5740.第2次日中戦争への準備



中国が漁船250隻と公船を送り込んできたことで、第2次日中戦
争が起こる可能性が出てきた。その検討と対応策。  津田より

0.中国の「サラミ・スライス」戦略
2012年頃から、中国は国境や海洋での対立を軍事的・政治的に有利
に進めるため、「サラミスライス戦略」、つまり「その一つずつは
戦争原因にならないが、時間をかけることで大きな戦略的変化にな
る小さな行動のゆっくりした積み重ね」を繰り返すことで、初期の
目標を達成する戦略であるが、このサラミスライス戦略を南シナ海
と東シナ海の両戦線で実行している。

もう1つがキャベツ戦術であり、キャベツの皮が何枚もの皮ででき
ているように、中国の利益を守るために、幾層もの守りで固めると
いうことである。中国の軍艦や法執行船、そして漁民を海洋民兵と
して使い、中国の様々な組織が緊密な統制の下で行動することであ
る。

このような戦略・戦術の延長上に、今回の漁船250隻の尖閣諸島
への派遣があるので、単なる漁船が漁のために尖閣諸島に来たわけ
ではない。この漁船は、海洋民兵である。このため、誰かの命令で
派遣されたのであり、普通に考えると習近平ということになるが、
G20の開催前に、南シナ海問題が起こしている上に、東シナ海問
題も起こして、中国で開催するG20で紛糾するのは、いかにも不
味いはずである。

現時点、中国の三戦思想「法律戦」「情報戦」「軍事戦」であるが
、法律戦では、バーク国際仲裁裁判所での判決が出て、南シナ海で
の中国の主張に根拠なしとなって負けている。

南シナ海での判決を無視したことで、中国は国際社会で無法者とい
う判断になっている。この影響が国際的な経済連携に出てきている。

英豪両国は中国国有企業が資金提供する投資案件の承認を拒み、長
期的な電力関連事業計画が相当進展した段階で待ったをかけた。法
律事務所デッカートは「中国の外交政策がますます強引になる中で
、英豪は徐々に中国からの投資に関する審査を強化している。姿勢
の変化だ」と指摘する。

経済的な面は、政府組織であり、李克強首相がトップであるが、経
済面で不利益なことになっている。

経済政策でも、習近平は、太子党が占める国営企業中心に経済を変
えて、一帯一路(現代のシルクロード)の構築をしたいようである
が、李克強は民間企業の自由な経済活動を活発化して、経済を発展
させようとしている。この経済政策でも習近平と李克強は対立して
いる。

このため、中国の民間企業は中国から逃げるために、世界的なM&
Aや不動産に資金を投資して、これにより中国国内の投資が激減し
ている。

このため、習近平は、現に江沢民派を潰したが、今度は団派潰しを
行い始めている。このような国内政治闘争が裏にあり、誰かが漁船
の民兵に命令したのである。江沢民派か太子党か団派かの誰かでし
ょうね。

1.中国の夢
習近平は、中国の夢という構想を掲げて総書記になり、その実現を
目指しているが、この中国の夢は、周辺諸国にとっては、悪夢にな
っている。巨大国家が自国の領土を拡大するということであるから
、周辺諸国は、中国に従うか敵対するかになる。

中国に敵対する国家は、米国や日本に助けを求めるし、中国に隷属
する国は、中国の駒として働くことになる。現時点、中国の駒は、
ラオス、カンボジアであり、中国の駒から離れたのが、ミャンマー
である。

敵対しているのは、フィリピンとベトナム、インドネシアなどであ
るが、米国でトランプ大統領候補が、アジアなど諸外国での同盟関
係を見直して、金を払わない国の安全保障はしないと宣言したので
、中国敵対国家は、保険を掛ける必要になってしまった。日本も中
国敵対国家であるが、日本は保険を掛けることをしていない。

このため、米国の大統領がトランプ氏になったら、大変なことにな
りそうであったが、トランプ候補の舌禍事件が立て続けに出たこと
で、すこし安心できる状態になったようである。

しかし、クリントン候補が大統領になっても、米国の軍事費を社会
福祉に回し削減されることになる。このため、中国の軍事増強が続
き、サラミスライス戦略+キャベツ戦術で尖閣諸島を巡る攻防が続
き、徐々に中国は、その強度を増してくることになる。

これに、日本はどう対応するのかが今後の大きな課題になる。

2.日本の対抗手段
奥山さんは、日本も漁船を尖閣諸島に送り、中国と同じようなこと
をすればよいと提案している。これは、日本の漁民を民兵に仕立て
ることでもあるが、漁民の数が絶対的に減少して、かつ危険な仕事
を希望する人は、いないはず。日本の平和主義と漁業が割に合わな
い仕事になって長く時間が経ったことで、そうなっている。

米艦載機の爆撃演習地に尖閣諸島を使い、米軍も一役買うようにし
たらという提案もあるが、米国は領土紛争には関わらないというこ
とであり、現時点では米国は、この案を拒否するはず。

尖閣諸島の領有権を国際仲裁裁判所に持ち込むという案は、日本政
府が言っている紛争がない領土ということを撤回する必要がある。
それと中国は、その提案に乗ってはこないし、若干の疑念がある可
能性もあるのかと思う。

このため、当分、日本は尖閣諸島を軍事的に守るしかない。

3.日本の軍事的な対中国戦略
しかし、通常兵器では、経済格差が大きく出る分野である。日本と
中国では、経済規模が2倍から3倍も違う。このため、多くの国と
合従連合することであるが、フィリピン、ベトナムなどと一緒に闘
っても、経済規模が日本の数分の1であり、合従連合しても中国に
は、かなわない。ということで、米国との同盟しか対抗できる方法
がない。

また、いくら、質で勝っていても量で負けると、戦えない。民兵の
分野でも同じである。

このため、日本が行うべきことは、米国の対等な同盟を結び、中国
に日本と戦争しても米国は出てこないと思わせないことである。ト
ランプ候補の論理が通じないように米国の世論対策が必要である。
このためには、現状の憲法や法律を変える必要もあるだろう。戦時
法も必要になる。

また、日本の平和主義を払拭することが必要である。戦争を体験し
た人たちがいなくなり、徐々に日本も変化しているが、日本一国平
和主義ではなく、中国から戦争を仕掛けられることを想定した戦争
準備をしての平和を守る思想を構築することである。

しかし、通常戦争で中国が劣勢になったら、核兵器が日本に襲いか
かることになる。日本人皆殺し作戦になる。これに対応して、核兵
器を持つか、それ以上に強力な兵器を開発して、抑止力を持つこと
である。私は、既に決戦兵器を提案した。この開発を進めるべきで
ある。

しかし、サラミスライスで戦争になる前に、日本は、中国への経済
制裁を欧米諸国に提案することである。なぜ、南シナ海での問題で
も中国への経済制裁が出ないかというと、中国の世界からの輸入額
が大きいからだが、世界の無法者を世界経済から分離することも必
要である。

軍事作戦だけを米国も豪州も行おうとしているが、中国経済を崩壊
させないと軍事費が積み上がり、戦争でも中国が優位になることは
明らかである。経済的な崩壊を仕掛けないと、中国を屈服させるの
は難しいと思う。

よって、どの段階で経済制裁をするか、G7で欧米日は合意してお
くことである。中国の夢をこのままにしておくことはできない。

さあ、どうなりますか?


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米核先制不使用、見送りか
主要閣僚と同盟国反対で
2016/8/13 17:48
 【ワシントン共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版
は12日、オバマ政権が検討している核兵器の「先制不使用」政策に
ついて、7月の閣僚会議でケリー国務長官やカーター国防長官、モニ
ズ・エネルギー長官がそろって反対したと報じた。
 同紙によると、同盟国の日本、韓国、英国、フランス、ドイツが
先制不使用の採用に対する疑問や懸念を示しているという。この問
題に関するホワイトハウスの議論に詳しい関係者は同紙に対し「重
要閣僚と同盟国の反対によって、政策変更の可能性は低くなった」
と指摘した。
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壁にぶつかった中国の対外インフラ投資-外交政策の強引さがあだか
Bloomberg News
2016年8月12日 13:06 JST
対外インフラ投資を進めたい中国にとっては、厳しい2週間となっ
た。合わせて150億ドル(約1兆5300億円)以上に上る英国の原子力
発電所建設とオーストラリアの送電会社への出資計画が壁にぶつか
った。
  英豪両国は中国国有企業が資金提供する投資案件の承認を拒み
、長期的な電力関連事業計画が相当進展した段階で待ったをかけた
。これが事業の参加者を驚かせている。英国では原発計画の調印式
典が急きょ延期された。
  法律事務所デッカートの陶景洲マネジングパートナー(北京在
勤)は「中国の外交政策がますます強引になる中で、英豪は徐々に
中国からの投資に関する審査を強化している。姿勢の変化だ」と指
摘する。
  英国ではメイ首相就任後、中国広核集団が出資することになっ
ていた約20年ぶりの英原発新設計画を見直している。同社は、180億
ポンド(約2兆3800億円)規模となるこの事業の約3分の1の資金
を提供することで合意していた。同事業は数年前から計画が進んで
いたが、メイ政権は先月、審査にもっと時間を費やしたいと説明し
た。
  英政府の決定から2週間足らずの11日、豪州ではモリソン財務
相が豪電力公社オースグリッドの海外企業への売却は国家の安全保
障を脅かす恐れがあると表明。事情に詳しい関係者によると、中国
国家電網と香港の資産家、李嘉誠氏の企業がオースグリッドの経営
権取得をめぐり競い合い、拘束力のある買収提案をすでに提出して
いた。
南シナ海問題
  オーストラリア戦略政策研究所のピーター・ジェニングス所長
は「外交政策が一段と強行になればなるほど、豪州などの相手側は
その国の投資を受け入れるのが難しくなる。中国にとっては受け入
れ難いメッセージだろうが、必要なものだ」と話す。
  中国が南シナ海の海域で領有権を主張し、支配力を強めようと
していることに対し、オランダのハーグにある仲裁裁判所が違法だ
との判決を先月下した。豪州や米国などは中国に判決を受け入れる
よう促している。
原題:China’s $15 Billion Energy Ambitions Crushed Within 
Two Weeks(抜粋)
ブルームバーグ
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中国軍の「ヤル気」にどう対応するか
2016年08月10日 11:50
井本 省吾
沖縄県の尖閣諸島周辺で中国海警局の挑発行動が拡大している。8日
は海警局の公船13隻が領海の外側の接続水域を航行し、一時は過去
最大の15隻に増えた。接続水域から断続的に領海に侵入している。
周辺には200~300隻の中国漁船も航行、中国漁船の活動を理由に居
座る構えを見せている。「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国の固
有の領土であり、中国の漁船が活動するのは当然だ」というのが中
国側の言い分だ。
同時に中国軍の尖閣侵入も強まっており、前回のブログで記したよ
うに、一触即発の危機も見られた。
中国経済の悪化から、習近平国家主席は国民の不満を外に向けるた
め、「悪の軍国主義国家・日本」(中国国内向けの説明)への攻勢
を強めているとの見方がある。
南シナ海を巡る仲裁裁判所の判決が示され、「中国は国際法に従え
」と言われ、中国政府の面子が丸つぶれ。その先頭に立って「中国
は仲裁を受け入れよ。国際法を守れ」と言っているのが安倍政権な
ので、そこに攻勢をかけねば中国軍をはじめ、国民の反習活動が強
まり、政権基盤が揺らぐ。
最近の東シナ海攻勢はそうした中国の経済不振、政権基盤の揺らぎ
を反映している、という見方が強まっている。
中国は日本の空自機や海保にギリギリまで攻撃の嫌がらせを仕掛け
、やむにやまれず日本から手出しする、先制的に攻撃してくるのを
待っているのではないか。そうなれば、中国はあらゆるウソと誇張
の情報を世界と国内のメディアに向けて発信し、状況を有利に展開
しようと行動するだろう。
「わが国の領土内で安全作業を実施中の中国航空機に、日本の戦闘
機が高速で接近挑発し、突然攻撃をしかけた。無謀な軍国主義国家
、日本の真の意図が暴露された瞬間で、わが軍は正当防衛のために
戦わざるをえない事態に陥った」とかなんとか、膨大なウソと誇張
情報を世界にばらまくに相違ない。
日本が最初に攻撃に踏み切ったのは確かなので、中国人民の憤激は
高まり、習政権の支持率が急上昇、中国軍も自分たちの存在価値が
高まり、行動を拡大できる。
だから、日本政府としてはなんとしても自分から手出しはしがたい
。すると、どうなるか。
もともと9条信仰が高く、戦争大反対の空気の中で、安倍政権は「非
核3原則」を撤廃しないと宣言、防衛費の増額も極めて困難な状況を
余儀なくされている。
「今そこにある危機」を読めない日本人は圧倒的に多く、日本のメ
ディアも「その危機」に対して、極めて抑制的、慎重な記事しか載
せない。
「事態をあおるな!」というのが新聞各社の幹部の暗黙の方針だ。
政府も中国の尖閣領域への侵攻に対して中国政府に「厳重抗議」す
るだけで、それ以上の行動をとれない。
日本の攻撃がないことを100も承知の中国軍は次第に行動が傍若無人
となり、尖閣領域へは自国の領海での行動という姿勢を強め、世界
にもそう宣言している。
「ウソも100回言えば、本当になる」。だって、日本政府は抗議はす
れど、国際法違反を中止させる行動をとらないではないか。実質的
に中国の行動を黙認している。
日本人のアンケート調査などを見ると、「危ない行動に出るくらい
なら、中国軍の行動を大目に見るくらいでいいという意見が多いで
はないか」と見ている欧米政府や欧米のメディアも少なくない。
つまり、中国にとっては今の侵略行動を続けて、どっちにころんで
もプラスなのだ。日本には反日=親中の論者も多い。彼らがふえる
ような情報戦、心理戦、法律戦を展開し、「戦わずせずして日本を
中国政権の支配下に置く」。
沖縄ではすでにその状況が整いつつあり、本土内でもヘイトスピー
チ法などの流れは広がっている。不法移民もふえており、(中国に
対して)物言えば唇寒し、の空気も徐々に広がっているようにも感
じられる。
日本人は本当に「今そこにある危機」への対処を考えているんだろ
うか。平和であることは素晴らしい。しかし、戦争の準備をしない
ことが平和を守るのではない。むしろ準備をして置くことが平和を
守ることになる。
この「軍事知能」の再訓練が今の日本人には大事なのだ、と改めて
痛感する昨今である。
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なぜ中国は領海侵犯を繰り返すのか? 米識者が示す分析と今後の対
応策とは
更新日:2016年8月13日newsphere
 このところ中国の公船が尖閣諸島沖に出没し、日本の領海に侵入
を繰り返している。南シナ海での領有権を巡る国際仲裁裁判で、中
国の主張は無効とされたばかりだが、その野心はくじかれるどころ
か強まるばかりだ。中国の狙いは何なのか、また日本を含む国際社
会はどのように対応していくべきかを、米識者たちが論じている。
◆複数の紛争でじわじわと利益を。中国式が効果発揮
 ノッティンガム大学中国政策研究所のマイケル・コール氏によれ
ば、中国共産党は、「中国が外国に封じ込められ犠牲になっている
」という考えを国内的に浸透させている。共産党支持につながるこ
のイメージを維持するには、常に紛争をうまく片付け、国のために
尽くしていると示す必要があるため、政府は複数の場所でアクショ
ンを起こすのだという。具体的には、南シナ海、東シナ海の2ヶ所が
それに当たり、台湾、中印国境紛争地帯も含めれば4ヶ所だ。各地で
緊張の度合いを高めたり低めたりし、相手側に隙ができるまで辛抱
強く待ち、チャンスが到来すると、確実に小さくとも何かを得て、
それを既成事実化するのが中国の戦法だという。国際法とアメリカ
のアジア重視のリバランスに挑戦する中国が、事実上南シナ海を軍
事化して占領し、一方的に東シナ海上空に防空識別圏設置を宣言し
たのがその例だ(ナショナル・インタレスト誌)。
 国内を満足させるのが目的であるため、紛争を戦争につなげる意
思は、中国にはないとコール氏は見ており、実際2ヶ所で戦争を起こ
すことは命取りであり、すべての領土紛争で思い通りに勝つことは
幻想であると共産党はよく分かっていると述べる。現状優位に立っ
ていることから、アメリカがアジアへの関与を更新する今は、しば
らくの間、複数の場所で紛争が続く状態が中国にとって最も国益に
なる、と同氏は見ている。
◆中国を止められるのはアメリカ。国際協調も必要
「Nikkei Asian Review」に寄稿した米ハドソン研究所上席研究員の
アーサー・ハーマン氏は、中国を止められるのはアメリカしかいな
いと主張する。中国には戦後の国際秩序に挑戦し、国際法を書き換
える決意があるようだとし、アメリカがまず、日本の尖閣諸島への
歴史的主張をサポートし、近海での中国の挑発を止めさせる具体的
措置を取るべきだと述べる。
 そして日豪、NATOも含めた多国籍軍を南シナ海、東シナ海で組織
し、航行の自由は世界共通のものだと示し、緊張を和らげ、国際危
機を引き起こす一方的な軍事行為の可能性を取り除くため、尖閣諸
島と南沙諸島での即時の非武装化を、中国だけでなくフィリピンや
ベトナムにも提案せよとアドバイスしている。いまや南シナ海と東
シナ海は「アジアの火薬庫」になりつつあるという同氏は、手遅れ
になる前に、アメリカが関与すべきだとしている。
◆米中開戦ほぼなし。あれば日本も巻き込まれる?
 中国に戦争の意思がないとしても、アメリカが関与を強めれば、
米中衝突の可能性も出て来る。米の研究分析機関、RANDコーポレー
ションの米中戦争を想定したレポートの主執筆者であるデビッド・
C・ゴンパート氏は、米中が戦争に突入することは考えられないが、
中国が近隣国を威嚇しすぎてアメリカの介入を誘ったり、尖閣問題
でのアメリカの関与の意思を過小評価した場合など、危機の扱いを
間違うことで戦争が始まる可能性はあると述べる。
 米中開戦となれば、現状ではアメリカが有利だが、両国の軍事力
や装備の差は縮まっていることもあり、長期化し両国に大きな犠牲
をもたらすとレポートは結論づけ、戦争は米中どちらにも利益をも
たらさないので、誤解や間違いを防ぐための策や、各国単位、2国間
単位の危機管理が大切だと指摘している。
 ちなみに日本に関しては、参戦はないとしながらも、日本が米軍
に基地を提供することで、中国の攻撃の対象となりえるとし、もし
中国が自衛隊を攻撃した場合、日本はおそらく抗戦すると見ている
。レポートは、日本の参戦の可能性は、中国の戦争突入の決断に影
響するため、強固な日米同盟と高い能力を持つ自衛隊が、戦争に対
する主要な抑止力になるとしている。
◆領土は広げたが敵を利した?習主席に批判
 力で周りを服従させようとする中国だが、米シンクタンク、アト
ランティック・カウンシルのロバート・A・マニング上席研究員と、
米国防大学国家戦略研究所のジェームス・プリスタップ上席研究員
は、中国の習主席の外交政策が、国内では失敗と見られていると指
摘する。両氏は、南シナ海の仲裁判決を始め、米軍の迎撃システム
THAADの韓国配備、日本の安全保障政策の見直しや平和憲法改正の可
能性、EUによる中国のWTO「市場経済国」不認定など、結果的にアメ
リカを利する形になり、オバマ政権のリバランス強化につながって
しまっていると述べる(フォーリン・ポリシー誌)。
 3月には、習主席の逆効果の外交政策を「危険な冒険主義」と批判
する匿名の手紙が共産党中枢部宛に送られており、党内にも不満が
くすぶっているようだ。マニング氏とプリスタップ氏は、習主席失
脚の可能性も示唆している。今後も傲慢な態度を続ければ、国際社
会の中国を見る目はますます厳しくなりそうだ。
(山川真智子)
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南シナ海、対中対話の意向強調
フィリピン特使
2016/8/12 19:32
 【香港共同】フィリピンの南シナ海問題担当特使を務めるラモス
元大統領は12日、滞在先の香港で記者会見し、中国との主権争いを
念頭に「適切な時期に中国政府と公式協議を行うことを望む」と表
明した。問題の平和的解決に向け、対話の継続を目指すドゥテルテ
政権の意向を強調した。中国側と共同で発表した声明の中で明らか
にした。
 ラモス氏は10~11日、中国の元外務次官で全国人民代表大会(全
人代=国会)外事委員会の傅瑩主任と、南シナ海に関する中国政府
系のシンクタンク、中国南海研究院の呉士存院長と「個人の立場」
で非公式に会談。緊張緩和のための対話の必要性について協議した。
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中国の圧倒的武力に立ち向かう日本、アジアの周縁に追いやられる
未来が待っている―SP紙
Record china配信日時:2016年8月12日(金) 8時20分
2016年8月10日、シンガポールメディアが日本は中国によってアジア
の周縁的地位に追いやられると主張している。 
日本は中国への対抗を決定したが、具体的にどのような戦略で立ち
向かうか、統合的な計画と共通認識を欠いている。これはシンガポ
ール英字紙ストレーツ・タイムズ掲載のJonathan Eyal氏のコラムで
の指摘だ。 
日本の防衛白書は対中国の意識が鮮明で、日本政府が中国と対抗す
る決意を固めたことは明らかだ。しかしそのためには根本的な発想
転換が必要となるはずだが、そうした兆しは見られない。「量は質
を凌駕(りょうが)する」という言葉がある。今は科学技術で日本
が優位を保っているかもしれないが、このままでは中国の巨大な軍
事力に圧倒され、日本はアジアの周縁的地位に追いやられることに
なると予測している。(翻訳・編集/増田聡太郎)
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ロシア・トルコ首脳会談 関係修復を確認
2016年08月10日(Wed)  BBC News
ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は9日、ロシア
のサンクトペテルブルクで会談し、昨年11月にトルコ軍がロシア軍
機を撃墜して以来、断絶状態にあった関係の修復を確認した。
プーチン大統領は、トルコに対する経済制裁を「段階的に」終わら
せると述べた。「優先すべきなのは協力を危機以前の水準に戻すこ
とだ」と述べた。
エルドアン大統領にとっては、先月のクーデター未遂事件以来、初
めての外国訪問になる。事件以来、トルコ国内では軍や政府機関で
広範囲にわたる粛清が行われている。
エルドアン大統領は、事件直後にプーチン大統領から電話会談の申
し入れがあったことについて、「心理的に大きな助けになった」と
謝意を表し、「ロシアとトルコの友好的枢軸は回復される」と語っ
た。
昨年11月のトルコ軍によるSu-24攻撃機の撃墜を受け、ロシアはトル
コに貿易制裁を科し、トルコにとって大きな収入源となっている団
体旅行を停止した。
ロシアは団体旅行の再開を決めている。
内戦が続くシリアについては、プーチン大統領はトルコと大きな意
見の隔たりがあると認めた上で、「解決策を探る」と述べた。
(英語記事 Putin mends broken relations with Turkey's Erdogan)
提供元:http://www.bbc.com/japanese/37030957
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尖閣に押し寄せる大量の中国船、東シナ海と南シナ海問題が連動す
る理由
2016年08月12日(Fri)  小原凡司 (東京財団研究員・元駐中国防
衛駐在官)
前略
尖閣問題において「対等」を狙う中国
 この考え方は、東シナ海にも適用されている。中国は、「これま
で、尖閣諸島周辺海域で日本の海上保安庁が圧倒的に優勢を保って
いたために、尖閣諸島領有に関する議論は常に日本有利に進められ
てきた」としている。そして、中国が海警局を強化し、大量の漁船
による漁業活動を展開するようになって、日中の勢力が対等になっ
た今、尖閣諸島の領有について日中が対等な立場で議論できるよう
になったと言うのだ。
 問題は、中国が言う「対等」とは何かである。現状が不公平だと
言う認識では、現状を変えることができて初めて公平だということ
になる。「対等」であるという意味は、中国が勝てる状態のことを
言っているに等しい。
 一方で、中国の研究者等は、日本の対応を非常に気にかけている
。会って話をすると、必ず、「日本はどう対応するのか?」と質問
してくる。しかも、表現を変えつつ、何度も質問されるのだ。例え
、挑発的な行動に出たとしても、中国の本音は、日本と軍事衝突し
たくないのである。日本と軍事衝突すれば、米中戦争にエスカレー
トする可能性がある。そして、米中戦争になれば、中国は敗北する。
 中国が狙うのは、日本が海上警備行動を発令しない範囲において
、尖閣諸島の実効支配を奪うことである。日本が手を出しにくいよ
うに、少しずつエスカレートさせてきたのだ。しかし、今回の事案
で、中国側が日本の出方に神経質になっているのは、自分たちでも
「エスカレーションの度合いが強かった」と認識しているからに他
ならない。
背景にあるのは権力闘争か
 それにもかかわらず、なぜ中国は、大量の漁船と公船を送り込む
という行動に出たのだろうか? そこには、中国の内政、特に権力闘
争が関係している可能性がある。習近平主席とその周辺、或いは習
主席の「やり方」に反対するグループのいずれかにとって、日本を
怒らせ騒がせることが、有利に働くということだ。
 そのどちらが仕掛けているのか断定することはできないが、状況
からは、習主席の「やり方」に反対するグループが、習主席に外交
上の失点を上積みするために、日本に危機感を抱かせ、国際社会に
働きかけさせようと企図したように見える。今、日本が国際社会に
「中国の悪行」を吹聴して中国が困るのは、G20の直前だからだ。
 2016年のG20サミットは、中国の杭州で、9月3日及び4日の2日間の
日程で開催される。議長国である中国は、この場で他の参加国の首
脳から非難の集中砲火を浴びるようなことになれば、完全に面子を
失う。外交の大失態どころか、習主席の権威さえ脅かしかねない。
 中国の研究者たちによれば、中国国内で、王毅外交部長(日本で
言う外務大臣)がG20前に訪日するという噂が囁かれているという。
中国は、自分で日本を怒らせるようなことをしておきながら、G20の
場で中国を非難しないように日本に働きかける、という訳だ。同じ
人間が指示しているとしたら、おかしな話だ。
 さらに今回の事案が中国国内の権力闘争に関係していると考えさ
せるのは、中国が大量の漁船と公船を尖閣周辺海域に送り込んでき
たのが、中国で北戴河会議が開かれている時期だからである。北戴
河会議とは、毎年夏に共産党の高級幹部が北戴河という避暑地に集
まり、5年に1度の党大会に向けて、党の方針や人事等の調整を行う
会議である。
 現地では、自らの保身・出世のために、家族ぐるみで様々な工作
が行われると言う。2000年代半ばころから「北戴河会議はなくなっ
た」とも言われるが、自分だけが行かなかった場合のリスクを考え
れば、恐ろしくて「行かない」という選択をすることは難しい。結
局のところ、現在でも、夏の北戴河には、党の指導者たちが集まっ
ている。
 今年の北戴河は熱いだろう。習主席とその「やり方」に反対する
グループの闘争がし烈になっているだろうからだ。大量の漁船や公
船が尖閣諸島周辺海域にやって来たのは、まさにこの時期なのであ
る。本来であれば、中国の指導者たちは、権力闘争以外の問題にか
まっている余裕などないはずである。その時期に起こった事案は、
権力闘争に利用するために起こされた可能性があるのだ。
独裁体制を目指す習近平?
 中国の権力闘争が激しくなったのは、習主席の「やり方」が、他
の指導者たちにとって受け入れられないものだからだと考えられる
。表には出てこないものの、習主席の「やり方」とは、政治局常務
委員制を廃止することではないかと言われる。常務委員制を廃止す
るということは、集団意思決定体制を廃止し、習主席が一人で全て
を決定する独裁体制にするということなのだ。
 胡錦濤前主席は、習主席に全ての権力を移譲する際、江沢民派の
影響を削ぐために、政治局常務委員を9名から7名に削減した。習主
席は、いきなり常務委員を無くすのではなく、4名に削減することを
考えているとも聞く。4名だと、2対2になって、最終的に習主席が決
定するという構図だ。習主席の常務委員削減は、胡前主席の削減と
は全く意味が異なる。
 来年秋の19回党大会に向けて、中国共産党内の権力闘争は激しさ
を増すだろう。それまでの間は、外交は権力闘争の道具程度にしか
扱われない可能性もある。尖閣諸島周辺海域に存在する大量の漁船
や公船が引き上げるかどうかは、まず、北戴河会議において、仕掛
けた側が、満足する程度に相手が失点したと考えるかどうかによる
だろう。もし、習主席の失点が十分でないと考えれば、G20に向けて
、さらに行動をエスカレートさせる可能性もある。
 日本に対する強いけん制の意味があることは間違いがなくとも、
日中関係が主たる問題ではないとすると、日本の対応は難しくなる
。日本が中国に対して何を働きかけようが、中国の関心は国内政治
にあるからだ。
 日本に対する強硬な姿勢に中国の権力闘争が影響していることは
、中国の研究者たちも認めるが、大量の漁船と公船を送り込んだの
は習主席側であるという話も聞く。習主席の政策に批判的な指導者
たちの反対を抑え込み、党内の結束を図るために日中間の危機を演
出しているというものだ。中国国内政治は、日本で言われるように
、「太子党(或いは紅二代)」、「共青団(共産党青年団)」、「
江沢民派(或いは上海幇)」間の闘争といった単純な構造ではない
。個人の権益等によって、合従連衡を繰り返している。そのために
、北戴河会議のような場が重要なのだ。中国の権力闘争の様相がよ
くわからないように、内政が対外政策に及ぼす影響の度合いも計る
ことは難しい。
問われる日本の覚悟
 しかし、日本にとって、その理由がどうであれ、尖閣諸島周辺海
域に中国が大量の漁船と公船を送り込んできている事実が重要であ
る。中国が力の信奉者であるとすれば、日本が自衛隊を使用しない
と考える範囲において、エスカレートする行動を止めることはない
。また、日本が抗議しても、中国に非があるとは考えないだろう。
それどころか、強く抗議をすれば、「日本が国際社会を煽っている
」とさえ捉えかねない。
 日本は、中国との間で、軍事衝突を避けるための議論を進めなけ
ればならないのは当然である。一方で、中国の行動を止めるために
は、最終的に日本は自衛隊を使用しなければならないことを覚悟し
なければならない。その時に、国際社会から非難されないためには
、普段から、尖閣諸島周辺海域における中国のエスカレーションの
状況を、日本国内外に明確に知らしめなければならない。そして、
実際に衝突した際には米軍が必ず参戦するよう、腰が引け気味の米
国を巻き込んでおかなければならない。
 危険な状況になりつつある尖閣諸島を巡る状況に対して、日本が
やらなければならないことは多いはずだ。「その時に日本はどう対
応するのか」についての議論は、一刻も早く始めなければならない
のではないだろうか。
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中国がレーダー設置抗議に反発 「日本側にあれこれ言う権利はな
い」
2016.8.9 18:21  SB
 東シナ海の日中中間線付近に中国が建造したガス田掘削施設の1
基に船舶を察知する小型レーダーが設置され、日本政府が中国に抗
議したことに対し、中国外務省は9日「(設置場所は)中国が管轄
する海域であり、日本側にあれこれ言う権利はない」と反発した。
 同省は設置した設備について「よく使われる赤外線撮影設備」と
し、目的は「掘削施設周辺の状況を観測して、本体の安全を守るた
めだ」と説明した。
 その上で「取るに足りないことを大げさに取り上げている。その
下心が分からない」と日本を批判した。(共同)
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尖閣諸島周辺に多数の中国公船と漁船、日本の抗議に中国外務省
「中国固有の領土」―中国メディア
Record china配信日時:2016年8月7日(日) 8時40分
2016年8月6日、尖閣諸島周辺の海域を多数の中国海警局の公船と中
国漁船が航行していたのが確認された問題で、日本の外務省が中国
側に抗議したことを受け、中国外交部の華春瑩(ホア・チュンイン
)報道官は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)とそれに付属する島しょ
は中国固有の領土であり、争う余地のない主権を有している」とす
る談話を発表した。国際在線が伝えた。 
華報道官はまた「中国側は関係する海域の事態を適切にコントロー
ルしている」とした上で、日本に対し「情勢の緊張と複雑化を招く
いかなる行動も取るべきではない。関係海域の安定のために共に建
設的な努力をすべきだ」とも述べた。(翻訳・編集/柳川)
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広瀬隆雄2016年08月07日 08:20BKOGOS
尖閣海域に現れた中国漁船240隻 その正体は何? 「キャベツ戦略
」について
8月6日、尖閣諸島周辺の水域に中国漁船240隻が進入し緊張が高まり
ました。
そこで「なぜこんなに多くの中国漁船が、統一行動をとっているの
?」という素朴な疑問が湧くわけです。
中国漁船の活用に関しては、以前に米国の地政学サイト、ストラト
フォア(Stratfor)が長尺記事を書いています。以下はその要点を
かいつまんだものです:
中国の沿海には数十万にものぼる民間漁船が操業している。中国は
その一部を民兵(militia=武装民間人)化している。民兵化された
漁船には軽兵器や簡単な監視装置が持ち込まれ、号令が掛けられた
ら、それに応じられる準備がある。
民兵化漁船には、沿岸警備隊より目立たないという利点がある。そ
れらを活用することで、取り巻きの支配(ambient control)を確立
することができる。民兵化漁船の正確な数は把握できない。
民兵の活用は、古来より行われてきた手法である。その存在により
、正規軍が効果的に動ける、諜報活動ができる、などの利点がある
。また中国本土では、かつて「骨までしゃぶる(bleed an invader 
dry)」作戦のために民兵が活用された歴史がある。
現在、中国の軍事予算の3%程度が、そのような民兵組織の育成・維
持に割かれている。
もともと中国の民兵化漁船は、中国の沿岸を台湾の国民党の攻撃か
ら守る目的で、1950年代に登場した。
中国が南シナ海の領土主張をはじめたのは1970年代だが、その際、
民兵化漁船も参加、バラセル諸島を南ベトナムから奪取した。
漁師たちからすれば、自分たちの安全や生活権の「自衛」のため行
動しているわけだ。
民兵化漁船は、これまでにスプラトリー諸島、パラセル諸島、スカ
ーボロー礁で衝突事件を起こしている。
海軍の艦船を芯として、その周りに何層もの民兵漁船団や民間の漁
船で護り、効率的な監視、諜報網を構築する手法を中国では「キャ
ベツ戦略」と呼んでいる。
中国の沿海は、乱獲のため近年、魚が取れなくなっている。同様に
マレーシア、ブルネイ、タイランド、インドネシア、フィリピン沖
でも過剰な漁のせいで海産物のストックが危険に晒されている。各
国の漁師たちがピリピリしている一因は、漁場と生活を守る必要性
にある。
民兵化漁船は正規軍ではないため政府の管理下ではない。統率のと
れた行動が取れるとは限らない。勝手にいざこざを起こすかもしれ
ない。日々の指揮に関してはそれぞれの地域のリーダーに一任され
ている。現場では漁師たちが勝手に判断を下し、行動を起こしてし
まう場合もある。
なお民兵化漁船は、中国だけではない。ベトナムも中国に対抗する
ために民兵化漁船を組織している。
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習近平の共青団潰し、ついに改革プランを公表=存在感失う「団派
」―米メディア
Record china配信日時:2016年8月7日(日) 6時20分
2016年8月3日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版サイト
は記事「共青団中央の定員削減、存在感失った団派」を掲載した。
中国国営通信社・新華社によると、中国共産党中央委員会は2日、「
共青団中央改革プラン」を公布した。共青団、すなわち中国共産主
義青年団は14歳から28歳までが所属する、中国共産党の下部組織。
幹部である共青団中央委員会への所属は出世コースで、胡耀邦、胡
錦濤、李克強など国家指導者を輩出している。共青団出身者による
派閥「団派」も強い影響力を持ってきた。 
令計画ら汚職官僚を生み出したこと、出身者は地方での現場経験を
欠いていることに習近平総書記は不満を抱いており、かねてより共
青団は「硬直化している」と批判していた。ついに改革に着手する
こととなったが、発表されたプランでは共青団中央委員会の定員削
減と、現場により多くの人員を割くことが盛り込まれた。
(翻訳・編集/増田聡太郎)



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