5668.円高は米国の監視で現実に



とうとう、米国が行なった量的緩和を他国がすることを監視し始め
た。自分が行うときは、為替操作ではないと釈明したが、他国が量
的緩和を行うのは、為替操作と見ることである。

このため、日銀も市場の催促があったのもかかわらず、追加の量的
緩和ができなくなったのである。米国への貿易を止められる可能性
があり、関税を掛けられたら外需拡大ではなく大幅な輸出の停止に
なってしまうからだ。

日本が外需拡大で、景気回復を行うことを米国の監視で封鎖したこ
とになる。このため、内需拡大を真剣に検討することになったよう
である。

このため、1ドル=106円台でも取引になり、円高が進んだ。
4月2日の株式市場は大荒れが予想できる。

16000円台をキープできるのであろうか?
15000円台のどこ前行くのか?

当分、世界は景気後退のプレミアム・リスクで市場が荒れそうだ。

さあ、どうなりますか?

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米、日本の通貨政策「監視」 円ドル相場は「秩序的」  
2016/4/30 5:21日経
 【ワシントン=河浪武史】米財務省は29日、貿易相手国の通貨政
策を分析した半期為替報告書で、対米貿易黒字が大きい日本や中国
、ドイツなど5カ国・地域を「監視国」に指定した。米当局は相手
国に不当な通貨切り下げなどがあれば、対抗措置がとれるとしてい
る。年明け以降の円高・ドル安については「市場は秩序的だ」と評
価し、日本の円売り介入を改めてけん制した。
 米財務省が為替報告書の中で「監視国」の枠を設けるのは初めて
。監視国に指定したのは日中独のほか韓国、台湾の5カ国・地域。
日中独韓4カ国は貿易収支や経常収支の対米黒字が巨額で、台湾は
為替介入の規模が大きいと指摘した。
 報告書では「最近の円ドル相場は秩序的だ」と指摘し、国際的に
為替介入が容認される「無秩序な動き」にはあたらないとの見解を
示した。4月中旬にルー財務長官が記者会見で同じ見解を表明して
おり、改めて円売り介入への警戒感をにじませた。ただ、日銀が追
加金融緩和を見送った28日以降、再び円高基調が強まっており、こ
の時期の介入けん制は相場のもう一段の波乱要因になる可能性があ
る。
 貿易面では「日本の物品貿易の対米黒字は中国、ドイツに次いで
巨額だ」と分析した。安倍政権には内需の底上げに向けて「短期的
な財政刺激策や労働市場などの構造改革」を求めた。
 中国については、資本流出による人民元安を食い止めるため「中
国当局が昨年8月から今年3月にかけて、4800億ドル(約51兆円)
を超すドル売り・人民元買い介入に踏み切った」と推測した。にも
かかわらず「中国の対米貿易黒字はさらに増加した」と指摘し、構
造改革や財政支出による内需刺激策を要求した。
 オバマ政権は環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意などを
受けて、貿易相手国の通貨政策を監視して対抗措置がとれるよう関
連法を改正した。米議会で強まる自由貿易協定への反対論を封じる
ためで、今回の報告書は関連法改正後の第1弾の動きとなる。米当
局は監視国が不当に通貨を切り下げている場合は、相手国に是正を
求め、最終的には大統領権限で政府調達停止などの措置がとれると
している。



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