5676.クリントン候補が勝つ条件



米国の国民が現在の社会システムに反乱を起こしている。このため
、現在の政治家を拒否して、新しい政治指導者を求めているようだ。
その中でクリントンは、苦戦が予想される。それでは勝つ方法は何
かを検討する。 津田より

0.トランプの変容
トランプ氏は政治家ではなく、主張は米国を貿易戦争に突入させ、
米連邦準備制度理事会(FRB)に戦いを挑み、地政学的リスクを生み
出すことになり、日本にとっても苦難が予想できる。一方、クリン
トン氏はというと、オバマ政権の継続と言い、米国国民は明らかに
変化を求めるが、そうした変化をもたらすファクターがない。この
ため、時間が経てば、トランプ氏が優勢になる可能性が高い。

事実、トランプ氏は、若者のサンダース支持層を取り込むために、
中間層が十分な税優遇を受けられるようにすることだと言っている。
富裕層に対する増税も示唆したが、後でこれは撤回している。

トランプ氏は、共和党で最高位の公職に就いているポール・ライア
ン下院議長と12日、ワシントンの共和党全国委員会本部で会談し、
共に党内一致のために「誠心誠意尽くしていく」と述べた。どうも
共和党統一候補として、ライアン下院議長もトランプ氏を公認する
ようである。

トランプ氏も共和党主流派との意見調整をして、主張を変えるよう
である。自身がテロ対策の一環として主張していたイスラム教徒の
入国禁止について「一時的な禁止であって、まだ誰も(禁止を)要
求していない。ただの提案だ」と述べ、従来の強硬姿勢を後退させ
た。これは明らかに主流派との融和を図るための主張の変更である。

1.クリントンの現状
クリントンは、マイノリティーに強いが白人に弱いし、若年層から
はせいぜい3割程度であり、サンダースの躍進を後押ししてきた若
年層の熱狂的な支持はない。若年層の数割がトランプに行く可能性
もある。

一番の問題なのが、米国国民は変化を求めている。特に富裕層に有
利な社会システムの変革を期待しているのであるが、クリントン氏
は、「オバマの政策を継承する」としている。有権者の希望とは大
きく違う。

しかし、現状からあまり違わないということは、日本にとっては良
いことである。現外交政策を継続できて、日本自体の問題に専念で
きることになる。

2.フェアネスの議論
米国の民主党と共和党で、フェアネス(公平性)の定義が違う。共
和党は、資産や収入の額に寄らず、同一の税率にすることが公平で
あるという考え方だ。それに対して、民主党は、富裕層は多く払い
、貧乏人は税金を少なくするのが公平であるという考え方から累進
課税を主張している。

サンダースは、民主党的な考えを前面に出しているが、クリントン
はそれが弱い。この違いがあるので、民主党の支持者が共和党の候
補を、普通は支持することはないが、その有り得ない支持転換をト
ランプ氏は、打ってくるような気がする。

それが、富裕層に対する増税の示唆であろうが、トランプ氏は白人
と変化を求める層を惹きつけることになる。特に反グローバルを求
める人たちからの支持が厚いし、人も多い。

3.グローバル対反グローバル
クリントンは、グローバル推進の主張を止めることはできないし、
米国の覇権維持を放棄することもできない。

それに対して、トランプは、反グローバルで、米国の覇権放棄であ
り、孤立主義である。

この2つは、相容れない意見の相違である。しかし、基本は米国国
民の不公平観に根付いているので、その部分をどう捉えるかである。

クリントンは、税の不平等が不公平であり、富裕層の増税に根源を
求めて、グローバル化が問題ではないと主張することになる。

一方、トランプは、税は均一税率にして、問題はグローバル化であ
り、それを止めて、かつ軍隊の費用が問題なので、これを止めるこ
とで、米国は復活するという主張になる。

どちらが、主張として強いかというと、トランプ氏の主張の方が強
い。このため、トランプ氏が優位になる可能性が高い。

4.クリントンの逆襲はどうすればよいか?
クリントンの主張が弱いことで、選挙戦に入ると、クリントンがジ
リ貧になるような気がする。これをどうするかを考える必要がある。

とすると、若者層に絶大な支持を持っているサンダース氏を取り込
むしかない。サンダース氏の主張の多くを取り入れて、その実現を
目指すとすれば、良いのである。サンダース氏を副大統領候補にし
てしまうしかない。

サンダース氏と意見調整は必要であり、サンダース氏の反グローバ
ル的な意見は是々非々のようなことにして、製造業復活と最低賃金
の大幅引き上げをそのままにすると、クリントン氏とはあまり違わ
ない調整が可能である。

そして、サンダース支持者の多くをクリントン氏支持にできれば、
トランプ共和党候補に勝つ事ができるような気がする。

予備選で負ければ、サンダース氏もそれを希望しているような気が
する。

米国の大統領選は、世界に大きな影響があり、日本も大きな影響を
受けるので、注目することと、クリントン氏を応援したほうが良い
と見る。

さあ、どうなりますか?


参考資料:
トランプ氏が大統領になった時の日本の戦略構築
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/280508.htm

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バロンズ誌:トランプとクリントンに忍び寄る、不穏な影
2016年05月15日 06:00アゴラ
安田 佐和子
当サイトが定点観測する名物コラム、アップ・アンド・ダウン・ウ
ォールストリートは米大統領選照準を当てます。抄訳は、以下の通り。
トランプ、クリントン、現実がマーケットを襲う?Trump Clinton: 
Reality Bites the Markets.
米大統領候補として正式指名が確実なドナルド・トランプ氏は、債
務交渉の可能性を指摘した。後に債務再編の撤回した一方、蓄えた
富の片鱗をのぞかせる確定申告の公開を拒否。ウォルト・ディズニ
ー傘下の放送局ABCの”グッド・モーニング・アメリカ”で所得税な
どに絡む税率への質問に「知ったこっちゃないだろう」と切り返す
だけに、選挙戦中に公表する気配は感じられない。もう一人の有力
候補である民主党のヒラリー・クリントン氏といえば、非営利団体
のために資金調達を支援する財団クリントン・グローバル・イニシ
アチブ(CGI)が取り巻き率いる企業のために200万ドルをお膳立て
したとのニュースで世間を賑わせた。
不安定要素が2人を囲むなか、米株相場の動きと民主党候補が勝利す
る可能性をめぐって奇妙な相関性が見られつつある。ベスポーク・
インベストメント・グループ(BIG)がアイオワ・エレクトロニック
・マーケットの動向を元に調査したところ、民主党候補が本選で勝
利する確率は前週の半ばに74%から62%と年初来で最大の下げを記
録し、S&P500が底打ちした2月11日以来の水準まで落ち込んだ(筆者
注:11日にS&P500は0.96%安、ダウは1.2%安で引け)。こうした流
れを受け、BIGは仮に低下を巻き戻されず、かつトランプ候補が目指
す政策に透明性が出てこない限り「株価に悪影響を与えかねない」
と予想する。
クリントン・グローバル・イニシアチブに反応したのでしょうか?
ワシントン政治状況に詳しいホライゾン・インベストメンツのグレ
ッグ・バリエール氏は、トランプ候補が本選で勝利する確率を従来
の35%から45%ヘ引き上げた。ポール・ライアン米下院議長(ウィ
スコンシン州)がトランプ候補と会談した後、共和党が同候補に降
伏したと分析する。クリントン候補にはメール問題を抱え、米連邦
捜査局(FBI)のコミー長官が調査の可能性をちらつかせ続けていれ
ば、尚更だ。
バリエール氏は、トランプ候補の米大統領就任とその影響、政策の
可能性を真面目に分析すべきと主張する。トランプ候補は米国を貿
易戦争に突入させ、米連邦準備制度理事会(FRB)に戦いを挑み、地
政学的リスクを生み出すのか?あるいは全てにおいて交渉の余地が
あり、貿易交渉と税制においてマーケットが耐えうる条件を探るこ
とができるのか、注目である。クリントン候補はというと、バリエ
ール氏いわく「米国は明らかに変化を求めるが、クリントン候補は
女性であるにも関わらずそうした変化をもたらすファクターを満た
してない」点が問題だ。事実は小説より奇なり。米大統領選までの
6ヵ月間で、不透明性という霧が少しずつ晴れていくだろう。
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【米大統領選2016】トランプ氏とライアン氏会談、共和党一致を約束
2016年05月13日(Fri)  BBC News
米大統領選で共和党候補になる見通しの実業家ドナルド・トランプ
氏と、共和党で最高位の公職に就いているポール・ライアン下院議
長が12日、ワシントンの共和党全国委員会本部で会談し、共に党内
一致のために「誠心誠意尽くしていく」と述べた。ライアン議長は
これまで、保守としての理念に欠けるトランプ氏を支持できないと
発言していた。
トランプ氏とライアン議長は共同声明で「素晴らしいやりとりだっ
た」とコメント。「お互いの間のいくつかの違いについて正直に認
めつつ、大事な共通点がたくさんあると認識している」として、「
引き続き協議を重ねていく」が、党を団結させて本選で勝てるだろ
うと自信を示した。
会談後の記者会見でライアン議長は、トランプ氏の話を聞いて「と
ても前向きな気持ちになった」と話した。
トランプ氏は会談後、ツイッターで「DC(ワシントン)で最高の日
」をライアン議長や共和党首脳部と過ごしたツイート。「色々すご
くうまくいってる」と書いた。
自分の執務室で会談を仲介したラインス・プリーバス全国委員長は
、成功だと評価した。
共和党全国委員会本部を訪れたトランプ氏を、「反イスラムは非ア
メリカ」などのプラカードを掲げた多くの反対派が出迎えた。
ライアン議長は昨年12月、トランプ氏がイスラム教徒の米国入国禁
止を呼びかけたことについて、「この党が掲げるものとは異なるし
、なによりこの国が掲げるものと異なる」と強く批判した。
これについてトランプ氏は今月12日、「単なる提案に過ぎない」と
発言し、立場をやわらげたような印象を与えた。
2012年大統領選でミット・ロムニー候補の副大統領候補だったライ
アン氏は、信仰の自由や貿易など様々な問題についてトランプ氏と
真っ向から対立している。
ライアン氏は連邦議会の共和党議員の間で人気が高い。昨年秋に前
任のジョン・ベイナー下院議長が政界を引退すると後任に選ばれ、
今年春にはトランプ氏の対抗馬として出馬するよう求める声が共和
党内から強く上がった。
しかしミッチ・マコネル上院院内総務など、トランプ氏支持に回る
共和党幹部も増えている。
公職経験のないトランプ氏は、政治経験の最も少ない大統領候補の
ひとり。政界の「アウトサイダー」としての立ち位置が、ワシント
ン政界に幻滅する多くの有権者の支持を集めている。
最近のギャラップ社調査では、共和党寄り有権者の3人に2人が、ト
ランプ氏を好感するという結果が出ている。
<解説> アンソニー・ザーチャー、ワシントン
ポール・ライアン下院議長の物言いは、できちゃった婚を受け入れ
ようとしている男のようだ。確かに不運な状況だが、もしかしたら
一緒にいるのもそれほど悪くないかもしれないと。
ライアン氏はかつてトランプ氏のイスラム教入国禁止案を「保守で
はない」と否定した。それが今では、2人を結びつける保守主義の「
根本理念」がいくつかあると言う。どうやら2人とも憲法が大好きら
しい。そして2人とも、三権分立を大いに支持するようだ。
それ以外は? 何とも言い難い。ライアン氏は12日の記者会見では
それ以上は語らず、代わりにプロセスが始まったとか、種を植えた
とか、溝を埋めたとか、そういう話に終始した。
トランプ氏が欲しがっている全面的な支持表明ではない。部分的な
支持表明でもない。それでも11月になんとしてもホワイトハウスを
奪還したい党にとって、和解へ向けた第一歩だった。
トランプ氏が代表する共和党の「真新しい新勢力」を、ライアン氏
がいずれ受け入れるとするなら、その原動力は権力欲だ。2度の大統
領選で連敗した共和党にとっては、奪われた権力への欲求が、党内
一致への求心力となる。
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打倒トランプへヒラリーが抱える弱点
Sanders Has a Problem, But So Does Hillary
民主党の指名獲得はほぼ確実だが、本選で勝つことはできるのか?
2016年5月13日(金)16時15分NWJ
マシュー・クーパー
 今月10日のウェストバージニア州予備選では民主党のバーニー・
サンダースがヒラリー・クリントンに勝利したが、これは些細なこ
とだ。ヒラリーがこれまでの予備選で獲得した一般代議員数、さら
に特別代議員数を足した総計では大きくサンダースを上回っている
。2008年にオバマとヒラリーが対決した予備選の時のオバマと比べ
ても、今回のヒラリーは先行している。
 民主党の大統領候補がヒラリーになるのはほぼ確実だ。
 しかしウェストバージニアを見ればわかる通り、ヒラリーには弱
点がある。若年層や白人男性などの支持は依然、低迷したまま。大
統領候補を選ぶ7月の民主党大会までに、自らの支持層を大きく拡大
できそうな気配はない。
 一方、共和党候補になる可能性の高いトランプは、東部沿岸各州
やインディアナ州で次々に勝利し、郊外在住の富裕層やキリスト教
保守派(福音派)の票も奪い取って上り調子だ。
 ヒラリーはトランプに勝てるのか。問題点をあげてみる。
白人層
 ヒラリーはマイノリティーに強いが白人に弱い。ウェストバージ
ニアのようにアフリカ系が3.5%、ラテン系が1.5%しかいないよう
な白人住民が多い州では最初から勝ち目はなかった。
 だからサンダースもメインやワイオミングなど白人住民が大半を
占める州では圧勝できた。一方アフリカ系、ラテン系の有権者が多
いミシシッピやネバダではヒラリーが善戦している。サンダースが
接戦の末に勝利したミシガンのような例外はあるが、概して少数派
の有権者が多ければヒラリーの勝機は高い。
男性層
 ウェストバージニアで、ヒラリーは男性有権者の59%しか票を取
れなかった。これは大打撃だ。白人男性に限れば事態はさらに深刻
で、ヒラリーは過半数も取れそうにない。しかも忘れてならないの
は、今回は民主党支持者の間の予備選なのにそれでもこれだけ男性
にウケが悪いということだ。
若年層
 ウェストバージニアの44歳以下の若年層では、クリントンは73対
23の大差でサンダースに負けた。45歳以上の有権者では両者の得票
率はほぼ拮抗していた。同州の出口調査は規模がより若い層に限っ
たデータは抽出できないが、ヒラリーは若年層からはせいぜい3割
程度しか得票できないだろう。トランプの「脅威」が高まる中、若
年層の何割かはサンダースからヒラリーに鞍替えするかもしれない
。しかしサンダースの躍進を後押ししてきた若年層の熱狂的な支持
は、ヒラリーにはない。
人柄
 ウェストバージニアの有権者の76%が、サンダースを「正直」だ
と考えているが、クリントンを「正直」だと考える人は22%しかい
ない。理由は何であれ、サンダースの支持者はヒラリーの人柄を軽
蔑している。それは、ヒラリーに対抗したサンダースを応援する支
持者の単純な「ひいき目」かもしれない。たとえそうでも、ヒラリ
ーは有権者の信頼を勝ち取るために巻き返しを図るか、あるいは「
トランプ阻止」の重要性を有権者を説得する必要がある。
変化への期待
 92年にビル・クリントンが勝利した選挙戦のキャッチフレーズの
1つは、「問題は経済だよ、おバカさん!」だった。「変化か、現
状維持か」というのもあった。ヒラリーは「オバマの政策を継承す
るべき」と考える有権者からの支持は高いが、問題なのはウェスト
バージニアでは有権者の3分の1しかそう考えていないことだ。
 当初は勝負にならないと見られていたサンダースの想定外の健闘
は感動的だが、もう勝てる見込みはない。ヒラリーは、指名獲得後
秋の本選までに多くの問題を解決しなければならない。「トランプ
大統領」実現への不安が追い風にはなるだろうが、現状それで十分
とはとても言えない。
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トランプ氏、融和優先か
イスラム「入国禁止」の発言後退
2016/5/13 08:45
 【ワシントン共同】米大統領選で共和党候補指名を確実にした実
業家トランプ氏は、自身がテロ対策の一環として主張していたイス
ラム教徒の入国禁止について「一時的な禁止であって、まだ誰も(
禁止を)要求していない。ただの提案だ」と述べ、従来の強硬姿勢
を後退させた。11日のFOXニュースのラジオ番組で語った。
 入国禁止発言は共和党の理念と相いれないとして党主流派が反発
していた。トランプ氏は11月の本選をにらみ、これまでの過激な主
張を控え、党主流派との融和を優先させたようだ。
 CNNテレビはこうした変わり身の早さを「電光石火の変身」と皮肉
った。
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トランプ氏、クリントン氏と支持拮抗 米世論調査
ワシントン=佐藤武嗣
2016年5月12日21時16分asahi
 米大統領選挙で、共和党のトランプ氏(69)と民主党のクリン
トン前国務長官(68)が直接対決すると仮定した場合、両氏の支
持が拮抗(きっこう)していることが11日、ロイター通信が実施
した全米規模の世論調査で明らかになった。他の調査でも重要州で
両氏は競り合っている。
 ロイター通信の調査では、民主党の指名獲得が濃厚なクリントン
氏の支持率が41%で、共和党指名が確実なトランプ氏の40%と
横一線。4月中旬には、クリントン氏が48%で、トランプ氏が31
%だったが、トランプ氏が急速に支持を伸ばしていることになる。
 また、米クイニピアック大が10日に発表した、民主党と共和党
が本選で常に拮抗する重要3州での世論調査では、フロリダ、ペン
シルベニア両州ともクリントン氏が43%で、トランプ氏が42%
と拮抗。ただ、オハイオ州では、トランプ氏が43%で、クリント
ン氏(39%)をリードしている。
 一方、サンダース氏とトランプ氏の対決を想定した場合、いずれ
の3州でもサンダース氏がトランプ氏を上回っており、トランプ氏
には、クリントン氏よりサンダース氏の方が強いとの結果が出てい
る。(ワシントン=佐藤武嗣)
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トランプ、前日の富裕層増税発言を修正「減税幅が縮小する可能性」
大胆発言で人びとを引きつけた不動産王はどこに消えた?
2016年5月10日(火)09時21分
 米大統領選挙で共和党の候補指名獲得を確実にした実業家のドナ
ルド・トランプ氏は9日、富裕層に対する増税を主張した前日の発
言を修正した。同氏は、発言の真意について、富裕層の減税が自身
の当初提案よりも小幅なものにとどまる可能性があるということだ
と説明した。
 トランプ氏は前日、大統領に当選した場合には、議会との交渉の
過程で富裕層の税率が引き上げられるだろうと述べた。すべての所
得層の減税を主張する共和党の基本路線に反する発言として注目さ
れていた。
 ところがトランプ氏は9日になると、富裕層の税率を現行水準か
ら引き上げるという話ではなく、自身の税制改革案を調整する可能
性があるという意味だと釈明。同氏はCNNで「私が言っているの
は、富裕層の税率が私の(従来の)税制改正案よりも高くなるかも
しれないということ。それでも、富裕層が払う税金は今より少なく
なる」と述べた。
 昨年9月に公表した税制改正案には、法人や個人の幅広い減税が
盛り込まれ、最高税率を39.6%から25%に引き下げる内容だ
った。
 トランプ氏はフォックス・ビジネス・ネットワークの番組でも「
増税を主張してはいない。私が話しているのは減税だ」と強調。提
案は議会との交渉で常に変化するものだが、減税にコミットすると
述べた。
[ロイター]
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トランプ氏、税制案で方針転換 富裕層への増税を示唆
2016年05月09日 10:54 発信地:ワシントンD.C./米国
【5月9日 AFP】米大統領選で共和党の候補指名獲得を確実にした不
動産王のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、8日放送のテレ
ビ番組で、これまでに公表してきた自身の税制改革案は確定したも
のではなく、富裕層への増税も辞さないとの考えを明らかにした。
 米ABCテレビの報道番組「ディス・ウィーク(This Week)」で税
制に関する姿勢を明確化するよう問われたトランプ氏は、全所得層
を対象に免税や減税を行う自身の改革案が無修正のまま議会を通過
することは期待していないと説明。「通過するまでには、違った案
になっているだろう」「富裕層に対する課税はある程度増えるとい
うのが私の意見だ」と述べ、「私はもっと(税金を)払う用意があ
る。富裕層は、もっと払うのをいとわない」と付け加えた。
 税制改革案はトランプ氏の公約のなかで最も詳細が明らかになっ
ているもので、全米世帯の半数を対象とした免税、中高所得層への
減税を約束する一方で、最富裕層が恩恵を受けている税制の抜け穴
をふさぐことを確約している。
 トランプ氏は、「私がやりたいのは中間層が十分な税優遇を受け
られるようにすることだ」と表明。法人減税に向けても努力してい
ると述べたうえで、「富裕層についていえば、率直にいって税は上
がる。上がるべきだろう」などと語った。(c)AFP



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