ドイツ銀行のデリバティブ取引量が75兆ドルで、ドイツ国家のGDPが 4兆ドルと国家のGDPより、ドイツ銀行のデリバティブ取引量は、 大きい。 このため、2015年通期の決算では、67億ユーロ(約8500億円)の純 損失になり、2016年も同様にデリバティブ取引での損失が大きいと 見込まている。 このため、ドイツ銀行の発行しているCoCo債(偶発転換社債) や劣後債、シニア債など、ベイルインに関連する債券が暴落してい る。 この債権は、ドイツ銀行が破綻前に、株に転換されて、債権の額面 の数十分の1になる債権であるが、この債権が暴落している。この ような仕組みを「ベイルイン」というが、金融機関の経営悪化時に 株主だけでなく債権者にも損失を担わせて、納税者負担を回避する という考え方で、リーマンショックの時、政府が税金で巨大金融機 関を救済したことに世論が反発したことで生まれた。 ドイツ銀行の苦境は、ECBのドラギ総裁がマイナス金利政策を深堀し て、銀行が収益を上げられない仕組みにしたことで、損失が出た銀 行の立ち直しができないか難しいことになっている。 ドイツ銀行の貸出先には、中国企業もあるようで、この企業倒産が 多発して、中国への投資も損失を膨らませた可能性がある。 これは、他人事ではない。EUの銀行はつながっているので、EU 全体の銀行との取引が凍り付き、流動性不安を引き起こし、株等へ のリスク資産からの退避が置き、世界中で株式市場の連想的大暴落 を招くことになる危険性がある。 いつかというと、オクトーバー・サプライズだというが、さあ、ど うなりますか? 増田俊男氏も10月暴落説を言っているので、注意が必要である。 日本も9月末に擬似ヘリマネを行う可能性があり、世界の市場は大 変なことになりそうである。