米労働省が6日発表した10月の米雇用統計は、非農業部門雇用者 数が27万1000人増と、2カ月続いた低い伸びから一転、急増。 失業率も2008年4月以来7年半ぶりの水準となる5.0%に低 下した。予想外に堅調な雇用統計と受けて、米FRBが12月の利 上げに踏み切る公算が強まった。 FRB利上げ予想が出ると、今までは大幅に米ダウが下落していた が、昨日は46ドル高と上昇した。金融相場から実績相場に移行した ようである。このため、米国株はその狭間で、投信の入れ替えが起 こっている。 しかし、日本円が123円台前半に下落し、日本の企業の業績も一層の 上昇方向になるようだ。日本の場合は、日本企業の業績が順調であ り、株価もそれを反映して順調になり、実績相場に移っている。 中国や新興国の景気減速を米国市場の景気上昇が打ち消して、日本 企業は好調を持続しそうである。 日本が米国との協調関係を深めたことで、日本企業は中国から米国 に乗り変えていくようである。 経団連もワシントンに事務所を再開するようであり、TPPの締結など で日米の経済関係は密着度を増すことになる。 しかし、予想PERが米国企業株価は26倍になり、歴史的にも3回し かないことで、2016年に米国は「自社株買いバブル」崩壊になると 吉田繁治さんは予測している。 この予測と同等なのが、増田さんの意見であり、この予測があるの で、FRBは早期に利上げをしたいのであると言っている。 さあ、どうなりますか? 参考資料: 5532.突然のバブル崩壊が来年起こるか? http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/271027.htm ============================== 2015年 11月 7日 08:18 JST ドル高進み123円台前半、米雇用統計受け=NY外為市場 [ニューヨーク 6日 ロイター] - 6日のニューヨーク外為市場 は、ドルが円に対して2カ月半ぶり、対ユーロで6カ月半ぶり、対 スイスフランで7カ月ぶりの高値をつけた。10月の米雇用統計で 、雇用の伸びが市場予想を大きく上回ったことを受け、午後になっ てもドルが買われ続けた。 ドル/円JPY=は一時、8月21日以来の高値となる123.26円 を記録。直近で1.2%高の123.19円。今週は2.1%上昇 、週間では昨年12月以来の高い伸びを示した。 ユーロ/ドルEUR=は一時、1.0708ドルと、4月以来の安値を つける場面があった。直近では1.3%安の1.0739ドル。 ドルはスイスフランCHF=に対し、1.0068スイスフランと、3 月半ば以来の高値をつける場面があった。直近は1.1%高の 1.0061スイスフラン。 ドルの主要6通貨に対するドル指数.DXYは一時、4月中旬以来の高 値となる99.345をつけた。直近では1.3%高の99.167。 10月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が27万1000人増 と、2カ月続いた低い伸びから一転、急増した。市場予想の18万 人増を大きく上回った。 市場では予想外に堅調と受け止められ、連邦準備理事会(FRB) が12月、利上げに踏み切る公算が強まった。 市場関係者の1人は、雇用統計発表後に為替相場が一方向に反応し ても、ある程度修正されるのが一般的と指摘。この日は一方向に傾 いたままだったとし、ドル高が続くと市場がみていることを示すと 語った。 CMEフェドウォッチによると、金利先物市場が織り込む12月利 上げの確率は70%に上る。 バークレイズやTD銀行などが、米利上げ予想時期を来年3月から 今年12月に前倒しした。 ロイターが実施した米プライマリーディーラー(米政府証券公認デ ィーラー)調査によると、17社中15社が12月利上げを予想し た。9月中旬の調査で、年内利上げを予想したのは17社中12社 だった。 ============================== 米長期金利 3か月半ぶりの高水準 11月7日 5時15分NHK 6日のニューヨーク債券市場は、アメリカの雇用統計が景気の回復 を裏付ける内容となり、アメリカの利上げが来月行われるのではな いかとの観測が広がったことから全体的に金利が上昇し、長期金利 は3か月半ぶりの高い水準をつけました。 6日のニューヨーク債券市場では、この日発表されたアメリカの先 月の雇用統計が、農業分野以外の就業者数が市場の予想を大幅に上 回るなど景気の回復を裏付ける内容だったことから、FRB=連邦 準備制度理事会は次回、来月に開く会合で利上げに踏み切るのでは ないかという観測が広がりました。 このため、全体的にアメリカの金利が上昇し、長期金利の代表的な 指標となっている10年ものの国債の利回りは、統計が発表される 前の2.23%台から一時、2.34%台まで上昇し、ことし7月 下旬以来およそ3か月半ぶりの水準を付けました。 また、償還期間が短い2年ものの国債の利回りは、一時、5年半ぶ りの高い水準に上昇しました。 市場関係者は「イエレン議長をはじめFRBの幹部が12月の利上 げの可能性を指摘していたため、このところ金利は上昇傾向が見ら れたが、今回の雇用統計の結果を受けて利上げの確率が高まったと みる投資家が増えている」と話しています。 ============================== 米国株、ダウ反発し46ドル高 利上げ意識も景気回復期待高まる 2015/11/7 6:29日経 【NQNニューヨーク=内山佑輔】6日の米株式市場でダウ工業株 30種平均は3日ぶりに小幅反発した。終値は前日比46ドル90セント (0.3%)高の1万7910ドル33セントだった。10月の米雇用統計が市 場予想を上回る結果で、米景気の回復が続いているとの見方が株価 を支えた。半面、米連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げする との観測が一段と強まり、ダウ平均は下げる場面も目立った。 朝方に発表された10月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数は 前月比27万1000人増と市場予想(18万人程度の増加)を大幅に上回 った。米景気の堅調さが確認され、将来的には企業収益の拡大が見 込めるとの見方が米株式の買いを誘った。利上げに伴う利ざやの改 善期待から金融株が上げたことも相場の支えとなった。 ただ、ダウ平均は下げに転じる場面も目立った。大手金融機関の 多くが利上げの開始時期予想を12月に前倒しするなど年内の米利上 げ開始が改めて意識された。外国為替市場で円やユーロなど主要通 貨に対するドル高が進んだことも米企業業績への警戒につながり、 株式相場の重荷になった。 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに小 幅反発し、前日比19.382ポイント(0.4%)高の5147.120で終えた。 業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち4業種が上げた。 「金融」「IT(情報技術)」が上昇した。一方で「公益事業」「 生活必需品」「ヘルスケア」などは下げた。ニューヨーク証券取引 所(NYSE)の売買高は約10億1000万株(速報値)、ナスダック 市場は約20億1000万株(同)だった。 個別では半導体大手のエヌビディアが急伸した。5日夕に発表し た2015年8〜10月期決算が増収増益となったことが好感された。飲 料のモンスター・ビバレッジも7〜9月期決算が好調で大幅高とな った。ダウ平均の構成銘柄ではゴールドマン・サックスやJPモル ガン・チェースなど金融株の上げが目立った。 一方で、中国の電子商取引最大手アリババ集団が下げた。中国の 動画共有サイト大手を買収することで正式に合意したと発表し、改 めて財務負担を懸念した売りが出た。豪英系資源大手のBHPビリ トンも安い。ブラジルで採掘場に近いダムが決壊したと伝わり、事 業への影響に対する懸念が膨らんだ。 ============================== 2015年 11月 7日 09:16 JST 米国株はまちまち、年内利上げ意識し金融株に買い [ニューヨーク 6日 ロイター] - 6日の米国株式市場はまちま ちで取引を終えた。力強い10月の米雇用統計の発表で利上げが近 いことが意識され、金利上昇が追い風になる金融株が買われた。一 方で公益株などが売られた。 この日発表の米雇用統計では、非農業部門の就業者数の伸びが 2014年の12月以来の高水準となったほか、失業率も5.0% と08年4月以来の水準にまで低下した。 ダウ工業株30種平均は46.90ドル(0.26%)高の 1万0910.33ドルで取引を終えた。ナスダック総合指数は 19.38ポイント(0.38%)高の5147.12だった。一 方、S&P総合500種指数は0.73ポイント(0.03%)安 の2099.20となった。 週間では3指数とも6週続伸となった。 S&P金融株指数は約1.1%の値上がり。利上げによって銀行は 利ざやの増加が見込まれる。JPモルガン・チェースやバンク・オ ブ・アメリカ、シティグループはそれぞれ3%台の上昇となった。 一方、S&P公益株指数は約3.6%の値下がり。一般消費財指数 も1.1%安だった。原油価格の下落でエネルギー株指数も 約0.4%下落した。 騰落銘柄の比率は、ニューヨーク証券取引所では下げが1931で 上げ1186(1.63対1)だった。逆にナスダックは上げ 1726で下げが1086(1.59対1)だった。 ============================== 2015年 11月 7日 00:45 JST 米10月雇用は予想上回る27.1万人増・失業率5%、12月利上げ後押し [ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日発表した10月 の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が27万1000人増と、2 カ月続いた低い伸びから一転、急増した。失業率も2008年4月 以来7年半ぶりの水準となる5.0%に低下した。予想外に堅調な 雇用統計と受けて、米連邦準備理事会(FRB)が焦点となってい る12月の利上げに踏み切る公算が強まった。 雇用者数の伸びは伸びは2014年12月以来最大で、市場予想の 18万人増を大きく上回った。 失業率の市場予想は5.1%だった。5.0%は多くの連邦準備理 事会(FRB)当局者が完全雇用と見なす水準だ。 8月、9月分も当初発表から計1万2000人上方修正された。 10月のサービス業や自動車販売データも力強い内容で、米経済が 第4・四半期に入り、再び勢いを取り戻しつつあることを示した。 ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリ オストラテジスト、ブライアン・ジェコブソン氏は「素晴らしい内 容だ。米経済が再び乱気流に巻き込まれない限り、FRBによる 12月利上げが正当化されるのは明らか」と述べた。 統計の発表を受け、米国債価格は急落、米株もマイナス圏で始まっ た。ドルは主要通貨バスケットに対し6カ月半ぶりの水準に上昇。 先物市場が織り込む12月の利上げ予想確率は72%と、発表前の 52%から跳ね上がった。 イエレン議長を含むFRB当局者の発言などを総合すると、12月 利上げのハードルは低いようだ。エコノミストは10、11月の雇 用の伸びが15万人以上ならFRBが利上げに踏み切るのに十分で はないかと予想している。 時間当たり賃金は0.09ドル増加。前年比で2.5%増と、 2009年7月以来の大幅な伸びとなった。インフレ率は緩やかに 目標の2%に向かっているとの確信をFRB当局者が強める可能性 がある。 約10年ぶりの利上げをうかがう上で、FRB当局者が注目する他 の労働指標でも改善が見られた。 不本意なパートタイム就業者や求職断念者も含めた広義のU6失業 率は0.2%ポイント低下の9.8%と、2008年5月以来の低 水準をつけた。また就業率は59.3%と、前月の59.2%から 上昇した。一方、労働参加率は約38年ぶりの低水準の62.4% で変わらずとなった。 10月は幅広い業種で雇用が拡大した。だが製造業はドル高の逆風 が響き雇用は全く増えず、原油安の影響で鉱業は4000人減少し た。鉱業セクターの雇用者数は2014年12月のピークから10 万9000人減っている。 一方、建設は3万1000人増と、2月以来の大幅な伸びとなった。 サービスは小売り、レジャーなどが大幅増となり24万1000人 増えた。専門職は7万8000人増と、昨年11月以来の高い伸び となった。政府部門は3000人増だった。 ============================== シラーP/Eレシオが示唆する2016年米国「自社株買いバブル」崩壊 =吉田繁治 2015年11月5日 mag2 チャイナ・ショックを受けて急落後、現在は急速に値を戻しつつあ るアメリカ株式市場。経営コンサルタントで内外金融に詳しい吉田 繁治氏は、堅調な米国株について「量的緩和に端を発する桁違いの 自社株買いが要因」と指摘。ロバート・シラー博士の「シラーP/Eレ シオ」の数値を根拠に、今回の「自社株買いバブル」は利上げ後に は崩壊する可能性が高いと分析しています。 シラーP/Eレシオの25倍超えは135年間で3回だけだった シラーP/Eレシオで見る米国の株価 2013年にノーベル経済学賞をもらったロバート・シラー(行動経済 学)は、1期だけの予想PERではなく、10年間の移動平均から算出し た企業純益(インフレ率マイナス後)で計算した、過去135年間のシ ラーP/Eレシオを発表しています。 1期だけの予想純益では、利益の変動が激しいためPER倍率が不安定 になり、株価の水準を計るには不適当だからです。 10年の純益を元にしたシラーP/Eレシオは、CAPEシラーP/Eとも言わ れます。10年PERと言ってもいい。 シラーP/Eレシオ=現在の株価÷インフレ調整後の過去10年の1株当 たり純益の移動平均 ※Shiller PE Ratio 過去のシラーP/Eレシオの平均=16.63倍 最小値=4.78倍(1920年の12月) 最大値=44.19倍(1999年の12月:IT株バブル) グラフで見ると、2015年8月は、シラーP/Eレシオが26.10倍になって います。08年9月のリーマン危機後、歴史的平均の16.63に近い15倍 に下がった後、3回のQE(量的緩和)により、26.10倍に押し上げら れています。 過去、このシラーP/Eレシオが25倍を超えたのは、3回しかありません。 [1回目] 1929年の大恐慌の直前の、株価バブルの時期:シラーP/Eレシオで 30倍。その後、1933年の5倍にまで暴落しています。 [2回目] 2000年のIT株バブル:シラーP/Eレシオで45倍と最高の値でした。 情報技術とインターネットでのIT革命が、将来の利益を3倍は大きく 予想させていました。 このIT株バブルは00年4月からはじけて、シラーP/Eレシオで23倍に 下げています(2002年)。 [3回目] 2008年の、サブプライムローン・バブルの時期:シラーP/Eレシオで ほぼ27倍でした。同年9月からのリーマン危機とともに、米国の株価 は、シラーP/Eレシオで15倍にまで下がりました。 その後、FRBによる3度の量的緩和で$4兆(480兆円)のマネーが増 発され、それが銀行の当座預金になり、米国の流動性(ドルの現金 )がじゃぶじゃぶになっています。 この過剰流動性を低金利の社債で調達して、毎年の自社株買いに当 てたのが米国企業です。推計ですが、米国の流通株は2008年の70% 程度に減っていると思われます。 (注)リーマン危機後の6年間で、年平均$6000(72兆円)の自社株 買いがあったとして、「72兆円×6年=432兆円」です。米国FRBのド ル増発額と見合います。 2016年の米国の株価――自社株買いも永遠には続かない シラーP/Eレシオの26.1倍が30倍、40倍に上がることは、全く考える ことはできません。ITバブルのときのような、ニューエコノミーに よる経済成長、大きな拡大という見方は、ないからです。 むしろ米国の将来のGDPは、せいぜい2%、高くても3%しか成長しな いということが市場のコンセンサスでしょう。GDPの予想増加が低い 場合、米国企業の利益の増加率も低くなります。 ダウやナスダック、あるいはS&P500のような合計された株価指数は 、米国のGDPの増加によって上がり、GDPの増加率の低下によって下 がります。 (注)個別の企業では、その投資利益率の違いによって株価水準が 異なります。投資利益率が高い企業の株価は高くなり、低い企業の 株価は下がります。しかし株価指数は企業の合計値ですから、マク ロ経済のGDP期待成長に依存するのです。成長ではない、人々が抱く 期待成長率です。 シラーP/Eレシオが26倍を超えたのは、 1929年の大恐慌直前 2000年4月にはじけたITバブル 2008年のサブプライムローン・バブル の時だけです。いずれのときも、市場は「将来の成長を強く楽観」 していました。 135年で3回しかない26倍越えが、2016年のFRBの利上げを乗り切って 、27倍、28倍に上がると想定できるでしょうか。 リーマン危機以降の、米国の株価を上げている要素でもっとも大き なものは自社株買いです。2015年はこれが144兆円にもなって史上最 高です。 この意味は、1年に144兆円もの自社株買いをしないと、現在の米国 の株価は維持できないという、岸壁の上の株価であることです。1000 社が自社株買いをした場合、1社平均で1440億円にもなる巨額なのです。 2016年も144兆円以上の、例えば180兆円の自社株買いができるでし ょうか。疑問です。ということは、米国株は、FRBの利上げの決定と ともに、大きく下落するということです。 利上げは0.25%や0.5%とう小幅なものでしょう。しかし、この小さ な利上げは、銀行間のレポ金融のレバレッジには、大きなマイナス を及ぼします。金利が上がれば、社債発行も急減します。 現在の世界の株式市場は、変な値動きをします。 世界2位のGDP(日本の2.5倍)になっている中国の経済成長が大きく 減速している。 →株価も暴落した →世界経済の成長率は低くなっている →このためFRBは2015年内の利上げをしない →FRBの利上げ延期を予想して株価が上がる つまり、世界のGDP成長が低くなったから株価が上がる…逆転した動 きです。 なぜこんなに逆転した株価の動きになるのか。それは現在の株価が 、過剰になった流動性によって押し上げられているからです。この ため、引き締めの延期が、株価を押し上げるのです。 注意すべきは2016〜2017年です。シラーP/Eレシオで26倍水準の米国 の株価は無事にいくでしょうか。過剰流動性相場は、必ずはじける と判断します。