東京市場は、最終的に大幅下落になり、16500円を割り込んだ。 為替相場で円高1ドル=99円になり、朝一番、下げて始まり、そ の後、一転して上昇し、午後から下落していく展開になった。 午後の下落は、日銀のETF買い期待が裏切られたことにより、投資家 の失望売りである。 日銀のETF買いが入る目安として「前場引け時点のTOPIXの 下落率が0.2%以上」(国内証券)との見方が一部にあったが、 なかったことによる。 日銀のETF買いのシグナルが何かを探している状態である。もう1つ が、円高による業績懸念であるが、それより日銀のETF買いの方が株 価への影響が大きい。年間6兆円の株を買うためには、3日に1度 は、700億円程度の買いが必要であり、8月10日に買いがあっ たが、それ4日もないために、今日はあると思ったようだ。 一時、円が1ドル=100円に戻したのは、前内閣官房参与の本田 悦朗駐スイス大使が米紙のインタビューで、日本銀行は来月、「大 胆な」行動をとる可能性が高いとの認識を示したことであるが、こ の大胆な行動とは、ヘリマネのことで、日銀にある国債を永久国債 化することを言っているようだ。 しかし、このようなことは、日銀法改正か特別法が必要で、国会審 議が必要のはずであり、日銀ができることではない。 ヘリマネをするなら、円の信認は大きく崩れて、超円安になるので 本田悦朗は、円高にする投資家に脅しをかけたが、それを一般の評 論家でない政府関係者が言うのは、どうかしている。 円高になるなら、ヘリマネを行おうという議論になることを恐れる。 さあ、どうなりますか? ============================== 2016年 08月 18日 15:37 JST 日経平均は大幅反落、1万6500円割れ 日銀買い入れめぐる観測で軟 化 [東京 18日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅反落 。1ドル100円割れへとドル安/円高方向に振れた為替が重しと なった。日銀によるETF(上場投信)買いへの期待感から、売り 先行後は下げ幅を縮小する展開となった。だが、日銀の買い入れの 動きが見られないとの観測が広がり、後場に入り再び軟化した。 日経平均終値は8月5日以来、8営業日ぶりに1万6500円を下 回った。 前引け時点でTOPIXの下落率は前日比0.38%。市場では後 場に日銀のETF買いが入る目安として「前場引け時点のTOPI Xの下落率が0.2%以上」(国内証券)との見方が一部にあった 。ところが、後場入り直後に先物への売りが出た。日銀の注文が見 当たらないとの市場観測が流れたことが、投資家の失望売りを誘っ た。 日本株には円高も重荷となったが、ドル/円JPY=EBSは午後、一時的 に強含む場面があった。前内閣官房参与の本田悦朗駐スイス大使が 米紙のインタビューで、日本銀行は来月、「大胆な」行動をとる可 能性が高いとの認識を示したと伝わったことが材料視され、一時 100.35円に急伸。だがドル高/円安の進行は続かず、やがて 99円台に突入した。 その後、財務省の浅川雅嗣財務官が為替市場について「投機的な動 きがないか、絶えず注視」と発言したことで、ドル/円は持ち直し の動きも見られたが、日経平均は断続的な先物売りに押され、大引 け前に日中安値を更新。JPX日経400.JPXNK400は安値引けとな った。 藍沢証券投資顧問室ファンドマネージャーの三井郁男氏は「下がっ て割安なところを買うアプローチも、需給上難しい。日銀のETF 買いによる思惑で指数が上下に振れており、市場で起きていること 自体、歪んでいると感じざるを得ない」と指摘している。 個別銘柄ではソフトバンクグループ(9984.T)が軟調。17日、今年 2月に決議した1億6700万株、5000億円を上限とする自社 株買いが終了したと発表した。需給面での緩みなどを嫌気した売り が優勢となった。 半面、さが美(8201.T)が急伸。ユニーグループ・ホールディングス 8270.Tが17日、保有するさが美株全株を投資ファンドに売却する と発表した。ファンド主導での事業再生を期待した買いが入った。 東証1部騰落数は、値上がり304銘柄に対し、値下がりが1594 銘柄、変わらずが75銘柄だった。 日経平均.N225 終値 16486.01 -259.63 寄り付き 16649.91 安値/高値 16481.41─16714.61 TOPIX.TOPX 終値 1290.79 -20.34 寄り付き 1302.29 安値/高値 1290.74─1306.37 東証出来高(万株) 187609 東証売買代金(億円) 21485.65 (長田善行) ============================== 1ドル=100円の攻防 短期筋の微妙な心理 経済部 三田敬大 2016/8/18 14:04日本経済新聞 電子版 外国為替市場で1ドル=100円を上回る円高水準が定着するかどう かの正念場を迎えている。財務省幹部の円高けん制発言の効果は薄 く、米利上げ観測も後退しつつある。午後に予定される財務省・金 融庁・日銀の会合では足元の相場水準を踏まえた対応策が検討課題 になる可能性もあり、100円を挟んだ攻防戦になっている。 18日の円相場は午前8時すぎに2日ぶりに100円を突破。円高を嫌 気して株式市場で日経平均株価が下落すると、リスク回避の円買い を誘発して99円台後半まで円高が進んだ。 これを受けて財務省の浅川雅嗣財務官が「過度の変動があればき ちっと対応する」と円高をけん制する発言が伝わったのが10時半前 。だが、円相場でほとんど反応はみられず、99円80銭前後でもみあ う展開が続いた。前日午前に浅川財務官がけん制発言をした直後は 円安が数十銭進んだのと比べればほとんど材料視されなかったとい える。 反応が薄かった理由は何か。けん制トーンが昨日と比べ弱かった とする見方もあるが、それよりも大きな円高圧力が働いているとの 見方が多い。前日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC) 議事要旨の内容が早期の利上げを後押しするものではなかったこと で「市場は肩透かしをくらった」(国内銀行)。公表前の高官発言 で早期利上げへの期待が高まっていただけに、円買い・ドル売りへ の巻き戻しが起きた。この流れが東京市場でも続いたという。 ただ、正午前に財務省・金融庁・日銀が午後に会合を開くとの予 定が伝わると、一転して100円台まで戻った。けん制発言だけでは気 にならないが、会合の内容がどうなるかには身構える――。こうし た短期筋の微妙な心理を背景に、しばらく不安定な相場が続きそう だ。