5476.南北対立で勝ったのは中国?



南北朝鮮の紛争で一番得をしたのが、中国のようである。北朝鮮は
中国からの援助と引き換えに謝罪に応じたし、韓国はラウドスピー
カーの中止と引き換えに要求していた謝罪を引き出した。

というように、両者の裏に中国が見える。中国は戦車隊を大量に朝
鮮国境に配備して、北朝鮮が韓国に戦争を仕掛けたら、北朝鮮内に
臨時政府を立てて、そこの要請で北朝鮮内に侵攻するシナリオがで
きている。

このスリーパーがどこにいるのか、金正恩第1書記は分かっていな
い。金正恩政権を潰して、金正男を立てる方向で中国は準備してい
る。

これを知っている韓国は中国に助けを求めた。この見返りに米国が
要求した軍事パレード不参加を蹴って、参加することになったよう
である。

米国の軍事的な抑止力より、中国の政権打倒の抑止力の方が大きい
という事実を、韓国の朴槿恵大統領は、重く見ている証拠である。

サンケイとは違う見解が世界的には正常な見方になっている。

偏見で、見ないことが重要であり、その上で今後の韓国の外交を見
たほうが良いと思う。

さあ、どうなりますか?


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朴大統領、中国傾斜強める 軍事パレード出席、北牽制の狙いも
2015.8.27 05:00sankei
 【ソウル=藤本欣也】韓国の朴(パク)槿恵(クネ)大統領が米
国の慎重論を押し切る形で軍事パレードの参観を決めた。最大の同
盟国・米国と、最大の貿易相手国・中国の間で板挟みになった朴政
権が、「中国重視」の決断を下すのは、アジアインフラ投資銀行(
AIIB)への参加に続くものだ。軍拡を進める中国への警戒論が
広がる中、中国傾斜を強める韓国は日米にとって頭の痛い存在とな
っている。
 朴政権としては軍事パレード参観の見返りに、韓国での年内開催
を調整している日中韓首脳会談への中国の参加意思を、習近平国家
主席から引き出せると判断したとみられる。
 日中韓首脳会談の場を利用して、懸案の日韓首脳会談を実現させ
れば、米国が望む日韓関係改善に資することにもなる。日米両国は
表立って批判できないとの読みだ。
 朴大統領はまた、今回の中韓首脳会談で両国関係の緊密ぶりを誇
示し、緊張緩和で合意したばかりの北朝鮮を改めて牽(けん)制(
せい)する効果も狙っているとみられる。
 韓国内外から朴大統領の軍事パレード参観に対する反対論が上が
る中、韓国大統領府は「さまざまな状況を把握しながら検討中」と
してきた。韓国政府内には「習主席が最も期待している軍事パレー
ドを欠席すれば、せっかくの訪中効果が半減する」との懸念があっ
たためだ。
 中国外務省が25日の会見で、抗日戦争勝利記念行事に出席する
国家元首を紹介した際、朴大統領はロシアのプーチン大統領より先
に読み上げられた。米欧首脳が欠席する中で、中国側の朴大統領に
かける期待のほどがうかがえる。
 結局、軍事パレード参観を選んだ朴大統領だが、米国や国内の反
対派に配慮し「軍事パレードで拍手しない」との見方もある。
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中国紙、抗日パレードで朴大統領を再恫喝「妨害で支障が出た場合
、座視しない」
2015.08.26ZAKZAK
 中国が9月3日に開催する「抗日戦争勝利70周年記念行事」に
は、ロシアのプーチン大統領ら30カ国の元首、首脳級指導者が参
加する。習近平国家主席の威信がかかるだけに、同国は、軍事パレ
ードへの参加を明言しない韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領に、
再び圧力をかけたようだ。
 「すべての外国の指導者だ」
 中国外務省の張明外務次官は25日の記者会見で、軍事パレード
を含む一連の行事への出席者について、こう語った。
 朴氏のパレード参加が決まったとみられたが、韓国大統領府の報
道官は同日、「細部の日程を含め中国側と協議中」といい、否定し
た。中国はしびれを切らせているようだ。
 中国が東・南シナ海で軍事的拡張路線をあらわにするなか、欧米
諸国の首脳や安倍晋三首相は記念行事自体への出席をとりやめてい
る。韓国の同盟国である米国は事実上、朴氏にも出席を見合わせる
よう求めていた。
 米中間で「二股外交」を続ける朴氏は記念行事への出席は決めた
が、軍事パレードの参加については決断していないようだ。キャン
セルの口実になり得た北朝鮮との軍事的緊張も解消し、朴氏の最終
判断が注目されるが、中国はこんなアピールもしている。
 中国共産党機関紙の人民日報の国際版『環球時報』は24日の社
説で、朝鮮半島の軍事的緊張に触れて、こう記したという。
 「緊張を高めている勢力の中には、朴大統領のパレードへの出席
を不満に思っている勢力がいる」「悪意のある妨害で軍事パレード
に支障が出た場合、中国は座視しないだろう」(ハンギョレ新聞、
24日より)
 恫喝というしかない。
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コラム:北朝鮮が韓国を挑発する本当の目的
 2015年 08月 26日 13:38 JST
William Johnson
[25日 ロイター] - 北朝鮮と韓国は25日未明、緊張緩和に向
けた合意に達した。両国の対立は先週、5年ぶりの砲撃戦にまで発
展。本格的な軍事衝突の回避に向け、南北高官は夜を徹して異例の
マラソン協議を行っていた。
しかし、南北高官会談の舞台裏では、さらに重要な出来事が展開し
ていた可能性がある。そこでは、北朝鮮にとって唯一最大の支援国
である中国の存在が浮かび上がってくる。
中朝両国の閉鎖性を考えれば、何が起きていたかを正確に知るのは
実質的に不可能だ。筆者が両国の間で何かしらの動きがあったと考
えるのは、米国務省の仕事で中朝国境近くに3年ほど住み、中国と
北朝鮮の物資の行き来を監視していた経験を基にしている。
歴史的に見ると、北朝鮮が韓国を挑発する時というのは、国威発揚
もしくは中国の関心を引くことが目的だった。今回も例外ではなさ
そうだ。中国と北朝鮮の高官は、筆者が2000年代半ばに中朝国
境近くに住んでいた時と同様、遼寧省の国境地域などで会談を重ね
ていたとみられる。その協議の大半は、中国が南北双方に自制を求
める内容だっただろう。朝鮮半島有事の際には、北朝鮮から中国に
数百万人が逃げ込む可能性が高いため、南北間の平和確保は中国に
とって最善の利益でもあるからだ。
しかし、協議の本当の中身は、北朝鮮が中国から何を得たいかだ。
北朝鮮は、食料と武器とエネルギーを中国に頼っている。そして中
国は、北朝鮮の協力を引き出す時にはムチよりもアメを使う傾向が
かなり強い。今回の北朝鮮の挑発行為は、資金と食料の不足がそも
そもの原因だったと思われる。もしくは、可能性は低いが、中国政
府の同国への冷淡な態度が原因だったかもしれない。今回の問題は
南北軍事境界線に近い非武装地帯(DMZ)で起きていたが、実際
には、南北関係よりも中朝関係に関係していたとみられる。
北朝鮮で6月に起きた干ばつは、世界食糧計画(WFP)が推測し
ていた以上に同国に打撃を与えただろう。北朝鮮は過去100年で
最悪の干ばつだと表現していた。さらに、北朝鮮政府がエボラ出血
熱の水際対策として数カ月にわたって実施した国境閉鎖は、同国の
観光業に深刻な打撃を与えた。観光業は小さいとはいえ、貴重な外
貨獲得源だ。こうしたことに加え、中国の習近平国家主席が北朝鮮
の金正恩第1書記に冷たい態度を取ってきたことも、今回の暴発に
つながったとみていいだろう。資金と食料の不足に中国から愛想を
尽かされたとの感情が重なれば、北朝鮮が挑発的行動に出ても驚く
には値しない。
国際社会の関心の多くはこれまで、板門店での協議の行方に集まっ
ていた。われわれは今後、中朝貿易最大の物流拠点である遼寧省・
丹東市で遠からず動きがあると考えるべきだ。2009年11月に
起きた南北艦艇による銃撃戦の後は、食料支援物資(主にトウモロ
コシ)が鉄橋を渡って北朝鮮側に運ばれた。国境をはさみ、真新し
い中国のトラックや重機が突然姿を現したのも目撃された。今回も
同様のことが起きる公算が大きい。
報道関係者や専門家の間ではしばしば、世界第2位のトウモロコシ
産出国である中国がなぜ、施設の新設が必要なほどのトウモロコシ
を輸入・備蓄するのか疑問の声が上がる。そうした備蓄トウモロコ
シが北朝鮮との国境付近に置かれているのは、偶然ではない。米国
と韓国が北朝鮮との問題にどう対応するかに注目が集まる一方、北
朝鮮の安定の立役者は中国であるという事実にはあまり関心が払わ
れていない。
中国は過去の南北衝突から考えると、今回はどこか違った対応を見
せている。中国人民解放軍は過去数日の間に、北朝鮮国境から約30
キロ離れた吉林省・延吉に大規模な部隊を集結させたと報じられて
いる。おそらく部隊の動きそのものよりも意義深いのは、中国政府
がそうした動きを報道させていることだ。このことは、中国が北朝
鮮政権崩壊の可能性に懸念を強めていることの証しかもしれない。
はっきりと見えているのは、北朝鮮の安定に外国の軍隊が必要にな
った場合、真っ先に駆け付けるのは中国であろうことだ。
結局のところ、今回の出来事の大部分は食料と燃料の問題に由来し
ていたと思われる。南北双方の顔が立つ合意に達した以上、中国は
北朝鮮がそもそも望んでいたものを何でも提供すると筆者は予想す
る。
*筆者は、元米空軍将校で外交にも携わっていた。米空軍士官学校
では哲学教授を5年間務め、2009─2011年には米太平洋特
殊作戦軍(SOCPAC)の上級政務官だった。軍を退役後は、米
海軍大学院で中国政策に関する助言も行っている。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。



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