5618.海外投資家の売り越し



日本企業の10月〜12月業績発表がピークを迎えている。企業の
最終利益が大幅にマイナスになってきた。中国の景気後退の影響が
大きい。このため、日本企業の業績拡大が止まり、株を売る海外投
資家が多くなったようだ。

そのため、空売りから現物売りに海外投資家がシフトし始めた。
東証投資主体別売買動向では先週の外国人は2073億円売り越し
で4週連続の売り越し。信託銀行は2707億円買い越しで10週
連続。

1月月間では外国人が1兆555億円と5ヶ月ぶりの大幅売り越し。
そして、個人は7973億円と4カ月ぶりの買い越し。
日立の500円割れなどを見ると「まだオイルマネーの売り」なん
てことも考えられる局面である。

中国近傍にいる日本は、米国以上に中国の影響を受けている。

海外の状況に影響されないように、内需拡大をする必要が出てきて
いるが、その政策がないように思うがどうであろうか?

さあ、どうなりますか?

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企業業績に急ブレーキ、先行きに暗雲 中国など新興国の景気鈍化
など逆風 
2016.2.6 07:00sankeibiz
 東京証券取引所第1部に上場する3月期決算企業の2015年4
〜12月期決算の発表が5日、後半のピークを迎えた。SMBC日
興証券が、4日までに発表を終えた723社の同月期決算(金融を
除く、全体の56.1%に相当)を集計したところ、経常利益の合
計は前年同期比9.2%増だった。ただ、10〜12月期決算でみ
ると、経常利益の合計は0.5%増、売上高は2.5%減、最終利
益は10.9%減と急ブレーキがかかった。
 10〜12月期決算の経常利益の増減率を業種別にみると、海運
業が62.0%減、鉄鋼が61.9%減など、海外経済の影響を受
けやすい業種が苦戦している。一方、原油安で原料費が減る繊維製
品は43.1%増と大きく伸びた。
 16年3月期通期の経常利益の予想を上方修正した企業は94社
。下方修正した企業は88社あった。
 SMBC日興証券の太田佳代子クオンツアナリストは「16年3
月期通期は円安などの追い風があった前半の貯金がある」として、
最終利益は現時点で21兆7820億円と2年連続で過去最高とな
ると予想。その上で、「中国経済の減速や原油安、為替の動きなど
は日本企業の業績にも影響が大きく、注意が必要だ」と指摘した。
 15年10〜12月期に東証1部上場企業の収益の伸びが大きく
鈍ったのは、中国など新興国の景気鈍化や原油など資源価格の下落
といった逆風を受けたことが大きい。足元では、16年3月期通期
の業績予想を下方修正する企業も相次いでいる。好業績の牽引(け
んいん)役だった円安も逆回転の様相を呈し始めており、企業業績
の先行きに暗雲が漂っている。
 中国経済減速の影響
 「中国経済の減速で資源国の景気が悪化し、運賃回復は見込めず
、合理化が急務になった」。商船三井の堀口英夫執行役員はこう語
った。海運業界は新興国減速などで荷動きが鈍り、市況が悪化して
いる。同社は船舶の処分費用の計上などで、16年3月期通期の最
終損益が従来予想の170億円の黒字から1750億円の赤字に転
落すると発表。同じ海運大手の日本郵船と川崎汽船も、通期業績予
想の下方修正を迫られた。
 中国減速は、製造業にとっても業績の下押し圧力となる。パナソ
ニックの河井英明専務は「中国では特にICT(情報通信技術)関
連の需要減が著しい」と話す。神戸製鋼所は鉄鋼事業の厳しさに加
え、中国での建設機械の販売が不振で、16年3月期通期は200
億円の最終赤字となる見通し。中国の建機市場について、梅原尚人
副社長は「すぐに回復するとは期待できない」と厳しい表情を見せ
た。
明暗分ける資源安
 原油をはじめとする資源価格の下落の影響は、業界によって明暗
が分かれた。
 石油元売りは原油安の影響で備蓄原油などの評価損が膨らみ、J
Xホールディングスと出光興産は共に15年4〜12月期決算が最
終赤字だった。JXの大田勝幸取締役は「想定していた資源価格を
大幅に下回り、厳しい決算となった」と語った。両社は16年3月
期通期の業績予想も下方修正し、従来の最終黒字予想が一転、赤字
予想になった。
 これに対し、航空会社には追い風だ。全日本空輸を傘下に持つ
ANAホールディングスと日本航空は、原油安に伴う燃料価格の大
幅下落の恩恵に加え、訪日外国人客の増加もあり、共に営業利益が
4〜12月期として過去最高を更新。ANAは16年3月期通期の
営業利益予想を上方修正した。
 不安定な為替相場
 外国為替市場では年明け以降、中国経済減速や原油安を背景に、
リスクを回避しようとする投資家が安全資産である円を買ったため
円高が進んだ。1月29日に日銀がマイナス金利導入を決めると、
いったんは円安に振れたが、足元では米国の追加利上げ観測の後退
で、一時1ドル=116円台まで円が急伸。再び円高基調が強まっ
ている。
 自動車や電機などの輸出関連企業は「これまでの円安トレンドで
メリットを受けてきた」(富士重工業の高橋充最高財務責任者)。
円高基調が定着すれば業績の重荷となりかねない。
 マツダは下期(15年10月〜16年3月)の想定為替レートを
1ドル=120円に設定している。同社の藤本哲也執行役員は「為
替はどちらの方向に行くか分からない。現状は営業利益が数十億円
悪化する要因になる」と懸念する。ニチレイの安田一彦経理部長も
「為替相場の不安定さは注視している」と警戒感を示した。


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