5458.世界経済のサイクル



世界が1つの経済圏として機能し始めている。このため、日本経済
を考えるときには、日本独自だけではなく、世界経済の動きを洞察
する必要がある。そして、世界経済には、その固有する循環がある
。それを検討しよう。  津田より

0.現状の中国経済
中国の7月の貿易総額は前年同月比8・2%減となり、5カ月連続
で前年同月を下回った。下落率は6月のマイナス1・2%から拡大
し、輸出、輸入とも低迷しており、世界経済のけん引役を務めてき
た中国経済の減速傾向が鮮明となった。

中国の貿易量は、米国を抜いて世界最大であり、この貿易量の減少
は世界に大きな影響を与える。

しかし、中国が先月発表した今年上半期のGDP伸び率は7.0%
で、政府が掲げる2015年通年目標に沿う内容となった。しかし
、違うことは誰でも知っているが、実際どのくらいがかは知らなか
った。

ロンドンに拠点を構える独立系調査会社ファゾム・コンサルティン
グは、実際の成長率とみなす数値を公表し、今年の中国成長率は、
2.8%、2016年はわずか1.0%にとどまるとした。

この状態で、1カ月足らずで時価総額4兆ドルが吹き飛んだ中国上海
総合指数の動きを「1929年に最大48%下落した米ダウ工業株30種平
均と類似の値動きだ」と市場関係者が分析した。

米フォード・モーターは「(世界最大の)中国の今年の自動車販売
台数は少なくとも1998年以来初めて前年割れする可能性がある」と
の見解を示した(独フォルクスワーゲンも同様の見方をしている)
。足元の株安で中国経済が冷え込み、世界経済の成長を大幅に押し
下げることが懸念され始めている。

このように世界経済に新しいリセッションの波が押し寄せている。

ということで、金属相場の下落基調が強まっている。金属価格の代
表的な指標であるロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月物は7
日、2009年7月以来の安値に落ち込んだ。価格安で業績の悪化
した鉱業各社が人員削減に乗り出す中、生産国の政府は雇用を維持
しようと懸命だ。

中国発の資源安は石油にも波及して、1バーレルの価格が50ドル
以下になり、米国のエネルギー分野での人員削減を加速し、エネル
ギー分野の株安を通じて米国株式市場全体の波乱要素となる可能性
がある。

石油価格の低迷は、当分続くとみられて石油大手シェブロンが全従
業員の2%に相当する1500人をレイオフする方針を7月28日に明らか
にするなど、原油価格のさらなる下落で石油業界の人員削減が加速
する兆しが出始めている。

また、世界屈指の産油国のサウジアラビアが国債の大量発行を検討
しているという。年内に総額270億ドル(約3兆3700億円)
の資金調達を目指す。同国財政も余裕がなくなりつつあるようだ。

1.現状の米国経済
米労働省が6日に発表した1日までの週の新規失業保険週間申請件
数は、季節調整済みで3000人増の27万人だった。市場は27
万3000人を予想していたので、それより少ない。連邦公開市場
委員会(FOMC)は先週、雇用の伸びは「底堅い」とし、労働市
場に関する評価を引き上げた。

米商務省が3日発表した6月の個人所得・消費支出統計は、消費支
出が前月比0.2%増と、4カ月ぶりの低い伸び率となったが、景
気は弱いながらも拡大している。このため、FRBの9月利上げの
可能性が強くなったと評論家はいう。

もう1つ、米著名債券投資家のビル・グロス氏は、米連邦準備理事
会(FRB)は超低金利による恩恵だけでなく、弊害が広がってい
ることも認識し始めているとした。経済サイクルを考えると、今、
米国経済が強い間に利上げをしておく必要があるということだ。

もう1つが、ドル信認低下の危機をここで、食い止める必要がある
ので、金利を上げることが必要になっているとも言えるようである。

もう、世界経済でダントツの力は、現在の米国にはない。中国の状
況を見て、米国はその対応を考えることが必要になっている。

2.現状の日本経済
どうやら日本の景気は、景気後退期と判定されてもおかしくない情
勢になってきた。一般的に景気判定では、内閣府「景気動向指数」
のCI一致指数が注目されるが、目下、そのデータはわかりにくい
。むしろ鉱工業生産指数に注目すると、生産水準のピークは2015
年1月であり、2―6月にかけて水準を落としている。原因は輸出
の減少である。

そして、中国経済の減速から世界の貿易取引量が2014年12月
をピークにして下落に転じている。日本経済もその下押し圧力にさ
らされているのだろう。

その上、厚生労働省「毎月勤労統計」で確認すると、4―6月の現
金給与総額の伸び率は前年比マイナス0.7%だった。夏季賞与の
伸び率が一転してマイナスになり、足を引っ張った結果になってい
る。給与の伸びも止まった。消費が増えるはずがない。中国人観光
客のインバンド消費で、当面見えないだけである。

このことが分かるのは、自動車市場であり、7月の国内新車販売台
数は、前年同月比7.6%減の42万5093台。主因は、軽自動
車の落ち込み。前年同月比18.1%減り、7か月連続で前年同月
比割れになっている。

この中、日本政策投資銀行が4日発表した2015年度の設備投資
計画調査によると、全産業の国内投資計画は14年度実績と比べて
13・9%増の19兆2588億円になった。4年連続のプラス。
製造業は同24・2%増で89年度以来の高い伸びの計画になった。

景気後退と設備投資の高い伸びが相反した印象を受けるが、三菱自
動車は、米国での生産を今年11月末でやめると発表し、生産は名
古屋製作所岡崎工場(愛知県岡崎市)に移すという。

このように海外工場を撤退して国内工場に集約する動きにも見える。
世界経済の減速して、海外で売れなくなり、日本に戻る動きが出て
くる可能性が出てきている。

3.世界経済のサイクル
2008年のリーマンショックにより、世界経済はリセッション入
りして、世界は、数年財政政策をしたが財政赤字が拡大して、EU
危機という国債デフォルトの可能性が出て、金融政策にシフト、量
的緩和政策を行う。量的緩和で金利ゼロになり、米国投資家は、新
興国に投資して中国など新興国経済が拡大して、資源価格が上昇、
世界の貿易量は拡大した。

資源国は、資源開発を加速して、資源量を拡大した。この資源開発
や新興国経済発展には機械や輸送のための船舶の拡大などを通して
先進諸国経済をも潤した。

しかし、この新興国、特に中国経済が中進国のジレンマに陥り、基
礎的な産業から付加価値産業にシフトできないと経済拡大は止まり
、新興国経済は止まり、この止まることで資源価格が下落し、資源
国が開発を止め、その影響が先進国に及ぶことになる。今はここ。

米国投資家は、新興国の投資引き上げをして、自国に戻る必要があ
る。この呼び水として、米国FRBは量的緩和を止め、金利を上げ
て、投資の引き上げを促進することが必要になっている。

そうすると、新興国、資源国経済は減速になり、先進国の輸出も止
まる。先進国も不況になるが、自国経済を活性化するために、量的
緩和して、景気を上げることになる。そして、投資家が新しい国や
事に投資を開始することになる。

スティグリッツ氏は、次の投資先を探して、そこに投資をするのが
米国の方法であるという。もう1つが、再生可能エネルギーなどに
投資して、GDP万能から離れるべきという。

このように新しい投資先を探して、新しい新興国を作るか、新しい
産業を作ることのようである。

今は、2008年から始まった経済サイクルの終焉を迎えているよ
うである。実体経済より投資経済の方が数十倍も大きいために、こ
のようなことが起きている。

次のサイクルでは、日本の投資家も世界に出ていくことになると見
るが、現時点は物色するフェーズかもしれない。

さあ、どうなりますか?


参考資料:
America in the Way
http://www.project-syndicate.org/commentary/us-international-development-finance-by-joseph-e--stiglitz-2015-08

GDP Fetishism
http://www.project-syndicate.org/commentary/gdp-fetishism

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中国失速、鉱業に打撃=金属相場安で人員削減
 【ロンドン時事】中国経済の失速が鮮明になるにつれ、金属相場
の下落基調が強まっている。金属価格の代表的な指標であるロンド
ン金属取引所(LME)の銅3カ月物は7日、2009年7月以来
の安値に落ち込んだ。価格安で業績の悪化した鉱業各社が人員削減
に乗り出す中、生産国の政府は雇用を維持しようと懸命だ。
 銅相場は11年2月、金融危機後の世界経済を2桁前後の成長率
でけん引していた中国からの旺盛な需要を背景に、過去最高値とな
る1トン=1万ドル超を付けた。だが、その後は中国の成長減速に
歩調を合わせる形でずるずると下落、7日には一時5121ドルと
、約4年半でほぼ半値になった。
 中国の株価急落や経済指標の悪化などマイナス材料に事欠かず、
市場関係者からは「何が相場を支えるのか分からない」(英金融商
品取引会社)とため息が漏れる。
 終わりの見えない相場安は鉱業各社の業績に打撃を与えており、
各社は競うようにリストラを進めている。英資源大手アングロ・ア
メリカンは15年1〜6月期決算で30億ドル(約3700億円)
の赤字を計上。6000人の人員削減や資産売却などを発表した。
 慌てたのは有力鉱業国の南アフリカだ。ただでさえ同国の失業率
は25%と高水準にある。ラマトロディ鉱物資源相は5日、鉱業業
界団体や労組の首脳らと緊急会談し、「政府と労組、経営陣は雇用
を守る方策を検討する」と強調した。
 ただ、国際相場の下落に対し政府や企業ができることは限られる
。南ア鉱山会議所のテケ会長は「好きで人員削減をしているわけで
はない。鉱山会社にとっては厳しい状況だ」と苦しい胸中を明かし
た。(2015/08/08-16:51)
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7月の中国貿易総額が8・2%減 5カ月連続マイナス
 【北京共同】中国税関総署が8日発表した7月の貿易統計による
と、輸出と輸入を合わせた貿易総額は前年同月比8・2%減となり
、5カ月連続で前年同月を下回った。下落率は6月のマイナス1・2
%から拡大した。輸出、輸入とも低迷しており、世界経済のけん引
役を務めてきた中国経済の減速傾向が一段と鮮明となった。
 1〜7月の累計の貿易総額も、前年同期比7・2%減だった。年
間で6%増とする政府目標の達成は難しい状況だ。
 7月の輸出は前年同月比8・3%減と、2カ月ぶりにマイナスと
なった。輸入も8・1%減と、9カ月連続で前年同月を割り込んだ。
2015/08/08 12:36   【共同通信】
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米失業保険申請22週連続の30万件割れ、雇用市場引き締まり示す
2015年08月06日(木)23時28分
[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日に発表した1日
までの週の新規失業保険週間申請件数は、季節調整済みで3000
人増の27万人だった。市場は27万3000人を予想していた。
30万件を切ると雇用市場が引き締まっていることを示すとされる
が、新規申請件数は22週連続でこのラインを下回っている。
申請件数は、自動車メーカーが設備更新のために工場の操業を停止
する夏に乱高下する傾向がある。生産を続ける企業もあり、季節調
整の計算にゆがみが出る可能性があるが、労働省のアナリストは今
回の統計に通常と異なる要因は特にないと述べた。全ての州が実際
の申請件数を報告しており、推定ベースの数字はなかった。
週ごとの不安定要素を除いた4週移動平均は、前週比6500人減
の26万8250人だった。
新規申請後に手当を受け続けている失業保険受給者総数は7月25
日までの週で1万4000人減の226万人だった。
この日発表された失業保険申請件数は7日発表の7月の雇用統計に
は影響しない。市場は、非農業就業者数が6月と同様に22万3000
人増えると予想。雇用の伸びは昨年の勢いを失っているものの、最
大雇用の状態に近づいている。
連邦公開市場委員会(FOMC)は先週、雇用の伸びは「底堅い」
とし、労働市場に関する評価を引き上げた。「ことしの初め以降」
雇用市場のスラック(需給の緩み)は減っているとの見方も示した
。連邦準備理事会(FRB)は年内に約10年ぶりとなる利上げに
踏み切るとみられる。
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中国経済成長率、実際は公式統計の半分以下か 英調査会社が試算
2015年 08月 7日 15:06 JST
[ロンドン 6日 ロイター] - 中国の経済成長率は実際どの程度
なのか──。こんな疑問を抱くアナリストらが試算したところ、中
国国内総生産(GDP)伸び率は公式統計の半分、もしくはさらに
低い水準であるかもしれないことが分かった。
中国国家統計局が先月発表した今年上半期のGDP伸び率は7.0
%で、政府が掲げる2015年通年目標に沿う内容となった。
こうした公式統計には、実際の景況感との矛盾を指摘する声が常に
聞かれるほか、そもそも14億人の人口を抱える新興国がなぜ、米
国や英国といった先進国より数週間も前に四半期データを公表する
ことができるのかといった疑問も付きまとっている。しかも、中国
がその後、公式統計を改定することはほとんどないにもかかわらず
だ。
ロンドンに拠点を構える独立系調査会社ファゾム・コンサルティン
グのエリック・ブリトン氏は「中国の公式統計はファンタジーだと
考えており、真実に近いということもない」と話す。
同社は昨年、公式GDPの予想を公表するのをやめ、実際の成長率
とみなす数値を公表することを決めた。それによると、今年の中国
成長率は2.8%、2016年はわずか1.0%にとどまると予想
している。
内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米外交公電によると
、現在は中国首相を務める李克強氏が、遼寧省党委書記を務めてい
た数年前、中国のGDP統計は「人為的」であるため信頼できない
と語ったとされる。
ファゾム・コンサルティングは、李克強氏が当時、遼寧省の経済評
価の際に重視するとした電力消費、鉄道貨物量および銀行融資の3
つのデータを基にした、全国レベルのシンプルな指標を公表してい
る。
それによると、実際の成長率は3.2%であることが示唆されてい
る。鉄道貨物量の減少、トレンド成長を下回る電力消費を反映し、
示唆された成長率は2013年終盤以降、公式統計から大幅にかい
離している。
国家統計局にコメントを求めたが、回答はなかった。
先月の記者会見時には、公式統計に批判的な人は中国が利用する
GDP計算方法を完全に理解していないとして、統計は正確だと反
論。数値の正確性については常に向上に努めていると説明した。
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サウジ、原油安で国債発行=3.4兆円調達目指す−英紙報道
 【ロンドン時事】6日付の英経済紙フィナンシャル・タイムズは
、世界屈指の産油国のサウジアラビアが国債の大量発行を検討して
いると報じた。年内に総額270億ドル(約3兆3700億円)の
資金調達を目指すという。原油価格は昨年夏から低迷が続いており
、同国財政も余裕がなくなりつつあるようだ。
 同紙によると、サウジは今年7月、約8年ぶりに40億ドルの国
債を発行。さらに50億ドル超を起債できないか、金融関係者に打
診している。
 昨年8月時点で約7370億ドルに達していたサウジの外貨準備
は、原油安に伴う税収の落ち込みなどを穴埋めするために取り崩さ
れ、直近では約6720億ドルに減っているという。
(2015/08/06-18:45)
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6月の景気指数2カ月ぶり改善 基調判断は「足踏み」維持
 内閣府が6日発表した6月の景気動向指数(2010年=100
)は、景気の現状を示す一致指数が前月比0・7ポイント上昇の
112・0で、2カ月ぶりに改善した。自動車や携帯電話の出荷、
生産がやや持ち直した。ただ、改善が小幅にとどまったことから、
内閣府は景気の基調判断を前月と同じ「足踏みを示している」に据
え置いた。
 指数を構成する経済指標のうち、自動車などの耐久消費財の出荷
指数や、卸売業の商業販売額など5指標が改善した。一方、天候不
順の影響を受けた小売業の商業販売額をはじめ、3指標は悪化方向
に作用した。
2015/08/06 16:23   【共同通信】
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コラム:不気味な景気後退リスクの正体=熊野英生氏
2015年 08月 6日 16:06 JST
[東京 6日] - どうやら日本の景気は、景気後退期と判定されて
もおかしくない情勢になってきた。一般的に景気判定では、内閣府
「景気動向指数」のCI一致指数が注目されるが、目下、そのデー
タはわかりにくい。むしろ鉱工業生産指数に注目すると、生産水準
のピークは2015年1月であり、2―6月にかけて水準を落とし
ている。原因は輸出の減少である。
この輸出減少は、日本特有のものではなく、海外経済とシンクロし
たものだ。オランダ経済政策分析局のデータでは、世界の貿易取引
量が2014年12月をピークにして下落に転じている姿になって
いる。日本経済もその下押し圧力にさらされているのだろう。
内訳では、新興国の輸出入量の落ち込みが2014年秋から始まっ
ていて、それが欧州や日本にも及んだ可能性がある。おそらく中国
経済の悪化が、エネルギー需要を押し下げたり、近隣アジア諸国お
よび日本の輸出減を誘発したからだと考えられる。
<消費増税悪玉論は的外れ>
別の仮説として、消費増税の影響が2014年4月以降の日本の景
気動向指数を悪化させたのではないかという見方をする人も多いだ
ろう。筆者は、その仮説を支持しない。
確かに、強い先入観を持って見ると、景気悪化の要因は「消費増税
だ」と判断しがちである。しかし、正確にデータを分析すると、
2014年4月以降の景気悪化は、輸出拡大が2014年7―12
月に強まったことに伴う生産活発化によって一巡している。
だから、2015年になってからの変化は、消費税要因とは別だと
見る方が自然だ。2015年に入ってからの変化とは、それまで景
気回復のけん引役だったはずの輸出が下向きに変わったことである。
この下押し圧力が、製造業のみならず、第3次産業全体にも及んで
いるところが不気味だ。経済産業省「第3次産業活動指数」では、
2015年1月を山に、指数の動きが腰折れした形状に変わってい
る。運輸、卸売などを含めた広義の対事業所サービスがここにきて
悪化している。海外経済の悪化が、製造業以外にも広く及んでいる
可能性を示唆している。
もしも2015年前半の景気悪化が長期化すれば、日本経済全体が
景気後退期に判定される可能性は否定できない。現時点では、7月
30日に発表された鉱工業生産指数の生産予測指数で7月、8月と
生産活動が盛り返しているので、2015年前半の低迷は一時的な
踊り場になるという希望的観測も成り立つ。一方、夏場の生産回復
が一時的なものにとどまり、米利上げの悪影響が新興国経済を下押
しした場合には、悪いシナリオがより深刻化する。
<内需拡大シナリオの厳しい現実>
ここまで日本経済について、外需動向を中心に記述したが、人によ
っては「アベノミクスが内需中心の景気拡大を演出するはず」と思
うのではないか。残念ながら、その期待感はやや過大評価されてい
た可能性がある。
例えば、賃上げの効果がどのくらい表れているかを厚生労働省「毎
月勤労統計」で確認すると、4―6月の現金給与総額の伸び率は前
年比マイナス0.7%だった(6月データは速報)。夏季賞与の伸
び率が一転してマイナスになり、足を引っ張った結果になっている
。このデータを見たとき、筆者は衝撃を覚えた。
個人消費も、総務省「家計調査」では、4月と6月の前月比マイナ
スが響いている。今月17日に公表予定の4―6月実質国内総生産
(GDP)成長率1次速報も、個人消費減と外需悪化の要因によっ
て、前期比でマイナスに転じる公算が高い。
最後に、こうした景気情勢の停滞が為替レートにどのように影響す
るのだろうか。1つの見解は、景気悪化が需給ギャップの改善を遅
らせて、物価上昇期待を弱め、円高圧力になるというものだ。消費
者物価の先行きは、原油市況の低迷が長引いて、少なくとも2015
年12月辺りまで回復が見込みづらい。インフレ予想の後退が、円
安予想を後退させるという見方である。
反対に、日銀が物価上昇圧力の低下を深刻に考えて、追加緩和に向
けて動く気配を見せれば、緩和予想の高まりが円安圧力になるとい
うシナリオが描ける。
いずれにしても、景気情勢が変化してきていることは、先行きの為
替レートにも影響を与えそうである。
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“軽”まで売れなくなった!
片山 修2015年08月05日 17:39
自動車メーカーは、極端な話、北米で儲けて国内で苦戦しています。
実際、自動車各社は、国内市場で苦戦していますよね。 全体の業績
としては、北米市場が堅調なことに加え、円安効果で利益が押し上
げられていますが、国内販売低迷が各社の足を引っ張っているのが
現状です。
7月の国内新車販売台数は、前年同月比7.6%減の42万5093
台です。主因は、軽自動車の落ち込みなんですね。前年同月比
18.1%減り、7か月連続で前年同月比割れです。企業別にみる
と、富士重を除く全社が減っています。 なぜ、軽が売れないのか。
もっとも大きな原因は、軽自動車税の増税ですよ。今年4月以降に
購入した軽自動車の新車は、年間3600円の増税になりましたか
らね。
軽不振の原因は、いろいろ考えられますね。増税になったから買わ
れていないこともありますが、増税前の駆け込み需要の反動、また
、3月までのスズキとダイハツの販売首位を争う競争の反動などが
考えられます。新型車が少ないとか、いわゆる「新古車」が新車販
売を押し下げているという指摘もありますわね。
7月のボーナス商戦が不発に終わったいま、国内の自動車市場を盛
り上げるキカッケといえば、秋の「東京モーターショー」くらいで
しょうかね。 日本全体の景気を明るくするためにも、もう少し自動
車が売れなければいけませんな。
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<数字で見る中国>2013年末の政府負債総額は1116兆円、前年比2割
増=資産総額の増加幅上回る―中国社会科学院
Record China 8月5日(水)20時10分配信
2015年8月3日、中国社会科学院財経戦略研究院は、中国政府の13年
末時点の資産および負債額を公表した。
同院によると、13年末現在、中国政府の負債総額は56兆元(約1116
兆円)で前年比約2割増加。一方資産総額は111兆9000億元(約2231
兆円)で、前年比約1割の増加だった。
負債の増加が資産の増加を上回ったが、同院の楊志勇(ヤン・ジー
ヨン)研究員は、「中国は資産規模が大きいため、負債は十分に対
応できる」と語っている。(翻訳・編集/内山)
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コラム:マイナス成長がもたらす株高シナリオ=木野内栄治氏
2015年 08月 5日 20:41 JST
[東京 5日] - 4―6月期の国内総生産(GDP)はマイナス成
長の可能性が高くなった。折り悪く、政権支持率は危険水域が視野
に入りつつある。
こうした情勢や安倍晋三首相の過去の勝ちパターンから見て、この
夏に景気刺激策が打ち出されると筆者は判断している。建設株やセ
メント株、不動産株をけん引役に日経平均株価は夏枯れ相場を打破
しよう。以下、その根拠を説明したい。
<アベノミクスへの信頼感が揺らぐ懸念>
まず、7月末発表の家計調査における支出の大ブレーキには驚いた
。また、低迷した輸出や戻りの鈍い鉱工業生産など6月までのその
他の経済統計と合わせて判断すると、4―6月期の実質GDP成長
率は3四半期ぶりのマイナスとなる懸念が高まった。
むろん、消費に関しては、百貨店がセールを7月に後ろ倒しした効
果は大きく、賞与支給時期の後ずれと好調なベースアップや、年金
改定率の上昇、エネルギー価格下落による実質的な可処分所得の増
加効果などで、今後は緩やかながらも回復基調に復帰すると考えら
れる。
しかし、4―6月期の成長率のマイナス幅は極めて大きく、市場平
均では年率換算でマイナス2%前後、下振れを予想するエコノミス
トなら4%近いマイナス成長を予想してもおかしくない状況だ。か
ねてより中小企業の景況感は足踏みしており、大きなマイナス成長
率の発表をきっかけにアベノミクスが全国に行き渡っていないこと
に対する不満が噴出する懸念もある。
しかも、GDPの発表は17日(月曜日)に予定されており、旧盆
でお国入りしている与党議員は面目が立たないだろう。その他にも
、環太平洋連携協定(TPP)の話題が多いこと自体が農村部では
不安要因だろうし、TPP交渉の不調は都市部では安倍政権の評価
を下げるだろう。また、富裕層にとっては株式市場の足踏みも問題
だ。
つまり、この夏は安倍政権の「金看板」である経済政策に対する信
頼感が揺らぐ懸念が大きい。
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ドル防衛と金価格
アメリカの死活問題
「時事直言」第1003号(2015年8月3日号)
アメリカの経済も政治もドルに依存している。
ドルを支えている二大要因がある。その第一はドルが今なお主要通
貨であること、第二は中東原油の主要取引通貨がドルであることで
ある。(ペトロダラー)
ドルが基軸通貨である恩恵とは第三国間の貿易取引通貨がドルであ
るため第三国はドルを買って決済するので取引高に応じてドル需要
が増大する。
中東原油がドルで取引されるため中東原油の売り上げが即ドル需要
になる。
この二つの要因に支えられてドル需要は限りなく増大化しアメリカ
の潜在的財政綻救状態による対ドル減価をカバーしているのである。
今この二つのドル支援要因が危機にさらされようとしている。
今年IMF(国際通貨基金)改革を米議会が承認すれば中国の人民元が
IMFのSDR(特別引出権)の四大通貨(ドル、ユーロ、ポンド、円)
に加わる。現在IMFの発言力はアメリカがNo.1で拒否権を持っている
が、発言力はGDPに比例する出資金高で決まるのでGDPでアメリカ(
購買力平価で約17兆ドル)を抜いた中国(約18兆ドル)の発言力が
高まり人民元の世界シェアがドルに接近する可能性が出てくる。
アメリカの原油・天然ガスの増産が続き2017年自給、2020年世界最
大の輸出国になり現在の中東原油依存は解消されるのでOPEC(中東
石油輸出国機構)の原油取引通貨はドルに縛られなくなる。こうし
て近い将来ドルを支えてきた二本足(ドル基軸・中東ペトロダラー
)が消滅しようとしている。
アメリカは2020年の世界エネルギー支配を達成するまでFRBの金融政
策でアメリカの命綱ドルを防衛しなくてはならない。
金価格暴落作戦
1オンス1,200ドル台から下げ気味であったNY金が7月20日寄付きと同
時に米系ヘッジファンドが約5トン分の空売りを掛けたため4%急落、
1,080ドルまで下がった。7月9日中国株を売り叩いて1日で28%下落(
上海総合で3,700ポイントまで下げた)させた同じ米系ファンドの仕
業である。
FRBがアメリカの命綱のドルを防衛するのは当然だが、米系大手ヘッ
ジファンドも手持ち資産はドル資産だからドルを守ることは死活問
題でありFRBと利害が一致している。6月中旬から7月9日まで中国株
を暴落に誘導して中国政府の市場規制と価格操作を引き出すことで
アメリカ議会にIMF改革(人民元のSDR通貨入り)不承認理由を与え
、ドル衰退の反対軸(ドルが下がれば金が上がる)の金価格を暴落
させることでドル支援二大要因消滅リスクによるドルの衰退を食い
止めようとしたのである。
独占資本(ロスチャイルド)の手先のゴールドマン・サックスが金
価格は850ドルになると囃す理由がお分かりになっただろう。
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設備投資4年連続増−製造業、今年度計画はバブル以来の水準に−
政投銀
掲載日 2015年08月05日 nikkan  
 日本政策投資銀行が4日発表した2015年度の設備投資計画調
査によると、全産業の国内投資計画は14年度実績と比べて13・9
%増の19兆2588億円になった。4年連続のプラス。製造業は
同24・2%増で89年度以来の高い伸びの計画になった。製品の
維持更新の増強にとどまらず、製品の高度化など前向きな投資が目
立ち始めた。
 調査は6月に実施した。資本金10億円以上の大企業3207社
を対象に行い、2203社から回答を得た。
 製造業の設備投資計画は7兆571億円。業種別では鉄鋼を除き
全業種がプラス。中でも電気機械が同61・3%増と大幅に伸びる
。スマートフォンや車載向けの半導体、ディスプレーの能力増強投
資がけん引する。自動車は同25・7%増。エコカー関連など新製
品の開発向け投資や自動車部品メーカーの新規取引のための設備投
資が目立つ。
 非製造業は同8・7%増の12兆2018億円。電力・ガス、運
輸、不動産などのインフラ関連の投資が堅調。海外の設備投資は全
産業で同5・8%増の4兆7305億円で6年連続プラス。製造業
は同4・1%増、非製造業は同9・6%増。
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米6月消費支出は0.2%増、4カ月ぶりの低い伸び
2015年08月04日(火)00時31分
[ワシントン 3日 ロイター] - 米商務省が3日発表した6月の
個人所得・消費支出統計は、消費支出が前月比0.2%増と、4カ
月ぶりの低い伸び率となった。市場予想と一致した。自動車など耐
久財の需要が減り、第2・四半期の終盤にかけて経済の勢いがいく
らか失われたことを示唆した。
5月の数字は当初発表の0.9%増から0.7%増へ下方修正され
た。
個人消費は国内総生産(GDP)の3分の2を占める。先月30日
に発表された第2・四半期GDPは2.3%増で、個人消費が2.9
%増だった。
消費支出の緩慢な伸びは、第3・四半期に入るに当たって経済の勢
いが弱まっていることを示唆しているが、住宅部門の底堅さと雇用
市場の引き締まりがこうした傾向を和らげるとみられる。
連邦公開市場委員会(FOMC)は先月29日に発表した声明で経
済が緩やかに成長しているとの見方を示した。雇用情勢への見方は
前回より良くなり、住宅市場には「さらなる」改善がみられたとし
た。9月にも約10年ぶりとなる利上げ開始の可能性があるとの見
方が広がった。
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中国株暴落が引き起こす「21世紀の世界恐慌」
世界的リセッションで原油価格30ドル割れも?
2015.8.3(月)  藤 和彦
「中国株は今後14%下落へ、1929年株価大暴落に似た動き」。2015
年7月28日付ブルームバーグは、1カ月足らずで時価総額4兆ドルが吹
き飛んだ中国株式市場の上海総合指数の動きが「1929年に最大48%
下落した米ダウ工業株30種平均と類似の値動きだ」とする市場関係
者の分析を紹介した。
 上海総合指数は今年6月以降売られており、中国政府がまなじりを
決して株価対策を講じているものの、7月27日に一時2007年以来で最
大の下げを記録するなど一進一退の攻防が続いている。
中国各地に出現したゴーストタウン
 7月28日付ブルームバーグは、「オンライン融資業者などからの借
り入れによる中国株投資額は7000億元減少、今年のピークから61%
落ち込んでいる」ことを報じている。バンク・オブ・アメリカ(BOA
)は、中国株投資へのレバレッジ(信用取引などを用いることで手
持ちの資金よりも多い金額を動かすこと)が非常に大きいため、「
株価下落に伴う信用ポジション(7.5兆元以上とされる)の解消が中
国市場の悲劇を助長する」と予測する。
 また、株式急落を受けて中国企業の多くが資金を自社株買いに投
じているため、社債の償還原資が減少するとの不安も広がっている
(7月29日付ブルームバーグ)。
 このような株式市場をはじめとする金融市場の動揺は、中国経済
が1980年代以来の高成長の果てに大きな壁にぶつかっていることを
示しているのではないだろうか。製造業の過剰生産能力、中流層に
のしかかる不動産や株式投資にかかる損失、家計債務の膨張などの
問題があることを知りつつ、当局が資産バブルを傍観してきた代償
は大きい。
 2014年7月頃から株式市場は上昇を始めたが、その半年前から不動
産市場の下落が始まっていた。中国の不動産市場は自己居住用より
も値上がり期待の投資用が多いため、誰も住まない「鬼城(ゴース
トタウン)」が全国各地に生まれる。このようなゴーストタウン住
宅への投資の損失があまりにも大きくなったため、投資家が損切り
して資金を株式市場に移したと言われている。だが、株価高騰とい
う資産バブルは一番始末が悪い。住宅価格の一般的水準を見定める
のは難しいが、株価というはっきりしたシンボルの急落は誰の目に
も明らかになるからだ。
中国発の資源安が米国に波及
 中国経済が無理に無理を重ねた高成長のツケを支払う時期がつい
に到来しているようだ。世界経済もこれに巻き込まれる可能性が高
い。
 7月29日、米フォード・モーターは「(世界最大の)中国の今年の
自動車販売台数は少なくとも1998年以来初めて前年割れする可能性
がある」との見解を示した(独フォルクスワーゲンも同様の見方を
している)。足元の株安で中国経済が冷え込み、世界経済の成長を
大幅に押し下げることが懸念され始めている。
 7月29日付日本経済新聞が「中国不安、米市場に波及」と報じてい
るように、中国発の資源安は米国のエネルギー分野での人員削減を
加速し、エネルギー分野の株安を通じて米国株式市場全体の波乱要
素となる可能性がある。
 石油大手シェブロンが全従業員の2%に相当する1500人をレイオフ
する方針を7月28日に明らかにするなど、原油価格のさらなる下落で
石油業界の人員削減が加速する兆しが出始めている。
 S&P500種株価指数の業種別騰落率を年初来で見ると「エネルギー
」がマイナス13%で最も大きな下落幅を記録した。中でもエクソン
モービルやシェブロンの下げが目立っている。
 原油やその他コモデイテイの価格が軟調なため、ブルームバーグ
のコモディテイインデックスは2008年のリーマン・ショック後の最
安値を更新し、過去13年間で最も低くなっている。特にリーマン・
ショック後も価格が下がらなかった金価格の下落が際立っている。
一儲けを企んだ中国のファンドが金売りを仕掛けたとの噂もあるが
、ゴールドマン・サックスが「過去1年間の中国からの資金流出額は
7610億ドルに達した」と推計しているように、資金繰りに窮した中
国勢の投げ売りだった可能性が高い。
 7月28日付ロイターによれば、世界の金需要は今年第2四半期に過
去6年間で最も低い水準に減少した。最大の消費国である中国の投資
家が資金を株式市場に移したため、個人による金投資は第2四半期に
4分の1減少したのが主要因である。しかし、6月中旬以降の中国株下
落は金相場の支援材料とはならなかった。金融市場が大きく変動し
ている局面で「投資家は身動きがとれず、他の資産への切り替えに
慎重になっていた」からだという。
世界経済はリセッションに?
 目を世界経済全体に転じると、リーマン・ショックを引き起こす
遠因となったグローバルインバランス(世界的な経常収支不均衡)
の改善も遅々として進んでいない。
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アングル:中国減速、ユーロ圏は周辺国よりも中核国が打撃大
2015年08月04日(火)12時16分
[ロンドン 3日 ロイター] - 中国の景気減速や株価急落は世界
中に余波を及ぼしそうだが、ユーロ圏内ではドイツやフランスなど
の中核国よりも、イタリア、スペインなど周辺国の方が比較的打撃
は小さいと見られる。
これは周辺国の中国との結び付きが比較的小さいのに対し、中核国
はずっと大きいためだ。中国からの強い需要はドイツの自動車産業
に好況を、フランスの高級ブランドに成功をもたらし、オランダや
フィンランドの化学産業や資本財セクターを着実な成長へと導いた
。それに伴ってこれらの企業による設備投資も拡大した。
しかし中国からの需要は冷え込んでいる可能性がある。7月の中国
製造業購買担当者景気指数(PMI)は低下し、株価は6月半ば以
来で30%下落、成長率は間もなく2009年初頭以来で初めて7
%を割り込む可能性が出ている。
RMGウェルス・マネジメント(ロンドン)のパートナー、スチュ
ワート・リチャードソン氏は「ドイツには中国が欲する製品がある
。しかし世界貿易と世界の経済成長が減速している上、ドイツは既
にユーロ安による恩恵を一通り被った」と話す。
「中国が苦しめばドイツも苦しむ。従って欧州株の中では周辺国が
ドイツをアウトパフォームしている」とリチャードソン氏は続けた。
中国への関与度合いにおける中核国と周辺国との差は、貿易統計を
見れば一目瞭然だ。
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原油価格の下落続く ブレント原油1バレル$53,06に
2015年07月29日 23:02sputniknews
水曜日、米国の炭化水素エネルギー備蓄量に関するデータの発表を
待つ中で、2週連続、原油価格は下がり続けている。ブルームバーグ
通信が伝えた。
9月先物取引のブレント原油は、ロンドンのデリバティブ取引所ICE 
Futuresで、モスクワ時間8時36分、$0,24 (0,45%)安くなり、1バレル
$53,06となった。火曜日の取引を終わった段階では、価格は$0,17 (
0,32%)下がり、1バレル$53,3だった。
世界有数の商品先物取引所であるニューヨーク・マーカンタイル取引
所(NYMEX)の電子取引での9月先物取引のWTI原油は、水曜日の午前
中、$0,23 (0,48%)下がり、1バレル$47,75となった。一方、前のセッ
ションが終わるまでに契約価格は、$0,59 (1,24%)上がり$47,98とな
っている。
なお先週の米国における炭化水素エネルギーの備蓄に関するデータは
、水曜日の17時30分にエネルギー省により公表される。
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三菱自、11月末で米国生産終了へ 岡崎に生産集約
2015年7月27日11時15分asahi
 三菱自動車は27日、米国での生産を今年11月末でやめると発
表した。唯一の生産拠点だったイリノイ州の工場は売却先を探し、
生産は名古屋製作所岡崎工場(愛知県岡崎市)に移す。米国での販
売低迷に加え、他の通貨に対するドル高などで輸出も減ったため。
米国での販売は続ける。
 米国工場はスポーツ用多目的車(SUV)「アウトランダー・ス
ポーツ」(日本名RVR)のみをつくっており、2014年の生産
台数は6万4千台。同工場は1988年に稼働し、00年には22
万2千台を生産した。だが、無理な安売りなどでブランド力を失い
、14年の販売台数は7万7千台まで落ち込んでいた。
 14年度後半からは、他の通貨に対するドル高や新興国の経済減
速で米国からの輸出も減ったため、生産終了を決めた。
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超低金利による弊害増大「FRBも気づき始めた」、グロス氏警告
2015年 07月 31日 03:22 JST
[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米著名債券投資家でジャナ
ス・キャピタル・グループのビル・グロス氏は、米連邦準備理事会
(FRB)は超低金利による恩恵だけでなく、弊害が広がっている
ことも認識し始めているとの考えを示した。8月の投資見通しで述
べた。
米企業は低金利により多額の借り入れが可能になったが、「実体経
済には資金を振り向けず、自社株買いに投じた」と指摘。
これに加え、格付けが「ダブルB」や「シングルB」、一部では「
トリプルC」の企業でさえ、5%以下の金利で借り入れが出来る悩
ましい状況を生み出したとし、「多くのゾンビ企業とその予備軍が
今、実体経済を徘徊している」と述べた。
同氏はまた、超低金利の長期化による中期コストの増大を警告した
国際決済銀行(BIS)の年次報告書にも言及。「低金利で熱を治
すことはできないかもしれない。それどころか患者の体温を致命的
な水準まで押し上げる可能性がある」と述べた。



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