パキスタンの首都移転と核武装 現代という芸術アラカワ From:tokumaru 皆さま、 10月10日に日本を出てから、パキスタンの田舎にホームステイして 、のんびりしていました。 学会が開かれるラホールには月曜日の夜にきて、会議参加と今日の 昼に行う発表の準備をしています。 パキスタンは、のんびりとしていて、農業も盛んで、来てみると こんなにいいところだったのかと驚きました。 のんびりと昔ながらに生活をできているのは、核保有しているから じゃないかという気がして、こちらの方と話をしたら、やはりみん なそう思っているようです。 アフガニスタンもイラクもリビアもシリアも、みんなボコボコにさ れているときに、パキスタンだけこんなにのんびりしているという コントラストが、核保有だとしたら、核保有は正しい選択だったと いうことになります。 インドが核保有したからやむをえずしたわけで、先見の明があった というわけではないのでしょうが。 学会では、90分のワークショップ枠で申し込んでいたのですが、プ レナリーセッションの40分枠で発表することになり、かなり緊張し ています。 これまでは言語の起源を話していたのですが、それだけでは誰も納 得しないので、文字とコンピュータ・ネットワークが人間の知性に どう役立っているか、役立つだろうかという話も含めます。 質疑応答もけっこう盛んなんで、どうなるか楽しみです。 ラホールの街はまだまったく歩いていませんが、「ソング・オブ・ ラホール」の話をしても、誰も通じないのがちょっと残念でした。 では、お元気で。 得丸久文 ============================== 現代という芸術アラカワ パキスタンの首都移転と核武装 パキスタンの古都ラホールで開かれる第二回パキスタン国際言語学 会に参加するために一週間前からパキスタンに滞在している。友人 の住む農村にホームステイして、何千年も前から豊かな穀倉地帯を 形成するパンジャブ地方の文化や人情や食事を楽しんでいる。 道 路事情や機械化は遅れているけれども、人柄もよく、旅人に親切に してくれるため、居心地のよい旅になった。それにしてもどうして ここまでのんびりできるのかと思うほど、平和な農村風景である。 イラク、アフガニスタン、リビア、シリアといった国々が理由なき 攻撃を受けているときに、どうしてパキスタンだけがこんなに平和 でいられるのだらろうか。会う人ごとに、パキスタンをどう思いま すかと質問されるので、初日からずっと考え続けていたのだが、結 局のところ核武装のおかげだという結論になった。パキスタンの核 武装は、カシミール帰属問題をめぐって独立後三度の戦争を戦った インドが核武装をしたために、やむやく行われたものだが、核兵器 をもったがために、超大国から不条理な攻撃を受けることがなくな ったのだ。 そういえば、原子爆弾を2発も落とされて、日本はアメリカに報復し ないのかという質問を何人かからもらった。パキスタン人は、自分 から口にはしないが、核武装が重要であることを理解しているのだ ろう。こちらから、核武装が国を守るのに有効であることを学んだ というと、みんな嬉しそうな顔をして、同意する。 50年以上も前に首都をカラチから内陸のイスラマバードに移転した のも、防衛上の理由である。首都を移転したことは独立国の証であ ると、パキスタンをみて思った。 日本人は平和憲法の幻想をいだいたまま、滅びていくのだろうか。 ============================== e: ラホール幻想 From:tokumaru 小川さん、皆さま、 小川さんのラホール幻想読ませていただきました。 日本製品がパキスタンの核開発に協力したことを、以前だったら もっと複雑に思ったでしょうが、今は好意的に感じるから不思議です。 結局、ラホールでは、昨夜のご飯を旧市街の近くで食べ、今朝の散歩で ジンナー公園を散策したくらいで、ほかは何も見る機会がありませんで した。 昨日の基調講演は、「ラホールレクチャー」と名づけ、将来、言語学の 世界で2016年のラホールレクチャーとして有名になるかも、、、と いうところから始めましたが、予想外に大好評で、チョムスキー理論( 実際彼は理論として確かなものは何もないのですが)への挑戦も、 好意的に受け取ってもらえました。 基調講演をしたおかげで、記念の楯をもらったのがいいお土産になります。 11月のタカの会のあとに、一度、「ラホール講演(日本語版)」を 新橋でやろうと思っています。 これからラホールを出て、路線バスでイスラマバードの中間地点に 向かい、明日の夜の便でイスラマバードから日本に帰国します。 得丸久文