5617.企業決算がおもわしくない



黒田総裁のマイナス金利の緩和策は、3日も持たなかった。それは
、3段階の仕組みで、今までの当座預金のほとんどが0.1%の金
利が付いているので、円からドルに退避する必要がなく、このため
、円安になることは限定的になったことである。

当座預金に占める外銀の割合も多いので、その外銀の資金が円から
他通貨に行かなかったのである。

ドルは、量的緩和がなく、金利上昇もFRBはできないと見られるし、
米国債を大量に中国が売る気配であるので、今後ドル安になる可能
性が高い。このため、日本国債は多いが海外比率は低く、円の方が
安心感がある。

ということで、円に退避し、10年国債を買ったほうが良いことに
なる。このため円高になる。マイナス金利の仕組みが中途半端であ
り、影響が出ないようにしたことでインパクトもないことになって
いる。

そして、トリガーになったのは、円高ドル安の背景はダドリーNY
連銀総裁のコメントで、「昨年12月の米利上げ以降、金融状況は
著しくひっ迫している。世界経済見通しの悪化やドル高の一段の進
行は米経済に重大な影響を及ぼす恐れがある。金融環境のひっ迫が
3月のFOMCまで継続するなら、それを勘案する必要がある」と
利上げ先延ばし方向としたことだ。

もう1つが、企業決算が出てきたが、日経平均のPERは14.7
倍でEPSは1169円と低下した。全体の40%が通過した第3
四半期決算。ようやく通期純利益見通しがわずか0.2%とはいえ
プラスになったが、「今期経常増益率は期初時点では前期比8.7
%増。その後下方修正が続き3日時点で4.1%増。

野村証券によると来期は21%の大幅なマイナスに進む。
EPS1169円で5%減益ならPER15倍で16658円。
16倍でも17768円」という試算の声もある。

今日は、原油高、NY株高、上海株平穏であるのに、日経平均だけ
がマイナス200円以上である。16800円であるが、まだ割高
となる。

新興国、中国の景気後退で、日本や米国も影響を受け始めている。
企業利益が縮小しているので、当然、株価も下がることになる。

リスクプレミアムが現実化してきた。企業収益が減益となると今の
株価も厳ししことになる。

さあ、どうなりますか?




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