英国人教
授が責め軽視するところである。数学は発見と証明の両方が必要で
あるが、証明もなされずにどんどん新しい定理が浮かんでくるらし
く、次々と出すのだが誰も認めようとしない。既存のケンブリッジ
の権威数学者たちは、さらに軽視し反論する。共感した主人公のイ
ギリス人数学者が反対派に逆らい証明を助け、最後に大発見とされ
て認められフェローに就く物語である。新しい理論は証明の正しさ
よりも先に浮かんでくるものです。しかし常に権威者から軽視され
るようです。発想する仮説はどんどん出していろいろな論議をして
試行錯誤するが良い。日本の大学では、正確さ、厳密性を重視して
権威者の批判が強すぎるようです。
 言語学においても同様であろうかと思います。新説の反対者にめ
げず研究に励んでください。
小川
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Re: 数学の映画
From: tokumaru
小川さん、

映画「奇跡がくれた数式」のご案内ありがとうございました。
新しい説は、南アフリカの人類学・考古学でも大変苦労していて、
アウストラロピテクスアフリカヌスは30年くらい、認めてもらえ
ませんでした。

クラシーズ河口洞窟の発掘は、その話が出てきたころ、南アフリカ
考古学調査所という国の組織が理由もなく廃止されたりして、
いまだに世界的には無名です。

人類は自分が誰かを知りたくないのでしょうか。

得丸
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奇跡がくれた数式、見てきました
From:tokumaru
皆さま、

映画「奇跡がくれた数式」をみてきました。

正の整数はすべて友達で、女神が数式を教えにきてくれるという
天才数学者の話。シンプルでやや悲しい筋立てとはいえ、なかなか
面白かったです。

それにしても数学者は本当にマニアックで、変人ぞろいですね。
でも現代の数学者は、この時代ほど純粋じゃないのでは?と思いま
した。

1970年代に、おそらく50年近くぶりでその数学者のノートが
発見されたという話がエンディングで紹介されていましたが、50
年たってようやく書いたことの意味を理解できる人が現れたのだと
すれば、それだけで本人はあの世で喜んでいることでしょう。

映画に出てきた天才数学者は、王立協会のフェローになり、ケンブ
リッジ大学トリニティーカレッジのフェローになったからよかった
という気もしますが、本人はそれよりも好きな数学をひたすらやり
たかったのでは。
もちろん本国の大学の権威は我々の想像の及ぶところではないので
しょうが。


南アフリカの考古学は、ケンブリッジで学んだ南ア人が始めたので
すが、そのジョン・グッドウィンという学者が1959年に60歳
前で亡くなると、ケンブリッジ人脈がたくさん入ってきて、南アフ
リカ人の考古学とは別の考え方で考古学が進んでいきました。イギ
リスと旧植民地の関係はなかなかむずかしいものがありますね。


デジタル言語学、月誕生のカラハリ隕石起源説、道元と弟子の関係
、シャノン理論と、このところ社会から受け入れられにくいことば
かり思いついている僕ですが、それぞれ自分では面白いと思ってい
ることが、他の人にはどうして面白くないのか不思議ではあります。

でも、そんなことを気にしても仕方ないので、この誘惑の少ない大
分でできるだけ効率よく論文を書くことを心掛けています。

面白いもので、英語でも日本語でも、没になった論文が山のように
あるために、次の論文を書くときにそれがゲノムとして利用できる
ので、わりと効率よく論文が書けています。

あとは英語力、構成力、、、、、。いろいろと課題はあります

人間は、それぞれ生きているうちに、自分なりの仕事をして、最後
にそれを言語化してまとめることが求められているのだと思うので
、今のところは、全力を尽くして先へ先へと理論を進めるほかはな
いのでしょう。

得丸
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Re: 奇跡がくれた数式、見てきました
From: Yuji Takeshita
得丸さん

私もそう思います。

私は今年の夏にB社に転職して、現役をセミリタイヤしました。
38才で同世代より一足先早く老後の生活に入ることが出来ました。
お陰で仕事は全くプレッシャーを感じず、家族を大切に楽しく生き
ることが出来るようになりました。

先日、会社に頼まれ慶応のMBAで授業をしました。
B社としてのブランドマネージメントの授業をすべきでしたが、内容
の半分は鈴木先生の本を基に下山の時代、人にはどれだけのものが
必要かについてお話しました。
後のアンケートを見ると、上昇志向の人が集まると思われるMBAで、
不思議の程、受け入れられていました。鈴木先生の本を読んでみま
すという人が何人かいました。

今の私には私にどれだけのものが必要か、一度きりの人生を私らし
くどう生きれば良いか、良く分かってきたように思います。
得丸さんも世間がどうでも、自分らしく生きて下さい。応援してい
ます。

竹下
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ホモサピエンスとホモステュピデス
From:tokumaru@pp.iij4u.or.jp>
To: oyo@freeml.com
皆さま、

鈴木先生は、人類のことをホモステュピデスと呼んでおられますが、

私は最近、ちょっと別なふうに考えるようになりました。

現生人類の文明は、読み書き能力によって誕生した、というのが
最近のデジタル言語学の発見ですが、

読み書き能力によって、古典や外国の文献を正しく読み取ることが
できる人間がホモサピエンスであり、
そうでない人間はホモサピエンスではない

そんな気がしています。

人類は、読み書き能力や読書の大切さ、そして上手なやり方について
もっと真面目に考える必要があると思うのです。

得丸
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(Fのコメント)
私も竹下さんと同じで、得丸さんの生き方に共感していますので、
どうか、自分の使命と思うことに邁進してください。



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