5659.長期停滞社会の構造



世界的な長期停滞社会になり、どのような社会モデルがよいのか、
一番、自由主義経済で富裕層が得した米国でも、大統領選挙を通じ
て、見直しが起こっている。サンダース候補の政策は、注目するべ
きである。

長期停滞社会を日本は長く経験している。江戸時代中期以降は、長
期停滞していた。このため、権力を持つ武士階級が貧乏で、富裕層
の商人は、派手な生活をすると、武士からお取り潰しにあうし、民
衆から反感を買うと、暴動の際狙い撃ちされるので、アコギな商売
もできないようになっていた。石門心学を構想して、このアコギな
商売を諌める道徳も作る。

武士は商人から金を借りるが、返さないので、武士に貸すときは上
げたと思っていないと、取り返せない。このようなことも経験から
商人はわかってきて、家訓としている。

貴族は金も権力もないが、権威はあり、そこそこの生活は出来てい
た。農民は武士に隠れて、作物を作り、ある程度の蓄えを作ってい
た。特に庄屋が商売人と同様なセンスがあると、大儲けできたよう
である。しかし、村人の生活を支援するために、その儲けた金を使
っていた。

それぞれの富裕層が、町人、村人など一般人を支えていたことがわ
かる。この機能がなくなり、現在、国が代行している。

この機能を取り戻して、能力がない人でも、結果的にそこそこな生
活できる社会にしないといけないようだ。

成長している活性化社会では、より上を目指す人に多くを配分して
も、社会全体の量が増えているので、貧乏人にも配分が回ってくる
が、停滞社会では、貧乏人に配分が回らないか少ししか回らないこ
とで生活ができなくなる。

この時には、富裕層の配分量を減らしても貧乏人に配分を回す必要
がある。それが社会正義というものである。貧者でも人並みの生活
ができることが重要なのだ。

時代は、共に助け合う社会にするしかない。一部の富裕層と大多数
の貧者となると政治的に不安定にもなる。今の米国を見るとわかる。

さあ、どうなりますか?


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