5756.日銀は何をする気?



米国FRBは、9月か12月に利上げすることは、市場は折込み始めた
ことで、NY株は394ドル大幅続落になっている。

また、米国は欧州金融危機の原因になるドイツ銀行への制裁金を確
定して、ドイツ銀行が破綻しないような行動をとり始めた。ドイツ
銀行の株価が上昇している。世界の経済危機防止する方向で、米国
も動いている。

このような状況で、8日に中曽宏副総裁が講演した。黒田総裁は、
いつも強気であり、講演会での内容と反対の事をすることが有り、
信用できないという雰囲気があるが、それに比べれば、中曽宏副総
裁の講演は信用できる。

この中で、マイナス金利の深掘りを否定していない。現在、国債買
取量を下げる必要がある。買い取りできる国債の量がだんだん、少
なくなり、相当高い金額で買い取っているが、そろそろそれも限度
に来ている。

このため、国債買取量を少なくして、金融緩和の縮小と見られると
円高になるので、マイナス金利を深堀するしかないということのよ
うである。

日本の経常収支は25カ月連続で黒字で、7月は1兆9382億円と財務省
が発表するように、何もしないと円高になる方向である。この円高
を円安にするためには、金融緩和は必要である。

何か、マイナス金利を相殺するような手を打って、深堀する可能性
が出てきたようである。日銀のが関係機関に根回しし始めている。

有料版で検討したい。

さあ、どうなりますか?

==============================
NY株、394ドル大幅続落
米国の早期利上げ警戒
2016/9/10 06:38
 【ニューヨーク共同】9日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30
種平均は、米国の早期利上げを警戒して大幅続落し、前日比394.46
ドル安の1万8085.45ドルで取引を終えた。下げ幅は英国の欧州連合
(EU)離脱決定で市場が動揺した6月24日の610.32ドル安以来、2カ
月半ぶりの大きさだった。
 ハイテク株主体のナスダック総合指数も133.57ポイント安の5125.91
と大きく下げた。
 ボストン連邦準備銀行のローゼングレン総裁が講演で「緩やかな
金融引き締めが適切である可能性が高い」と述べ、早期利上げが意
識された。
==============================
ドイツ銀株が上昇、米住宅ローン証券問題の決着近いとの報道で
Jan-Henrik Forster
2016年9月9日 22:23 JST
9日のフランクフルト市場でドイツ銀行の株価が上昇。住宅ローン
担保証券(RMBS)販売をめぐる米司法省の調査が決着に近づい
ていると独誌マネジャー・マガツィーンが報じた。
  同誌が情報源を示さずに報じたところによると、米当局は来週
初めに100ページ程度の陳述書をドイツ銀に送付する。同行への制裁
金は米ゴールドマン・サックス・グループの23億8000万ドル(約2430
億円)を上回る可能性があるという。
  米RMBS問題の決着はドイツ銀によって、法的問題解決への
大きな前進となる。ジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)
は同行がまだ抱える中で最も大きいこの問題を年内に決着させると
述べていた。そのほかに残っている問題は為替レート操作疑惑やロ
シアでの疑義のある株取引など。
  ドイツ銀の広報担当者はブルームバーグの取材に対しコメント
を控えた。
  株価は一時5.3%高となった後、フランクフルト時間午後1時24
分現在は5.1%高。
原題:Deutsche Bank Surges on Report U.S. Mortgage Settlement Is Near(抜粋)
ブルームバーグ
==============================
日銀方針大転換、政策変更へ地ならしか マイナス金利「副作用」
も発信 
2016.9.10 07:00SB
 20、21日の金融政策決定会合で実施する「総括的な検証」を
前に、日銀が情報発信の強化に努めている。5日には黒田東彦総裁
が、8日には中曽宏副総裁が講演し、マイナス金利政策と国債買い
入れを組み合わせた現行の金融緩和策がはらむ「副作用」について
説明した。自らの政策が持つ負の面に触れたもので、強気一辺倒の
情報発信姿勢から大きく転換した格好だ。
 「金融機関収益を通じて、金融仲介機能に与える影響についても
考慮する必要がある」
 マイナス金利の副作用について、黒田総裁は5日の講演でこう強
調した。銀行が貸し出しで稼ぎにくくなってきたほか、国債の運用
難で一時払い終身保険の販売を停止する生命保険会社がでてきたこ
とにも触れた。
 中曽副総裁も講演で、「マイナス金利導入の時から、金融機関の
収益に過度の悪影響を及ぼし、金融仲介機能が悪化することになっ
てはいけないということが最も重要な論点だった」と述べ、金融機
関に寄り添う姿勢を見せた。
 日銀幹部が相次いでマイナス金利の副作用に言及し始めたことに
対し、市場からはさまざまな見方が出ている。
 第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「不満を持つ
金融機関のガス抜きをする意味があるからだ」とみる。BNPパリ
バ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、9月の金融政策決定会
合では長期国債の購入量の柔軟化にとどまり、その先1ドル=90
円割れの円高リスクが出てきた場合のマイナス金利深掘りを予想す
る。「緩和を追求していくと金融仲介機能に悪影響が出る」(河野
氏)ことから、政策変更への地ならしのため副作用を強調し始めた
との見解だ。
==============================
2016年 09月 8日 09:30 JST 
経常収支、25カ月連続で黒字 7月は1兆9382億円=財務省
[東京 8日 ロイター] - 海外とのモノやサービス、投資などの
取引状況を示す7月の経常収支は1兆9382億円の黒字となった
。ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値(2兆0900
億円程度の黒字)をやや下回ったが、2014年7月から25カ月
連続で黒字を確保した。
財務省が8日発表した。原油価格の下落で貿易収支が黒字に転じた
ことなどから黒字基調はなお続いており、潜在的な円高圧力として
意識されそうだ。
7月は貿易・サービス収支、第1次所得収支ともに黒字で、黒字の
額はそれぞれ3917億円、1兆6938億円だった。第2次所得
収支は1473億円の赤字だった。
==============================
日銀副総裁「マイナス金利深掘りはありうる」
金融機関の収益に配慮
ロイター 2016年09月08日
[東京?8日?ロイター] - 日銀の中曽宏副総裁は8日、都内で講演し
、マイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)の推進に伴う金融機
関収益への影響などをコストと位置づけながらも、金融機関収益に
配慮してマイナス金利を深掘りしないとの考えはない、と語った。
これまでの大規模な金融緩和が金融機関や金融市場に与えている影
響も十分に認識しているとも指摘した。
日銀が9月20、21日の金融政策決定会合で行う過去3年半の金融緩和
策の「総括的な検証」をテーマに講演した。
中曽副総裁は、今年1月に導入を決めたマイナス金利付きQQEの効果
と影響について「イールドカーブ全体に低下圧力を加えるという意
味で、マイナス金利と長期国債の買い入れとの組み合わせは、きわ
めて強力だ」とし、「金融政策ツールとしての有効性が確認できた
」と評価した。
一方で、貸出金利の低下などポジティブな動きは、「金融機関の収
益を圧縮するかたちで実現している」と指摘。「長期金利や超長期
金利の大幅な低下が、保険や年金の運用利回り低下や貯蓄性商品の
販売停止」につながっているとし、「マインドという面で金融機能
の持続性に対する不安をもたらし、経済活動に悪影響を及ぼす可能
性には留意が必要」とも語った。
そのうえで、マイナス金利付きQQEの推進にあたり、金融仲介機能に
与える影響への配慮が必要とする一方、「金融機関収益への影響を
考えればマイナス金利の深掘りはできない、という一律の考えはと
りえない」と強調。経済・物価・金融市場の状況によっては、「金
融仲介の面へのコストを考えたうえでも、なおそうした手段を必要
とすることは十分ありうる」と語った。
こうした問題意識の下で9月会合での「総括的な検証」では「現在の
政策の枠組みに修正が必要か否か、必要な場合どのような修正が適
切か、といった点について判断したい」と述べた。
副総裁は、QQE導入以降の大規模な金融緩和政策によって「デフレで
はない状況」となったと成果を強調。日銀が進めてきた「量的・質
的緩和(QQE)」のような非伝統的金融政策も、景気を過熱も引き締
めもしない自然利子率(中立金利)に対して実質金利を上げ下げし
て景気に働きかける仕組みであると解説し、QQEによる大幅な金利低
下の効果を説明した。
(伊藤純夫?竹本能文)



コラム目次に戻る
トップページに戻る