5524.米中対決に向かう



米中首脳会談が行われて、米中はその違いを明白にしたことで、協
調ができないことを思い知らされた。米国は中国にサイバー攻撃や
国際法を無視した「南シナ海の領海化」を止めることなどの合意が
できずに、失望した。中国は核心的利益を言うが、それは米国とし
ては、認めることができない。

このため、米国は人工島の12カイリ(約22キロ)内に近く米海
軍の艦艇を派遣する方針を東南アジア諸国に通知した。

米海軍は、南シナ海に艦艇群を派遣して中国の横暴を打ち砕く「フ
リーダム・オブ・ナビゲーション(航行自由)作戦」の準備し、オ
バマ大統領の決行命令も降りたことになる。

これに対して、人民日報系の環球時報は、南シナ海で「領海」と主
張する人工島の12カイリ(約22キロ)内で、米軍が艦艇を航行
させた場合、「中国は海空軍の準備を整え、米軍の挑発の程度に応
じて必ず報復する」と主張した。

米政府が「挑発行為を続けた場合、中国は(人工島の)軍事化を迅
速に進める必要に迫られる」と強調。米軍がさらに艦艇などの態勢
を強化すれば「(戦略ミサイル部隊の)『第2砲兵部隊』を動員し
て危機に当たるべきで、局面は全面的にエスカレートする」と警告
した。

ということは、米中戦争も辞さないという主張のようである。

しかし、中国軍制服組トップの范長龍・中央軍事委員会副主席は、
17日、中国が南シナ海で進める人工島の造成について「主に民間
利用が目的であり、航行の自由に影響することはない」と述べ、滑
走路建設作業などを正当化した。

范氏は、南シナ海の領有権争いについて「われわれは軽率に武力に
頼ることなく、衝突を避ける努力をする」と指摘した。環球時報の
主張とは違うようである。

また、中国の習近平国家主席は、南シナ海をめぐる対立について「
中国にとって重要なシーレーンであり、どの国よりも平和と安全、
安定を必要としている」と主張した。その上で「中国は南シナ海の
混乱を望んでいないし、ましてや混乱を引き起こす当事者にはなら
ない」と強調した。

中国外務省は、南シナ海問題をめぐってはアメリカと「徹底したや
りとり」を続けているとして、領有権についての「わが国の姿勢の
正当性をアメリカは明確に理解していると思う」と語ったが、米国
は、中国のこの主張を認めていない。

ということで、中東に続き、東南アジアでもきな臭い匂いが漂い始
めた。

暗い将来が東南アジアでも始まったようである。

さあ、どうなりますか?

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南シナ海「混乱望まず」=建設活動は「正当」−中国主席
 【北京時事】中国の習近平国家主席は20日からの英国公式訪問
を前にロイター通信との書面インタビューに応じ、南シナ海をめぐ
る対立について「中国にとって重要なシーレーンであり、どの国よ
りも平和と安全、安定を必要としている」と主張した。その上で「
中国は南シナ海の混乱を望んでいないし、ましてや混乱を引き起こ
す当事者にはならない」と強調した。
 南シナ海で中国が造成を進める「人工島」から12カイリ
(約22キロ)以内に軍艦を送り込むことを検討している米国の動
きを強くけん制した形だ。
 習主席は「南シナ海における中国の主権や権益侵害に対しては、
中国国民は誰であろうと許さない」と警告。埋め立てや建設につい
ても「領土主権を守るための正当な活動だ」と主張した。
(2015/10/18-18:25)
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米、艦艇派遣を周辺国に伝達 南シナ海、中国をけん制
2015/10/18 19:15   【共同通信】
 【ワシントン共同】南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島
で中国が「領海」と主張する人工島の12カイリ(約22キロ)内
に近く米海軍の艦艇を派遣する方針を、オバマ米政権が東南アジア
の周辺国に外交ルートで伝達したことが18日、分かった。複数の
外交筋が明らかにした。
 派遣方針は複数の米政府高官が公に示唆しているが、関係国に意
向を伝えたことは、オバマ政権の強い決意を物語る。人工島を中国
の領土と認めない立場を行動で示し、実効支配の既成事実化を進め
る中国をけん制する狙い。
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中国軍幹部、人工島造成を正当化 「航行の自由影響せず」
2015/10/17 12:12   【共同通信】
 【北京共同】中国軍制服組トップの范長龍・中央軍事委員会副主
席は17日、中国が南シナ海で進める人工島の造成について「主に
民間利用が目的であり、航行の自由に影響することはない」と述べ
、滑走路建設作業などを正当化した。北京で開かれた中国主催の安
全保障フォーラムで述べた。
 米国は中国の主権拡大を食い止めるため、中国が「領海」と主張
する人工島から12カイリ(約22キロ)内で軍艦を近く航行させ
ることを検討しているとされ、緊張が高まっている。
 范氏は、南シナ海の領有権争いについて「われわれは軽率に武力
に頼ることなく、衝突を避ける努力をする」と指摘した。
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南シナ海の中国人工島に米海軍が牽制出動?
US Navy Considers Sailing Near Disputed Islands In South China Sea
国際的には認めらない「中国の領海」内に米軍の艦艇を航行させる作戦
2015年10月15日(木)17時00分newsweekjapan
サラ・バーガー
 人工島から12カイリを領海とする中国の主張をアメリカは認めな
い──そう意思表示するために、米海軍が動くかもしれない。米ネ
イビー・タイムズ紙によれば、米海軍は南シナ海の南沙(スプラト
リー)諸島で中国が造成した人工島の12カイリ以内に艦艇を航行さ
せることを検討している。関係筋は米軍機関紙スターズ・アンド・
ストライプスに対し、ホワイトハウスの最終承認を待っている段階
と明らかにした。
 中国は南シナ海の大半を領海だと主張している。国際法では自国
領土から12カイリまでは領海と主張できるが、人工島は領土かどう
かが論点になっていた。
 アメリカは、インド洋とアジア太平洋地域に7隻の戦闘用艦艇を
保有する。南シナ海では駆逐艦1隻が、「そこにいるだけ」の駐留
作戦を実行している。海軍広報担当のティモシー・ホーキンズによ
れば、目的は米艦艇が「当該海域に駐留する権利」を確かなものに
することだ。
 中国側もアメリカの動きに神経をとがらせている。中国外務省の
華春瑩(ホア・チュンイン)報道官は、南シナ海問題をめぐってはア
メリカと「徹底したやりとり」を続けているとして、領有権につい
ての「わが国の姿勢の正当性をアメリカは明確に理解していると思
う」と先週語った。
「わが国はアメリカが、南シナ海の現況を客観的かつ公平に見るこ
とと、この海域の平和と安定を守る上で真に建設的な役割を果たす
ことを期待している」
[2015年10月20日号掲載]
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中国紙「米軍の挑発、必ず報復」 南シナ海めぐり、社説で主張
2015/10/15 18:43   【共同通信】
 【北京共同】中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は15日
の社説で、南シナ海で「領海」と主張する人工島の12カイリ(約
22キロ)内で、米軍が艦艇を航行させた場合、「中国は海空軍の
準備を整え、米軍の挑発の程度に応じて必ず報復する」と主張した。
 社説は、米政府が「挑発行為を続けた場合、中国は(人工島の)
軍事化を迅速に進める必要に迫られる」と強調。米軍がさらに艦艇
などの態勢を強化すれば「(戦略ミサイル部隊の)『第2砲兵部隊
』を動員して危機に当たるべきで、局面は全面的にエスカレートす
る」と警告した。
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【スクープ最前線】米軍、中国「人工島」駆逐作戦決行へ すでに
水面下で熾烈な戦いも (1/3ページ)
2015.10.14ZAKZAK
 米国と中国の軍事的緊張が高まっている。習近平国家主席率いる
中国が、国際法を無視した「南シナ海の領海化」を止めないため、
オバマ政権は近く、海軍艦艇を中国の人工島の12カイリ(約22
キロ)内で航行させる方針を固めたのだ。自由と民主主義を掲げる
米国の激しい憤りと、共産党独裁国家による米情報機関潰し、驚く
べき対日工作とは。ジャーナリストの加賀孝英氏が核心に迫った。
 「中国はウソつき国家だ。世界の秩序を乱している。そんな無法
国家を米国も世界も絶対に許さない」
 旧知の米軍関係者は怒りに満ちた顔でそういった。
 米海軍専門紙「ネイビー・タイムズ」が8日報じたように、同海
軍は、南シナ海に艦艇群を派遣して中国の横暴を打ち砕く「フリー
ダム・オブ・ナビゲーション(航行自由)作戦」の準備を終えた。
 オバマ大統領の承認を待っており、近く決行命令が下される予定
だ。
 改めて説明するが、中国は現在、南シナ海のほぼ全域を囲む9つ
の線からなる「九段線」(赤い舌)を引き、国際法を無視して南シ
ナ海の大部分を「自国の領海だ」と主張。周辺国を力で恫喝し、複
数の岩礁を埋め立てて軍事基地化を進めている。常軌を逸した暴挙
というしかない。
 米海軍の作戦は、その航行で「南シナ海は中国の領海ではない」
「誰もが航行できる天下の公海だ」と実力で中国に認めさせるもの
だ。
 これに対し、中国外務省の華春瑩副報道局長は9日、「中国の領
海や領空を侵犯することは絶対に許さない」と猛反発している。
 防衛省関係者がいう。
 「中国が南シナ海を狙うのは、アジアでの軍事的覇権を握るため
だ。米本土を射程に入れる弾道ミサイル搭載原子力潜水艦を潜行さ
せる聖域とするだけでなく、台湾独立を阻止する拠点とするつもり
だ。制空権・制海権を握るためにも、飛行場のある人工島が必要だ
った。今後、戦闘機や哨戒機、高速ミサイル艇なども配備し、東シ
ナ海でしたように一方的に防空識別圏(ADIZ)を設定してくる
はずだ。『アジアは中国のものだ』と、米国をはじめ、世界各国を
黙らせるつもりだ」
 ふざけるな。南シナ海は世界の漁獲量の1割を占める有数の漁場
であると同時に、世界の貿易量の30%が通過する重要なシーレー
ンだ。日本を含むアジア諸国、いや世界各国にとって重要な自由の
海だ。それを共産党独裁国家が奪取するなど、許されるはずがない。
 米政府関係者がいう。
 「オバマ氏と習氏が9月25日に行った、米中首脳会談の決裂が
大きい。南シナ海やサイバー攻撃の問題で、習氏は決定的証拠を突
きつけられ、追い詰められて哀れなほどシドロモドロだった。とこ
ろが、共同記者会見では、平然と大ウソをついて逃げた。これで米
議会や米軍の怒りが爆発した」
 オバマ氏は当初、中東やウクライナの問題があるためか、中国に
断固たる姿勢を見せることに「軍事衝突の危険がある」「中国に進
出した米企業が反対している」などと弱腰だった。だが、習氏の態
度に激怒し、強硬手段を主張していたカーター米国防長官らの意見
を認めたという。
 しかし、驚かないでいただきたい。実は米中両国は、すでに水面
下で熾烈な戦いに入っている。日本もその戦いに巻き込まれている
。以下、複数の米情報当局関係者から得た極秘情報だ。
 「今年夏、サイバー攻撃によって、米政府人事管理局の2500
万件を超える個人情報が盗まれたことが発覚した。この中に中央情
報局(CIA)工作員のリストもあった。犯人は中国といえる証拠
がある。しかし、盗み以上に米国が激怒したのは、中国がCIA工
作員をスパイ容疑で捕まえて、米国を脅そうという動きがあったか
らだ。汚い手だ。中国で活動する工作員はほぼ全員撤収させた。撤
収は命がけだった」
 ちなみに、中国では、3月に米国人女性がスパイ容疑で拘束され
、5月と6月に日本人男性3人が同容疑で逮捕、拘束され、10日
には新たに日本人女性1人が拘束されていることが判明している。
極秘情報はこう続く。
 「中国は日米分断工作も仕掛けている。政財官界やマスコミ人な
ど数十人の『日本人スパイ容疑者逮捕リスト』を作成したとの情報
がある。数人が『逮捕する』と脅され、協力者になったようだ。最
近、露骨に中国寄りになった識者がいる。彼らが一部の野党やメデ
ィア、反日勢力と結託して、米国とともに『アジアの自由と民主主
義、人権、法の支配を守ろう』としている安倍晋三政権潰しに動く
恐れがある」
 公安当局幹部にこの情報をぶつけると、沈黙して、認めた。
 アジア情勢は緊迫している。中国は尖閣諸島と沖縄にも野心をむ
き出しにしている。日本と日本人に危機が迫っている。それなのに
、その事実から国民の目をそらせようと画策するメディアや勢力が
あるのはどうしたことか。彼らは平然と白を黒と言いくるめようと
している。読者の方々に切にお願いする。どうか真実を見抜く目を
持っていただきたい。
 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生
まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ
雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍
し、数々のスクープで知られている。



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