5783.米利上げでどうなるのか?



米国の大統領選挙は、90%位の確率でクリントン氏が大統領にな
るというし、米FRBは、12月に利上げを行うようである。このため
、これを見越した動きが出ている。

米国の利上げで、米株価が現状では高いので、調整が起きるという
が確実のようである。また、現状の債券価格も高いので、そこから
も引き上げになり、債券安株安ということになる。

米国債の利回りが上昇して、国債価格は低下している。債券や株か
ら米国債にシフトすることになる。

PIMCOの経済アドバイザー、ヨアヒム・フェルズ氏は「今年ボ
ラティリティが急上昇する確率は高まっている。市場は低金利環境
とハト派的な中銀に甘やかされ、すっかりおとなしくなっている。
この枠組みが試練を迎えるだろう。その時期は近いかもしれない」
という。

企業収益が低迷しているにもかかわらず、世界の主要株価指数の中
には過去最高値近辺で推移し、バリュエーションが過去10年間の
最高に近いものもある。トムソン・ロイターのデータによると、世
界の企業利益は今年1%の増加にとどまる見通しだ。

現状の欧米の株価が高いのである。この修正が起きるが、その修正
が日本の株価にも影響してくる。株取引が低迷しているが、日本も
同様である。

今日の東京市場でも、株価は17000円を超えることができないし、取
引も低調である。

さあ、どうなりますか?


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2016年 10月 19日 14:50 JST 
アングル:債券市場の動揺、年末にかけ世界的株安の引き金にも
[ロンドン 18日 ロイター] - 世界の債券利回りは今月、金融
緩和の変化が意識されて上昇している。この動揺が年末にかけての
政治イベントと共鳴すると、投資家が高騰した株と債券から大挙し
て資金を引き揚げる恐れもある。

今月は、主要各国が金融緩和頼みから減税や財政支出拡大にシフト
する兆しを投資家が察知し、過去最低まで下がっていた債券利回り
が急上昇した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)が世界のファ
ンドマネジャーを対象に今週実施した調査では、今後半年間、世界
の株価を動かす最大の要因は米国債利回りになるとの見方が示され
た。回答者の4分の3は、米国債価格は高過ぎると答えている。

今後数カ月間、市場に転換点をもたらしそうな政治日程は目白押し
だ。11月の米大統領選挙、憲法改正の是非を問う12月のイタリ
ア国民投票に加え、来年3月には英国が欧州連合(EU)離脱交渉
に着手する計画。来年はまた、ドイツとフランスで選挙が控えてい
る。

BAMLは顧客に対し、所得格差の縮小を求める声が高まっている
ため、各国政府の政策が金融資産の価格を押し上げている量的緩和
やマイナス金利から離れていくだろうとの見方を示した。

中央銀行サイドからも変化の兆しがうかがえる。米連邦準備理事会
(FRB)は12月の利上げを示唆し続けており、欧州中央銀行(
ECB)と日銀は追加緩和の示唆を控えるようになった。英国は国
民投票でEU離脱派が勝利して以来ポンドが2割近く下がったため
インフレが懸念され、イングランド銀行(中銀)の追加緩和の可能
性はさらに後退したようだ。

さらには石油輸出国機構(OPEC)の減産合意を受け、石油価格
は1月の底値から2倍近くに上昇しており、債券市場にとっては悪
材料がそろいかねない状況だ。

金融緩和で押し上げられた債券と株が下落すれば、投資家は年末ま
でに利益を確定しようと売りに殺到しかねない。

下落余地はたっぷりある。ロイターが四半期毎に調査している資産
23種類のうち、17種類は年初に比べて上昇している上、多くは
その幅が大きい。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)
の経済アドバイザー、ヨアヒム・フェルズ氏は「今年ボラティリテ
ィが急上昇する確率は高まっている。市場は低金利環境とハト派的
な中銀に甘やかされ、すっかりおとなしくなっている。この枠組み
が試練を迎えるだろう。その時期は近いかもしれない」と語った。

<横並びのリスク>
BAMLの最新の調査では、(1)優良株への投資(2)欧米の投
資適格級社債への投資(3)低ボラティリティ戦略─の3つが今年
、最も集中的に行われている取引だが、いずれも債券利回りの上昇
に弱い。

また、企業収益が低迷しているにもかかわらず、世界の主要株価指
数の中には過去最高値近辺で推移し、バリュエーションが過去10
年間の最高に近いものもある。トムソン・ロイターのデータによる
と、世界の企業利益は今年1%の増加にとどまる見通しだ。

欧州の銀行を巡る不安や中国の景気減速、米ドル高による新興国市
場やコモディティ価格への影響も、暗雲を広げ続けている。

シティグループのアナリストによると、現在は成長や物価、金利の
見通しが異例なほど安定しているが、それがリスクを生む恐れがあ
る。

シティのティナ・フォーダム、ティーア・レート両氏は「確実性が
高いとの認識は合意形成を生み、合意形成は慢心を、慢心はリスク
を生む。合意が形成された結果、市場のポジションが横並びになり
、一極に集中したときにはなおさらだ」と書いた。
(Jamie McGeever、Vikram Subhedar記者)
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 2016年 10月 19日 15:08 JST 
アングル:米銀の株式トレーディング苦戦、顧客が債券にシフト
[18日 ロイター] - 米大手銀行の株式トレーディングが苦戦を
強いられている。これまで第3・四半期決算を発表した各行のうち
、ゴールドマン・サックス(GS.N)とJPモルガン・チェース(JPM.N)
が小幅の増収を確保したが、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)
(BAC.N)とシティグループ(C.N)は収入が大きく落ち込んだ。

第3・四半期は銀行の顧客の資金が株式から債券へと戻った。銀行
幹部は米大統領選や英国の欧州連合(EU)離脱問題、米連邦準備
理事会(FRB)の利上げなどを巡る懸念を、株式トレーディング
退潮の要因に挙げた。株式は債券よりリスクが大きいとみられ、市
場の不透明感が強い局面では投資家に敬遠される傾向がある。

こうした市場環境に起因する株式トレーディングの減収は一時的と
思われ、銀行の事業戦略に影響しないだろうとの声が出ている。

ただ、ムーディーズ・インベスターズ・サービスの銀行アナリスト
、アナ・アルソフ氏は、第3・四半期の株式市場はボラティリティ
が乏しく、投資家が取引に積極的になる理由は少なかったと指摘。
株式トレーディングの落ち込みは、市場にある自然な循環の結果だ
との見方を示した。

株式トレーディングは利益率が比較的小さいにもかかわらず、銀行
はこれまで積極的に投資してきた。債券商品よりエクイティ関連商
品を保有する方が総じて資本規制の適用が緩やかになるからだ。

ノムラのアナリスト、スティーブン・チュバク氏は「エクイティ事
業の成長と持続力についてはある程度の不安があるものの、新たな
規制の枠組みの面では扱いがかなり銀行にとってフレンドリーだ」
と指摘した。

調査会社コアリションによると、銀行業界が獲得した現物株および
派生商品、プライムブローカレッジを含めた株式トレーディングの
収入は2010─15年に23%増加した一方、債券トレーディン
グは36%の減収になった。

第3・四半期のトレーディング状況についてバンカメのドノフリオ
最高財務責任者(CFO)は、株式が減収しても債券の増収がそれ
を補ったと強調し、全体としては問題なかったと説明した。

一方で最も重大な事態になっているのは、シティグループかもしれ
ない。経営陣は株式トレーディングにおける世界ランキングを現在
の8位ないし9位から5位か6位に引き上げる方針を表明している
。ところが第3・四半期の調整後のトレーディング収入は前年同期
比で32%減となり、複数の幹部はライバルとの厳しい市場シェア
争奪戦などが原因で取り組みの成果がまだ実を結んでいないと認め
た。

コルバット最高経営責任者(CEO)は「こうした環境では(成果
を出すまでに)少しばかり時間がかかる」と話した。

19日には株式をトレーディングの柱としているモルガン・スタン
レー(MS.N)が第3・四半期決算の発表を予定している。
(Olivia Oran記者)



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