5730.経済政策を構造改革へシフトする必要



日銀の金融緩和も欧米の新自由主義も行き過ぎると利点より欠点が
目立ち、その欠点を克服するために、もとに戻ろうとする力が働く
。その検討。               津田より

0.現状
日銀が量的緩和を28日に決めたが、内容は「ETFについて、保有残
高が年間6兆円に相当するペースで増加するよう買い入れを行う」と
いう、ETFの買入れ額をほぼ倍増させるというものであった。今回の
量的緩和でヘリマネの導入も予想されていたが、国債買取の量を増
やさずに、ETFの増額だけであった。

しかし、この追加緩和は、追加緩和手段が限界に達したことを示す
ものであり、マイナス金利も銀行の経営を危機に落とすと、深掘り
をしなかった。

そして、3年の量的緩和で、物価が上昇したかというと、ほとんど
ゼロであり、この量的緩和は効果が無かったことを示したことにな
る。とうとう、去年の消費税を8%に上げてから1年以上もなり、
それを原因ともできなくなってしまった。ということは、より根源
的な問題があるのだ。

世界全体の景気が落ちたか横ばいの状況で、米国以外の先進国の中
央銀行が量的緩和をしているために、円安どころか円高に向かって
いる。米国も横ばい状態で金利を上げることができない。

量的緩和での円安は限度に来て、円高のために企業収益は減益にな
ってきた。3年の猶予をもらいながら、アベノミクスは何をしたの
であろうか?と英国エコノミストは、アベノミクスの失敗を宣言し
ている。

とうとう、金融緩和が行き過ぎて、持続不能状態に陥り、今後日銀
もテパーリングに向かわないと、買う国債がなくなる事態になって
いく。そろそろ、次の手を考えることが必要であり、一時しのぎの
金融政策でもなく財政政策でもなく、日本社会の構造改革を行わな
いと景気は、よくなることはないし、物価も上昇しない。

今の社会の問題点は、人口減少と少子高齢化のダブルでの問題と、
新自由主義での貧富の差が拡大して、15%の大企業社員とその他
大勢との格差が出て、消費が伸びないために、景気は横ばいになっ
ている。

その上に、円高で大企業も減益になり、これ以上の賃金UPはできな
くなる。このため、全体的な消費も落ち、デフレ経済に逆戻りする
方向であるが、その対応策は今までの延長の政策ではない。この3
年間で真の問題への構造改革を行わなかった結果が、今の景気を作
り、そして対策として、ヘリマネという毒薬を使う提案が官邸周辺
では囁かれている。

しかし、それは突然の金利上昇、円安、ハイパーインフレになる可
能性が有り、起これば、2度と日本は世界の大国としての地位を維
持できなくなる。余りにも危険な政策であり、現状でも危険なのに
より一層のリスクを犯すことになる。

1.欧米の問題
欧米でも同様に、サッチャーが始めた新自由主義による規制緩和で
市場主義を取る経済活性化の欠点が大きなくなり、その結果が英国
EU離脱を招き、米国のトランプ大統領候補が出てきたのである。
新自由主義での貧富の差が拡大して、富者が1%に対して貧者が99
%となり、民主主義で貧者の不満が得票になり、富者の利益代表に
NOを突きつけているのだ。

このように、新自由主義の上に、2008年のリーマンショックを
乗り越えるために、景気刺激策として金融政策をとってきたが、そ
れが行き詰まり状態になったのが今の時点であり、この先、違う経
済社会政策を取らないと、複雑骨折した社会問題を解決できないの
である。

2.解決策
新自由主義がなぜ、英国でサッチャーが行ったかというと、社会保
障政策や国民を保護するための規制が多数あり、それが社会活動を
妨げていたからである。規制の根本には国民の保護が有り、それが
企業活動にとっては邪魔になっていたから、それを取り、外国企業
への規制も緩和したことで英国への投資が増えたのである。

このため、英国ロンドンは欧州の金融ハブとしての地位を確立でき
たのであるが、これで利益を得るのは、金融の大手企業に就職でき
るエリートであり、庶民は置いてきぼりにされたのである。

その上に、量的緩和で金融資産、不動産資産の価格上昇で、金持ち
だけが得をすることになり、とうとう、英国の庶民が怒って英国の
EU離脱になったのである。同様なことが米国でも起こっているの
で、トランプ氏が共和党の大統領候補になったのだ。

このようなことが、日本でも起きて、量的緩和で、株価は7000
円から一時2万円になり、同様なことが起きているのである。

この解決は、再度、国民の多くが利益や保護を得ることができるこ
とであり、新自由主義とは逆な方向になる。その良い例が日本のタ
クシーでの規制緩和で

参考資料:
What’s New About Today’s Low Interest Rates?
https://www.project-syndicate.org/commentary/explaining-persistent-low-interest-rates-by-carmen-reinhart-2016-07

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日銀はついに「ヤバイ」領域に足を踏み入れた
追加緩和で外国人も日本から遠ざかる?
近藤 駿介 :金融・経済評論家/コラムニスト 2016年07月29日TK
市場の大方の予想通り、日銀は追加緩和に踏み切った。
内容は「ETFについて、保有残高が年間6兆円に相当するペースで増
加するよう買い入れを行う(現行の約3.3兆円からほぼ倍増)」(7
月29日付日本銀行「金融緩和の強化について」)という、ETFの買入
れ額をほぼ倍増させるというものだ。
一方で、金融政策の目標となっているマネタリーベースについては
「マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加する
よう金融市場調節を行う」と、現状維持とした。
「金融緩和の目標は株価」と暴露したも同然
日銀は、追加緩和に踏み切らざるを得ない状況に追い込まれていた
。その日銀が今回打ち出した「苦し紛れの追加緩和」は、追加緩和
手段が限界に達したことを示すとともに、中央銀行の信頼を失墜さ
せる悪手だった、と筆者は考える。
なぜ悪手なのか。日銀は今回「マネタリーベース増加ペース(年間
約80兆円)の現状維持とETF買入れ額倍増」という追加緩和策を打ち
出したが、これは日銀の政策目標が「マネタリーベース」ではなく
「株価」にあるという本音を暴露したようなものである。
中央銀行のタブーの一つは、「株価」を金融政策の目標にすること
だ。「株価」を金融政策の目標においてしまう、あるいはおいてい
ると見做されることは、株式市場の変動に合わせて金融政策の変更
を迫られるようになるからだ。
株価が下落する際には市場で緩和期待が膨らみ、日銀がその期待に
応えた政策を打ち出さなければ、さらなる株価の下落を招くという
悪循環に陥ることになる。今回の「ETF買入れ額の増額」に対して、
木内委員が「株価を目標にしているとの誤ったメッセージになる」
として反対票を投じたのは当然のことである。
もしETFの買入れ額を3兆円増やすのであれば、少なくともマネタリ
ーベースの増加ペースを83兆円に拡大するべきだったといえる。日
銀は3兆円など、80兆円に比較したら誤差の範囲であり、緩和効果に
大きな影響を及ぼすものではないと考えたのかもしれない。
日銀は「異次元の相場介入」の領域に足を踏み入れた
しかし、マネタリーベースの増加ペースを維持する中でETF買入れ額
を増やすということは、国債の買入れ額をその分減らすということ
である。これは、国債の買入れによるマネタリーベースの増額が限
界に達したこと、国債の買入れ額を減らしても金融緩和効果は変わ
らないというメッセージでもある。これは、これまでの緩和策の限
界を認めるようなものである。
今回の追加緩和によって、「マイナス金利付き量的・質的緩和」は
「異次元の金融緩和」から外れ、中央銀行にとってタブーとされる
「異次元の相場介入」の領域に足を踏み入れたといえる。
メディアではほとんど触れられていないが、今回ETF買入れ額増額と
ともに決まった緩和策に、「企業・金融機関の外貨資金調達環境の
安定のための措置」がある。
これによって「企業の海外展開を支援するため、最長4年の米ドル資
金を金融機関経由する制度」の総枠が現行の120億ドルから240億ド
ルへと倍増された。
これは日本の企業や投資家がベーシススワップを利用して外貨を調
達する際の上乗せ金利が上がってきている(ドル調達コストが上昇
している)ことに対応した措置だ。この措置によって、国内企業や
投資家のドル調達コストは低下する可能性が高い。しかしそれは海
外投資家からみれば、円の調達コストが上昇するということでもあ
る。
日本国債の利回りは15年債までがマイナス金利となっている。こう
した現象は、日銀が準備預金の一部にマイナス0.1%の金利を付利し
ていることとは直接的には関係ない。
市場金利がマイナスになっているのは、日銀がマイナス金利下でも
国債を積極的に買い入れている(日銀がマイナス金利に伴う損失を
被る)ことに加え、海外投資家の円調達コストがマイナスになって
いてマイナス利回りの国債を購入できる状況にあることを反映した
ものだ。
海外投資家は今後ますます日本に投資しなくなる?
今回国内企業・投資家の米ドル調達コストを下げるための措置によ
って海外投資家の円調達コストが上昇し、海外投資家による国債や
日本株への投資意欲は衰える可能性があることには注意が必要だ。
これは日銀のETF買入れ額増額による効果を打ち消すものになるから
だ。
「英国のEU離脱問題や、新興国経済の減速を背景に、海外経済の不
透明感が高まり、国際金融市場では不安定な動きが続いている。こ
うした不確実性が企業や家計のコンフィデンスの悪化につながるこ
とを防止する…」(日銀)
日銀は今回追加緩和に踏み切った理由をこのように説明している。
しかし、英国のEU離脱ショック後の世界の金融市場は、米国株式市
場が史上最高値を更新、新興国株価指数も5%近い上昇、日本株も英
国のEU離脱ショック前の水準を上回るなど、不安定な動きどころか
安定的な動きを見せている。
懸念されるのは、日銀が誤った世界経済認識に基づいて金融政策の
舵取りをしているということだ。6月の時点では、英国民投票による
米国経済や金融市場への混乱の可能性が指摘されていたにもかかわ
らず、7月26〜27日に開催されたFOMC(米公開市場委員会)ではFRB
(米連邦準備制度理事会)が「短期的な経済見通しへのリスクは低
下した」という認識を明らかにしている。
にもかかわらず、日銀は「英国のEU離脱問題や、新興国経済の減速
を背景に、海外経済の不透明感が高まり、国際金融市場では不安定
な動きが続いている」という理由で追加緩和に踏み切ったわけだ。
験を担いだのか、今回日銀は2013年4月の「異次元の金融緩和」と同
様に「ETF2倍、米ドル資金2倍」という緩和策を打ち出した。しかし
、世界経済に対する「異次元の認識」を示した日銀は、これで海外
投資家からの信頼を回復することが出来るのだろうか。
今回「苦し紛れの悪手」を放った日銀にとっての唯一の「救い」は
、市場がすでに「日銀の追加緩和は効果がない」ことを織り込んで
いたことかもしれない。
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米資産バブル、再び崩壊の恐れ
By GREG IP
2016 年 7 月 28 日 15:40 JST  WSJ
 過去2回のリセッション(景気後退)は、資産価格の崩壊が先触れ
となった。同じことを繰り返す危険性が高まりつつある。
 米国株は、英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた影響で急落
したが、その後過去最高値を更新した。不動産市場もひそかに同じ
ような動き
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南シナ海問題の本質 --- 加藤 完司
2016年07月28日 06:00
ゲストブロガー
南シナ海は以前より中国、フィリピン、ベトナムなどが利権を主張
し合う紛争地域であった。今回の仲裁裁判は、南沙諸島は少なくと
も中国固有の領土ではない、という判決を示したものである。それ
ゆえ、中国の南沙諸島での埋め立て工事は、自国領土外の実効支配
の確立と軍事基地造成という意味で、対象エリアは海域であるもの
の論理的にも実質的にも「侵略」と同義とみなすことができる。
中国の武力と経済力を背景とした「侵略」行為を「容認」するか否
か、世界がその態度を問われている、というのが南シナ海問題の本
質である。
日米両外相は夜にはオーストラリアのビショップ外相を加え「戦略
対話」を開いた。会談後に発表した共同声明では、南シナ海問題に
ついて「深刻な懸念」を表明。「すべての国家に大規模な埋め立て
、拠点の建設、軍事目的での利用を自制するよう強く求めた」と明
記し、中国に仲裁判決を順守するよう要求した。(日経新聞、7月26
日より)
理想的な解決は、中国が紛争地域であることを認め、埋め立てた島
を原状復帰し、実効支配を解くことであるが、中国は確信犯である
以上、世界がいくら判決の遵守を求め、深刻な懸念を表明しても、
事態に変化を期待することはできない。
一方、軍事的な解決は誰も望まないだろうし、経済封鎖等の制裁措
置も効果が期待できないだけでなく世界経済に甚大なマイナス効果
を及ぼすので現実的ではない。結局、口先で牽制し、外交努力と言
うきれいごとで済ませているというのが実態であろう。
具体的な解決策への道筋が見えず、単に外交交渉を繰り返し「並行
線でした」と繰り返すのであれば、「侵略」を「容認」しているこ
とと変わりはない。日本はすでに韓国による竹島の実効支配を許し
、また中国が自国の領土と主張する尖閣列島を抱えている(歯舞色
丹返還についてはロシアと道筋について合意している)。
フィリピン、ベトナムの立場は他人事でなく、中国に一定の配慮を
したり、正論を申し述べている状況ではない。多分裏では知恵を絞
って現実的な解決策を探りだそうと苦慮していると信じたいが、実
態はどうなのだろう。
加藤完司   無職(元エンジニア)
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日銀総裁、一段の緩和示唆
9月会合で金融政策検証
2016/7/29 20:42共同
 日銀は29日の金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)の購入額
をほぼ倍増する追加金融緩和に踏み切り、これまでの政策を総括的
に検証することも決めた。黒田東彦総裁は9月に開く次回会合で検証
結果を踏まえ一段の緩和を実施すると示唆した。3年余り大規模緩和
を続けてきたが、2%の物価上昇目標は達成できておらず、金融政策
への限界論が広がっている。早期実現に向けて政策の枠組みを変更
する可能性もある。
 黒田総裁は、次回に政策効果を検証した上「必要があれば金融政
策を考える」と述べた。
 日銀は上場投資信託(ETF)の購入額を年3兆3千億円から6兆円に
増やすことを決めた。
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2016.7.28BBC
フランシスコ法王 「世界は戦争状態」
欧州でイスラム聖戦主義者による攻撃が相次ぐなか、ローマ・カト
リック教会のフランシスコ法王は27日、世界が戦争状態にあると述
べた。しかし、フランシスコ法王は起きているのは宗教戦争でない
と強調し、「利益やお金、資源」をめぐる闘争だと指摘した。ポー
ランド訪問を前に、フランス北部で26日に起きたカトリック教会で
の人質事件で司祭が殺害されたことについての記者団からの質問に
答えた。
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2016年 07月 28日 12:33 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:中銀ですらお手上げの「トランプ大統領」
James Saft
[26日 ロイター] - 各国中央銀行の支援を確信している金融市
場は、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)を怖がりはしなかった
が、「トランプ大統領」誕生となればそうはいかないだろう。
ブレグジットは世界経済成長を減速させ、EU(欧州連合)を危機
にさらすだろうが、リスク資産は反発しており、投資家が過去8年
間で教訓をマスターしたことを証明している。もし雨が降りそうな
ら、中銀がテントを張ってくれるという教訓だ。
しかし、共和党全国大会後に実施された世論調査で支持率が上昇し
ている同党のドナルド・トランプ大統領候補について、あまりにネ
ガティブで、特にあまりにインフレ的であるために、中銀ですらど
うにもできない要因を見いだしたように思える。
ブレグジット後の基本的な分析は、米国経済はまずまずだが、他の
状況が米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切る足かせとな
る、というものだ。他の中銀は緩和に前向きな姿勢を示しており、
マネーをリスク資産投資に向かわせている。これまでのところ、株
式や高利回り債といったリスク資産市場は好調なようだ。
だがトランプ氏は、成長にとって良からぬだけでなく、自由貿易を
阻害し、貿易戦争をあおり立てることによって高インフレを招くよ
うな政策を取ると決意しているように見える。言い換えれば、それ
はスタグフレーションだ。
もちろんトランプ氏は大統領にならないかもしれないし、なったと
しても自身の政策を推進する支持を議会で得られないかもしれない
。ただ、同氏は実際に意志を貫いて、最終的にFRBにインフレ阻
止のため利上げを余儀なくさせることはできる。
「ポピュリストが勝つシナリオによって、債券にリスクオフの動き
が出てくるかもしれない」と、HSBCのアナリストらは顧客向け
ノートのなかで、トランプ氏が勝利した場合にインフレ率が4─5
%になる可能性に言及しこのように述べている。
「経済政策の不確実性が高まるのは選挙年ではよくあることだが、
トランプ候補の型破りな性質や、グローバル政策の不透明感が高ま
っていること考えると、今回は一段と不確実性が増している可能性
がある」
トランプ氏が訴えている減税が短期的には景気に刺激をもたらすか
もしれない一方、関税や貿易戦争、あるいはグローバル企業の生産
拠点を米国内に回帰させる圧力の結果、押し上げられる物価影響の
方がはるかに重要だろう。
今のところ、市場は気にしすぎてはいないようだ。だが共和党全国
大会後の各世論調査はどれも、トランプ氏の支持率が民主党のヒラ
リー・クリントン前国務長官を上回っている。ブログサイト
「FiveThirtyEight」は、もし大統領選が7月25日に行われるなら
、54.5%の確率でトランプ氏が勝利すると予想している。
民主党全国大会によってクリントン氏の支持率が底上げされた後で
も、このような数字を1カ月以内に目にするなら、投資家はますま
す心配になるだろう。
<異例の政策>
トランプ氏が統治することになるのか知る由もないが、選挙戦にお
いて異例なほど経済的にネガティブな一連の政策に倍賭けしている
ことは明らかだ。
トランプ氏は24日のインタビューで、米国は世界貿易機関(WT
O)から脱退することが必要かもしれないと述べ、生産の拠点を米
国から移した企業には懲罰的な税を課すとの見方を示した。
仮にメキシコへ生産拠点を移転した米企業のエアコンを輸入する場
合について聞かれると、トランプ氏は「25%か、35%か、15
%か、まだ決めていないが、企業によって異なる税率を課す可能性
がある」と答えた。
分断する議会が大統領の法案を阻止できるとしても、近年では、関
税や貿易制裁を課したり、貿易協定を交渉したりするのに、相当な
権限が行政機関に移されていることも忘れてはならない。
トランプ氏は、中銀では手に負えないような問題なのだ。
では、投資家が米国資産に求めるリスクプレミアムへの影響はどう
なるか。現在、世界的に安全資産が不足していると考えるなら、デ
フォルト(債務不履行)を交渉戦術として公に検討する米大統領が
誕生する可能性に投資家が直面するまで待たねばなるまい。
金利は、インフレ率の上昇によってだけでなく、予測不可能な政策
や米国の不誠実さが原因で上昇するかもしれない。
こうしたことはどれも起こらない可能性はある。トランプ氏は敗北
するかもしれないし、変わるかもしれない。そうでなかったとして
も議会や裁判所によって同氏の政策は効果的に阻止されるかもしれ
ない。
しかし大変な金融危機を経験した金融市場の心理は、低成長、低イ
ンフレ、中銀への信頼、といったことの結果である。それ故、さえ
ないファンダメンタルズにもかかわらず、主要な株価指数は史上最
高値を記録している。
成長が低下する一方、インフレ率が上昇する変化を導入することに
なれば、FRBはリスクを買う理由から、売る理由へとすぐに変わ
るだろう。
*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見
解に基づいて書かれています。
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ASEAN共同声明で仲裁裁判決に触れず「中国の外交的勝利」―仏メディア
Record china配信日時:2016年7月27日(水) 7時50分
2016年7月25日、仏国際放送ラジオ・フランス・アンテルナショナル
(中国語電子版)は、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた東南ア
ジア諸国連合(ASEAN)外相会議で各国外相が採択した共同声明につ
いて、南シナ海で中国が主張していた権利が国際法違反とする常設
仲裁裁判所の判決への言及は盛り込まれなかったことは「中国の大
きな外交的勝利だ」と伝えた。 
24日の外相会議では各国の意見がまとまらず、25日も協議を続けた
が共同声明を発表するに至らなかった。中国との関係が強いカンボ
ジアが態度を硬化させたことなどが理由。中国は会議後、カンボジ
アに感謝の意を表明した。 
仏AFP通信によると、中国のカンボジアに対する根回しが奏功した結
果となった。南シナ海の領有権問題で中国と対立するフィリピン、
ベトナムが声明に強い対中姿勢を盛り込もうとしたが、カンボジア
が反発して難色を示し、共同声明では触れられなかった。
(翻訳・編集/大宮)



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