5773.ドイツ銀行破綻の懸念でどうなるか?



日銀とFRBの金融政策会合が終わり、日銀は長短金利のコントロール
に政策をシフトで、心配されていたマイナス金利を深掘りをせずに
、FRBは金利据え置きということになった。当面、両中央銀行は現状
維持となった。ということで、今後の行方を検討する。 津田より

0.国家財政破綻への道
財政破綻は、1つには日本円の信用力が崩壊して国債の暴落が起き
て、長期金利が急激な上昇をした時である。予算に占める国債費が
急膨張して、予算が組めなくなった時のことで、この時には実行予
算の大幅な縮小が必要になる。この時、予算に占める割合の大きな
社会保障費の大幅な縮小を行うしかない。

しかし、現在、日銀が異次元緩和で大量の国債を買っているので、
国債が暴落することはないので、日銀の異次元緩和でこれは防止で
きる。

もう1つが、日銀の異次元緩和で円が市場に溢れて、日本円の信用
力が落ちて、しかし長期国債は日銀が買い取れるので長期金利は上
昇しないが、為替で超円安が起きてハイパー・インフレになり、食
料品価格が大幅に上昇して、国民生活ができなくなる時である。

財政破綻はないが、国民は塗炭の苦しみを味わう。国家予算は組め
るが、予算範囲で事業が実行できなくなる。この時は、本来は日銀
が金融引締めを行い、円を回収することが必要であるが、信用力の
崩壊が日銀のヘリマネ(政府から国債を日銀が直接購入)のような
ことで起こり、景気が低迷していると円札の回収もできない。

ということで、超円安で日本がハイパーインフレになる可能性であ
ると思われる。そして、徐々にその方向に向いている。国債を日本
の銀行は購入しなくなり、購入主体は海外金融機関にシフトしてい
る。

特に短期国債の主体は海外金融機関である。日本の銀行が大量のド
ルを借りるとき上乗せの金利があり、この金利分があるのでマイナ
ス金利の国債でも利益が海外金融機関やヘッジファンドに出るので
買えるのである。その上に日銀が高値で買ってくれるので、その分
の利益も出る。

1.日本は心配なしという評論家
日本の国家資産は、国債残高より多いので国家資産を売却すれば、
良いというし、今でも毎年税収以上の国債を新しく積み上げている
現状に、国債を日銀が買えば良いという。日銀も国家機関であるか
ら、日銀が買った国債は無いとも言う。

しかし、それもいつまでも持たない。日銀が国債の直接購入をした
ら、海外金融機関やヘッジファンドが円の空売りをして、超円安に
なる。日本企業も円からドルにシフトすることになる。

徐々に、ドルでの社債の起債が多くなっているのでも頷ける。日本
企業もなるべく海外通貨で持つことを心がけることになる。

日本の投資家も円からドルや豪ドルなどにシフトする可能性が高い。

国債を今後も積み上げると、円の信用力が落ちる方向になることは
間違いがない。ハイパーインフレに近づいている。しかし、当面、
円高になる可能性がある。円を退避マネーという思い込みがあるの
で、海外のヘッジファンドや短期投資家が仕掛けるからである。

2.円高に
このように、徐々に日本は追い詰められているが、FRBが利上げをし
ないと、今後一層の円高になる可能性がある。平均購買単価からす
ると1ドル=105円であるので、100円程度は仕方がないが、
90円になると円高と認識できるレベルになる。

12月もFRBが利上げをしなく90円を超える円高になるなら、擬似
ヘリマネを行う必要になる。円がリスクオフ時の退避マネーとなっ
ているほど円への信用が高いので、それを打ち壊す必要が出る。

英国EU離脱後、ホンドの急落で英国経済は活気を取り戻している。
英国が信用力を落としたことで、景気上昇になっているようである。

ということで、日本も円への絶大な信用に傷を付けることが必要に
なっている。円高になっても想定より日本企業の業績が好調であり
、株価が思ったほど落ちない。もちろん、その裏には日銀のETF買入
れもあるが、業績が落ずに配当利回りが3%以上の企業が多い。

企業業績が落ちないのは、円安時に輸出を増やさなかったことで、
円高時も輸出が減らないことにある。企業の生産が日本から海外に
シフトして為替に関係がなくなっているからだ。

しかし、海外の景気動向には日本の株価は敏感になっているが、米
国の景気が低成長でも上向いているので、株価も想定より落ない。

日本の貿易は赤字であるのに、経常収支は黒字であることも、企業
の海外シフトを裏付けている。このため、放置すると90円を超え
る円高になりやすいことになる。

しかし、日本は、ある程度の110円程度の円安にすることが必要
になる。インフレが起きずにデフレになるからである。

しかし、円の信用を極端に崩壊させると、超円安になりハイパーイ
ンフレになり、円の信用をそのままにすると超円高になる。

円の信用を適当に傷を付ける必要があるが、ここで、問題なのが、
日銀のプライドと財務省の為替担当、金融庁の担当者間の食い違い
である。

3.組織の利害得失
日銀は、円高に対してマイナス金利の深堀を志向し、財務省は擬似
ヘリマネを志向、一方、金融庁はマイナス金利深掘りを阻止に動く
ことになる。政府と日銀でそれぞれの機関の利害得失が絡んでいる。

日銀は円の信用力を維持する目的で出来た機関であり、円の信用に
傷を付けることは、組織目的からもできない。このため、銀行の利
益を損なうがマイナス金利深掘りを主張することになる。

金融庁は銀行の安定と預金者保護が目的であり、マイナス金利で、
銀行が不安定になり、引いては預金者が迷惑することには反対であ
る。

財務省は予算上の国債費の膨張を止めたいという目的があり、擬似
ヘリマネを志向することになる。

このため、3者が集まり会議を開くことにして、麻生太郎財務相も
言うように、デフレ不況からの脱却と持続的な経済成長の実現に向
けて「政府・日銀が緊密に連絡を取っていくということを、より鮮
明にしなければいけない」ということである。日銀を説得して、擬
似ヘリマネを行う方向で、会議をするということのようである。

麻生財務相がいうゼロ金利40年国債を発行して、日銀の手持ち国
債と交換することである。これで、予算上の国債費の金利分が大き
く減る事になる。もう1つ、買替え国債の発行を減らせるので、国
債の消化を容易にできることになる。国債が売れないことでの金利
の急上昇もなくなる。

財務省がアベノミクスでの予算増額をいとも簡単に了解したのも、
擬似ヘリマネができれば、予算編成上、余裕ができるためである。

しかし、この擬似ヘリマネで、どのような反応が世界から出るのか
は不明である。1ドル=120円程度の円安で済むのか、1ドル=
200円までの超円安になるのかわからないようだ。

さあ、どうなりますか?


==============================
ドル円は98円台に突入する可能性がある
臨時国会で内需拡大策が打ち出されるか
田代 昌之 :マーケットアナリスト 2016年09月24日TK
9月21日に日米の金融政策が発表された。週間ベース(19-23日)で
は、日経平均株価が前週比+1.42%、NYダウが同+0.76%となった。
英FT100が同+2.97%、独DAXが同+3.41%上昇していることを考慮す
ると日米ともに伸び悩んだという表現が適切か。
東証1部の売買代金は盛り上がりに欠けており(21日は2.7兆円、週
末は2.2兆円)、引き続き限られた資金による「循環物色」が商いの
中心となっている様子だ。銀行など一部セクターにはプラス面があ
る一方、為替市場では円高ドル安が進行する可能性が浮上している。
「低体温相場」が動くきっかけは、臨時国会か
日経平均の先行き不透明感を示す日経ボラティリティ・インデック
ス(VI)は急低下しているが、新規マネーが日本株に流入する気配
はない。日経VIを相場の温度計と例えると、足元の地合いは「低体
温相場」と言えよう。動く気配が無くなった東京市場だが、動くき
っかけは週明けからスタートする秋の臨時国会にあると考える。
金融政策決定会合では、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」
が発表された。これまでの「量」を意識した緩和から「金利」を意
識した緩和へ枠組みを変更している。1月29日に導入した「マイナス
金利付き量的・質的金融緩和」から変わったわけだが、日銀当座預
金に適用する金利は-0.1%を据え置いている。
同日のプレスリリースでは、注釈も含め21箇所もマイナス金利とい
う文言があったが、9月21日のプレスリリースでは9箇所に減少。結
果として、日銀は市場との対話の末、マイナス金利の深掘りを先送
りし長短金利操作という新たな枠組みに移行している。
マイナス金利の深掘りに関しては、日銀側は取りやめたわけではな
いので引き続きさまざまな議論が持ち上がるだろうが、金融株から
すると過度な警戒感は一歩後退といったところだろう。
一方、日銀のETF(上場投資信託)買い入れ枠の変更にも注目したい
。買い入れ枠は年間6兆円だが、0.3兆円は「設備・人材投資に積極
的に取り組んでいる企業」を対象としている。
今回、日銀は2.7兆円をTOPIX型のみを対象とし、残り3.0兆円を従来
通り(日経平均型、TOPIX型、JPX日経400型)とする枠組みに変更し
た。見直しは10月以降となるが、市場では、この変更によって、
TOPIX型の買い入れ比率が従来の42%から70%ほどに上昇すると試算
されている。一方、日経平均型は同54%から28%に、JPX日経400型
は同4%から2%にそれぞれ低下するとの見込みだ。
日銀側は「時価総額に概ね比例するように設定」としていることか
ら、時価総額の大きい銘柄には買い需要が発生することとなる。こ
の文言を見る限り、浮動株比率を考慮していないので、実際のTOPIX
の組入れ上位銘柄とは微妙に異なるが、TOPIXコア30銘柄などが対象
銘柄となろう。また、時価総額が大きいわりには日々の売買が少な
い(流動性の低い)銘柄も、恩恵を享受しそうだ。
円高ドル安が進行、98円台に突入する可能性も
ここまでは、市場にポジティブな影響を与えそうな内容を見てきた
が、気になるのは円高ドル安の進行だ。
日本時間の22日未明、米連邦準備理事会(FRB)が追加の利上げ先送
りと、2017-18年の金利見通し引き下げを発表しているが、その前か
らドル円は円高ドル安に推移していた。
これは、今回の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」が、実質
的なテーパリング(緩和縮小)と捉えられたことが要因だと考える
。政策のポイントが長短金利に移行したことから、金利の水準によ
っては国債の買入ペース及びマネタリーベースの拡大ペースはこれ
までよりも鈍化する可能性が浮上。黒田日銀総裁も記者会見で「操
作目標は量ではなく、経済情勢に柔軟に対応」とコメントしたこと
から、日本のテーパリングが強く意識される格好となった。
ドル円は75日移動平均線に頭をおさえられたトレンドが継続してお
り、100円割れの段階でもし仕掛け的な売買が入ると、6月24日の99
円02銭も一気に下抜ける展開も視野に入ってきそうだ。
日銀会合の結果発表以降、日経VIが急低下している。この動きは7月
29日の日銀会合後とほぼ同じだ。先行き不透明感の後退、つまりリ
スクプレミアムの低下が東京市場では起こっている。
本来であれば、ボラティリティ(変動率)低下は相場の安定と見な
され長期の運用資金が流入する可能性が高まるのだが、今回同様、
日経VIが低下した8月は、そのような動きは見られなかった。ボラテ
ィリティ低下を好むロングの外国人投資家は、金融政策ありきの日
本株に辟易していると考える。
上にも下にも動かなくなった東京市場はまさに低体温相場と言えよ
う。
外国人投資家は何を見ているのか?
では、外国人投資家は何を見ているのだろうか?ルー米財務長官が
年初から声高に指摘していることは「日本の内需拡大」だ。
つまり金融政策ではなく政府による経済政策だろう。とりわけ規制
緩和などへの積極的な動きだと考える。黒田日銀総裁は記者会見で
「2013年1月の共同声明」に関するコメントを発していた。
今回の日銀プレスリリースにもこの内容の記載があるが、記載され
たのは今年初めてのことだ。「総括」だからと言われればそれまで
だが、日銀からすると「市場との対話でマイナス金利の深掘りは回
避した。日経平均偏重型のETF買い入れの枠組みも変えた。さぁ、次
は政府の出番だ」といった意味合いがあるのかもれない。
週明けの9月26日から秋の臨時国会が開催される。第2次補正予算案
やTPP(環太平洋戦略経済連携協定)承認案などの成立を目指す予定
だ。まずは、日銀から渡されたバトンを政府がうまく受け継ぐこと
ができるかを見極めたい。
==============================
ゴールドマン、円安見通し変更せず−日銀の金融緩和強化後に円高
でも
Kevin Buckland、Netty Ismail
2016年9月23日 11:04 JST
日本銀行が金融緩和強化のための新しい枠組みを21日示しても円は
3週続伸となっているが、ゴールドマン・サックス・グループは円
が下落するとの長期見通しを変えていない。
  円は今週これまでに対ドルで1.3%上昇し、22日には4週間ぶり
高値の100円10銭をつけた。その前日、日銀は長短金利操作付き量的
・質的金融緩和を発表すると同時に、消費者物価上昇率が安定的に
2%を「超える」までマネタリーベースの拡大方針を継続する「オ
ーバーシュート型コミットメント」を発表。米連邦公開市場委員会
(FOMC)が21日に利上げを見送った今週、ドルは全ての先進国
通貨に対して下げてきた。
  ゴールドマンでグローバルマクロ・市場調査共同責任者を務め
るフランチェスコ・ガルザレリ氏(ロンドン在勤)は顧客向けリポ
ートで、「円の上昇は反転すると見込む」とし、その理由として「
日銀の政策シフトが日本国債不足についての市場懸念に対応し、金
融緩和継続の持続性と信頼性を高める」点を挙げた。さらに、「オ
ーバーシュート型の文言も基本的にハト派シフトだ」と付け加えた。
1万円札と100円硬貨
1万円札と100円硬貨 Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
  円は先週までの2週間では対ドルで1.6%上昇。年初来では19%
値上がりし、先進国・地域の通貨では上昇率1位となっている。
原題:Goldman Sticks to Bearish Yen Call in Face of Three-Week 
Rally(抜粋)
ブルームバーグ
==============================
「為替90円台、日経平均1万4000円」の現実味
株価下落を嫌った日米中央銀行が払う「ツケ」
江守 哲 :エモリキャピタルマネジメント代表取締役 2016年09月23日TK
日銀は9月20・21日に開催した金融政策決定会合で、長短金利を誘導
目標とする新しい金融緩和の枠組みを導入することを決めた。現状
のマイナス金利政策を維持するとともに、10年物国債利回りを0%程
度に誘導するという。さらに2%の物価安定目標が実現するまで金融
緩和を続けるとし、今後も必要な場合にはマイナス金利の深掘りを
行うなどの考えを示した。
一方、FOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場の大方の予想通り
、利上げは見送られた。日米当局の決定を詳述するが、相場の予測
だけを読みたいという方は、後半の米国の部分(小見出し「またし
ても株価下落を嫌がったFRB」)あたりからお読みいただければ、幸
いだ。
日銀の新政策では円高を止められない
注目された日銀による「総括的検証」の結果は、残念ながら従来の
政策の延長でしかなかった。これまでの政策に対する反省と抜本的
な政策への取り組みが示されると期待していただけに、残念な内容
だった。
異次元緩和政策が導入からすでに約3年半が経過し、効果がなかった
ことから、緩和の枠組みをこれまでの量重視から金利重視に転換す
ることにしたようだが、本質は何も変わっていない。まさに「苦し
紛れの政策修正」である。
新たな政策の枠組みの名称は、「長短金利操作(イールドカーブ・
コントロール)付き量的・質的金融緩和」という。またもや新しい
ネーミングである。長期金利の誘導方法はこれまでも実施してきた
国債買い入れを軸とする一方、買い入れ額は当面は現状の80兆円程
度を目標とし、残存年限にこだわらず幅広い国債を買い入れるとい
う。さらに利回りを指定して国債を買い入れる新たな国債買い入れ
に乗り出すようだ。しかし、量は増やさない。ここがポイントであ
る。
後述するように、結果としてのテーパリング(緩和縮小、黒田総裁
は会見で否定)であり、円高につながりリスクを高めたといえる。
日銀はこうした政策を2%の物価安定目標が実現し、安定するまで続
けるとしているが、これまでの基本的な考え方は変わらないという
ことであり、これでは円高基調を止めることはできないだろう。
今後の追加緩和手段としては、マイナス金利政策の強化や長期金利
操作目標の引き下げ、資産買い入れの拡大や資金供給量の拡大ペー
スの加速などを挙げている。
さらにマイナス金利の深掘りを追加緩和の軸に据える考えを初めて
明確に示している。日銀が金融政策の枠組みを変えるのは、市場に
出回る国債が極端に少なくなり、資金供給量の拡大の継続が困難に
なっていることが背景にある。
そのため、長期金利を目標にして資金供給量を柔軟に変えられるよ
うにした。このようにすれば、超長期金利の低下で保険や年金の運
用が困難になるという状況を改善できると考えたようだ。しかし、
長期金利を0%で維持することを目標にしたところで、インフレにな
るだろうか。また金融機関に気を使ったつもりかもしれないが、マ
イナス金利の深掘りのリスクは残る。
円高と株安になるリスクが高まった
黒田総裁は会合後に記者会見を行ったが、とにかく見ていて苦しい
会見だった。記者からもかなり厳しい質問が飛んでいた。
それはそうだろう。政策の結果が出ていない中で、事実上その延長
線上の政策を推し進めるというのだから、当然である。
黒田総裁は、他の中銀に比べて大規模な金融緩和であることを強調
し、効果があるとの考えを強く示したが、これまで結果が出ていな
いことに対する明確な説明がない。むしろ、原油安や新興国経済の
懸念、消費税率の引き上げ後の消費マインドの低迷などの外的な要
因がなければ、2%の物価目標は達成できたとし、責任はないとの発
言には驚かされた。まさに「責任転嫁」である。
つまり、これまでの政策は間違っておらず、さらに推し進めれば必
ず成功するという。根本的な間違いを修正していないのに、政策の
将来の成功を誰が想定できるのだろうか。残念ながら、現在の日本
において、名目金利の引き下げによる予想実質金利の引き下げをも
って、住宅投資や設備投資などを活発化させ、景気回復に導くとい
う手法は、成功しておらず、結果が出ている。
==============================
2016年 09月 23日 11:32 JST 
日銀との緊密連携をより鮮明に、政府は構造改革促進=麻生財務相
[東京 23日 ロイター] - 麻生太郎財務相は23日の閣議後会
見で、日銀の金融政策の転換を受け、デフレ不況からの脱却と持続
的な経済成長の実現に向けて「政府・日銀が緊密に連絡を取ってい
くということを、より鮮明にしなければいけない」と述べた。
麻生財務相は、政府として働き方改革を中心に構造改革を促進する
考えをあらためて表明。「日銀の金融政策だけで何とかしてくれと
言うつもりはない」と指摘した。
そのうえで、26日召集の臨時国会では、経済対策の裏付けとなる
2次補正予算案の早期成立を目指す考えを示した。
一方、日銀が新たに導入した「イールドカーブ・コントロール」に
よる長期金利上昇のリスクについて問われ、「(国債市場には)直
ちに大きな影響があるとは思っていない」と語った。
==============================
ドイツ銀の財務力を政界が懸念、社会民主党の会合で議論−関係者
Birgit Jennen
2016年9月23日 09:45 JST
ドイツ銀行が住宅ローン担保証券(RMBS)販売をめぐる調査を
決着させるため140億ドル(約1兆4100億円)の支払いを米当局から
求められたことを受け、収益性の低さや法的費用増大で弱まってい
る同行の財務力に対しドイツの政界で懸念が浮上している。
  事情に詳しい関係者2人によれば、社会民主党(SPD)の金
融問題を担当する議員が20日開いた非公開の協議で、バーゼル銀行
監督委員会の金融規制に関する議論と並びドイツ銀の問題が取り上
げられた。参加者は米国の制裁金のほか、ドイツ銀が全額負担を余
儀なくされた場合に同行が自由に使える準備金について議論した。
関係者は協議内容は部外秘だとして匿名を条件に明らかにした。
  参加者はドイツ銀の問題で結論を出すには至らなかったものの
、この協議はこうしたリスクが政界有力者の関心を集めていること
を浮き彫りにしている。独財務省は先週、米国に対し、制裁金が減
額されて決着した他の銀行の事例を挙げ、ドイツ銀への「公正な結
果」を確保するよう要請した。ドイツ銀の広報担当はコメントを控
えた。
  ドイツ銀行は米当局が140億ドルの支払いを要求する前から既に
、欧州の銀行ストレステスト(健全性審査)で資本基盤の弱さが目
立っていた。同行の株価は2月以降下落基調で、安値を更新。リテ
ール部門のポストバンクの売却が難航しており、資本増強の選択肢
を使い果たしつつあるとの懸念が広がっている。米国が要求する140
億ドルは、同行の訴訟に備えた引当金55億ユーロ(約6200億円)の
2倍以上に相当し、同行はそれに近い額を支払う意向はないと表明
している。
原題:Deutsche Bank Said to Spark Concern Among German 
Lawmakers (1)(抜粋)
ブルームバーグ
==============================
日銀緩和、量から金利へ 長期金利0%に誘導 
2016/9/21 13:42nikkei
 日銀は21日開いた金融政策決定会合で、長短金利を誘導目標とす
る新しい金融緩和の枠組みを導入することを決めた。現状のマイナ
ス金利政策を維持するとともに、10年物国債利回りを0%程度に誘
導する。2%の物価安定目標が実現するまで金融緩和を続ける方針
を示し、今後必要な場合には、マイナス金利の深掘りなどを軸にす
る考えを示した。
 日銀の異次元緩和政策は導入から3年半がたち、緩和の枠組みを
これまでの量重視から金利重視へと大きくかじを切る。日銀は金融
政策の総括的な検証を実施し、物価2%の実現のためには大胆な枠
組み変更が必要だと判断した。
 黒田東彦総裁は午後3時半に記者会見し、決定内容などを詳しく
説明する。新しい枠組みは7対2の賛成多数で導入を決めた。
 新たな政策の枠組みの名称は「長短金利操作(イールドカーブ・
コントロール)付き量的・質的金融緩和」。長期金利の誘導方法は
これまでも実施してきた国債買い入れを軸とする。買い入れ額は当
面、現状の80兆円程度を目標とし、残存年限にこだわらず幅広い国
債を買い入れる。
 日銀は利回りを指定して国債を買い入れる新たな国債買い入れに
乗りだす。さらに、最長10年の資金を固定金利で供給する新しい金
融調節手段も導入する。
 日銀はこうした政策を、2%の物価安定目標が実現し、安定する
まで続ける。これまでは2%に達する前に金融緩和の手を緩めるの
ではないかとの見方があったが、2%を超えるまで緩和を続けるこ
とを明確にした。
 今後の追加緩和手段としては(1)マイナス金利政策の強化(2)長期
金利操作目標の引き下げ(3)資産買い入れの拡大(4)資金供給量の拡
大ペースの加速――を挙げた。マイナス金利の深掘りを追加緩和の
軸に据える考えを初めて明確に示した。
 日銀が金融政策の枠組みを変えるのは、市場に出回る国債が極端
に少なくなるなか、資金供給量の拡大をこれまで通り続けていくこ
とが難しくなっているためだ。長期金利を目標にし、資金供給量を
柔軟に変えられるようにすることで、粘り強く緩和を続けられるよ
うにする。
 これまでの金融緩和は、超長期の金利が下がりすぎて保険や年金
の運用が難しくなるという副作用も目立っていた。長期金利目標は
、10年債金利がマイナス圏に突入するなどの金利の下がりすぎを防
ぎ、金融機関に配慮するという意味合いもある。
==============================
米、再び利上げ見送り FRB議長「年内1回見込む」 
2016/9/22 5:48nikkei
 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は21日の
米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、
追加利上げを見送った。ただ、記者会見したイエレン議長は「利上
げの条件は整ってきた」と改めて指摘し、年内1回の追加利上げを
中心シナリオとして見込んでいることを明らかにした。市場では次
回の利上げ時期を、12月と見込む声が増えている。
 短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘
導目標は年0.25〜0.50%で据え置いた。FRBは昨年12月に9年半
ぶりの利上げに踏み切ったが、世界同時株安や米雇用の一時的な減
速などで、今年1月以降は6会合連続で追加利上げを見送った。
 イエレン議長は8月末の経済シンポジウム(ジャクソンホール会
議)で「利上げの条件が整ってきた」と述べ、早期の利上げを示唆
してきた。今回の記者会見でも同じ表現を使いつつ「物価や雇用面
をみても、経済の過熱を示すものはない」として、利上げを見送っ
た理由を説明した。
 今回の利上げ見送りには、投票メンバー10人のうち3人が反対票
を投じて利上げを主張し、FOMC内でも意見が大きく割れた。F
RBが重視する雇用情勢は、直近3カ月の就業者数の伸びが月平均
20万人を超えるなど、堅調さを保っているためだ。イエレン議長も
記者会見で「景気の拡大ペースは上向いている」と強調した。
 ただ、イエレン氏は同時に「雇用にはまだ緩み(スラック)が残
っている」とも指摘。失業率は4.9%と横ばいが続き、パート労働者
の数も多いため、労働市場には一段の改善余地があるとみる。賃金
の上昇圧力も強まらず、物価上昇率は1.6%と目標の2%に向けて足
踏みが続いている。
 FRBが利上げを見送ったのは、金融市場の織り込み不足も理由
の一つだ。イエレン議長が早期利上げを示唆した後も引き締め観測
は高まらず、今回利上げに踏み切れば世界市場が混乱するリスクが
あった。
 FOMC後に公表した政策金利見通しでは、メンバー17人(金融
政策の投票権のない7人を含む)のうち10人が「年内1回の利上げ
」を見込み、中央値となった。2017年は2回の利上げが中央値だ。
前回6月時点では年内2回、来年は3回を想定しており、利上げペ
ースは一段と減速した。年内のFOMCは11月と12月の2回で、市
場参加者はイエレン議長の記者会見がある12月の利上げを有力視し
ている。



コラム目次に戻る
トップページに戻る