QQE(量的緩和)は、木内日銀委員に続き、佐藤日銀委員も長く は続けられないとした。国債の買い入れができなくなる可能性があ るためとした。 その代わりとしては、日銀預金のマイナス金利があるが、日銀の黒 田東彦総裁は、「採用すべきだとは思わない」と述べ、否定的な見 解を示した。 このため、長期の量的緩和ができなくなる心配が出ている。 このような状況で、今日の株価は200円近い下げを演じている。 さあ、どうなりますか? ============================== 日銀総裁、マイナス金利採用否定 金融関連の講演で 2015年12月7日 17時43分 47news 日銀の黒田東彦総裁は7日、民間銀行などが中央銀行にお金を預け る際に金利を徴収する「マイナス金利」について、「採用すべきだ とは思わない」と述べ、否定的な見解を示した。都内で開かれた金 融関連のフォーラムで講演し、聴衆からの質問に答えた。 マイナス金利は、銀行が中銀に預ける資金を減らし、貸し出しに 回すよう仕向ける狙いがあるが、総裁は「日銀の立場からは、大規 模金融緩和は所期の成果を出しつつあり、銀行は実体経済への貸し 出しを増やしている」と説明。現時点では必要がないとの見方を述 べた。 ============================== 2015年 12月 7日 11:56 JST QQE継続は重い判断、買い入れ持続性を点検=佐藤日銀審議委員 [奈良市 7日 ロイター] - 日銀の佐藤健裕審議委員は7日奈良 市で講演し、日銀が現在進める年間80兆円保有国債を拡大する「 量的・質的緩和(QQE)」政策には限界があると指摘。毎回の金 融政策決定会合では、買い入れの持続性も点検して政策継続を判断 すると強調した。 佐藤委員は昨年10月に日銀が追加緩和に踏み切った際に反対した 委員のひとり。巨額買い入れ長期化のリスクに警鐘を鳴らし続けて おり、2%の物価目標は、毎回の決定会合から2年程度の先に実現 できそうであれば、追加緩和は不要との「ローリングターゲット」 を主張してきた。 <目標達成困難なら国債買い入れも困難> 今回の講演でも、日銀が物価見通しを公表している2017年度末 までに基調的な物価が2%までジャンプするのは難しいとの見解を 示し、あらためてローリングターゲットの採用を訴えた。 その上で「市場ではQQE拡大期待が依然ある」が、「QQEを継 続すること自体が重い判断」と指摘した。 「金融機関が日銀への国債売却を停止する」時期を「現時点で見通 すことは困難」としたが、金融機関は物価目標の達成が近づけば国 債を売却するが、達成困難ならば保有したがるため、日銀による買 い入れ自体も「困難化する」と指摘、QQEは「難度の高さを内包 している」と喝破した。QQEを継続するとの判断では買い入れの 「持続可能性も念頭に置きたい」とした。 <QQEはショック療法、長く続けると想定せず> QQEの政策効果は、名目金利低下幅で測るならば「逓減している 可能性がある」一方「副作用は逓増することを懸念している」とし た。「大胆な資産買い入れによるショック療法は、私自身、あまり 長く続けることを想定していなかった」とも述べた。 日銀が物価の目安としてきた消費者物価指数の生鮮を除くコアCPI はマイナスで推移するなかで、日用品価格を集計した「一橋購買単 価指数は2%程度まで上昇している」と取り上げ、「コアCPIの みに着目して政策運営すれば、人々が過度の物価上昇を実感する」 と警告した。 日銀が物価の基調的な動きを示すためコアCPIからエネルギーを 取り除いて公表している日銀版コアコアCPIは、「円安効果の一 巡で来年度入り後ピークアウトする」との見方を紹介。同指数が1 %程度で推移するかは、賃上げやサービス価格の上昇次第とした。 このほか先週末の欧州中央銀行(ECB)による追加緩和で欧州の 「マイナス金利の常態化に拍車がかかる」とし、米利上げとあいま って「日銀の国債買い入れの持続可能性の観点から注目している」 と述べた。米利上げの影響として、「ドル調達コストが構造的に高 止まる可能性」を指摘した。 *内容を追加します。 (竹本能文)