5645.投資状況の野村セミナー



2ケ月毎に開催される野村の投資セキナーに行ってきた。投資情報
部の今枝さんの講演。

申年であり、大暴れすると正月に日銀黒田総裁が言っていたように
1月は高値19000円、安値16000円であったが、2月には
高値18000円、安値15000円割れになり、値幅3000円
と大きな振れが起きた。

欧米日の中央銀行が行っている金融政策、量的緩和政策で、市場の
状況が大きく変わった。2008年のリーマンブラザーズの破綻64
兆円という大型倒産で市場が凍りついたので、FRBはゼロ金利にして
、その後QE1、QE2、QE3を行い、日銀も2013年10月
に異次元緩和という量的緩和、2015年にはECBも量的緩和に
乗り出した。

今まで、市場に供給した資金量は800兆円にもなる。米国は自動
車が売れ始め、住宅バブルも起こり始めている。雇用数も20万人
規模で増加。

また、カネ余り政策で株式と国債が両方ともに値上がりしている。
10年国債がマイナスなのは、日本とスイスの2ケ国である。

銀行への資金提供をしても、銀行は貸出先がないので日銀当座預金
に預けるだけである。量的緩和以前の12年12月では預金量47
兆円であったのが、16年1月では260兆円に激増している。

このため、日銀は、当座預金の増加分にマイナス金利をかけること
にした。該当分は23兆円とのことである。今後、このマイナス金
利幅が拡大することになる。野村では7月にー0.3、来年にはー
0.5%まで拡大すると予測している。

このマイナス金利で、メガバンクの預金の利率が0.001%にな
り、証券会社のMMFは閉鎖され、ゆうちょ銀行は満期対応をしな
くなった。運用困難になるためである。

MRFは、損失補填ができるので継続しているが、この部分には日
銀はマイナス金利を適応しないとした。生命保険でも一時払いの終
身保険等が販売中止になっている。逆に住宅ローンの金利が10年
固定でも0.5%になっている。このため、現金を家で管理するた
めに金庫が売れている。

ECBは、ー0.4%にした。500ユーロ札が流通全体の3割に
なるが、市場には出ていない。これは金庫にしまうためのお札にな
っているので、ドラギ総裁は廃止を検討するとしている。

投資としては、1つに個人国債で運用することで、金利0.05%
がついている。2つには53銘柄あるリートでの運用、利回りが、
3.4%程度あり、売買が活発化している。内容をチェックするこ
とが重要。3つには、高利回りの株を買う。企業も運用難で、自社
株買いや配当性向の向上などの株主還元に回す動きがある。

マイナス金利国の動向を見ると、住宅価格の上昇になり、株でも鉄
道株、不動産株が値上がりしている。

日米欧の中央銀行が資金供給をした800兆円で、米国の株価は上
昇したが、ヘッジファンドの資金も多くなり、投機資金として、3
兆ドルを持っている。その資金を中国の株式の空売り、人民元の空
売りを仕掛けている。

当然、日本の株式もターゲットであり、空売り率が15年9月で
43.4%、16年2月で42.6%にもなっている。

このように投機資金が大量にあり、今後も乱高下を覚悟していくし
かない。しかし、乱に利有りで、うまく立ち回れば大儲けできる。

今後の日銀の金融緩和策は、マイナス金利ー0.1%からー0.3
%、ETFを3兆円/年から6兆円/年、リート900億円から1800
億円、7月に行うと予測している。政治的な問題や波乱があると4月
や6月に行う可能性がある。

現在、銀行が不動産業界に貸し出している金額は、65.7兆円で
あり、不動産会社は投資に積極的であり、借入金を増やすようであ
る。もう1つが、リニア新幹線を作るJR東海も銀行からの借入金を
増やすことになる。このような借金を多くする企業が投資先として
は良いことになる。

しかし、将来的には、バブルになる可能性が否定できないことにな
る。

さあ、どうなりますか?

質問:海外勢が売り越しで、3兆円規模であり、買い手は日銀とGPIF
しかなく、個人も買っていないように思うが、どうでしょうか?
答え:そのとおりです。
質問:125円程度の円安になると今も見ているのですか?
答え:少し修正はすると思いますが、現時点では130円になる予
測を変えていません。
質問:円安を予測するということは、3万円になる株高も変更して
いないのですか?
答え:これは現に、変更して年末までに2万円としています。
質問:野村は、ヘッジ・ファンドの動向も掴んで、リクス・プレミ
ナムを予測していると思うのですが、なぜ、それを顧客に出さない
のですか?
今後、乱高下する株式市場で顧客に損をさせないために必要である
と思うが。
答え:上層部に言ってください。



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