5787.イスラム教と科学、パンジャブの堆積平野とゴンドワナランド分裂



イスラム教と科学、パンジャブの堆積平野とゴンドワナランド分裂
From:tokumaru
皆さま、

バンコク空港まで戻ってきました。

今回のパキスタンは、昨年大分の学会に参加したパキスタン人の先
生がラホールとイスラマバードの間にある自宅に泊めてくださった
おかげで、コストもかからず、パキスタン料理を満喫しました。

パキスタンでは、遠くから客人がきたら、自宅に招いてご飯をご馳
走するのが喜びということで、朝、昼、晩と、どこかで招待を受け
てご馳走になっていました。

パンジャブのどこまでも続く平原と豊かな水、そのおかげで農作物
がたくさんとれる。四大文明の発祥した地域は余裕があります。

ラホールでの発表が終わって、ご自宅にまた一泊したのですが、そ
の際にも、アラビア語の専門家、イスラム学校の校長、地域の小中
学校の校長という3人の人たちと、お茶をしたり、ご飯を一緒にさ
せていただいたのですが、またもや「パキスタンについて何か感じ
たことはあるか」とみんなに聞かれました。
                 
核武装の話は別とすれば、今回一番不思議に思ったのは、酒も飲ま
ず、一日五回の礼拝を欠かさないムスリムの人々は、20世紀の科
学にはあまり貢献したように思えないことでした。

千年前には、世界の最先端にあったイスラム科学が、どうして20
世紀の世界の科学の発展と無縁だったのか。これは厳しい質問で、
アラビア語の先生は、「イギリスの植民地主義」、「アメリカの帝
国主義」などを理由にしていました。

そう言われると、逆に、いやそうではなくて、イスラムの教義かム
スリムの生活のなかに問題があるのではと思いました。

これについてはいろいろと考えが浮かんできて、その都度、相手の
方にぶつけてみたのですが、会話としては成立しませんでした。

(コーランの丸暗記がよくないとか、モスクから流れる大音響のス
ピーカーがよくないとか、ヒンズー教に比べて人間中心的であると
か、存在している証拠のない神に語りかけているそうだが祈りのと
きには沈黙したほうがよい、、いろいろ思いつきました。)

イスラマバードからバンコクに向かう飛行機の中で、インド亜大陸
の地形図を見ていたのですが、どうもインド亜大陸はカラチのあた
りでユーラシア大陸とぶつかって止まり、パキスタン西方やアフガ
ニスタンの山が褶曲してできたように見えました。

そしてユーラシア大陸との間にできた間隙に、山地からの土が堆積
してパンジャブやガンジス河のある平原が生まれたのだと思いまし
た。

この肥沃な堆積平野で、モヘンジョダロは生まれ、滅んだいった。
釈迦も生まれて、教えを説いていた。

イスラマバードも、ラホールも、デリーも、アグラも、ベラナシも
、みんなゴンドワナランドとユーラシア大陸がぶつかったときのす
き間に堆積した土の上にある。

ゴンドワナランドの分裂が地球と人類にもたらした影響は、ものす
ごいのだなあと思いました。

日本列島も、おそらくゴンドワナランドがユーラシア大陸にぶつか
ったときの衝撃で、ユーラシア大陸から分裂したのだと思います。

やはり人類なんて、所詮お釈迦さまの手のひらのうえで、活動して
いるだけにすぎないのかもしれない。そんな印象をもちました。

得丸久文


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