5774.ドイツ銀行破綻で米銀も破綻の可能性がある



ドイツ銀行の破綻懸念が出ているが、ドイツ銀行が破綻するとCDSの
市場も混乱して、保険での支払いが多くなり、CDSを多額保有してい
る銀行も破綻の可能性が高くなる。

ドイツ銀行はCDSの保有を削減しているが、これを買っているのが、
米銀シティグループである。欧州銀行はCDSによる損害を縮小しよう
と手持ちのCDS債権を大量に売却しているが、その買い手がシティー
である。

2008年のリーマンショックで、多額の政府支援をもらったシティー
がまた、火遊びをしていることになる。金利ゼロの普通銀行業務だ
けでは利益が出ないからである。

中央銀行の金融緩和で企業は資金調達を社債にシフトしているので
普通銀行業務では儲けが出ずに、世界的に投資銀行業務にシフトし
ているが、その中でもCDSが一番簡単に利益ができる。保険業務であ
り、会社が倒産しない限り、丸儲けであるからだが、しかし、一度
、世界的な金融危機になると、連鎖的な支払いで破綻しかねないこ
とになる。

ということで、投資業務を行う銀行も危ないことになる。三菱も、
投資銀行があり、三菱UFJモルガンスタンレー證券の投資部門である。

ということで、投資銀行の1つが破綻すると、世界的な投資銀行の
破綻になることを知っておいて欲しいものである。

さあ、どうなりますか?

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2016年 10月 3日 12:03 JST 
コラム:ドイツ銀行の危機、「勝ち組」は誰か
John Foley and Neil Unmack
[ロンドン 30日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ドイツ銀行が
深刻な危機に陥ることで、得をする者はほとんどいない。しかし同
行が弱体化したまま生き延びるようなら、ひとまず勝ち組となる面
々もいそうだ。
ドイツ銀行の苦境は事業の弱さに起因するところが大きい。JPモ
ルガンがディーロジックのデータを基に分析したところでは、資本
市場とアドバイザリー業務の収入で、同行のシェアは過去1年に
20%縮小した。債券、為替、コモディティ(FICC)トレーデ
ィングのシェアはもっと大きく落ち込んでいる。奪ったのはゴール
ドマン・サックス(GS.N)、シティグループ(C.N)、JPモルガン(JPM.N)
といった米国勢だ。コアリションのデータによると、リーグテーブ
ル上位5行を現在、米銀が占めている。1年前にはドイツ銀が米銀
以外で唯一、トップ5に食い込んでいた。
ドイツ銀が、特に米国で投資銀行事業のさらなる縮小に追い込まれ
るとしよう。現在、大手グローバル行の中で株主資本利益率(RO
E)が最低限とされる10%を上回る銀行は皆無に近いが、ドイツ
銀が後退すれば米銀の価格決定力はわずかながら向上しそうだ。
イタリア政府も勝ち組となる。レンツィ首相がドイツの銀行を声高
に批判しているのは、自国の銀行と多額の不良債権から目を逸らす
狙いもある。欧州の規則により、イタリア政府が個人の債権者に損
失を負わせることなく自国銀行を救済するのは難しい。しかしドイ
ツ銀の苦境が深まり、政府に頼らざるを得なくなれば、イタリア政
府も大手行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ
)(BMPS.MI)を救いやすくなるだろう。
しかし他人の不幸を喜んでいる余裕はない。ドイツ銀行の存続が本
当に脅かされる事態となれば、世界に激震が走り、すべての大手銀
行の信頼に傷がつく。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS
)の取引価格を見る限り、今のところ問題が伝染している兆しは乏
しいが、イタリアについて言えば、経済の長期的な健全性を考えた
時、銀行救済のルールに逆らうのが理想的なやり方だとはとても言
い難い。
とはいえ、抑制された危機である限り、ドイツ銀行の危機は一部の
人々にとって悪い話ばかりでもない。
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【インサイト】シティが保有を増やすCDS「大量破壊兵器」の
不安も
Lisa Abramowicz
2016年8月10日 10:24 JST
米銀シティグループは、2008年の金融危機で米連邦当局が最も多額
の資金を投入して救済した銀行だが、その歴史を考えると、信じ難
いニッチ分野の開拓に動いているように思われる。
  シティは米主要行の中でデリバティブ(金融派生商品)の保有
がすでに最も多いが、リスク資産の持ち高を速やかに減らす圧力に
さらされる欧州のライバルからクレジット・デフォルト・スワップ
(CDS)を買い取っている。
  スイス銀行2位のクレディ・スイス・グループは数週間前、想
定元本総額3800億ドル(約38兆5000億円)相当のデリバティブポー
トフォリオを売却したことを明らかにし、これが50億ドル程度のレ
バレッジエクスポージャー圧縮に貢献した。ブルームバーグ・ニュ
ースは今月5日、シティがこのポートフォリオを落札したと報道。
ブルームバーグが3月に伝えたところでは、シティはドイツ銀行か
らも想定元本約2500億ドル相当のクレジットデリバティブを昨年購
入し、さらなる買い入れに向けた協議を行っていたもようだ。
  資産家で著名投資家のウォーレン・バフェット氏が03年にデリ
バティブを「金融の大量破壊兵器」と呼んだことはよく知られてい
る。スイスとドイツの大手銀行だけでなく、バフェット氏が経営す
るバークシャー・ハサウェイを含む大手投資会社の一部もCDSの
保有圧縮を目指しており、シティと他の金融界の動きは、一見した
ところジグザグの方向に映る。
  新たな規制に伴いトレーディングでそれほど利益が得られなく
なったことが大きいが、世界的に見てもクレジットデリバティブの
保有を大手金融機関は過去10年で徹底的に減らした。しかし、シテ
ィはそこにチャンスを感じ取っているようだ。
  デリバティブ保有を増やすことにシティは非常に積極的だが、
同行だけではない。JPモルガン・チェースとゴールドマン・サッ
クスもライバルからそうした商品を買い取るために似たような取り
組みを行っている。さらに、ウェルズ・ファーゴとスタイフェル・
ファイナンシャルは最近になって欧州でクレジットデリバティブの
トレーディングを開始した。
  シティは激しい中傷の的となったデリバティブビジネスを推進
し、そのリーダーを目指す決断に自信を持っているように見える。
大きな利益の可能性を秘めた信じられないほど思い切った賭けとい
えるが、爆発を起こしかねない危険物を大量に抱え込むリスクが存
在する。しかも、時としてそうなっている。
  (このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの
意見を反映するものではありません)
ブルームバーグ
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