5742.日本はヘリマネをするか?



米国や英国など多くの国の株価が、日本以外は過去最高値を更新し
ている。しかし、景気が良いように見えない。英国も米国もGDP成長
率は1%程度であり、日本では0%である。

というように株価が、景気の動向を示していない。世界的な金融緩
和で安全資産の国債に向かい、欧米日の10年以下の国債は、マイ
ナス金利になっている。株価が高いのは、国債がマイナス金利にな
り、そのため、株式を買うしかないために、株価も上昇しているの
である。

というように、完全な流動性相場になっている。

日本でも、日銀は7月にETFを3兆円から6兆円に年間買い入れ
額を増やしている。このため、3日に1回程度が1日に720億円
の買い入れをしている。ヘッジファンドは、日経平均の下値を狙え
ないことになった。東京市場一部の売買代金は1日最大でも3兆円
程度、日銀の買い入れ額は相対的に大きい。

そして、企業は内部保留を260兆円もあり、約半分を株主還元し
ている。1つが配当であり、もう1つが自社株買いである。自社株
買いを30兆円程度している。企業も株価対策をし始めている。

しかし、流動性相場の時には、日銀の金融政策がどうなるかで、株
価が変化することになる。

バーナンキ氏が、7月11日黒田総裁と、12日には安倍首相と会
談したことで、ヘリコプター・マネーを行うのではないかと噂があ
ったが、黒田総裁はその噂を否定した。

しかし、次回の9月20日、21日の金融政策決定会議で異次元緩
和の総括をするということで、当初、テパーリングを日銀は行なう
のではないかと噂されて、日経平均は落ちた。これにより、黒田・
麻生会談が行われ、財政政策と金融政策を連携して行うとしたこと
と、黒田総裁が、緩和縮小はしないと言ったことで、再度、ヘリマ
ネになると見る市場関係者が増えている。

ヘリマネとして、日銀が現時点で抱えている332兆円の国債を、
永久国債にすることである。18年末には522兆円になるが、こ
れをすべて永久国債化するという。

しかし、もし、そのようなことをしたら、A1の国債の格付けは、破
綻寸前のBbb程度以下に大幅格下げになる。ヘッジファンドは、空売
りを仕掛けてくる。国債の急激な金利上昇、暴落になるが、これに
対して、日銀は積極的な買いをして支えることになる。

日銀が国債を買い支えることで、ヘッジファンドなど世界の投資家
が、急激な日本離れを起こし、円売りドル買いを仕掛けてくる。円
の急激な暴落で、1ドル=200円以上になり、円暴落でハイパー
インフレになり、銀行は大量の国債損失を抱え、国民は輸入食料品
などの価格が暴騰することになる。

円暴落に対して、政府・日銀は円買い支えを行うが、為替市場規模
は、政府・日銀が介入してもどうにかできる市場規模ではない。こ
のため、円暴落は止まらない。同時進行で、銀行の破綻が起きるこ
とになる。金融危機を政府・日銀が仕掛けるようなことになる。

多くの国民の円で持つ財産価値が急減することになる。逆にドルで
持っている資産は、円に対して急激な上昇になる。

黒田総裁と麻生財務相は、円安ができない金利ゼロの金融抑圧レベ
ルで止めるか、円安をしたくてヘリマネ(永久国債)まで行くか、
日本国民の運命は別れることになる。

しかし、おバカな評論家は、ヘリマネを大合唱し始めている。

あまりにも無責任である。

ただほど高いものはないを、日本の経済学者とおバカな評論家は、
市場関係者、ヘッジファンドなどの集団的な心理を考慮に入れてい
ないで見えないようである。それに乗る日本の政治家が出てこない
ことを、祈りしかない。

しかし、個人資産防衛をそろそろ、しなくてはいけないような気も
する。9月21日までに

さあ、どうなりますか?



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