5719.仲裁裁判所「中国の主張は法的根拠なし」と判断



オランダ・ハーグの仲裁裁判所は12日、中国が南シナ海の広い範
囲に独自に設定した「九段線」には「法的根拠はない」と認定する
裁定を公表した。中国の強引な海洋進出に対する初の国際的な司法
判断で、「歴史的権利」という中国の主張が否定された。

しかし、中国では政府機関、メディアが一体となり、判断を批判す
る大々的なキャンペーンが13日も続いた。

これに対して、米国務省は12日、仲裁判断は最終的かつ紛争当事
国を法的に拘束するものと見なすべきであり、緊張を高める理由に
してはならないとの見解を示した。

しかし、中国政府は米国務省報道官の声明に強い不快感を表明。外
務省の陸慷報道局長は米国の声明に強く反対するとした上で、米国
の行為は法の精神や国際法の規範に反するもので、領土問題におい
て一方だけ支持しないとの宣言にも逆行していると述べた。

というように、中国の主張が国際法上での根拠がないという判断は、
日本が戦前、満州国を国際上の独立国ではなく、日本の傀儡国家と
した裁定とよく似ている。

この後、日本はドイツ、イタリアなどとの3国同盟に入り、第2次
大戦に負けて、欧米国家群に参加することになる。

これと同じことになるような気がする。中国は軍事大国であると過
信して、3国同盟もなく孤立したまま、拡大戦略を取り、戦争に突
入してしまう可能性を感じる。

益々、イヤな感じがするが、世界はリスクオフで、株価が高騰して
いる。何か違う感じがするが、どうなるのであろうか?

日本は、戦争への準備と国家体制の変更を真剣に考える必要がある。

早く、対中国との戦争準備で、仲間を統合し敵を少なくしておく必
要が出ている。

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ロイター2016年07月13日 06:30
仲裁判断は法的拘束と見なすべき 米見解、中国は不快感表明
[ワシントン 12日 ロイター] - 国際的な仲裁裁判所が、中国
には南シナ海の海域内の資源に対する歴史的な権利を主張する法的
な根拠はないとの判断を下したことについて、米政府は12日、仲
裁判断は最終的かつ紛争当事国を法的に拘束するものと見なすべき
であり、緊張を高める理由にしてはならないとの見解を示した。

アーネスト米大統領報道官は「判断を挑発行為に関与する機会とし
て用いないよう、すべての当事者に求める」と呼びかけた。またこ
れに先立ち、国務省のカービー報道官は「南シナ海における紛争の
平和的解決という共通目標に大きく貢献するもの」とした上で、「
米国はすべての当事者がそれぞれの責務を順守するよう希望する」
と述べた。

こうしたなか、中国国営新華社通信によると、中国政府は国務省報
道官の声明に強い不快感を表明。外務省の陸慷報道局長は米国の声
明に強く反対するとした上で、米国の行為は法の精神や国際法の規
範に反するもので、領土問題において一方だけ支持しないとの宣言
にも逆行していると述べた。
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2016年 07月 13日 08:47 JST
中国、仲裁判断に批判宣伝
 【北京共同】国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所が12日に南シ
ナ海を巡る中国の主張を全面的に否定する判断を出したことを受け
、中国では政府機関、メディアが一体となり、判断を批判する大々
的なキャンペーンが13日も続いた。政府が自らの正当性の主張に
躍起となっているのは、中国の「完敗」に国民が反発することへの
警戒感が背景にある。
 政府と官製メディアによる大規模な宣伝活動は2012年の日本
政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化以来。12日には、仲裁裁判
を申し立てたフィリピンの北京市内の大使館周辺で厳戒態勢が敷か
れたが、デモなどの動きは確認されていない。
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2016.7.12 18:14サンケイ
【緊迫・南シナ海】
中国の南シナ海支配認めず 仲裁裁判所「法的根拠なし」と初判断
 【ベルリン=宮下日出男】南シナ海における中国の主張や行動は
国連海洋法条約違反だとしてフィリピンが求めた仲裁手続きについ
て、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は12日、中国が南シナ海の広
い範囲に独自に設定した「九段線」には「法的根拠はない」と認定
する裁定を公表した。中国の強引な海洋進出に対する初の国際的な
司法判断で、「歴史的権利」という中国の主張が否定された。

 裁定は確定的な判断で上訴はできない。中国は一貫して無視する
姿勢で、罰則など強制的に裁定に従わせる手段はないが、国際社会
が司法判断の尊重を求める圧力を高めるのは必至。中国の立場が苦
しくなる一方、南シナ海情勢は一段と緊迫化する可能性がある。

 仲裁裁判所は九段線を審理するか否かを留保していたが、裁定は
「管轄権を有する」と認定。その上で九段線内の海域や資源につい
て、「中国が歴史上、排他的に支配してきた証拠はない」と指摘し
、九段線内の権益をめぐる「歴史的権利」という主張に、「法的根
拠はない」と判断した。

 裁定は中国が実効支配する各礁を含め、スプラトリー(中国名・
南沙)諸島の岩礁はすべて「島」ではなく、200カイリの排他的
経済水域(EEZ)のない「岩」と、高潮時には水没して12カイ
リの領海も発生しない「低潮高地」と認定した。

 裁定はまた、フィリピンのEEZ内での同国漁船の妨害や人工島
造成などにより、中国がフィリピンの主権を侵害していると判断。
中国による埋め立てがサンゴ礁の生態系を大きく損なっているとし
、中国の環境保護に対する義務違反を認定した。

 仲裁は2013年1月、フィリピンの申し立てを受けて開始。中
国は参加を拒否したが、昨年11月には中国抜きで口頭弁論が開か
れていた。


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