5568.量的緩和の代わりにマイナス金利



QQE(量的緩和)は、木内日銀委員に続き、佐藤日銀委員も長く
は続けられないとした。国債の買い入れができなくなる可能性があ
るためとした。

その代わりとしては、日銀預金のマイナス金利があるが、日銀の黒
田東彦総裁は、「採用すべきだとは思わない」と述べ、否定的な見
解を示した。


このため、長期の量的緩和ができなくなる心配が出ている。

このような状況で、今日の株価は200円近い下げを演じている。

さあ、どうなりますか?

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日銀総裁、マイナス金利採用否定
金融関連の講演で
2015年12月7日 17時43分 47news
 日銀の黒田東彦総裁は7日、民間銀行などが中央銀行にお金を預け
る際に金利を徴収する「マイナス金利」について、「採用すべきだ
とは思わない」と述べ、否定的な見解を示した。都内で開かれた金
融関連のフォーラムで講演し、聴衆からの質問に答えた。
 マイナス金利は、銀行が中銀に預ける資金を減らし、貸し出しに
回すよう仕向ける狙いがあるが、総裁は「日銀の立場からは、大規
模金融緩和は所期の成果を出しつつあり、銀行は実体経済への貸し
出しを増やしている」と説明。現時点では必要がないとの見方を述
べた。
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2015年 12月 7日 11:56 JST 
QQE継続は重い判断、買い入れ持続性を点検=佐藤日銀審議委員
[奈良市 7日 ロイター] - 日銀の佐藤健裕審議委員は7日奈良
市で講演し、日銀が現在進める年間80兆円保有国債を拡大する「
量的・質的緩和(QQE)」政策には限界があると指摘。毎回の金
融政策決定会合では、買い入れの持続性も点検して政策継続を判断
すると強調した。
佐藤委員は昨年10月に日銀が追加緩和に踏み切った際に反対した
委員のひとり。巨額買い入れ長期化のリスクに警鐘を鳴らし続けて
おり、2%の物価目標は、毎回の決定会合から2年程度の先に実現
できそうであれば、追加緩和は不要との「ローリングターゲット」
を主張してきた。
<目標達成困難なら国債買い入れも困難>
今回の講演でも、日銀が物価見通しを公表している2017年度末
までに基調的な物価が2%までジャンプするのは難しいとの見解を
示し、あらためてローリングターゲットの採用を訴えた。
その上で「市場ではQQE拡大期待が依然ある」が、「QQEを継
続すること自体が重い判断」と指摘した。
「金融機関が日銀への国債売却を停止する」時期を「現時点で見通
すことは困難」としたが、金融機関は物価目標の達成が近づけば国
債を売却するが、達成困難ならば保有したがるため、日銀による買
い入れ自体も「困難化する」と指摘、QQEは「難度の高さを内包
している」と喝破した。QQEを継続するとの判断では買い入れの
「持続可能性も念頭に置きたい」とした。
<QQEはショック療法、長く続けると想定せず>
QQEの政策効果は、名目金利低下幅で測るならば「逓減している
可能性がある」一方「副作用は逓増することを懸念している」とし
た。「大胆な資産買い入れによるショック療法は、私自身、あまり
長く続けることを想定していなかった」とも述べた。
日銀が物価の目安としてきた消費者物価指数の生鮮を除くコアCPI
はマイナスで推移するなかで、日用品価格を集計した「一橋購買単
価指数は2%程度まで上昇している」と取り上げ、「コアCPIの
みに着目して政策運営すれば、人々が過度の物価上昇を実感する」
と警告した。
日銀が物価の基調的な動きを示すためコアCPIからエネルギーを
取り除いて公表している日銀版コアコアCPIは、「円安効果の一
巡で来年度入り後ピークアウトする」との見方を紹介。同指数が1
%程度で推移するかは、賃上げやサービス価格の上昇次第とした。
このほか先週末の欧州中央銀行(ECB)による追加緩和で欧州の
「マイナス金利の常態化に拍車がかかる」とし、米利上げとあいま
って「日銀の国債買い入れの持続可能性の観点から注目している」
と述べた。米利上げの影響として、「ドル調達コストが構造的に高
止まる可能性」を指摘した。
*内容を追加します。
 (竹本能文)



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