5471.またも北朝鮮の瀬戸際戦略



北朝鮮が、瀬戸際戦略を繰り出してきた。しかし、世界は北朝鮮の
瀬戸際戦略に慣れてきている。このため、今までのようにはうまく
いかない。さあ、どうなるのであろうか?検討したい。津田より

0.今回の事件
南北国境地帯では今月4日、北朝鮮軍兵士が国境を越えて埋めたとさ
れる地雷により、韓国軍兵士2人が重傷を負っている。韓国側はこの
事件を受け、国境地帯に設置したスピーカーによるプロパガンダ放
送を11年ぶりに再開した。

この放送をやめさせるために、韓国国防部(防衛省)の発表による
と、京畿道漣川(ヨンチョン)の西部戦線で、20日午後3時53分ごろ
、北朝鮮軍が撃った14.5mm高射砲の砲弾1発が山中に着弾した。さら
に19分後の4時12分、76.2mm直射砲により非武装地帯(DMZ)の軍事
境界線南側に数発砲撃が加えられた。

これに対して、韓国軍も午後5時過ぎに軍事境界線から北へ500メー
トルの地点に、155mm自走砲で数10発応射した。

北朝鮮は同日、48時間以内にプロパガンダ放送を中止しなければ、
「軍事行動を開始する」とする書簡を韓国側に送るとともに、金正
恩第1書記は20日午後、軍と党の高位関係者らを招集して中央軍
事委員会非常拡大会議を開いた後、「21日午後5時を期して『火
の作戦』に入れるよう完全武装した戦時状態に転換する」と指示し
た。

これに対して、朴槿恵(パク・クネ)大統領が21日午後、西部戦
線を担当する第3軍司令部を訪問して北朝鮮軍の動向と韓国軍の対
備態勢を点検した。朴大統領は「軍は北朝鮮の追加挑発に対して一
寸の隙もない即刻対応態勢を維持し、状況が発生した時は『先に措
置、後で報告』するようお願いしたい」と指示した。 

瀬戸際戦略を韓国は知り尽くしているので、瀬戸際戦略には強硬手
段しかないことを、この十年間で勉強している。このため、そう簡
単に北朝鮮の脅しで引き下がらない。

デンプシー米統合参謀本部議長は21日午後(日本時間22日午前
)、南北朝鮮の緊張の高まりを受けて韓国軍の崔潤喜合同参謀本部
議長に電話し、韓国防衛への米国の揺るぎない義務を確認した。

朝鮮半島の緊張状態を解決するため、北朝鮮が提案した南北当局に
よる高官協議が22日午後6時半から23日午前4時15分まで、
南北軍事境界線がある板門店の韓国側施設「平和の家」で行われた
。双方は最終合意に至らず、23日午後3時に協議を再開すること
にした。青瓦台(大統領府)の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官
が明らかにした。

韓国サイドは、地雷を埋めた北朝鮮の責任を追及し、北朝鮮サイド
は、地雷を韓国が埋めて自作自演であり、それによりプロパガンダ
放送を始めることは許さない。即座に放送を中止しろということで
、双方の主張は平行線であったようである。

このため、双方は最終合意に至らず、23日午後3時に協議を再開
することにしたという。

韓国は、今回、そう簡単には折れないし、戦争に持ち込むと脅され
たら、戦争をすると答えることになる。それには理由がある。

北朝鮮も折れることはできない。金正恩第1書記が国家指導者とし
て失格であることを証明されてしまう。本当はそうであるが。

1.北朝鮮の思惑
北朝鮮の瀬戸際戦術には、米国も当初、騙されていたし、韓国は多
額の援助を北朝鮮にして、開城市に南北共同の工業団地「開城工業
地区」も作り、北朝鮮体制の維持を支援してきた。併合すると北朝
鮮の統合費用が体制維持の費用に比べて大きいことで、そうしてい
た。

しかし、この支援を逆手に取って、北朝鮮は開城工業地区を閉鎖す
ると脅しすなど、韓国の好意を蔑ろにしてきた。

そして、開城工業地区を作った北朝鮮側責任者である崔英建副首相
が処刑されたと最近報じられた。崔氏の粛清は、疲弊した北朝鮮経
済の再生に金正恩氏がどんな手を持ち得るのかを探る上で特に興味
深いと言えるが、経済通とされた崔氏は2000年代半ば、韓国と
の南北経済対話で北側の代表として名を挙げた人物だ。

最初、金正恩第1書記は、日本からの支援を求めて北朝鮮の日本人
調査を行い、1人1億円で支援を得ようとしたが、肝心の拉致被害
者のほとんどを殺害したことで、日本からの拉致被害者を優先とい
う要求を叶えることができずに、援助金が出ないことになった。

また、中国にも援助をお願いするも張成沢を処刑して、中国との外
交・交易の関係者を多数処刑したことで、中国が北朝鮮を見限った。

このため、金正恩第1書記は、ロシアに近づいたが、ここでも援助
を引き出すことはできず、ロシアとの交渉をしていた玄永哲人民武
力相を処刑した。このため、ロシアからも援助を引き出すことがで
きずにいる。

しかし、そろそろ、金正恩第1書記も金正日の蓄えた資金が尽きて
きたことで、国内リーダークラスへの報奨金がなくなり、体制維持
が難しくなっている。このため、暗殺事件が多発してきた。

ということで、またまた韓国から援助金を出させようとしている。
ここで、またもや瀬戸際戦略を用いてきたのである。

しかし、その瀬戸際戦術も効かない。それに対応した米韓連合軍の
「5027作戦計画」をできているので、韓国の朴槿恵大統領も強気で
押せることになる。北朝鮮は1日で崩壊できる作戦ができ、そのた
めに、デンプシー米統合参謀本部議長は、現在行っている米韓合同
演習をそのまま、実戦に転換するとし、かつ強力な軍団を配備した
のである。

また、朴槿恵大統領は、中国との関係も良好であり、北朝鮮が韓国
に戦争を仕掛けても、中国が北朝鮮の味方になることはないように
している。中国とも綿密な連絡を取っている。

このため、北朝鮮は、簡単には戦争を始めることができない。瀬戸
際で止めて、外交交渉をするしかないが、その瀬戸際度が足りなく
て、満足な結果を得られないことになる。

2.北朝鮮の選択
ということで、戦争に無理やり入り、数日で北朝鮮崩壊となる可能
性が高い。これは北朝鮮サイドでもわかっている。

もう1つが、戦争手前で、金正恩第1書記を暗殺して、中国の金正
男を新リーダーにする方法であるが、北朝鮮に中国の息がかかった
指導層がいるかどうかでしょうね。

もう1つが、金正恩第1書記が自分で政権を降りることで、妹に政
権を渡して妹は集団指導体制にすることであろうか?

といろいろな選択があるが、ベストの解は、両方に名分は立つ解決
策を見出すことが必要でしょうね。

混乱がないことで、多くの人が死なないことになる。韓国も併合に
なると多大な費用がかかることになる。

さあ、どうなりますか?

数日で分かることになる。

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南北高官協議 合意に至らず中止=午後3時に再開
2015/08/23 06:39
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍の砲撃で高まった朝鮮半島の緊張
状態を解決するため、南北当局による高官協議が22日午後6時半
から23日午前4時15分まで、南北軍事境界線がある板門店の韓
国側施設「平和の家」で行われた。双方は最終合意に至らず、23
日午後3時に協議を再開することにした。青瓦台(大統領府)の閔
庚旭(ミン・ギョンウク)報道官が明らかにした。
 閔報道官は「双方は最近起きた事態の解決策や今後の南北関係の
発展策について幅広く協議した」と説明。「双方の立場を検討した
後、きょうの午後3時から協議を再開し、立場の違いについて引き
続き調整していくことにした」と述べた。
聯合ニュース
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北朝鮮対応で電話会談=米韓軍トップ
 【ワシントン時事】デンプシー米統合参謀本部議長は21日午後
(日本時間22日午前)、南北朝鮮の緊張の高まりを受けて韓国軍
の崔潤喜合同参謀本部議長に電話し、韓国防衛への米国の揺るぎな
い義務を確認した。米国防総省が22日発表した。
 両議長は今後数日間の北朝鮮の動向を注視していくことで一致。
その上で、両国が協力して北朝鮮のさらなる挑発を抑止し、緊張緩
和に取り組むと申し合わせた。(2015/08/23-00:24)
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南北会談、未明までずれ込み 北朝鮮から21日に提案 
2015/8/23 1:35日本経済新聞 電子版
 【ソウル=峯岸博】22日に軍事境界線の板門店で始まった南北高
官会談は23日未明までずれ込んだ。北朝鮮は韓国に軍事行動をちら
つかせながら、水面下では21日に高官会談を提案し、対話による打
開を探っていた。韓国が強気の姿勢を崩さないなかで、当面は大規
模な衝突を避けようとした判断が透ける。
 午後6時からの会談の冒頭、双方の出席者は握手を交わした。軍
服を着た北朝鮮の首席代表、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)朝鮮…
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北朝鮮 南北高官協議開催を迅速に報道
 2015/08/22 18:07
【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮が22日午後6時から南北軍
事境界線がある板門店で高官協議を開くことについて、北朝鮮メデ
ィアも迅速に報じた。
 北朝鮮の朝鮮中央通信はこの日、黄炳誓(ファン・ビョンソ)朝
鮮人民軍総政治局長、金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党書記(
統一戦線部長)が大韓民国・青瓦台(大統領府)の金寛鎮(キム・
グァンジン)国家安保室長、洪容杓(ホン・ヨンピョ)統一部長官
と板門店で緊急接触を行うと伝えた。
 北朝鮮が韓国をこれまでの呼び方の「傀儡(かいらい)」ではな
く「大韓民国」と呼んだのは高官協議と南北間の緊張緩和に対する
意志の表れと受け止められる。
聯合ニュース
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<北朝鮮砲撃挑発>北がきょう挑発すれば韓米合同で強力に応戦
2015年08月22日09時45分 [? 中央日報/中央日報日本語版] 
朴槿恵(パク・クネ)大統領が21日午後、西部戦線を担当する第
3軍司令部を訪問して北朝鮮軍の動向と韓国軍の対備態勢を点検し
た。朴大統領は「北朝鮮のいかなる追加挑発にも断固対応せよ」と
指示した。左側から韓民求国防部長官、朴大統領、金寛鎮(キム・
グァンジン)安保室長。北朝鮮軍が21日午後5時〔平壌市(ピョ
ンヤンシ)、韓国時間午後5時30分〕に戦時体制に転換した。 
  北朝鮮官営「朝鮮中央通信」は同日午後、「朝鮮人民軍戦線大連
合部隊は軍事的行動の準備を完了した」と報じた。金正恩(キム・
ジョンウン)第1書記は20日午後、軍と党の高位関係者らを招集
して中央軍事委員会非常拡大会議を開いた後、「21日午後5時を
期して『火の作戦』に入れるよう完全武装した戦時状態に転換する
」と指示した。北朝鮮メディアは「軍事作戦指揮官を該当戦線に急
派した」と伝えた。また、前方地域の坑道に保管中だったロケット
砲(多連装ロケット)や各種大砲を北朝鮮軍が坑道の外に移動させ
る姿が軍当局によって確認された。 
  金英徹(キム・ヨンチョル)北朝鮮偵察総局長は平壌で外信記者
会見を開き、「拡声器放送やビラ散布は露骨な心理戦で、南側の無
謀な挑発は必ず高い代償の懲罰を受けることになるだろう」と威嚇
した。 
  軍当局は対北朝鮮放送を中断せよとの北朝鮮の要求を一蹴し、北
朝鮮が追加挑発する場合は強力に応戦すると明らかにした。 
  朴槿恵(パク・クネ)大統領は同日午後、第3野戦軍司令部を訪
問して「軍は北朝鮮の追加挑発に対して一寸の隙もない即刻対応態
勢を維持し、状況が発生した時は『先に措置、後で報告』するよう
お願いしたい」と指示した。 
  韓民求(ハン・ミング)国防部長官は午後8時、国民向け談話で
「北朝鮮が追加挑発をしてくるならば容赦ない代価を支払わせる」
としながら「今回こそ北朝鮮の挑発の悪循環を断ち切る」と強調し
た。韓長官は午前に開いた緊急主要指揮官テレビ会議では「北朝鮮
軍が主張した22日午後5時以降、いかなる形態であれ挑発をして
くるだろう」としながら「万全の準備をせよ」とした。合同参謀本
部は前方地域に砲兵など火力を増強配備して、将兵の外出と外泊を
暫定中断させるなど北朝鮮の挑発に備えている。 
  国防部は「自衛権次元で強力に応戦するであろうし、そのすべて
の責任は全面的に北側にある」という電話通知文も発送した。前日
(20日)北朝鮮軍の総参謀部が「今日午後5時から48時間内に
対北朝鮮心理戦放送を中止してすべての手段を撤去しなければ軍事
的行動を開始する」と威嚇した電話通知文に対する返事だ。 
  韓米合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(U
FG)」を進めている韓米は、北朝鮮の追加挑発に備えて「韓米共
同局地挑発対備計画」を適用した連合作戦体制を稼動させた。「共
同計画」は平常時に北朝鮮の局地挑発が発生した場合、合同参謀本
部の指揮の下で米軍の監視資産と戦力を自動で投入し、韓米が共同
で作戦できるようにしている。2013年韓米合同参謀本部議長が
署名した「共同計画」が実戦に適用されるのは今回が初めてだ。米
国務省と韓国国防部は20日(現地時間)、それぞれ声明を出した
後「韓国政府と緊密な共助を通じて確固たる防御体系の責任を負う
」と強調した。
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朝鮮半島の緊張緩和へ対話を、国連事務総長南北双方に呼び掛け
2015年 08月 22日 04:41 JST
国連 21日 ロイター] - 朝鮮半島情勢をめぐって、国連の潘基
文事務総長は21日、北朝鮮、韓国双方に緊張をさらに激化させる
恐れのある行動を控えるよう呼び掛けた。
報道官が明らかにした。事務総長は直近の情勢を深く憂慮している
という。
報道官は「当事者らが対話を行い、緊張緩和や朝鮮半島の平和と安
定を推進するよう、事務総長は呼び掛けている」と述べた。
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韓国軍は北朝鮮の挑発に即刻対応できる態勢を維持せよ−朴大統領
2015年08月21日 19:30sputniknews
韓国の朴大統領は21日、ソウルから約40キロの龍仁市(ヨンイ
ンシ)にある軍の司令部を訪れ、北朝鮮側からの新たな挑発があっ
た場合に対応できるように態勢を整えておくよう指示した。
朴大統領は、「私たちは、我々の兵士や他の民間人の安全を脅かす
北朝鮮の挑発を容認することはできない」と語り、北朝鮮のあらゆ
る挑発行為に即刻かつ厳格に対応する態勢を整えておくよう軍人に
呼びかけた。
20日、北朝鮮と韓国が非武装地帯西部地域で互いに砲撃し合い、
朝鮮半島情勢が著しく緊張した。韓国側の情報によると、最初に砲
撃したのは北朝鮮で、韓国が北朝鮮向けのプロパガンダ放送のため
に使用している拡声器を狙ったとみられている。
なお北朝鮮は、北朝鮮軍が最初に砲撃したとの情報を否定している。
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北朝鮮、ノドン発射の動き=準戦時状態で緊張高める
 【ソウル時事】聯合ニュースによると、韓国政府関係者は21日
、北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ノドン」や短距離ミサイル「スカ
ッド」の発射に向けた動きを見せていることを明らかにした。北朝
鮮軍は、韓国軍が22日夕までに宣伝放送の中止と拡声器の撤去に
応じなければ軍事行動に出ると警告。「軍事行動の準備を完了した
」(朝鮮中央通信)とされ、米韓両軍は警戒を強めている。
 米韓両軍は、西部の平安北道でノドン、東部の元山でスカッドを
搭載した発射車両が展開されている動きをつかんだという。政府関
係者は「(北朝鮮は)軍事的緊張を高めるため、発射時期を計算す
るだろう」との見方を示した。
 白承周国防次官は21日の国会答弁で、宣伝放送について、「北
朝鮮がわれわれの政治・軍事的要求を聞き入れない限り続ける」と
表明。北朝鮮が今後、拡声器への直接攻撃を仕掛ける可能性が高い
と予測した。
 一方、北朝鮮の池在竜駐中国大使は21日夕、北京の大使館で記
者会見し、前線地域に準戦時状態が宣布され、部隊が「完全武装し
た戦時状態」に移行したと説明。「非武装地帯に地雷を埋めたこと
もなく、先に砲撃したこともない」と韓国側の主張に反論した上で
、要求に応じない場合「超強硬な対応は避けられない」と警告した
。(2015/08/21-21:32)
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北朝鮮「48時間以内に放送中止しなければ軍事行動」 砲撃の応酬
、緊迫化する情勢
更新日:2015年8月21日newsphere
 朝鮮半島の南北国境地帯で20日夕、北朝鮮側から2回にわたって南
に砲撃があった。韓国軍も応戦し、北に向けて数十発の砲撃を加え
た。死傷者は出ていない模様。
 南北国境地帯では今月4日、北朝鮮軍兵士が国境を越えて埋めたと
される地雷により、韓国軍兵士2人が重傷を負っている。韓国側はこ
の事件を受け、国境地帯に設置したスピーカーによるプロパガンダ
放送を11年ぶりに再開した。今回の北の砲撃は、放送再開に対する
報復と見られる。北朝鮮は同日、48時間以内にプロパガンダ放送を
中止しなければ、「軍事行動を開始する」とする書簡を韓国側に送
った。
◆「48時間以内に放送を中止しなければ軍事行動を開始する」
 韓国国防部(防衛省)の発表によると、京畿道漣川(ヨンチョン
)の西部戦線で、20日午後3時53分ごろ、北朝鮮軍が撃った14.5mm高
射砲の砲弾1発が山中に着弾した。さらに19分後の4時12分、76.2mm
直射砲により非武装地帯(DMZ)の軍事境界線南側に数発砲撃が加え
られた。韓国軍も午後5時過ぎに軍事境界線から北へ500メートルの
地点に、155mm自走砲で数10発応射した。
 同日、キム・ヤンゴン北朝鮮労働党対南秘書名義の書簡が、韓国
のキム・クァンジン大統領府国家安全保障室長宛てに送られた。北
朝鮮側は書簡を通じて、南がプロパガンダ放送のスピーカーを撤去
すれば、「現在の事態を収拾して関係改善の突破口を開くために努
力する意思がある」と主張した。また、これとは別に、「今日(20
日)午後5時から48時間以内に対北心理戦放送を中止し、すべての手
段を全面撤去せよ。これを履行しなければ、軍事行動を開始する」
とする電文が北朝鮮総参謀部から韓国国防部に届いた。
 一連の砲撃で、韓国側に人的・物的被害は出ていない模様だが、
全軍に最高レベルの警戒態勢が敷かれた。また、砲撃があった地域
の住民約2000人に避難命令が出された。朴大統領は同日午後6時、国
家安全保障会議(NSC)の常任委員会を招集。北朝鮮の挑発に断固対
応し、韓国軍は万全の対応態勢を維持するよう指示した
(韓国・聯合ニュース)。
◆スピーカーには着弾せず
 事の発端は、今月4日に起きた地雷による韓国軍兵士の負傷事件だ
。DMZをパトロール中の兵士が地雷を踏んで両足を失う重傷を負い、
この兵士を助けようとしたもう1人の兵士も片足を失った。
 韓国軍は10日、この際に爆発した3個の地雷は、その特徴的な形状
や埋設状況から、北朝鮮軍兵士が国境を越えて故意に埋めたものだ
と断定した。ハン・ミング国防部長官はこれを「明白な挑発行為」
だと非難し、韓国側は同日、和平プロセスの一環として中断してい
た北に向けたスピーカーによる金王朝批判などのプロパガンダ放送
を11年ぶりに再開した。それ以前から、対北関係の悪化を受けて韓
国内の保守派から放送の再開を求める声が上がっていた。北はそれ
に対し、「放送が再開されればスピーカーを攻撃する」と牽制して
いた。
 今回はその宣言通りの攻撃とみられるが、スピーカーに被害は出
ていない。1回目の砲弾は山中に着弾したため詳細が確認できておら
ず、2回目の落下地点も最寄りのスピーカーから数キロ離れた地点に
着弾したという。そのため、韓国軍は北朝鮮の砲撃はスピーカーを
狙ったものではないと分析している。軍関係者は「北側の砲弾発射
の経緯を綿密に分析中」とした上で、「分析結果により対応方針を
定める」としている(聯合ニュース)。
◆米韓合同軍事演習も背景か
 韓国政府は、「北は、プロパガンダ放送の再開が宣言布告である
と一方的に主張している」とメディアに説明している。砲撃は、地
雷攻撃によって状況が悪化した「事の本質を覆い隠すためのもの」
だとみているようだ。「政府は北の砲撃・挑発など誤った行動に対
しては断固として対処していくという原則により、強力な措置を取
る」としている。
 また、朴大統領がNSC常任委員会を主催したのは今回が初めてだと
いう。当初は閣僚級の国家安保室長が開く予定だったが、大統領主
催に格上げされた。聯合ニュースは、これを政府が事態を深刻に受
け止めている証拠だと見る。一方、北朝鮮の国営メディアはこの交
戦について全く報じていない。ロイターは「こうした事案で北朝鮮
のメディアは通常すぐには反応しない」とし、今後時間を置いて何
らかの動きがある可能性を示唆している。
 17日から米韓合同軍事演習が始まっていることも、砲撃の背景に
あると見られている。北朝鮮は合同演習を「戦争の準備だ」と非難
していた。韓国側も演習期間中に行われた今回の挑発行為を「非常
に意図的なもの」だと受け止めている(聯合ニュース)。
 韓国は、プロパガンダ放送を中止するつもりはないとしている。
南北が一歩も引く構えを見せない中、朝鮮半島情勢の緊張は高まる
一方だ。
(内村浩介)
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金正恩氏、朝鮮戦争の史跡視察 
2015.6.9 13:08sankei
 朝鮮中央通信は9日、金正恩第1書記が平壌郊外にある朝鮮戦争
の史跡を視察したと報じた。視察日は伝えられていない。
 故金日成主席が朝鮮戦争中に朝鮮人民軍の最高司令部を設置した
場所で、金第1書記の指示によりこのほど「革命事績館」が新設さ
れ、最高司令部の指揮所などが復元された。
 金第1書記は革命事績館の出来栄えを称賛し、「史跡は金主席の
業績を将兵と人民に体得させる教育の場であり、代を継いで伝える
べき革命遺産だ」と述べた。黄炳瑞軍総政治局長や朝鮮労働党の崔
竜海書記らが同行した。(共同)
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金正恩、「7日戦争」作戦計画を作成
2015年01月08日07時48分 
[? 中央日報/中央日報日本語版] comment6hatena0 
  北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が韓半島(朝鮮半
島)で戦争を7日以内に終える速戦即決式の作戦計画を新たに立て
たと、匿名を求めた複数の軍消息筋が述べた。この作戦計画は韓国
・米国が有事の際に備えて作成した「作戦計画5027」に似た一
種の戦争遂行計画だ。特に金第1書記は、新しい作戦計画に基づく
戦争の準備を2013年までに完了するよう1次指示を出し、準備
が遅れると2014年に延長し、今年を統一大戦の年と宣言したと
、軍当局者は伝えた。軍情報当局は北朝鮮の新しい作戦計画を最近
脱北した北朝鮮軍の要人から入手し、これを受け、韓国軍も作戦計
画を一部修正するなど対策を用意しているという。 
  別の政府当局者は「金正日(キム・ジョンイル)総書記の死亡直
後の2011年12月30日に最高司令官となった金正恩が、
2012年8月25日に元山で開かれた党中央軍事委員会拡大会議
で『新作戦計画』を承認した」と述べた。続いて「当時の会議には
金正恩を含む党中央軍事委の幹部全員と軍団長級以上が出席した」
とし、「会議では軍(総参謀部)レベルで作った大きな枠の作戦計
画を確定し、各軍団長がこれに基づく部隊別の細部作戦計画を立て
、訓練を実施しろという金正恩の指示があった」と伝えた。 
  新作戦計画の骨子は、北朝鮮が奇襲南侵したり、局地戦が全面戦
争に拡大する場合、米軍が本格介入できないように7日以内に韓国
全域を占領するというものだ。韓国軍と在韓米軍の反撃で戦況が容
易でない場合でも15日以内に戦争を終えるという内容だ。北朝鮮
はこのため核やミサイル、ロケット砲、特殊戦要員などの非対称戦
力を利用し、序盤に機先を制した後、通常戦力で戦争を終えるとい
う手続きを定めたという。 
  金正恩は核・ミサイル使用を作戦計画に入れるよう指示し、核兵
器の小型化を推進して米本土まで攻撃できる長距離ミサイルを開発
することなども新しい作戦計画に基づくものだと、軍当局者は説明
した。この当局者は「金正日時代に軍部隊を経済再建に投入したの
とは違い、金正恩の執権後には大規模な軍事訓練を何度も実施し、
軍事力を増強してきた」とし「2013年以降、金正恩は軍団級軍
部隊を2、3回繰り返し訪問し、新しい作戦計画に基づく訓練状況
を点検している」と話した。情報当局によると、金正恩は2013
年に53回、昨年は73回も軍部隊を訪問している。
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朝鮮半島ウオッチ】「米とは必ず戦争になる」金正恩の危険“戦争
ゲーム”「ノドン」「生物化学兵器」、韓国は「正体不明のテロ」
警戒 
2015.03.21ZAKZAK
 「戦いの準備を完成せよ」「米国とは必ず戦争になる」−金正恩
第1書記は先月下旬以降、党中央軍事委員会拡大会議などで臨戦態
勢へのげきを飛ばしている。北朝鮮は目下、米韓合同軍事演習に猛
反発し、昨年に続いて中距離弾道ミサイル「ノドン」発射準備など
の動きをみせているが、韓国が警戒しているのはミサイル発射より
「正体不明のテロ事件」(韓国筋)という。金正恩氏の性向が衝動
的かつ攻撃的だけに挑発行動のエスカレートが懸念されている。
(久保田るり子)
■米韓演習に北朝鮮は「侵略戦争だ!」〜朝鮮半島はテロ厳戒
 米韓合同軍事訓練は13日までが指揮系訓練「キー・リゾルブ」
、4月24日が野外合同演習「フォール・イーグル」だ。「キー・
リゾルブ」には米最新の沿岸海域戦闘艦「フォートワース」が初参
加、米軍約8600人、韓国軍約1万人が参加、公海上での射撃、
通信訓練が行われ、朝鮮半島近海で米第7艦隊が演習する。「フォ
ールイーグル」には米軍など3500人、韓国軍20万人が参加、
いずれも朝鮮半島有事を想定して演習している。
 北朝鮮は昨年の米韓合同軍事演習にはロケット弾やスカッド、「
ノドン」など6発を発射した。だが韓国筋によると、「今年は昨年
以上の挑発行為が予想される」という。このため米韓軍は先月24
日から連合監視体制を敷き、北朝鮮軍の挑発を監視してきた。米韓
軍は海上警戒、軍事境界線の一帯で監視を強化、偵察機なども飛ば
しているもようだ。
 北朝鮮は演習開始日の2日早朝、「スカッドC」(射程約500
キロ)とみられる短距離弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射し
たが、その後も極度の緊張ぶりをみせている。ジュネーブの国連軍
縮会議に出席した李(リ)洙(ス)●(=土へんに庸)(ヨン)外
相が3日「米国を抑止できる。必要であれば先制攻撃を加える力も
ある」などと挑発的な発言を行ったほか、「挑発の本拠地を灰だけ
の舞う廃虚、凄惨な墓にするだろう」(朝鮮労働党機関紙「労働新
聞」4日付)などと連日の非難を繰り返している。
 一方、北朝鮮北西部、平安北道で中距離弾道ミサイル「ノドン」
(射程約1300キロ)の移動式発射台が発射準備とみられる動き
をみせているほか、北朝鮮西海岸では砲撃訓練を行う兆候も、米韓
軍により捉えられている。
■原発周辺、発電所、地下鉄…などのテロ警戒
 不気味なのは北朝鮮は昨年、冬季演習で生物化学兵器戦の訓練を
増加していたことが米韓当局によって把握されていた−という情報
だ。
 「貧者の核兵器」と別名もある生物化学兵器だが、北朝鮮はこれ
を「相当量の化学剤を保有」(日本の「防衛白書」2002年)し
ていることが分かっており、具体的には天然痘ウイルス、炭疽菌、
ボツリヌス菌を保有、コレラ菌、ペスト菌の兵器化技術もあるとさ
れている。
 米国防総省の分析では、北朝鮮は神経ガス、窒息性ガス兵器など
を生産できる能力があるともいう。
 昨年11月からの北朝鮮の冬季訓練で、「少なくとも10回以上
の生物化学兵器戦訓練を行った」(朝鮮日報)とされ、在韓米軍は
兵士の防護装備の拡充を始めたという。
 朝鮮中央通信などによると金正恩体制は、2月末の朝鮮労働党中
央軍事委員会拡大会議で「米国(米帝)とは必ず戦争を行うように
なる」との金正恩氏の指令で朝鮮人民軍の組織を改編し、「最高司
令部も戦略的企図の実現」のため指導体制を整えているという。国
際孤立のなかにあって金正恩体制は攻撃的、挑発的な姿勢を強めて
いる。
 韓国側は、「米韓合同軍事演習もあって北朝鮮の挑発は哨戒艦「
天安」撃沈事件はじめ春季が多い。今年はミサイル発射のみならず
、テロ事件を警戒している」(情報関係者)とする。不測のテロと
は原発や原電、地下鉄など重要施設や人々の集まる場所での事件発
生を指している。
■金正恩氏の危険な戦争ゲーム
 北朝鮮に詳しい軍事専門家によると「生物兵器は製造国の特定が
可能なため簡単には使用できない。化学兵器使用も、実際に行われ
れば国際社会からの核兵器並みの扱いとなるため、ハードルはかな
り高い。現状で北朝鮮が生物化学兵器をテロに使用する可能性は低
い」とするが、金正恩氏の“戦争ゲーム”へのボルテージは高い。
 韓国国防部が韓国国会に報告した北朝鮮情報によると、金正恩氏
は冬季訓練で各部隊を視察した折に「戦いの準備を完成せよ」とげ
きを飛ばし、軍事境界線付近に高射銃部隊を前方展開させて訓練を
行うなどの攻撃型訓練の増加が目立っているとしている。
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『辺真一のマル秘レポート』 Vol.38(2015.1.15発行号)
▲米韓連合軍の「5027作戦計画」
米韓連合軍の作戦計画は状況と対応によって作戦計画が練られてい
るが、朝鮮半島での全面戦争を想定しているのが1974年に作成され
た「作戦計画5027」である。
北朝鮮が西海5島や特定地域に兆発を仕掛けた場合、米韓連合軍で
強力に対応し、挑発の度合いによっては、一気に武力で統一する計
画で、これまでに何度か修正が加えられてきた
「5027作戦計画」は5段階に分かれ、第一段階では北の南侵を抑止
する。
北朝鮮による南侵兆候があった場合、全軍に「デフコン3」が発令
され、戦争準備態勢に突入する。休戦ラインからソウルまでの距離
が50km程度で北朝鮮の南侵を警告できる時間的余裕が24時間から76
時間に限られているためだ。
第二段階では休戦ラインで防止する。
米韓連合軍は圧倒的に優勢な空軍力とミサイルで北朝鮮の心臓部を
叩き、北朝鮮の南侵を休戦ライン北側で阻止する。北朝鮮のスカッ
ドミサイルとノドン・ミサイル攻撃に対しては韓国に配備してある
パトリオットが迎撃する。第7艦隊所属の空母が配属され、北朝鮮
軍の後方を集中攻撃する。
第三段階では北進して、北朝鮮軍を撃滅する。
米韓連合軍は北朝鮮軍を休戦ラインまで押し返すだけでなく、休戦
ラインを突破し、同時に休戦ラインを迂回し、上陸作戦を敢行し、
北進する。
第四段階では平壌を占領する。
平壌以北の清天川近くまで占領し、住民統制など軍事統治を実施し
、平壌を孤立させる。
第5段階(最終段階)は国土を統一する。
北朝鮮体制を瓦解させ、韓国主導による統一を実現させる。
米国には「5027作戦計画」以外にも「5026」「5029」「5030」の三
つの作戦計画ある。
「5026作戦計画」は北朝鮮の核施設を空爆するため1994年に作成さ
れた計画である。
北朝鮮の核施設へのサージカルストライク(超精密空襲)を仮想し
て作成された。即ち、北朝鮮の核施設など戦略目標をトマホーク巡
航ミサイルで先制攻撃する作戦である。北朝鮮の核施設など戦略目
標をF-15E、F-117、B-1B、B-52Hなど戦略爆撃機、トマホーク巡航ミ
サイルで先制攻撃を加える作戦計画である。
「5029作戦計画」は北朝鮮で急変事態が発生した場合を想定して
1999年に練られた作戦計画である。
北朝鮮最高指導者の急死、クーデターや内乱による政権崩壊に伴う
核ミサイルや化学兵器など大量破壊兵器の使用や流出を阻止し、大
量の難民発生に対応するための作戦計画である。基本的には韓国に
飛び火しないようにするための封鎖政策である。韓国人が人質に取
られた場合の救出作戦や北朝鮮で大規模な自然発生が生じた場合の
人道支援のための軍事作戦も含まれる。
「5030作戦計画」はブッシュ政権下の2002年に作成された計画で、
北朝鮮を兵糧攻め、干し挙げるための作戦計画である。
当時、ラムズフェルド国防長官を中心にペンタゴンにっよって作成
された。軍事衝突発生前に北朝鮮政権を転覆させる多様な低感度作
戦で、統帥権者である大統領の承認なしで遂行できる作戦である。
R-135偵察機を北朝鮮の領海に近づけ、北朝鮮の戦闘機のスクランブ
ル発進を誘導させることで燃料を消費させる。数週間にわたって米
韓合同軍事演習を行い、北朝鮮の戦争備蓄を消費させる。制裁を掛
けて、北朝鮮の金融システムを封鎖する。虚偽の情報を流してかく
乱する作戦も含まれている。
著者/辺真一
1947年東京生まれ、明治学院大学英文科卒業後、新聞記者(10年)
を経て、フリージャーナリストへ。朝鮮半島問題専門誌「コリア・
レポート」創刊、現編集長。著書に「金正恩の北朝鮮と日本」(小
学館)、「韓国経済ハンドブック」(全日出版)、「北朝鮮知識人
からの内部告発」(三笠書房)など。



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