5445.米国がサウジに勝った結果



forbes誌に「U.S. Winning Oil War Against Saudi Arabia」が載っ
ている。

2014年11月に、サウジは米国のシェールガスと石油を潰した
めに、供給を調整しないことで、供給量を増やして、石油価格を1
バーレル50ドルにした。

これにより、米国のシェール石油のコスト割れに追い込み、米国の
供給量が価格戦争に負けて、削減するようにサウジはしたのである。

その方向に向かい、供給量は下がるということで70ドル回復した
が、ここで技術革新が起きて、1つの井戸から、今までの量の7倍
の石油を生産できるようになった。

このため、コストが飛躍的に下がり、1バーレル65ドルのコスト
が50ドル以下になっている。2つの有力な生産地であるバッケン
では40ドル、マッケンジーでは28ドルになっている。このため
、生産量が減っていない。

サウジの石油が21ドルであり、遜色がない。

このため、井戸の数は減っているのに、生産量が減らず、このため
供給が過剰になっている。

日本の貿易赤字は、2013年に比べて、同時期で73%赤字が減
っている。日本にとっては、大きな恵みの雨になっているようだ。

このまま、この状態が続くことを願いたいが、この現象は、中国経
済の下ブレでもあり、日本の輸出が減少していることにもつながり
、微妙である。

もう1つ、中東の混乱や南シナ海での中国の行動が気になるので、
徐々に、日本も石油の輸入を中東から米国にシフトしていくことが
重要だと思う。

さあ、どうなりますか?

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NY原油、終値50ドル割れ 供給過剰感、再び強まる
 【ニューヨーク共同】22日のニューヨーク原油先物相場は供給
過剰感が再び強まって反落した。指標の米国産標準油種(WTI)
9月渡しの終値は、前日比1・67ドル安の1バレル=49・19
ドルと約3カ月半ぶりに50ドルの大台を割り込んだ。
 この日発表の米週間石油統計で市場予想に反して原油の在庫が増
えたことから、需給の緩みに対する懸念が再び高まった。ドルが主
要通貨に対して上昇し、ドル建てで取引される原油先物に割高感が
出たことも相場を押し下げた。
 市場関係者は「このまま原油安が続けば、年末には石油メジャー
が絡んだ企業合併も出てくるだろう」と話していた。
2015/07/23 09:00   【共同通信】

U.S. Winning Oil War Against Saudi Arabia

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