5508.マツダのディーゼルエンジンはすごい



ICCTのレポート(下にリンク)を読むと、マツダのディーゼル車は
ユーロ6(日本と同じような基準)に触媒なしで合格している。

米国のBIN5Tier2のより厳しい基準には適合できていないが、ユーロ
6にエンジンの性能だけで適合できるというのは、すごいことであ
る。今までの常識では考えられない。

ディーゼルエンジンは、NOx(窒素酸化物)やPM(ススなどの粒子状
物質)など大気汚染物質の排出量が多くなるため、排出ガスを浄化
しガソリンエンジン並みの環境性能を達成するには、多量の貴金属
を必要とする触媒や、尿素SCRなどによる大がかりな排ガス処理装置
が不可欠でした。 

ということで、マツダの「SKYACTIV-D」エンジン構造を見ると、今ま
での常識では考えられない低圧縮比のエンジン構造であり、このた
め、デンソーのコーンレイルで高圧噴射した燃料が爆発するのが普
通のディーゼルエンジンに比べて、遅くなり、その分、空気との攪
拌が起きて完全燃料されているようである。

低圧縮比のために、ピストンヘッドの上を卵形(エッグシェイプ)
燃焼室にして燃料と空気の混合を促す仕組みを考案、より均一な状
態での燃焼が可能になり、燃費を向上させただけでなく、汚染物質
の発生を抑制するようだ。

この低圧縮比であることで、エンジンの強度は今までのディーゼル
エンジンに比べて低くてよいことになり、コストも低いし、触媒を
使わないので、ここでもコストが安いことになる。

そして、従来、ディーゼルエンジンは低速でのトルクや低回転域で
の走行を得意としていた。「SKYACTIV-D」も2,200ccの排気量でも、
ガソリン車なら4,000ccクラスに匹敵するトルク(420Nm)を低回転
域(2,000rpm)で発生するという。

大小二つのターボを組み合わせた「2ステージターボシステム」に
して、「大ターボ」と「小ターボ」を三つのバルブで最適に制御し
、低回転域での高トルクと高レスポンス、高回転域での高出力とい
うように、回転数に応じて使い分けてようにしている。

マツダの開発者は、「当面の目標としては、日本よりさらにNOx排出
規制が厳しく、ディーゼルエンジン自動車の少ない北米で、触媒無
しのクリーンディーゼルエンジン車を売り出すことです。長らく絶
対に無理だと言われてきたことですが、SKYACTIV-Dの成果を考えれ
ば、実現の日も間近だと考えています」というので、期待できる。

ということで、マツダだけが、本当の意味でのクリーンディーゼル
エンジンを作った会社ということである。他の会社は、特にドイツ
の自動車メーカは偽物であり、技術的な解決ではなく、規制逃れを
しようとしているだけのようである。

ベンツの最新モデルが昨日発表されたが、アンモニアを入れて、そ
れで日本の規制をクリアしているというが、このアンモニア水の補
給が必要になり、メンテナンスが大変になることが明白である。

ディーゼルエンジンは、マツダの独壇場になることが確定している
ように思うが、マツダは積極的に宣伝しないので、皆が間違えて理
解しているようである。

ドイツ車の没落近し

日本車の優位が動かし固いことになる。

さあ、どうなりますか?
ICCTレポート

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