5785.パキスタンの首都移転と核武装



パキスタンの首都移転と核武装  現代という芸術アラカワ
From:tokumaru
皆さま、

10月10日に日本を出てから、パキスタンの田舎にホームステイして
、のんびりしていました。

学会が開かれるラホールには月曜日の夜にきて、会議参加と今日の
昼に行う発表の準備をしています。

パキスタンは、のんびりとしていて、農業も盛んで、来てみると
こんなにいいところだったのかと驚きました。

のんびりと昔ながらに生活をできているのは、核保有しているから
じゃないかという気がして、こちらの方と話をしたら、やはりみん
なそう思っているようです。

アフガニスタンもイラクもリビアもシリアも、みんなボコボコにさ
れているときに、パキスタンだけこんなにのんびりしているという
コントラストが、核保有だとしたら、核保有は正しい選択だったと
いうことになります。

インドが核保有したからやむをえずしたわけで、先見の明があった
というわけではないのでしょうが。

学会では、90分のワークショップ枠で申し込んでいたのですが、プ
レナリーセッションの40分枠で発表することになり、かなり緊張し
ています。

これまでは言語の起源を話していたのですが、それだけでは誰も納
得しないので、文字とコンピュータ・ネットワークが人間の知性に
どう役立っているか、役立つだろうかという話も含めます。

質疑応答もけっこう盛んなんで、どうなるか楽しみです。


ラホールの街はまだまったく歩いていませんが、「ソング・オブ・
ラホール」の話をしても、誰も通じないのがちょっと残念でした。

では、お元気で。

得丸久文

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現代という芸術アラカワ   

パキスタンの首都移転と核武装

パキスタンの古都ラホールで開かれる第二回パキスタン国際言語学
会に参加するために一週間前からパキスタンに滞在している。友人
の住む農村にホームステイして、何千年も前から豊かな穀倉地帯を
形成するパンジャブ地方の文化や人情や食事を楽しんでいる。 道
路事情や機械化は遅れているけれども、人柄もよく、旅人に親切に
してくれるため、居心地のよい旅になった。それにしてもどうして
ここまでのんびりできるのかと思うほど、平和な農村風景である。

イラク、アフガニスタン、リビア、シリアといった国々が理由なき
攻撃を受けているときに、どうしてパキスタンだけがこんなに平和
でいられるのだらろうか。会う人ごとに、パキスタンをどう思いま
すかと質問されるので、初日からずっと考え続けていたのだが、結
局のところ核武装のおかげだという結論になった。パキスタンの核
武装は、カシミール帰属問題をめぐって独立後三度の戦争を戦った
インドが核武装をしたために、やむやく行われたものだが、核兵器
をもったがために、超大国から不条理な攻撃を受けることがなくな
ったのだ。

そういえば、原子爆弾を2発も落とされて、日本はアメリカに報復し
ないのかという質問を何人かからもらった。パキスタン人は、自分
から口にはしないが、核武装が重要であることを理解しているのだ
ろう。こちらから、核武装が国を守るのに有効であることを学んだ
というと、みんな嬉しそうな顔をして、同意する。

50年以上も前に首都をカラチから内陸のイスラマバードに移転した
のも、防衛上の理由である。首都を移転したことは独立国の証であ
ると、パキスタンをみて思った。
日本人は平和憲法の幻想をいだいたまま、滅びていくのだろうか。

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e: ラホール幻想
From:tokumaru
小川さん、皆さま、

小川さんのラホール幻想読ませていただきました。

日本製品がパキスタンの核開発に協力したことを、以前だったら
もっと複雑に思ったでしょうが、今は好意的に感じるから不思議です。

結局、ラホールでは、昨夜のご飯を旧市街の近くで食べ、今朝の散歩で
ジンナー公園を散策したくらいで、ほかは何も見る機会がありませんで
した。

昨日の基調講演は、「ラホールレクチャー」と名づけ、将来、言語学の
世界で2016年のラホールレクチャーとして有名になるかも、、、と
いうところから始めましたが、予想外に大好評で、チョムスキー理論(
実際彼は理論として確かなものは何もないのですが)への挑戦も、
好意的に受け取ってもらえました。

基調講演をしたおかげで、記念の楯をもらったのがいいお土産になります。

11月のタカの会のあとに、一度、「ラホール講演(日本語版)」を
新橋でやろうと思っています。

これからラホールを出て、路線バスでイスラマバードの中間地点に
向かい、明日の夜の便でイスラマバードから日本に帰国します。

得丸久文



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