5465.天皇陛下のおことば



天皇陛下のお気持ちを察するに、靖国神社も公式参拝しないことや
安倍首相がつい最近まで、安倍談話に戦争への反省を言葉に出さな
いことを心配して、国家元首である天皇が、安倍談話が発表された
直後の全国戦没者追悼式で「さきの大戦に対する深い反省と共に、
今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い・・・」と述
べられ、日本国としての正式の態度と言葉は天皇にあるとして、近
隣諸国からの非難を軽くしようとしたことは、間違えないと思う。

天皇陛下の立場と、安倍首相の立場とは大きく違ってきている。

天皇一家は、昭和天皇の悔悟の念を引き継いでいるが、安倍首相は
現在の保守層の気持ちを代表しているので、大きな違いがある。

天皇は1000年の時に生きているが、安倍首相は現在の時に生き
ている。生きている意味が違うことでこのような意識の差が出てい
る。

そして、日本に古代から天皇がいて、その価値の意味でもある。


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「深い反省」天皇陛下強い思い、追悼式で初の言及 
2015/8/16 2:01日本経済新聞 電子版
 8月15日の全国戦没者追悼式での天皇陛下のお言葉は、過去に文
言の微修正はあったものの内容は毎年変わりなく、「定型」の典型
のようにみられてきた。
 その通例からすると、「さきの大戦に対する深い反省」など新た
に4カ所の挿入がなされた今年のお言葉は異例である。前日に安倍
晋三首相の戦後70年談話が公表され、例年になく追悼式のお言葉が
注目されていた。歴史認識が政治・外交問題になっている昨今、波
風を起こさない…
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【全国戦没者追悼式】首相式辞、天皇陛下のおことば
BLOGOS編集部2015年08月15日 12:19
15日、日本武道館で全国戦没者追悼式(政府主催)が行われた。国
歌斉唱、安倍総理の式辞、正午の1分間の黙祷につづき、天皇陛下
がおことばを述べられた。 
安倍晋三内閣総理大臣の式辞
天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、戦没者の御遺族、各界代表多数の
御列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行致します。 
遠い戦場に、斃れられた御霊、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遥か
な異郷に命を落とされた御霊の御前に、政府を代表し、慎んで式辞
を申し述べます。 
皆様の子、孫たちは、皆様の祖国を、自由で民主的な国に造り上げ
、平和と繁栄を享受しています。それは、皆様の尊い犠牲の上に、
その上にのみ、あり得たものだということを、わたくしたちは、片
時も忘れません。 
70年という月日は、短いものではありませんでした。平和を重んじ
、戦争を憎んで、堅く身を持してまいりました。戦後間もない頃か
ら、世界をより良い場に変えるため、各国・各地域の繁栄の、せめ
て一助たらんとして、孜々たる歩みを続けてまいりました。そのこ
とを、皆様は見守ってきて下さったことでしょう。 
同じ道を、歩んでまいります。歴史を直視し、常に謙抑を忘れませ
ん。わたくしたちの今日あるは、あまたなる人々の善意のゆえであ
ることに、感謝の念を、日々新たにいたします。 
戦後70年にあたり、戦争の惨禍を決して繰り返さない、そして、今
を生きる世代、明日を生きる世代のために、国の未来を切り拓いて
いく、そのことをお誓いいたします。 
終わりにいま一度、戦没者の御霊に平安を、ご遺族の皆様には、末
永いご健勝をお祈りし、式辞といたします。 
平成27年8月15日 内閣総理大臣 安倍晋三 
天皇陛下のおことば
「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式
に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの
人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。 
終戦以来既に70年、戦争による荒廃からの復興、発展に向け払われ
た国民のたゆみない努力と、平和の存続を切望する国民の意識に支
えられ、我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。戦後という
、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき、感慨は
誠に尽きることがありません。 
ここに過去を顧み、さきの大戦に対する深い反省と共に、今後、戦
争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い、全国民と共に、戦陣
に散り戦禍に倒れた人々に対し、心からなる追悼の意を表し、世界
の平和と我が国の一層の発展を祈ります。 
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【終戦の日】 天皇陛下、アベシンゾーに苦言 
田中龍作2015年08月15日 17:12
 70回目の終戦の日を迎えた靖国神社は、あの日と同じように強い
陽ざしが照りつけ、境内を蝉しぐれが包んだ。
 「俺たちの死は何だったのか?」246万柱の英霊が地底から呻き声
をあげているようでならなかった。
 先の戦争の反省に立つ憲法第9条が、オツムの弱い首相の解釈で
勝手に変えられようとしているからだ。英霊たちは安んじて眠れた
ものではない。
 戦争への戒めが風化する一方で、遺族の高齢化は進む。終戦時(
1945年)にゼロ歳だった人でさえ70歳だ。
 戦地に赴いた元兵士、兄や父を戦争で失った遺族を、靖国の境内
で探し出すのは年々難しくなっている。
 両手に杖を持ち家族に支えられながら参集殿に向かっているのは
、元陸軍大尉という96歳の男性だ。
 男性は激戦地ビルマで大勢の部下を失った。「部下への感謝と慰
霊に(靖国には)毎年来ている」と話す。問わず語りで、こちらの
質問に対して明瞭な答えは返ってこない。
 千葉県から足を運んだという86歳の男性はすっかり腰が曲がって
いる。戦時中は山形に疎開していた。
 きょうは16歳で志願した同級生を弔いに来た。
 「友人は戦地に赴く前に(自分の疎開先の山形まで)会いに来て
くれたが、中国で戦死した」。参拝を終えると、金色の菊が飾られ
た神門に深々とお辞儀をして靖国を後にした。
 天皇陛下は靖国神社と隣り合う日本武道館で開かれた全国戦没者
追悼式で「さきの大戦に対する深い反省と共に、今後、戦争の惨禍
が再び繰り返されぬことを切に願い・・・」と述べられた。
 宮内庁によれば、“さきの大戦に対する深い反省”という陛下の
お言葉は、戦没者追悼式では「今まで使ったことがない」という。
 天皇陛下は新年のお言葉でも「満州事変に始まる戦争の歴史に学
び、今後の日本の在り方を考えていくことが今きわめて大切」と述
べられていた。
 年頭、そして8月15日、陛下は戦争に前のめりになるアベシンゾー
に苦言を呈したのである。



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