5484.経済的な変動要素が2つ



日本のエコノミストたちの楽観論を信用した投資家は、大怪我をし
てしまった。日本国内の状況や最近の企業業績を見るだけで、米国
と中国の危機的な要素を無視するからそうなる。

米国は、景気が上昇して、サービス産業の価格が上昇しているため
に、FRBは調整が必要と思っている。金利を上げる条件が揃って
いると思っている。

米労働省が4日発表した8月の雇用統計によると、非農業部門の雇
用者数は前月と比べて17万3000人増と、市場予想の22万人
増を下回った。一方、失業率は5.1%と7年半ぶりの水準まで改
善、賃金上昇も加速し、米連邦準備理事会(FRB)が今月利上げ
に踏み切る可能性を残した。

このため、4日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は
、大幅反落し、前日比272・38ドル安の1万6102・38ド
ルで取引を終えた。

もう1つが、中国経済で、元切り下げしたことで資金流出が止まら
ない。このため、再度、元を切り上げたが、その間に100兆円も
資金が流出したようである。それは正常でない株式市場から海外投
資家は逃げるしかない。

株価の乱高下をめぐって英ヘッジファンド中国部門の女性トップが
拘束された。また、ロイター通信は、規制当局の会合に呼び出され
たあるファンドの幹部が、友人に「もし私が戻ってこなかったら、
妻の面倒をみてくれ」と伝えたというエピソードを紹介。ロイター
は別のコラムで「中国の強権的な手法が投資リスクを大きくしてい
る」と警鐘を鳴らす。このように中国は正常な株取引ができないこ
とを宣伝している。

この2つのリスクがあり、株価調整が続く事になる。17日のFR
BのFOMCまで続く事になる。しかし、このFOMCで利上げが
撤回されると、株価が上がる可能性はある。そこまでは調整局面が
続くことになりそうである。

さあ、どうなりますか?


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NY株、272ドル大幅反落 米国の早期利上げ意識
2015/09/05 05:49   【共同通信】
 【ニューヨーク共同】4日のニューヨーク株式市場のダウ工業株
30種平均は、米国の早期利上げが意識されて大幅反落し、前日比
272・38ドル安の1万6102・38ドルで取引を終えた。ハ
イテク株主体のナスダック総合指数は49・58ポイント安の
4683・92だった。
 この日発表の8月の米雇用統計は、新規就業者数の伸びが市場予
想を下回る一方で、失業率のさらなる低下や賃金の上昇も示した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利上げを開始する可能性
が残ったと受け止められ、ダウ平均は全面安となった。
 ダウ平均は一時、350ドル近く下げる場面もあった。
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米8月雇用17.3万人増、失業率5.1%に低下 9月利上げ可能性残す
2015年 09月 5日 00:26 JST
[ワシントン 4日 ロイター] - 米労働省が4日発表した8月の
雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月と比べて17万
3000人増と、市場予想の22万人増を下回った。一方、失業率
は5.1%と7年半ぶりの水準まで改善、賃金上昇も加速し、米連
邦準備理事会(FRB)が今月利上げに踏み切る可能性を残した。
増加数は5カ月ぶりの少なさだった。製造業が2013年7月以来
の大幅削減となり、全体水準を押し下げた。
7月の数字は当初発表の21万5000人増から24万5000人
増へ上方修正された。
8月の雇用統計はここ数年、当初発表の数字が後に大幅に上方修正
される傾向が続いており、今回発表の数字は経済の現状を正確に反
映していない可能性がある。
6月と7月は当初発表から合わせて4万4000人の上方修正とな
った。
8月の時間当たりの賃金は8セント上昇し、1月以来の大幅な増加
となった。週労働時間は34.6時間へと増えた。
エコノミストらは季節変動を調整する計算方法にゆがみがあり、学
校の新学期入りを控えた季節変動が十分勘案できていないと主張し
ている。8月は回答率が低いため数字がゆがむ。労働省の担当者は
8月の数字は上方修正されることが一般的だと述べた。
ドイツ銀行( ニューヨーク)で外貨戦略部門のグローバル責任者を
務めるアラン・ラスキン氏は「雇用統計の内容は9月にFRBが利
上げしてもおかしくない内容だ。問題は不安定な金融市場がその計
画を狂わせるかどうかだ」と述べる。
米経済は底堅いとの見方は変わらないかもしれないが、中国経済の
減速や世界的な金融市場の混乱の中で、今月16━17日の米連邦
公開市場委員会(FOMC)でFRBは難しい判断を迫られそうだ。
それでもなお、雇用市場は改善しており、最近発表された一連の好
調な経済指標を補強する。自動車や住宅販売は底堅く、第3・四半
期の序盤は経済に勢いがあることを示唆している。第2・四半期の
国内総生産(GDP)は年率換算で3.7%増と力強く伸びた。
8月の失業率は前月から0.2ポイント低下の5.1%と、08年
4月以来の低水準となった。物価が安定的に上昇しているとFRB
がみなす基準に近づいた。
就職を諦めた人や正規雇用を望みながらもパートで働いている人を
含めた広義の失業率は10.3%と、7月の10.4%から低下し
、08年6月以来の低水準になった。
就業者数の内訳をみると、建設業が3000人の増加。7月も
7000人増だった。
一方で鉱業と木材関連は1万人減った。製造業は自動車需要が底堅
かったにもかかわらず1万7000人減となった。
時間当たりの賃金は前年同月比2.2%の増加。エコノミストが健
全とみなす3.5%増をまだ下回っている。油田サービスの賃金低
下が足かせとなっているとするアナリストもいる。
ただ、雇用市場が引き締まりつつあることに加え、複数の州・地方
政府が最低賃金引き上げを決めたことで、いずれは賃金の伸びが加
速し、物価上昇率がFRBの目標とする2%に近づくとの確信を政
策担当者に与えそうだ。
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17年4月の消費増税、予定通り行う=安倍首相
2015年 09月 4日 16:27 JST
[東京 4日 ロイター] - 安倍晋三首相は4日午後、訪問先の大
阪市でテレビ番組に出演し、2017年4月の消費税率の引き上げ
について、予定通り行う考えを示した。
安倍首相は17年4月の10%への消費税率引き上げについて「予
定通り行う考えだ。リーマンショックのようなことが起これば別だ
が、今の状況であれば、今年の冬のボーナスも来年の給料も上がっ
ていく」と語った。
また「消費が伸びていくような様々な政策を打っていきたいと思っ
ている」と語った。企業の投資を促す政策を打っていく考えも同時
に示した。
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中国、100兆円規模の資金逃避か “宴の後の厳しい現実” 武
者陵司氏分析 
2015.09.04ZAKZAK
 抗日戦争勝利70周年記念の軍事パレードで「強い中国」を強調
した習近平国家主席。しかし、北京上空の人為的な青空は4日午前
、再び汚染された。「閲兵ブルー」と同様、株や人民元を強権的に
誘導する政策効果も長くは続かない。海外投資家は不信感を強め、
100兆円規模の巨額資金も流出、“宴の後”には厳しい現実が待
ち受けている。
 北京市内の微小粒子状物質「PM2・5」を含む汚染指数は4日
午前、「不健康」レベルを示す155を記録。普段の大気汚染状態
に戻った。
 上海株式市場でも、政府系とみられる資金で人為的に買い支えら
れてきたが、政権のメンツを保つための「パレード相場」も終わり
そうだ。
 すでに株価の乱高下をめぐって英ヘッジファンド中国部門の女性
トップが拘束されたと報じられた。また、ロイター通信は、規制当
局の会合に呼び出されたあるファンドの幹部が、友人に「もし私が
戻ってこなかったら、妻の面倒をみてくれ」と伝えたというエピソ
ードを紹介。ロイターは別のコラムで「中国の強権的な手法が投資
リスクを大きくしている」と警鐘を鳴らす。
 実体経済も厳しい。中国国家統計局などが公表した製造業の景況
感指数は3年ぶりの低水準となった。大気汚染を改善するため、1
万2000カ所余りの工場の操業を停止させたことも影響したとさ
れるが、問題がより根深いのはいうまでもない。
 そして中国経済の異変を象徴するのが資金流出だ。「中国のアキ
レス腱は対外資本収支」とみるのは武者リサーチ代表の武者陵司氏
。「2013年末から15年3月末の間の経常黒字は2952億ド
ル(約35兆円)だったが、(本来なら経常黒字で増えるはずの)
対外純資産残高は逆に5922億ドル(約71兆円)も激減してお
り、合計8874億ドル(約106兆円)の対外資産価値が消失し
た計算になる。消失した金額の巨額さを説明できるのは資本逃避だ
けだ」と分析している。
 人民元政策が迷走している背景にも資金流出問題がありそうだ。
8月に突如人民元を切り下げた習政権だが、今度は一転して人民元
の売り規制に転じた。武者氏は「景気対策のためには元安が必要だ
が、それは中国経済の命綱である資金流出を招く。二律背反に当局
が追い込まれている」と指摘している。
 抗日行事直前の2日には、国際通貨基金(IMF)が報告書を公
表、「中国の景気減速に伴う金融市場の混乱が収まらず、新興国経
済の先行きは厳しさが増している」と指弾した。
 5日までトルコで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中
央銀行総裁会議でも中国経済が主要議題となり、IMFのラガルド
専務理事が世界経済の先行きに懸念を表明する見通しだ。
 抗日行事には日本や欧米主要国の首脳が不参加だったが、経済面
でも世界の中国離れが加速しているようだ。
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FOMC・日銀会合・MPC・ECB・RBA理事会日程と金融カレンダー

【9月】
01日 AUS RBA理事会
03日 EU ECB理事会
09日 ◇アジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会合(〜11日 
@フィリピン・セブ島) ◇世界経済フォーラム夏季ダボス会議(
11日 @中国・大連)
10日 UK MPC(9日〜)
14日 ◇IAEA総会(〜18日 @ウィーン)
15日 JPY 日銀会合(14日〜) ◇第70回国連総会(〜28日 @ニュ
ーヨーク)
17日 US FOMC(16日〜)Press conference by the Chair
22日 ◆「プラザ合意」から30年
24日 ◇東証・現物株取引システムを刷新、「アローヘッド2」が
稼働
30日 ◇安倍自民党総裁の任期切れ
9月頃 ◇東証上場=日本郵政など3社
秋頃 ◇タイ新憲法公布 ◇ミャンマー総選挙

【10月】
01日 JPY 9月の日銀短観 ◇公務員や教職員の共済年金を厚生年
金に一元化
03日 ◇東西ドイツ統一から25年
06日 AUS RBA理事会
07日 JPY 日銀会合(6日〜)
08日 UK MPC(7日〜)
09日 ◇IMF・世銀年次総会(〜11日 @ペルー・リマ)
18日 ◇スイス議会選挙
22日 EU ECB理事会
25日 ◇アルゼンチン大統領選
28日 US FOMC(27日〜)
30日 JPY 日銀会合 ◎「日銀展望リポート」
月内 ◇16年に運用が始まる税と社会保障の共通番号(マイナンバ
ー)の国民への通知開始
10月頃 ◇ポルトガル総選挙

【11月】
03日 AUS RBA理事会
05日 UK MPC(4日〜)
15日 ◇G20首脳会合(〜16日 @トルコ・アンタルヤ)
17日 ◇APEC首脳会議(〜18日 @マニラ)
19日 JPY 日銀会合(18日〜)
30日 ◇COP21 @パリ

【12月】
01日 AUS RBA理事会
03日 EU ECB理事会
10日 UK MPC(9日〜)
14日 JPY 12月の日銀短観
16日 US FOMC(15日〜)Press conference by the Chair
18日 JPY 日銀会合(17日〜)
12月頃 ◇スペイン総選挙



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