5796.今後のリスク・プレミアム



まさかの米大統領選挙での接戦、FBIが再度クリントン候補のメール
について調査を開始したことで、楽勝ムードが一転、トランプ候補
の可能性も出てきた。このため、世界市場でリスク・プレミアムが
発生して、株価は急落している。ということで今後のリスク・プレ
ミアムを検証しよう。               津田より

0.現状、世界経済リスクはどうなっているのか?
このコラムでは、世界に存在するリスクを分析する記事が多い。こ
こで取り上げたリスクは、中国の経済破綻リスク、欧州銀行破綻、
特にドイツ銀行破綻リスク、米露核戦争リスク、資源価格暴落リス
ク、ヘリマネリスク、米トランプ大統領リスクを述べてきたし、終
わったが英国EU離脱リスクである。現時点、米トランプ大統領リ
スクで、世界の株価は暴落している。

中国の経済破綻リスクは、少し収まってきている。李克強指数が上
昇してきている。鉄道貨物輸送量は大幅な増加に転じ、電力使用量
も上昇してきている。この原因は、インフラ投資を増強しているこ
とと、鉄鋼減産や石炭減産を少し止めて、維持させているからであ
る。

ここで生み出す製品をインフラ投資で作る道路、鉄道、住宅などに
使っているからである。国営企業中心から民間企業にシフトする計
画を李克強首相の内閣が提案したが、それを却下した形であり、国
営企業中心の経済増強計画にしている。国営企業トップに太子党の
人たちが関わり、習近平総書記はその人たちの支持で支えられてい
るからである。

また、ドイツ銀行のCDSが低下してきているし、ドイツ銀行の取締役
会メンバー、クリスティアン・ゼービング氏は1兆4千億円の罰則
金とする米司法省との減額交渉について「良好な進展」があったと。
ということで、一時より懸念が和らいでいる。また、イタリアの銀
行破綻は世界的な影響あるとは思えないので、リスク自体が小さい。

米露核戦争リスクは、シリアでの米国の対応は何もしないこととの
選択であり、米国の作戦の中心をモスル奪還にして、アレッポの虐
殺から目を背けたようである。ということで、ロシアの勝利が確定
した。東欧での戦争リスクよりハッカー攻撃の方に目が行っている
ので、冷戦である事は確かであるが熱戦になることは、当面なさそ
うである。

資源価格下落で世界の景気は下押し指定していたが、この資源の中
心である原油価格が40ドルから60ドル程度に上昇して、OPECで
の会議で、まだ合意は出来ていないが、サウジは増産を控えると言
っているので、原油価格が30ドルまで下落する可能性はなくなっ
てきた。もちろん、価格上昇もそれほどでもない。

1.日本経済は
日本経済は、1ドル100円以上であり、昔と比べて円高ではある
が、日本企業の競争力を削ぐほどではない。企業決算でも増収減益
が多く、円高分の為替損益分に収まっている。日本経済の成長率は
0%であるが、活況である。潜在成長率が0%であり、潜在成長の
限界まで活況なのである、このため、人手不足にもなっている。

このため、トランプ大統領リスクが起こるまでは、日本の株価も、
1万7000円半ばまで上昇していた。

どうも、世界的にも経済成長が復活しているようである。米国の経
済は、徐々にではあるが上昇しているし、新興国経済も資源価格が
上昇してきたことで、下げ止まりブラジルの株価は大幅な上昇にな
っていた。

世界経済は、成長率は低いが下落はしていないので、トランプ大統
領リスク発生までは、株価も横ばいか上昇になっていたのである。

2.リスク・プレミアムの後
英国のEU離脱国民投票後、ポンドが大幅な下落になり、英国経済
はプラス成長になっている。その上、英高等法院は、英国が欧州連
合(EU)離脱手続きを正式に開始するためには議会の承認が必要
になるとの判決を下した。英国議会の議員はEU離脱反対派が多く
、国民投票で決まったので、多くの条件をつけて実質的にEU離脱
ができないようにすることが考えられる。

というように、英国EU離脱もできるかどうか、わからなくなって
きた。また、思い出して欲しいが、英国EU離脱後の株価上昇スピ
ードは早くて、1ケ月もしないで、元の水準を回復している。経済
は悪くないのに、リスク発生というチャンスを捉えて、ヘッジファ
ンドなど機関投資家は、空売りをしてくる。必要以上に株価を下げ
ることになる。

EU離脱後の株価下落時は、買いの大きなチャンスであったことに
なる。

今回の米トランプ大統領リスクも、終われば株価は大幅な上昇にな
るはずである。しかし、投資はご自身の判断で来ない、情報の提供
として、この記事を考えてくださいね。

3.次のリスク・プレミアムはいつか?
今回のトランプ大統領リスクは大きなチャンスになっている投資家
も多いように思う。リスクが出たら、素早く売り抜けて、リスクが
収まったら、素早く買うようにすれば、大きな儲けを手に出来る。

ということで、リスク・プレミアムは大儲けのチャンスなのである
とも言える。経済成長率があまり上がらない現状では、企業成長に
よる株価上昇は、新興企業やベンチャーしかないが、その企業は倒
産の可能性も高い。とすると、大企業投資で儲けを出すには、リス
ク・プレミアムの発生が1つの機会を作ってくれているように感じ
る。

ということで、次のリスク・プレミアムはいつ来るのか?というこ
とになる。

1つ目には、12月米利上げ中止リスクでしょうね。FRBフィッシャ
ー副議長は講演で「最近の経済指標は追加利上げの根拠をさらに強
めた」と述べて、確率が70%にもなっている。市場も織り込んで
いる。この市場予想を覆すとリスク・プレミアムになる。

事実、HSBCホールディングスとロイヤル・バンク・オブ・カナ
ダ(RBC)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グルー
プ(RBS)は12月14日に終了するFOMCでも政策金利が維持さ
れ、利上げなしと予想している。

2つ目には、日本に財政危機が迫っており、ヘリマネや「預金封鎖
」「通貨切り替え」「財産税」といった財政再建策について財務省
で検討が行われたようである。暴力的な政策は無理であるが、ヘリ
マネなどの方法で通貨価値を下げて、その後、通貨切り替えする可
能性はある。このようなことになったら、リスク・プレミアムにな
り、円暴落と株価暴落するが、その後株価急騰になることが予想で
きる。

3つ目には、中国経済破綻である。人民元安になっているのは、中
国人民銀行が人民元札を無限大に印刷して、市場に出しているので
、通貨量を増やしているからである。国営企業に無制限に貸し出し
ていることによる。

このため、中国人は人民元をドルに代えて、海外に資産を移すこと
で、資産を守るようにしている。中国富裕層の資産管理を手掛ける
クレジットイースの上海駐在マネジャー、Huang Qing氏は「過去1
年間、われわれは多くの顧客の資産をドル建てに移動させる手助け
をしてきたが、最大のネックはどうやれば人民元を法律に則って海
外に移せるかということだった」と話す。

中国政府は近年、人民元が突然急落する事態を防ぐために一連の資
金流出抑制策を打ち出してきたことで、簡単には資産を海外に逃が
すことができなくなった。しかし、人民元の価値を守るために、人
民元買い介入を政府は行い、このために外貨準備高が急減している。

どこかで中国の経済政策は行き詰まる。インフラ投資後、メンテナ
ンス・維持管理が必要になるが、国営鉄道会社は大幅な赤字になっ
ている。30万都市に全て高速鉄道を通すというのは、無理がある。

いつまで、このモデルが持つのか、数年か、数十年か、分からない
が、いつか破綻する。その破綻前に農民への社会保障を確立して、
消費経済にシフトできるかが、問題のようである。

これからも、リスク・プレミアムが起こり、その都度、株価の大き
な変動が起こりり、儲けのチャンスが訪れるということである。

さあ、どうなりますか?

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12月利上げ「根拠強まる」
米FRB副議長が意欲
2016/11/5 06:49
 【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー
副議長は4日、首都ワシントンで講演し「最近の経済指標は追加利上
げの根拠をさらに強めた」と述べた。金融市場では12月の利上げ観
測が強まっていると説明し、金利引き上げに改めて意欲を示した。
 フィッシャー氏は金融政策の鍵を握る雇用情勢について「全般的
に見て今年はとても好調だ」と評価。4日に発表された10月の雇用統
計で、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比16万1千
人増えたことにも触れ「労働市場はFRBが目標とする最大雇用の状態
に近い」とした。
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トランプ氏の影におびえる市場 
NQNニューヨーク 野見山祐史
2016/11/5 8:01日本経済新聞 電子版
 米大統領選が大詰めを迎えるなか、共和党候補、ドナルド・トラ
ンプ氏の影が市場を覆っている。リスクを避ける動きは市場のあち
こちに広がる。選挙結果がでる来週まで、投資家は嵐が通り過ぎる
のをじっと待つ。
 36年ぶりの9日続落――。多くの投資家が運用の指標にするS&P
500種株価指数が4日、0.2%安で終え、1980年以来の珍事となった
。ダウ工業株30種平均も7日続落し、4カ月ぶりの安値をつけた。
 投資家…
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預金が下ろせなくなる?国の借金1000兆円を国民に負担させた「預
金封鎖」とは
dot. 2016年11月5日diamond
?2016年10月、日本銀行の日本国債の保有残高がはじめて400兆円を
突破した。日本の国債の発行残高は約1100兆円なので、日銀保有分
はその4割近くに達していることになる。日銀が異次元緩和を導入し
た2013年当時の保有残高は約130兆円だったから、3年半で約3倍だ。
先進国では類を見ない異常な数字である。
?その一方で、民間銀行は逆に「国債離れ」が顕著だ。三菱東京UFJ
、三井住友、みずほの3メガバンクを合わせた6月末の国債残高は
43.1兆円で、3月末から8兆円弱減らしている。長期金利が上昇する
との懸念が高まっていることに加え、マイナス金利政策の影響で10
年物国債でもマイナス金利の落札が頻発している。これでは国債を
満期まで保有すると損失が出てしまうことになる。民間銀行は国債
を日銀に転売することでそれを回避しようとしているのだ。このよ
うな状況下で、日銀だけが大量に国債を買い続けている。
?この異常な動きの裏で、日本にいよいよ財政危機が迫っており、政
府もそれに備えた行動を始めていると指摘するのは、『預金封鎖に
備えよ』(朝日新聞出版)の著者・小黒一正法政大学教授だ。
?2015年9月に財務省の財政制度等審議会において「戦後の我が国財
政の変遷と今後の課題」と題した資料が出された。そこでは、太平
洋戦争終戦直後に断行された「預金封鎖」「通貨切り替え」「財産
税」といった暴力的な財政再建策についての検討が行われたという
のだ。小黒教授は「マイナス金利を含めた現在の異常な金融政策は
、日本を『第二の敗戦』に陥れるかもしれない」と警鐘を鳴らす。
?日本は終戦直後、莫大(ばくだい)な戦費による財政危機とハイパ
ーインフレに陥った。そのとき、危機脱却を名目に政府がとった施
策が尋常ではなかった。5円以上の旧銀行券をすべて銀行などの民間
機関に預けさせ「預金封鎖」するというものだったのだ。引き出せ
る金額は月に500円(夫婦と子ども1人の標準世帯の場合。現在の額
でおよそ20万円)までに制限し、必要な額だけを新銀行券で引き出
させるようにした。
?また、それと並行して数々の新たな特別課税を断行した。なかでも
「財産税」は、一定額を超える預貯金、株式、不動産などの財産に
一回限り特別に課税するというものだが、最高税率が90%だったと
いうから驚きだ。戦後のただでさえ苦しい生活の中で、国民にとっ
てはまさに地獄のような状況であったと想像できる。
?そのあとわずか数年で危機は収束するが、結局今の額で約1000兆円
を当時の国民が負担したことになる。政府の負債と言っても、その
ツケを払わされるのはつねに私たち国民だということを忘れてはい
けない。
?小黒教授によれば、2016年1月に導入されたマイナス金利政策も、
実は国民預金への課税装置と捉えることができるという。
?当たり前のことだが、通常、政府が国民の財産や所得に課税するに
は、国会の議決や承認が必要である。安倍政権が消費税増税を再度
延期せざるをえなかったように、これは政府にとって容易なことで
はない。しかし、マイナス金利政策はすべて日銀の独断で行うこと
ができるのだ。マイナスの幅にも限界の規定はなく、極端に言えば
マイナス100%にすることも可能だ。
?日銀はこれを利用して、日銀当座預金(民間銀行が日銀に預けてい
る預金)の大部分を没収し、国債と相殺することで債務処理を行う
ことができる。日銀当座預金の原資は私たちの預金だ。これは私た
ちのお金が間接的に収奪されることにほかならない。
?実行に移されるかどうかは別として、マイナス金利政策の導入によ
って、日銀と政府はそうした課税の「ツール」を手に入れたのだと
小黒教授は警告する。
?終戦直後のようにあからさまな形ではないにせよ、あの手この手で
国民から資産を収奪するための準備が、すでに進められているのか
もしれない。その意味では、国の借金の私たちへの押し付けはすで
にはじまっているとも言える。そしていよいよ財政が破綻した際に
は、緊急措置などと称し、なりふり構わない行動に出るだろう。最
悪の場合、預金封鎖や財産税といった悪夢がよみがえるかもしれな
い。
?では、国家からの収奪の可能性に備え、私たちはどうすればよいの
か??実は、終戦直後の預金封鎖や資産課税の際には、いろいろな「
抜け道」があったと言われている。事前に情報を得て、預貯金を大
量に引き出し株券に替え、新銀行券に切り替わって安定してから現
金化するという人たちが存在した。また、資産を貴金属などに替え
て隠し、課税対象の捕捉から逃れた人たちもいたという。
?現在なら、そうした資産防衛策としてほかに考えられるのは、最近
よく話題にのぼるビットコインなどの「仮想通貨」かもしれない。
仮想通貨は通常の通貨とは異なり、保有していれば世界中のどこで
も使える。海外への送金も金融機関を介さないため手数料がほとん
どかからない。円を仮想通貨に替えておけば、国から資産を守るこ
とが可能だ。
?最も確実な資産防衛につながることは何か。それは、国がしっかり
財政再建できるような方向にコミットしていくということだろう。
「社会保障は手厚いほうがいい、税金は安いほうがいい」当然みな
そう考えるが、それでは財政破綻は確実だ。国が破綻すれば、私た
ちの資産は毀損され、人生設計も大きく狂う。
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2016年 11月 5日 11:10 JST 
焦点:人民元安があおる海外投資、中国当局の「頭痛の種」に
[上海 2日 ロイター] - 中国政府は近年、人民元が突然急落す
る事態を防ぐために一連の資金流出抑制策を打ち出してきた。地下
銀行や投資手段としての側面が強い外国保険商品販売の取り締まり
、中国企業による海外企業合併・買収(M&A)に対する審査強化
、外貨購入制限などだ。
しかし資産運用各社は、依然として顧客の海外投資を合法的に実現
する手段を見つけ出しており、人民元の安定に留意している当局に
は頭の痛い問題となっている。
中国富裕層の資産管理を手掛けるクレジットイースの上海駐在マネ
ジャー、Huang Qing氏は「過去1年間、われわれは多くの顧客の資
産をドル建てに移動させる手助けをしてきたが、最大のネックはど
うやれば人民元を法律に則って海外に移せるかということだった」
と話す。
顧客の欧米不動産購入を支援するクレジットイースは、最低投資額
を15万ドルに設定している。だが当局は個人の外貨購入を年間5
万ドルまでしか認めていない。
そこでHuang氏は「最低投資額達成のためには、顧客の家族すべての
5万ドルの割り当て枠を利用しなければならなかった。このやり方
こそ、われわれが知恵を絞ってひねり出したものだ」と胸を張った。
実際、そうした努力は実を結びつつある。今年4月以降、クレジッ
トイースは2本のドル建て不動産ファンドに中国の投資家から集め
た資金は3億ドルを超え、現在は3本目を立ち上げているところだ。
この手の動きがドル買い需要を拡大させて人民元の下げ圧力になっ
ており、10月28日には人民元の対ドル相場が6年ぶりの安値に
沈んだ。中国当局によると、1─9月の個人と企業の外貨購入額は
、4659億ドルを記録した昨年からはペースダウンしているとは
いえ、2434億ドルに達した。
金融機関は、最近の人民元安を顧客に海外投資を促す好機として利
用している。資産運用会社ジュパイ・ホールディングス(JP.N)は、
メッセージアプリ「微信」に掲載した広告で、「攻撃は最大の防御
だ。ドル建て資産投資は、人民元安リスクに対する実効性のあるヘ
ッジになり得る」とうたった。
中国政府は口先介入などを通じた人民元の先安観払しょくに躍起だ
。国家外為管理局(SAFE)の報道官は10月21日の会見で、
最近のドル高は夏の旅行需要といった季節要因が主導していると指
摘。10月19日付の共産党機関紙、人民日報は、元安/ドル高は
主にドルが強いためだが、元が一方的な下げ局面に突入しているこ
とは意味しないと強調した。実際の海外資金移動への締め付けも強
化し、カード決済サービス最大手の中国銀聯(チャイナ・ユニオン
ペイ)は10月31日、本土の顧客がデビットカードやクレジット
カードを使って香港の保険商品を購入する際のルールを厳格化した。
それでも市場はまだ深刻にはとらえておらず、今後中国当局の「本
気度」が試されるとの見方が多い。
中国人の対米投資を支援するYuwo Capitalのある幹部は、足元で顧
客からの問い合わせが増加しており、一部は人民元の下落懸念を理
由に米国への投資計画を進めていると語った。
クレジットイースのHuang氏は、自身が外資系銀行で働いていた
2006年と今では状況が正反対になっていると指摘。当時は人民
元高が続く中で、顧客は資本規制のために人民元建て資産に100
万ドルを投資するのに丸1年要していたという。
(Samuel Shen、John Ruwitch記者)
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2016年 11月 4日 01:55 JST 
英高等法院、EU離脱に議会承認必要と判断 手続き遅延の可能性
[ロンドン 3日 ロイター] - ロンドンの高等法院は3日、英国
が欧州連合(EU)離脱手続きを正式に開始するためには議会の承
認が必要になるとの判決を下した。これに対し政府は上訴するとし
ており、離脱交渉の開始時期が遅れる可能性が出てきた。
高等法院は政府に上訴する権利を認めており、最高裁判所は12月
5─8日に審理を行う。
メイ首相は正式な離脱交渉を開始するためのEU基本条約(リスボ
ン条約)第50条発動について、政府は議会の承認なく行えるとし
、来年3月までに離脱通知を行い交渉を開始する方針を表明してい
た。
判決を受けメイ首相は報道官を通して、来年3月末までに交渉を開
始するとの計画に変更はないとし、今回の判決を受け離脱交渉をめ
ぐる日程が変更されることはないとの見解を表明。
報道官はまた記者団に対し「今回の件は英国の国内法に関するもの
であり、EUの法律には関係ない」とし、政府が上訴した後、最高
裁で決着するとの見方を示した。
高等法院は政府が離脱手続き開始に向け新たな法律を導入する必要
があるかなどについて具体的に示さなかったが、デービスEU離脱
担当相は最高裁が高等法院の判決を支持すれば、新たな法律の整備
が必要になるとの見方を示した。
6月のEU離脱の是非を問う国民投票では英議員の大部分が残留を
支持していた。今回の判決受け、理論上は議会がEU離脱そのもの
を阻止することが可能になるが、ロイターが前月実施した調査では
議員は現在は離脱を支持するとの見方が示されている。
イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は判決を受け、「
先行き不透明感が高まり、交渉入り後もボラティリティーが高まる
」と指摘。フォックス国際貿易相は判決に失望したとし、政府は6
月の国民投票の結果を順守するとの立場を示した。
また、離脱キャンペーンの中心的存在だった英独立党のナイジェル
・ファラージ党首はツイッターで、今回の判決で離脱決定が覆され
るのではないかと懸念していると述べた。
高等法院の判決を受け、ポンドは上昇し対ドルで約3週間ぶりの高
値を付けた。市場では、議会の承認が必要になれば英国が欧州単一
市場へのアクセスを失ういわゆる「ハードブレグジット」の公算は
小さくなるとの観測が出ている。
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ドイツ銀行、米司法省との交渉で合意に向けて「良好な進展」−取締役
Nicholas Comfort、Nicholas Brautlecht
2016年11月4日 01:46 JST
ドイツ銀行の取締役会メンバー、クリスティアン・ゼービング氏は
サブプライム時代の住宅ローン担保証券事業をめぐる米司法省との
交渉について、「良好な進展」があったと述べた。
  同氏は3日にハンブルクで開かれた会議で、「当行にとって非
常に難しい状況だ」が、「この4、5週間に良好な進展があった」
と述べた。「正当な合意を取り付けようと努力しており、実現する
との強い自信がある」と語った。
  ドイツ銀は同問題で米司法省から140億ドル(約1兆4400億円)
支払いを求められたと9月に明らかにしたが、交渉により減額を勝
ち取れるとの見通しを示している。
原題:Deutsche Bank Making ‘Good Progress’ on DOJ Deal, Sewing Says(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ
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年内の米利上げ、本当に実施か−プライマリーディーラー3行は疑問視
Yun Li
2016年11月1日 10:07 JST
米国で年内に利上げがあるとのコンセンサスが強まっているが、こ
れは間違いかもしれない。プライマリーディーラー(政府証券公認
ディーラー)の3行が指摘した。
  2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ決定を見込
むプライマリーディーラーは23社中1社もないものの、HSBCホ
ールディングスとロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)、ロ
イヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は12
月14日に終了するFOMCでも政策金利が維持されるとみている。
  過去を振り返ると、この3行に分がありそうだ。FOMCは当
初、今年4回の利上げを見込んでいたが、失望を誘う経済統計の発
表が相次ぐ中で見通しを繰り返し下方修正した。それでも年後半に
入ると成長が上向き、当局者からのタカ派的な発言が出たことで債
券市場は年内利上げの確率として71%を織り込んでいる。だが、
HSBCとRBC、RBSの3行は、利上げ実施には経済が上向き
インフレが加速しているとのもっと明白な兆候が必要とみている。
  HSBCの米国担当チーフエコノミスト、ケビン・ローガン氏
(ニューヨーク在勤)は「FOMCには今、慎重になる理由がある
」とし、「米経済の緩慢な成長に低インフレ、英国の欧州連合(E
U)離脱選択が世界に与える影響と、世界的に成長を鈍化させる兆
候はたくさんあり、政策引き締めには多大なリスクがある」と述べ
た。
  RBCとHSBCは来年4−6月期までFOMCは金融政策を
維持するとみているほか、RBSは来年も利上げはないと予想して
いる。
原題:Three of Fed’s Own Primary Dealers Warn Hikes on Hold Until 2017(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ
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中国:10月製造業PMI、約2年ぶり高水準−景気安定の継続示す
Bloomberg News
2016年11月1日 10:25 JST 更新日時 2016年11月1日 12:58 JST
中国の製造業活動を測る政府の指数は10月に上昇し、2014年7月以
来の高水準となった。堅調な消費が需要を下支えする中、10−12月
(第4四半期)に入っても経済の安定化が続いていることが示唆さ
れた。
  国家統計局が1日発表した10月の製造業購買担当者指数(PM
I)は51.2と、8、9月の50.4から上昇。ブルームバーグのエコノ
ミスト調査の予想中央値(50.3)も上回った。項目別では新規受注
が52.8(前月50.9)と、伸びが目立った。同時に発表された10月の
非製造業PMIは54.0。9月は53.7だった。PMIは50を上回ると
活動の拡大を表す。
  財新伝媒とマークイット・エコノミクスが別途発表した10月の
製造業PMIも約2年ぶり高水準となる51.2に上昇、市場予想を上
回った。
  今年に入り景気が安定化し、生産者物価指数(PPI)が2012
年以来初めてプラスに転じる中、中国当局は住宅の値上がりに加え
、企業債務やシャドーバンキング(影の銀行)商品の増加に伴うリ
スクの抑制に動きつつある。中国人民銀行(中央銀行)は1年以上
にわたって主要政策金利を過去最低水準に維持しているが、新たな
安定の兆しを受けて、金利据え置きを今後も続ける可能性がある。
  スタンダードチャータードの大中華圏経済調査責任者、丁爽氏
(香港在勤)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、
「極めて力強い数値だ」と指摘。「現在と先行きに関する経済指標
は共に10−12月期の経済成長にとって良い兆しとなっている」と述
べた。
  HSBCホールディングスのアジア経済調査担当共同責任者フ
レデリック・ニューマン氏(香港在勤)は、「今年導入された積極
的な刺激策がなお経済に浸透しつつあるものの、このところ政府は
不動産セクターにブレーキをかけており、向こう数カ月で成長率は
再び鈍化しそうだ」と話した。
原題:China Factory Gauge Jumps to Two-Year High, Services Strengthen(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ


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