5792.日露交渉は外交的なセンスが必要



ロシアとの交渉はロシアペースになっているような気がする。あく
までも、平和条約締結を前提に話していることを、プーチンにも納
得してもらう必要がある。

経済強力だけをロシアが得ようとするなら、日本とロシアが両方に
とって良い案件だけを先にするべきである。交渉中は、ロシアに経
済支援をするべきではない。

日本にとっても良い案件は、1つしかない。サハリンからのパイプ
ライン建設である。これは安価なエネルギー確保になり、日本によ
っても良い案件であるが、それ以外は、ロシアにとって良いことで
あり、日本はカネを出すだけである。

交渉の基本は、ギブ・アンド・テイクであることを日本の政府首脳
もキモに銘じて欲しい。

いいとこ取りをされるな。

さあ、どうなりますか?


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2016年 10月 31日 14:25 JST 
アングル:「未来投資」に陰り、ロシア支援優先で 看板掛け替え
懸念も
[東京 31日 ロイター] - 安倍晋三政権が最優先課題の1つに
位置付ける「未来投資」の存在感に、陰りが出つつある。政府内で
は年末に向けたロシアへの経済協力に主眼が移りつつあり、優先順
位が下がっているとの声が関係者から漏れる。安倍政権は発足以来
、政策を矢継ぎ早に打ち出すスピード感が市場の好感を呼んできた
が、看板の掛け替えに終わるケースが多発するようなら、市場評価
にも影響が出かねない。

<開催されない2回目の会合>
政府は今年6月にまとめた成長戦略で、人工知能(AI)やモノの
インターネット(IoT)など第4次産業革命を推進する官民会議
を設立することを決めた。   

ところが、会議に招く有識者の選定過程で「候補者の多くが既存の
会議と重複した」(政府関係者)ことから、産業競争力会議を廃止
する一方で「未来投資会議」を新たに設置。閣議決定した官民会議
は、設立が見送られた経緯がある。

未来投資会議は9月12日の初会合以降、開催されていない。個別
分野を集中的に審議する下部会合は断続的に行われているが、第4
次産業革命を正面から取り上げる議論は乏しい。

未来投資が盛り上がりを欠く背景には、ロシア支援の存在感の高ま
りがある。政府は北方領土問題と並行して、対ロシア経済協力の具
体策策定に注力している。

2016年度第3次補正予算の編成や衆院解散とも絡む可能性があ
り、政府・与党関係者からの注目度は高い。

一方で、自動車メーカーやIT企業は、第4次産業革命を見据えた
研究開発投資をすでに始めている。この分野で具体的な対応を検討
するには、相応の専門性と高い技術的知識が求められるが、ともに
政府サイドよりは各企業の知見が勝り、政府から企業に具体的な追
加対応を求めるには、様々な障害があるようだ。

<成長に不可欠な技術革新>
安倍政権はこれまで、「まち・ひと・しごと」や「地方創生」、「
一億総活躍」や「働き方改革」などの看板政策を次々と打ち出して
きた。

しかし、そのたびに新たな会議を設置し、大学教授や企業経営者を
呼ぶ手法に新味はなく、「すでに勢いを失った政策も少なくない」
との声が経済界からも出ている。

政府は2014年、IoT時代の到来を見据えて「ロボット革命実
現会議」を設置し、昨年1月には2020年の「ロボット五輪」開
催などを盛り込んだ新戦略を公表した。

同じ問題意識の下で新たに作られた未来投資会議に、「デジャブ(
既視感)を感じる」と話す政府関係者もいる。

一方、民間エコノミストの中には、潜在成長率の引き上げを果たさ
なければ、国内総生産(GDP)600兆円を2020年ごろまで
に達成するのは困難との声が広がっている。

未来投資会議の議論が空回りし、AIやIoT、ビッグデータなど
で具体的な進展が見られなければ「日本経済の拡大は見込めない」
(民間エコノミストのひとり)と懸念する見方もある。

「看板倒れ」になるのか、実効性を示せるのか──。アベノミクス
の成果を左右する大きな分かれ道になりそうだ。
(梅川崇 編集:田巻一彦)
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安倍政権に激震 日ロ首脳会談は北方領土“ゼロ回答”確実に
 2016年10月30日現代
 やっぱり北方領土は“ゼロ回答”に終わりそうだ。「有害だ」―
―27日、ロシアのプーチン大統領は、いつまでに日本との平和条
約を締結するか、期限を設けることについてこう発言した。
 菅官房長官は「簡単にすぐ(締結)できるものではない」と冷静
を装っているが、安倍政権に激震が走っている。
 12月15日の地元山口での日ロ首脳会談で、北方領土問題での
進展を目指していた安倍首相。しかし、島の返還どころか、スケジ
ュールすら立てられない空っぽの外交交渉になりそうだ。
 さらに、プーチンはこうも言っていて、政府関係者はショックを
受けている。
「強い信頼関係にある中国との国境画定交渉ですら40年を要した
。残念ながら、日本とはその水準に達していない」
 40年とは気が遠くなる。安倍首相が胸を張っていた“信頼関係
”は、完全に足蹴にされた格好だ。元外務省国際情報局長の孫崎享
氏はこう言う。
「プーチン大統領は国民から高い支持を得ているイメージがありま
すが、ナショナリズムをベースにしたもので、安定したものではな
い。5月のロシアでの世論調査では8割が日本への島の引き渡しに
反対しています。国内世論を無視してまで、日本との交渉を進展さ
せるつもりはないでしょう。日本側は歯舞、色丹でリップサービス
してくれるのではと期待がありましたが、今回の発言でそれもなく
なりました」
■日ロ経済協は着々
 ロシアサイドは、8月ぐらいまでは、色よい返事をしそうな姿勢
だったという。だから日本側も経済協力を約束し、ロシア経済分野
協力担当大臣までつくった。ところが最近になって、突然、かたく
なな態度になっているという。安倍首相はプーチンの術中にはまっ
てしまった可能性もある。
 12月の日ロ首脳会談はどんな内容になるのだろうか。
「酒を交わして、真剣に協議していきましょう、という感じでしょ
うか。“成果”とは呼べないレベルで、解散総選挙の土産にはなら
ないでしょう。そもそも、本気で締結に向けて詰める気があるなら
、東京で開催すべきです」(孫崎享氏)
 ロシア政府は25日、日ロ経済協力計画で、極東ロシアの事業規
模が約1.7兆円超に達すると発表した。安倍首相は5月、ソチで
プーチンに経済協力のプランを提案している。経済協力の方は着々
と進行している。
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プーチン氏発言に戸惑い 日本政府、12月来日控え
2016年10月28日 19時44分
 政府内で28日、北方領土問題解決に向けた日ロ平和条約締結交
渉に期限を設けるのは「有害」だとしたプーチン・ロシア大統領の
発言を巡り、戸惑いの声が広がった。在任中の解決を目指す安倍晋
三首相との食い違いが表面化したためだ。プーチン氏の12月来日
を控える政府は、発言の真意を慎重に探る方針だ。
 萩生田光一官房副長官は28日の記者会見で「両国は背景が違う
。さまざまな考えの違いがあるのはやむを得ない」と述べ、プーチ
ン氏発言への論評を避けた。批判的に取り上げればロシアを刺激し
、交渉に影響を及ぼしかねないと判断したためとみられる。
(共同)
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プーチン大統領 北方領土問題解決「今は答えられず」
10月28日 7時05分NHK
ロシアのプーチン大統領は、北方領土問題の解決を含む日本との平
和条約の締結の見通しについて、「解決を望み、そのために努力す
るが、いつどのように行われるのか、今は答えることができない」
と述べ、領土問題の早期解決に期待を寄せる日本側をけん制しまし
た。
ロシアのプーチン大統領は27日、南部の保養地ソチで内外の国際
政治学者などとの会合に出席し、3時間以上にわたってロシアを取
り巻く国際情勢について意見を交わしました。
この中で、北方領土問題の解決を含む日本との平和条約の締結の見
通しについて、「期限を決めるのは不可能で有害だ」と述べ、あら
かじめ期限を定めて交渉するべきではないという考えを示しました。
そして、中国と国境画定で合意した例を挙げて、「中国とは戦略的
なパートナー以上の、これまでにない協力のレベルに達した。残念
ながら日本との関係はそのような質に至っていない」と述べ、交渉
で歩み寄るには経済などの幅広い分野の協力関係が前提となると強
調しました。
そのうえで、「日ロ両国ともすべての問題を最終的に解決すること
に関心がある。われわれは解決を望み、そのために努力もするが、
いつどのように行われるのか、そしてそれができるのか、今答える
ことはできない」と慎重な姿勢を示し、ことし12月に予定されて
いるプーチン大統領の訪日に合わせて領土問題の早期解決に期待を
寄せる日本側をけん制しました。
官房副長官「信頼関係のもとで交渉進めたい」
萩生田官房副長官は閣議のあとの記者会見で、「安倍総理大臣とプ
ーチン大統領は、現在でも平和条約が締結されていない状態は異常
だとの認識で一致し、双方に受け入れ可能な形で領土問題を解決し
て、平和条約を締結する決意をすでに表明している」と述べました。
そのうえで萩生田官房副長官は、「プーチン大統領が発言した会合
が、どういう性格のものか十分承知していないが、少なくとも、日
ロ首脳会談というオフィシャルな場で積み上げてきた今までの話し
合いがあり、その信頼関係のもとで交渉を進めていきたい」と述べ
ました。



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