世界的なファンドも、日本株式市場から撤退を明言している。日銀 の年間6兆円のETF買いで、東証が歪んでいるし、日本の潜在成長力 がないことで、FT、WSJでも日本投資をやめるべきという評論が乗っ たが、世界的なファンドも同調したことになる。 国債を買う量的緩和も限界点に来て、テパーリングすると国債の長 期金利が突然大幅上昇ということになりできないが、銀行の手持ち 国債がなくなってきている。 その上に、マイナス金利のために、ほとんどの国債がマイナス金利 になり、日本の市中銀行は、国債を買っていない。海外のヘッジフ ァンドが隙を狙えると、新規国債を買っているのである。空売り狙 いであることは、目に見えている。日銀のマイナス金利は、ヘッジ ファンドに国債暴落で儲けるチャンスを与えたようなものである。 早く地方銀行も含めて、国債を手放さないと、突然の国債暴落にな る可能性が出てきている。銀行の倒産が多発する事態を招く恐れが 出てきた。 世界全体の発行しているマイナス金利国債の75%が日本に集中し ている。この量のマイナス金利国債は、日本経済を殺すのに十分な 量である。ということで、日銀のマイナス金利は、大失敗な金融政 策であったことがわかるはず。国債暴落の前にやめることである。 というように、とうとう、日銀の金融緩和政策は限界を迎えている のである。このため、政府の構造改革の時間的な余裕がなくなてき ている。 早く、移民政策を実行しないと、潜在成長力は上がらない。また、 人口減少にはロボットが有効であり、それを積極的に導入すれば、 潜在成長力を上げられると、おバカな評論家が言うが、IOTや人工知 能ロボットの開発する時間軸は長く、現状の短期間で構造改革をし ないと経済成長がなく不況になることとサービス産業の労働生産性 は、ロボットでは上げることができないことも知らないようである。 労働人口を増やす必要があり、そのためには、高齢者の労働と女性 の労働参加はもちろんのこと、移民も必要である。 財政政策も金融政策も長くはできない。もし、政策を持続させると 国債暴落という長期金利大幅上昇というヘッジファンドのボロ儲け のために、地方銀行の大量倒産ということになってしまう。 このため、構造改革を行う時間的な余裕が無くなってきたようだ。 速く実行して行く必要がある。 経済的な発展がなくなると、軍事費の増額もできずに、中国との戦 いにも負けることになる。経済力=戦闘力であることを肝に銘じる 必要がある。 さあ、どうなりますか? ============================== 企業業績、減速感強く 17年3月期経常減益 円高逆風、「稼ぐ力」は強まる 2016/8/16 0:59日本経済新聞 電子版 上場企業の業績に減速感が強まっている。2017年3月期は経常減 益に下振れする見通しだ。通期で減益なら5年ぶり。期初時点では 小幅増益を見込んでいたが、円高の影響で自動車など製造業を中心 に業績が低迷している。想定為替レートも実勢より円安水準にとど まったままだ。販売数量が伸びるなど「稼ぐ力」は強まっているも のの、円高による外部環境の悪化を補いきれない。 15日までに16年4〜6月期決算を発表した157… ============================== 大株主「日銀」、17年末に日経平均4分の1で筆頭−ETF増功罪 長谷川敏郎、北中杏奈、中村友治 2016年8月15日 00:00 JST 更新日時 2016年8月15日 17:35 JST 追加の金融緩和策として上場投資信託(ETF)の買い入れ額を増 やした日本銀行が、日本株市場への影響力を強めている。ETFの 保有額から試算した結果、既に主要企業の実質的な大株主となって おり、7月会合の方針に沿って今後買い進めば、筆頭株主・日銀の 銘柄が急増する。 ブルームバーグの集計によると、8月初旬時点で日経平均株価 を構成する225銘柄のうち、75%で日銀が大株主上位10位以内に入っ ており、楽器・音響のヤマハに至っては既に事実上の筆頭株主状態 にある。日銀が今回、ETF購入枠を従来の約2倍へ拡大したこと で、年内にはセコムやカシオ計算機でも筆頭株主化し、2017年末に は55銘柄まで増加する見通しだ。 1980年代以降、日本では行財政改革や競争原理の導入による産 業育成の観点から、電電公社がNTT、国鉄がJR、専売公社がJT 、日本郵政公社が日本郵政グループへと民営化し、社会全体として 官から民への流れで進んできた。しかし、競争原理を体現する株式 市場では最近、中央銀行がETFを通じて日本株を保有、公的年金 資金が国内株式の保有比率を上げるなど「官製」の色合いが濃くな っている。 三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジス トは、「相場が下がったところで日銀が買い支え、投資家に安心感 を与える点では評価できる」とした半面、「長期間にわたって金額 を増やし続けることが緩和になるのか。増やしてからは悪い面もあ るのではないか、という見方も出てきている」と指摘した。 日銀は7月29日の会合で、ETFの保有残高を年間約3兆3000 億円から約6兆円増やすペースで買い入れることを決定。従来枠の ETF買い入れは、会合直前の1回当たり336億円から8月に入り 707億円へ倍増した。10年に年間4500億円でETFの買い入れがス タートして以降、足元では過去最高ペースで購入が進み、日経平均 やTOPIXなど買い入れ対象指数の構成銘柄に対する存在感も増 している。 日銀はヤマハ株を実質5.91%保有、保有率5.49%で筆頭株主の ブラックロックを上回った。日銀以外の株主の比率が現状のままと 仮定すれば、現時点で実質保有率が5.31%のセコムや4.55%のカシ オは年内、来年3月までにはエーザイや電通、安川電機、ニチレイ などでも日銀が筆頭株主化する。17年末にファナックや京セラ、テ ルモ、ダイキン工業、TDK、住友不動産、オリンパス、アドバン テスト、三越伊勢丹ホールディングスも加わると、日経平均構成銘 柄の4分の1を占め、18年末には82銘柄と全体の3分の1を上回る 見込みだ。 日本コムジェストのポートフォリオ・アドバイザー、リチャー ド・ケイ氏は「株式市場への資金流入という点でポジティブだが、 あまり歓迎しない」と言う。個別企業の選別や監視が行き届かない 一律的な保有率の増加は、「ガバナンスを良くし、日本企業を抜本 的に改善する動きではない。バリュエーション全体を狂わせる動き になるかもしれない」と懸念を示す。 ブルームバーグの試算では、日銀は6月末時点で日本のETF 全体の59.5%、8兆9000億円を保有する。買い入れは指数の時価総 額に比例して行っており、日経平均型がTOPIX型を上回る。日 経平均型に資金がより流入する構図で、15日午前は日経平均が小高 くなった半面、TOPIXは軟調でNT倍率は一時12.8倍台と17年 ぶりの高水準となった。日経平均の指数寄与度が大きいファースト リテイリングの浮動株比率は25%だが、野村証券の試算ではそのう ち半分を日銀が保有し、年末までには63%まで上昇する見込みとい う。 SMBC日興証券の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは、「 浮動株を吸収し尽くしていくことが今後問題になる可能性はある」 と指摘。流動性が低下すれば、売買がしにくくなり、「どうしても 買いたい投資家は価格をつり上げ、売りたい投資家は下値を大きく 下げる。浮動株比率が低い銘柄は値動きが荒くなり、その銘柄のウ エートが高いと、インデックスへの影響も大きくなる」と話す。 また、日銀がETFの買い入れを増やせば増やすほど、出口政 策のタイミングもますます難しくなっていく。SMBC日興の伊藤 氏は、「日銀もいつまでも持ち続けるわけにはいかない。どこかで 出口戦略を考える時、指数ウエートの高い銘柄や保有比率の高い銘 柄に思った以上に売り圧力がかかる可能性は考えなければならない 」としている。 もっとも、日銀が多くの主要企業で実質筆頭株主になっても、 弊害は少ないとの声も聞かれる。みずほ投信投資顧問の青木隆株式 運用部長は、「日本企業の稼ぐ力を回復させることと物価上昇率2 %という政策の目標があり、うまく相乗効果をもたらすことが期待 されている」と指摘。現在のETFの購入規模は、「政策目標に合 致した動きを期待できる範囲」と認識だ。日銀が買っても、ファン ダメンタルズが悪ければ株価は下がるとし、「経営判断への影響は ない」とみている。 日銀は、4日と10日に既存のETFを707億円購入した。これま での1日当たりの買い入れ額の最高は2012年5月の397億円で、これ を大幅に更新するペースとなっている。購入枠増額を決める直前の 7月28日の買い付け額は336億円だった。一方、設備・人材投資に積 極的な企業支援のためのETFは日々12億円の購入を継続している。 日銀が筆頭株主となる見通しについて、ファナックでは一般の 株主と同様に捉えているとブルームバーグに回答。他の企業はノー コメントか、15日時点でまだ回答が得られていない。 日銀の保有株推計に際しては、日銀が公表しているETF購入 額を6月末の時点でいったん時価評価し、投資信託協会のETFの 60%を保有していると試算。投信協会のETFが個別銘柄をどれだ け保有しているかをそれぞれ1銘柄ずつ算出し、その60%を日銀が 保有していると推定した。その上で8月初旬時点で再度時価評価し 、日銀が年間6兆円のペースでETFを購入すればその比率がどう 変化するかを予想した。 ブルームバーグ ============================== 日本株に投資せず、景気は「修復不能」−世界株運用で豪首位ファ ンド Ruth Liew 2016年8月15日 07:30 JST 低迷する日本経済は「ほとんど修復不能な状況」から抜け出せず、 早期の景気回復を見込む者は失望する。世界株の運用でオーストラ リア首位のファンドマネジャーはこう指摘する。 マゼラン・ファイナンシャル・グループ(シドニー)で394億豪 ドル(約3兆円)相当を運用するヘイミッシュ・ダグラス氏は、安 倍晋三首相の景気刺激策が機能している「証拠はほとんどない」と して、世界3位の経済大国である日本へのエクスポージャーが大き い企業には投資しないようにしていると説明。人口高齢化の影響を 日本が打ち消すには、労働市場を変革し移民を歓迎する必要がある と主張した。 安倍政権の発足から4年近く経過するが、日本は引き続きデフ レや低成長に苦しんでいる。日本銀行の追加緩和に加えて一連の財 政刺激策がここ1カ月間に発表されたものの、国内総生産(GDP )が縮小し2%のインフレ率目標に近づけない経済の軌道を変える ことはできないと、一部アナリストらは予想する。 「日本のインフレ率とGDPの改善に賭けるような投資は、リ スクが高過ぎるとわれわれは考える」と、ダグラス氏は11日の電話 インタビューで話した。 同氏はグーグルの持ち株会社であるアルファベットやファスト フードのマクドナルドなど、日本にある程度関連する銘柄の保有に やぶさかではないものの、日本企業の銘柄保有はリスクに見合わな いと考えている。「傍観者としての立場に満足だ」と言う。 モーニングスターがまとめた過去5年の番付によると、マゼラ ンは世界株ファンドとしては成績が豪州でトップ。今年6月末まで の5年で、平均年間リターンがプラス21%だった。規模の大きい保 有銘柄にアップルやマイクロソフトなどを抱え、同月末までの1年 間で運用資産は27%増えた。 原題:Japan’s Impossible Position Has Top Aussie Manager Keeping Clear(抜粋) ブルームバーグ