黒田総裁のマイナス金利の緩和策は、3日も持たなかった。それは 、3段階の仕組みで、今までの当座預金のほとんどが0.1%の金 利が付いているので、円からドルに退避する必要がなく、このため 、円安になることは限定的になったことである。 当座預金に占める外銀の割合も多いので、その外銀の資金が円から 他通貨に行かなかったのである。 ドルは、量的緩和がなく、金利上昇もFRBはできないと見られるし、 米国債を大量に中国が売る気配であるので、今後ドル安になる可能 性が高い。このため、日本国債は多いが海外比率は低く、円の方が 安心感がある。 ということで、円に退避し、10年国債を買ったほうが良いことに なる。このため円高になる。マイナス金利の仕組みが中途半端であ り、影響が出ないようにしたことでインパクトもないことになって いる。 そして、トリガーになったのは、円高ドル安の背景はダドリーNY 連銀総裁のコメントで、「昨年12月の米利上げ以降、金融状況は 著しくひっ迫している。世界経済見通しの悪化やドル高の一段の進 行は米経済に重大な影響を及ぼす恐れがある。金融環境のひっ迫が 3月のFOMCまで継続するなら、それを勘案する必要がある」と 利上げ先延ばし方向としたことだ。 もう1つが、企業決算が出てきたが、日経平均のPERは14.7 倍でEPSは1169円と低下した。全体の40%が通過した第3 四半期決算。ようやく通期純利益見通しがわずか0.2%とはいえ プラスになったが、「今期経常増益率は期初時点では前期比8.7 %増。その後下方修正が続き3日時点で4.1%増。 野村証券によると来期は21%の大幅なマイナスに進む。 EPS1169円で5%減益ならPER15倍で16658円。 16倍でも17768円」という試算の声もある。 今日は、原油高、NY株高、上海株平穏であるのに、日経平均だけ がマイナス200円以上である。16800円であるが、まだ割高 となる。 新興国、中国の景気後退で、日本や米国も影響を受け始めている。 企業利益が縮小しているので、当然、株価も下がることになる。 リスクプレミアムが現実化してきた。企業収益が減益となると今の 株価も厳ししことになる。 さあ、どうなりますか?