5584.熱音響エンジン



面白いものができている。低温排熱を集めて、発電に使うことがで
きる技術が開発されているようである。その名は「熱音響エンジン」
である。

12月13日の夢の扉で紹介されたが、今まで見ていたいろいろな
提案より排熱利用には、最も適していると思う。

効率は30%であるが、今までは0%であり、この排熱利用は画期
的であるし、各部分に散らばった排熱を集めることが出来るという
のは、強力である。

熱を音に変えて、多段に排熱を回収装置を通すことで、その音を大
きくすることで集め、最後に音で発電する装置で電気に変えるとい
う。

そして、その全体系をシュミレーションするソフトもあり、設計で
きることである。

これにより、熱を出す工場は、排熱を電気に変えて、工場で使うこ
とで電気代が大幅に削減されることになる。それも300℃以下の
排熱も多段に入れて、発電できるので有効性は高い。

さあ、どうなりますか?

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2015年12月13日放送:夢の扉
エネルギーのゴミを宝の山に!捨てる熱を“音”に変えて発電する
!? 『熱音響システム』
“廃熱利用の切り札”で、エネルギーの概念を変える!

自動車の排ガスや工場の廃熱、家庭用ボイラーの余熱も…。
 私たちの身近で捨てられているもったいない廃熱を、空気の振動=
“音”に変換し、その音のチカラで新たなエネルギーを生み出す―。
この「熱音響」の研究で、“最も実用化に近い”画期的な装置を開
発したのが、東海大学 工学部「長谷川真也・博士。
 熱音響は、廃熱から電気をつくるだけでなく、モノを冷却すること
もできるというなんとも不思議な原理だが、あまりに難解なため、
多くの科学者がサジを投げてきた―。

 長谷川が開発した「熱音響エンジン」は、鉄パイプと数点の部品だ
けのシンプル構造。
そのため、安価で壊れない。エネルギー効率も抜群に高い。
しかし、部品の形や厚み、位置といった細かい設計が非常に難しか
った・・。

 『よく分からないことは、最高にオモシロい!』
そんな長谷川は、4年の歳月をかけ、熱音響エンジンの設計プログラ
ムを編み出した。
そしてついに、国のプロジェクトとして実用化にむけた実験がスタ
ート! 
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■熱音響機関とは?(東海大学長谷川研HPより)

 工場、自動車、工業機械などが使用している熱エネルギの内、65%
以上は排熱として未利用のまま捨てられています。これらの捨てて
いる熱を「熱音響機関」を用いて回収し、電気や冷却・加熱に再利
用するために研究を行っています。
 熱音響機関はとても新しいエンジンであり、これまでのエンジン
には無い以下の特徴を持っています。
● ピストン等の可動部品がありません。半永久的にメンテナンス
フリーです。
● 産業排熱、自動車排熱、太陽光エネルギ等多様な熱源を利用し
た高効率な冷却・発電システムを実現可能です。
● 現在の熱電変換素子を大幅に超える高いエネルギ変換効率(30%
以上)を有しています。
● 音波を用いた可動部を全く持たない新しいノンフロン冷凍を実
現可能です。 
■研究の目的
● 300℃以下の産業排熱、自動車排熱で30%の熱電変換効率を有す
る熱音響発電機の実現を目指しています。
● 300℃以下の産業排熱、自動車排熱で-200℃を達成する熱音響冷
凍機の実現を目指しています。
■どうして動くの?
 可動部品が無いのにどうやって動くのでしょうか。実は空気の振
動、「音」を使って動いています。 狭い筒の片方を加熱して、片方
を冷やすと、筒の中の空気が不安定になり振動を開始します。この
振動がピストンの代わりとなり、熱音響機関はエネルギ変換を行い
ます。 パイプと狭い筒(ステンレスメッシュを重ねて用います)を
使って簡単に音を出す実験を行うことが出来ます。 ステンレスのパ
イプの中にステンレスメッシュを重ねて入れ、ガスバーナーで加熱
すると、とても大きな音が鳴ります。ステンレスメッシュ以外、何
の仕掛けもありません。
音が鳴るだけですが、振動で発電可能なリニア発電機を接続すれば
音を電力に変えることが出来ます。研究室で作成した試作機の映像
をご覧下さい。熱音響機関で発生した音波をリニア発電機を用いる
ことで電力に変換し、LEDを発光させています。 この装置の効率と
出力を高めれば、次世代の熱電変換システムとなりうる可能性があ
ります。 




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