技術の進化は、革命的な発明後、静かに徐々に進化する。もう1つ 、技術開発には、死の谷があり基礎研究から実用研究に移る過程で コスト問題や技術的な問題に直面して、研究中止ということも起こ る。 その後、ある程度技術が実用化できたとしても、黎明期には期待さ れるが、その後、過度な期待が起こり、その期待に届かないと幻滅 期を迎えて、実用化したものの普及できずに終わる技術もある。 この幻滅期を過ぎると、啓蒙普及期が来て、生産安定期になる。 今、固体酸化型燃料電池(SOFC)である家庭設置型燃料電池の エネファームは、黎明期を超えて、幻滅期を迎えている。電気がな くなると、エネファームも止まるなど、311震災で大きな問題が 明らかになっていた。 もう1つが、コストと効率の問題が有り、初期価格が高いし、効率 も高くないという問題があり、今は補助金で経済合理性を同等にし ているが、これでは爆発的な普及は無理である。 このため、エネファームはあまり普及していない。 これを変えるには、ガスから作れる電気量を増やし、かつ家庭の太 陽パネルで水素を作れることが重要であるが、どうも2つの課題を 解決する技術が開発されたようである、 1つが、下のような効率UPの技術が開発されたこと、もう1つが パナソニックは、光触媒技術(ニオブ系窒化物触媒)を利用して、 太陽光で水を水素と酸素に分解する装置を売り出すようである。 このように、日本企業は水素社会に向けて、どんどん技術を進化さ せている。 このように周辺技術を含めて、水素社会が出来上がる。 さあ、どうなりますか? ============================== 東京ガスと九大、SOFCの発電効率を大幅向上させる手法発見− 80%LHVを上回る 掲載日 2015年07月30日 nikkan 東京ガスと九州大学の研究グループは、固体酸化型燃料電池(S OFC)の発電効率を大幅に向上させる方法を突き止めた。電池の 本体部分「セルスタック」を直列に複数並べる際に、セル単体を構 成する固体電解質の電荷担体を、従来の酸化物イオンから水素イオ ン(プロトン)に置き換える。現状45―55%LHV(低位発熱 量基準)にとどまっている発電効率が、80%LHVを上回る水準 に高まるという。 九州大次世代燃料電池産学連携研究センターの佐々木一成センタ ー長らのグループと東京ガスの共同研究による成果。英科学誌「ネ イチャー」系のオンラインジャーナル「サイエンティフィック・リ ポート」に、28日付で論文が掲載された。 グループは、複数のセルスタックを燃料の流れに沿って配置する 構造のSOFCで、さまざまな種類の材料や条件を当てはめて発電 効率を推計できる計算式を開発。これで発電効率を最大化できる条 件を検討した結果、固体電解質内部の電荷担体を、酸化物イオンか らプロトンに置き換えることで、効率が80%LHV超まで高まる ことを理論上突き止めた。