5466.4〜6月期GDPマイナス



4〜6月期のGDP(国内総生産)は予想通りマイナス成長とな、比較的
堅調と思われていた個人消費が低迷したことが主な要因。この先、
景気はどうなるのでしょうか。
内閣府が17日に発表した2015年4〜6月期のGDPは、物価の影響を除い
た実質でマイナス0.4%、年率換算ではマイナス1.6%となった。
GDPがマイナス成長となった最大の理由は個人消費の落ち込みです。
個人消費はGDPの約6割を占めており、経済全体への影響が極めて大
きい項目です。個人消費は0.8%減となり、これが全体の足を引っ張
った。

それでは、どうすれば良いのか?
そろそろ経済成長を目標とするのではなく、全体の経済格差を解決
して、日本人全員が気持ちよく、しかし贅沢ではない暮しの環境を
作るべきではないかと思う。

日本国民の多くが物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさを求め
ている。それをどう確保するかということが重要な気がする。北欧
のような生活かも知れない。

世界的な景気後退期に、日本が景気を引っ張ることは、後で大きな
歪を作ることになり、後々、経済的な足かせになるような気がする。

勿論、大きな景気後退には対処することが必要であるが、現時点、
量的緩和などの対応策を取っている。これ以上の対策は無駄である。

景気後退の大きな原因は、年金生活者の消費が落ちていることであ
る。私も時々買い物を手伝わされるが、たまごが去年108円であ
ったのが、現時点200円もする。牛乳は去年148円の安い牛乳
を飲んでいたが、同じ牛乳が180円以上している。

諸物価が高騰して、年金額の上昇が生活必需品の値上げに追いつい
ていない。このことで、生活の質を落としているように感じる。

それが、今年の8月前半の夏、山中湖のリゾートマンションを借り
る人が激減した原因であったと思う。8月後半、値段が下がると予
約はいっぱいになっている。生活の質を落としていることが分かる。
このため、私たちは8月前半にしか予約できずに行ってきたのであ
る。

それでは、年金の支給額を増やせるかというと、それは財政再建と
いう問題が有り無理である。公共事業を増やしても、現時点で建築
業は仕事がありすぎで、対応できない状態で有るので、効果が期待
できない。

一層の量的緩和を行うといっても、国債市場が今でも歪になりかけ
ているのに、これ以上は国債の買い増すことはできずに、不動産市
場のリートを買うしかない。しかし、現在、中国富裕層が日本の不
動産市場で、物件を買って値上がりしている。そのため、難しい。

経済政策的にも、あまり対応策がないという状況に有り、目標を変
える必要があるような気がするが、どうであろうか?

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4〜6月期GDPマイナスでも「対策なし」 何が起きているの? その
原因は?
THE PAGE2015年08月17日 18:00
4〜6月期のGDP(国内総生産)は予想通りマイナス成長となりました
。比較的堅調と思われていた個人消費が低迷したことが主な要因で
す。この先、景気はどうなるのでしょうか。
内閣府が17日に発表した2015年4〜6月期のGDPは、物価の影響を除い
た実質でマイナス0.4%、年率換算ではマイナス1.6%となりました。
GDPがマイナス成長となった最大の理由は個人消費の落ち込みです。
個人消費はGDPの約6割を占めており、経済全体への影響が極めて大
きい項目です。個人消費は0.8%減となり、これが全体の足を引っ張
りました。昨年後半から3四半期連続でプラス成長が続いていたので
すが、とうとう消費にブレーキがかかってしまったようです。
消費者が財布の紐を締めているのは、春以降、生活必需品の値上げ
が相次いだことと関係がありそうです。昨年の11月頃から円安が加
速しましたが、事業者の多くは最終製品への価格転嫁を避けていま
した。しかし、円安がさらに進行する状況となり、値上げに踏み切
る事業者が増えています。
物価が上がっても賃金が上昇すれば購買力は落ちませんが、残念な
ことに賃金の上昇は物価に追い付いていません。厚生労働省が4日に
発表した6月の実質賃金指数は前年同月比2.9%のマイナスですから
、消費者の懐は寂しくなっています。同じ月の家計消費支出が前年
同月比2.0%減になるのはある意味で当然の結果と考えてよいでしょ
う。
生活必需品が値上がりして家計を圧迫するため、それ以外の商品が
あまり売れず、一部の商品は値下げを余儀なくされています。値上
がりする商品と値下がりする商品が混在しているため、物価全体は
あまり上がっていません。日銀が掲げた2%の物価目標は事実上達成
不可能な状況です。
この状態に追い打ちをかけたのが輸出の低迷です。中国の景気失速
などから、4〜6月期は思った程輸出が伸びませんでした。このため
企業は国内の設備投資に対して慎重なスタンスを崩していません。
甘利経財相は、今回のマイナス成長は一時的なものであり「(現時
点では)補正予算などの経済対策は想定していない」と発言してい
ます。しかし、来年には参院選が控えていることや、安倍政権の支
持率が急降下している現状を考えると、大型の補正予算を求める声
が与党内から出てくることはほぼ確実でしょう。市場は、こうした
景気対策をすでに織り込んでいるのか、17日の東京株式市場は前週
末から約0.5%値上がりして一日の取引を終えています。
補正予算が組まれれば、その分だけ景気の浮揚効果はありますが、
継続性はありません。7〜9月期以降も消費が伸び悩むようであれば
、景気の足取りはかなり重たいものとなるかもしれません。
(The Capital Tribune Japan)
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コラム:拭えぬ国内景気不安、正念場は秋=岩下真理氏
2015年 08月 17日 19:49 JST
[東京 17日] - 17日発表の日本の4―6月期実質国内総生産
(GDP)1次速報値は、前期比年率1.6%減と3四半期ぶりの
マイナスとなったが、市場予想平均の同1.9%減からやや上振れ
(1―3月期も同4.5%増に上方修正)、一部で懸念されたほど
の大幅な落ち込みにはならずに済んだ。
とはいえ、先行きの景気下振れ不安が払拭されたわけではない。国
内景気には猛暑後に冷たい「秋風」が吹く可能性がある。以下、そ
の理由を説明しよう。
<7―9月期は持ち直すか>
まず4―6月期GDP統計の特徴は個人消費と輸出の弱さであり、
これが一時的な弱さにとどまるかが当面の焦点となろう。
今回の個人消費は前期比0.8%減(1―3月期同0.3%増)と
大幅なマイナスとなった。財・サービス別で見ると、サービス以外
の財は全て減少している。耐久財では、4月登録分から5割引き上
げられた軽自動車税により、軽自動車販売の不振が響いた。また、
食料品の相次ぐ値上げを受けた消費者の節約志向から、非耐久財(
食料品)も弱含んだ。
しかし、今回は意外にも半耐久財(被服・履物など)のマイナス寄
与度が最も大きく、天候要因の影響が大きかったと言える。また、
雇用者報酬が前年同期比で実質0.7%増(1―3月期同0.5%
減)とプラスに転じる明るい材料もあった。
7―9月期については、夏季賞与支給の本格化に伴って所得環境の
改善継続が見込まれることや、7月下旬以降の梅雨明けで天候要因
(下押し)が剥落することなどによって、消費は一時的な弱さから
持ち直すことが期待できよう。実際、足元では猛暑効果によるエア
コン販売の増加、電力消費量やガソリン販売量の増加、飲料品の8
月増産などの報道が相次いでいる。
円安・株高などの資産効果により高額消費の勢いも衰えてはいない
。また、以前指摘した通り、GDP推計に使う消費の需要統計であ
る家計調査にはサンプルバイアスの可能性がある。回答世帯の所得
水準が平均よりも低位であれば、低所得者層の節約志向が色濃く反
映されるのは当然であり、それらの点を踏まえれば、足元の消費は
総じて底堅いという解釈は可能だろう。
ちなみに、11日発表のESPフォーキャストの8月調査(回答期
間は7月28日から8月4日)では、実質GDP成長率の予測平均
は4―6月期の落ち込み(前期比年率1.55%減)から7―9月
は持ち直す姿(同2.48%増)が示されている。
<国内消費と輸出に引き続き不安>
ただ、猛暑効果があるとはいえ、7―9月期の消費に不安がないわ
けではない。前述の軽自動車販売は7月分も前月比8.8%減(当
社試算の季節調整値)と弱いままだ。
また、昨年4月の消費増税をきっかけに、低所得層中心に節約志向
が広がっている。所得・雇用環境改善の恩恵を受けない年金受給者
は2015年3月末現在で4347万人、非正規雇用者は2015
年1―3月平均で1955万人も存在する。
物価に目を転じれば、8月13日時点の日経・東大日次物価指数(
スーパーの日々の物価動向)の1週間平均を見ると、前年比プラス
1.07%となっている。生活必需品の物価上昇を受けて、家計は
節約志向を強めていると思われる。大企業主体の賃上げだけでは、
消費の弱さを補えないだろう。さらにこの8月から介護保険法の改
正に伴って、利用者の負担増が始まっている。この影響が今後、じ
わりと効いてくる可能性は念頭に置くべきだろう。
一方で、4―6月期のインバウンド消費(非居住者家計の国内での
直接購入=輸出に含まれる)は実質ベースで2.53兆円(前期
2.38兆円)にとどまり、実質GDP全体の0.5%弱のシェア
にすぎない。名目の前年同期比は60.6%増(1―3月期同
72.7%増)と伸びは鈍化した。
観光庁によると、4―6月期の訪日外客数は501万人で前年同期
比48.0%増、その旅行消費額は8887億円で同82.5%増
(GDP統計より強い印象)だった。国別では1人当たりの支出が
高い中国が全体の40.3%を占め、その圧倒的な存在が浮き彫り
になった。先週の人民元の基準値引き下げ後、中国からの訪日客へ
の悪影響を懸念する声が強まったのは当然だろう。
今のところ人民元の調整は4%程度にとどまり、落ち着く方向にあ
る。旅行費用は多少割高になっても他国比での割安感、滞在の安心
感、日本製品へのニーズの強さなどから訪日客が極端に減少するこ
とはないだろう。インバウンド需要の恩恵を受ける業種に、収益の
多少の影響はあっても、GDP統計ではそのシェアの低さから大き
な影響とはならない。
ただ、中国を主体とするアジア諸国の経済減速は懸念される。また
、足元で世界経済の先行き不安、需要要因によるコモディティー価
格の下落が続いており、7―9月期以降の輸出(特にアジア向け)
、生産にも悪影響が残る可能性には注意が必要だ。
<消費下支えへ秋に景気対策の可能性>
経済最優先の安倍政権においても、4―6月期GDPのマイナス成
長に対する危機感は強まっているようだ。
首相の経済アドバイザーを務める本田悦朗・内閣官房参与は4日、
ロイターのインタビューで、7―9月期の個人消費が復調しなけれ
ば、今年度、国費ベースで3兆円程度の補正予算で下支えする必要
があると述べた。それが1週間後の11日のウォールストリートジ
ャーナルとのインタビューでは、4―6月期GDPでマイナス成長
が明らかになれば、3兆円を上回る新たな景気対策が必要だとの認
識に変化した。具体的には中低所得者の家計支援を考えているよう
だ。
上述したように、秋に内外需ともに「弱気風」が吹く可能性が高ま
っていることを考えると、早めの消費下支え策検討は日銀の追加緩
和策より明らかに良薬と思われる。日銀の追加緩和策では、消費を
下支える即効性はないからだ。
ちなみに、今後も原油安が止まらなければ、日銀は原油想定の修正
とともに、物価安定目標2%の到達時期を現在の2016年度前半
から後ずれさせる必要に迫られよう。今夏にエネルギー価格のマイ
ナス寄与度が大きくなることを踏まえて、日銀は生鮮食品・エネル
ギーを除く消費者物価という新しい指標を示しており、これで当面
は、物価の基調を判断する姿勢(基調は弱くない)を貫くことがイ
メージされる。
ただ、10月はそれで乗り切れても、今年度後半に物価の基調が上
昇しなければ、物価の見方を大きく修正しなくてはならない。筆者
は最初の重要関門は来年1月の展望レポート発表時になると見てい
る。
*岩下真理氏は、SMBCフレンド証券のチーフマーケットエコノ
ミスト。三井住友銀行の市場部門で15年間、日本経済、円金利担
当のエコノミストを経験。2006年1月から証券会社に出向。大
和証券SMBC、SMBC日興証券を経て、13年10月より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに
掲載されたものです。(こちら)
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。



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