5451.燃料電池の進化について



技術の進化は、革命的な発明後、静かに徐々に進化する。もう1つ
、技術開発には、死の谷があり基礎研究から実用研究に移る過程で
コスト問題や技術的な問題に直面して、研究中止ということも起こ
る。

その後、ある程度技術が実用化できたとしても、黎明期には期待さ
れるが、その後、過度な期待が起こり、その期待に届かないと幻滅
期を迎えて、実用化したものの普及できずに終わる技術もある。

この幻滅期を過ぎると、啓蒙普及期が来て、生産安定期になる。

今、固体酸化型燃料電池(SOFC)である家庭設置型燃料電池の
エネファームは、黎明期を超えて、幻滅期を迎えている。電気がな
くなると、エネファームも止まるなど、311震災で大きな問題が
明らかになっていた。

もう1つが、コストと効率の問題が有り、初期価格が高いし、効率
も高くないという問題があり、今は補助金で経済合理性を同等にし
ているが、これでは爆発的な普及は無理である。

このため、エネファームはあまり普及していない。

これを変えるには、ガスから作れる電気量を増やし、かつ家庭の太
陽パネルで水素を作れることが重要であるが、どうも2つの課題を
解決する技術が開発されたようである、

1つが、下のような効率UPの技術が開発されたこと、もう1つが
パナソニックは、光触媒技術(ニオブ系窒化物触媒)を利用して、
太陽光で水を水素と酸素に分解する装置を売り出すようである。

このように、日本企業は水素社会に向けて、どんどん技術を進化さ
せている。

このように周辺技術を含めて、水素社会が出来上がる。

さあ、どうなりますか?

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東京ガスと九大、SOFCの発電効率を大幅向上させる手法発見−
80%LHVを上回る
掲載日 2015年07月30日 nikkan  
 東京ガスと九州大学の研究グループは、固体酸化型燃料電池(S
OFC)の発電効率を大幅に向上させる方法を突き止めた。電池の
本体部分「セルスタック」を直列に複数並べる際に、セル単体を構
成する固体電解質の電荷担体を、従来の酸化物イオンから水素イオ
ン(プロトン)に置き換える。現状45―55%LHV(低位発熱
量基準)にとどまっている発電効率が、80%LHVを上回る水準
に高まるという。
 九州大次世代燃料電池産学連携研究センターの佐々木一成センタ
ー長らのグループと東京ガスの共同研究による成果。英科学誌「ネ
イチャー」系のオンラインジャーナル「サイエンティフィック・リ
ポート」に、28日付で論文が掲載された。
 グループは、複数のセルスタックを燃料の流れに沿って配置する
構造のSOFCで、さまざまな種類の材料や条件を当てはめて発電
効率を推計できる計算式を開発。これで発電効率を最大化できる条
件を検討した結果、固体電解質内部の電荷担体を、酸化物イオンか
らプロトンに置き換えることで、効率が80%LHV超まで高まる
ことを理論上突き止めた。



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