5437.新支援はギリシャ議会の動向で



チプラス首相はギリシャに戻り、議会で条件とされた改革の法案を
15日までに通す必要がある。しかし、与党急進左派連合(SYR
IZA)の議員の造反は思いの他、大きくなっている。

また、議会周辺で、反緊縮を叫ぶデモ隊がある。あの国民投票は、
何であったのかということをデモ隊も叫んでいる。

チプラス首相は「私が首相であるのは、議会与党会派による支持が
あるからだ。(同日の採決で)支持を得られなければ、その翌日か
ら首相職にとどまることは難しい」と語ったが、それは身から出た
錆である。あの国民投票の多くは反緊縮であり、それを覆したので
あるから、当然がある。

ギリシャ改革案に反対した急進左派連合(SYRIZA)の議員は
17人であったが、15日までに議会で求められた改革パケージに
反対する議員は40人以上という。勿論、バルフォスキス元財務相
が率いる20人近くも反対である。

与党急進左派連合(SYRIZA)の議員は149人であり、その
中から約40人以上が反対になる。新民主党(NS)76人は賛成
に回るから、議会での承認は得られることになる。

しかし、議決後、反対した議員を除名するというので、急進左派連
合(SYRIZA)は、100以下になるし反EU政党であったの
で、趣旨が大きく変更になる。与党組み換えが起き、NSとの連合
になるはずだ。

このため、今後の政権運営は、一層難しくなり、また国民の支持も
得られるかどうかわからなくなる。特に経済的な成長が新改革案で
出来るとは思えない。

NSから首相を出した方が良いかもしれない。一連の騒動で、より
大きくギリシャは傷ついてしまった。

IMF=国際通貨基金は、ギリシャに対する金融支援について、巨
額の債務の削減などユーロ圏各国が踏み込んだ措置をとらなければ
ギリシャの財政は安定しないとする新たな分析を公表した。

これは、今まで以上に大きな支援となるが、このようになったのは
、チプラス首相が、ギリシャを今までに合意していたユーロの条件
を覆して、銀行の窓口停止を長期間行ったことによるのである。

金融機関を締めたら、民間企業は資金の手当てができずに、倒産し
てしまう。それが起きているので、ギリシャ経済は大きなダメージ
を受けてしまったのである。

ギリシャ国民の不満が、より一層の危機をもたらしたことになるが
、急進左派連合(SYRIZA)の思惑が違っていたことによる。

さあ、どうなりますか?

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ギリシャ首相、議員に緊縮法案の承認求める 続投には支持必要
2015年 07月 16日 04:52 JST 
[アテネ 15日 ロイター] - ギリシャのチプラス首相は15日
、同氏率いる急進左派連合(SYRIZA)の議員に対し、同日行
われる緊縮策を伴う改革法案の採決で承認を獲得できなければ、現
職にとどまることは難しいとし、法案への支持を求めた。政府高官
が明らかにした。
高官によると、チプラス首相は「私が首相であるのは、議会与党会
派による支持があるからだ。(同日の採決で)支持を得られなけれ
ば、その翌日から首相職にとどまることは難しい」と語った。
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ギリシャ構造改革法案 期限内の可決は正念場
7月16日 4時51分NHK
ギリシャの議会は、ユーロ圏各国が金融支援の協議を始める条件と
している構造改革の法制化に向けて関連法案の審議を続けています
が、与党内での調整が難航しているもようで、期限の15日中に法
案を可決できるかどうか正念場を迎えています。
財政難に陥っているギリシャ政府は、ユーロ圏各国から新たな金融
支援の協議を始める条件として、年金制度の見直しや増税などの財
政緊縮策を盛り込んだ構造改革の内容を15日中に法制化すること
を求められています。
これを受けて、ギリシャの議会では15日、政府が提出した関連法
案の審議が行われていますが、チプラス首相と連携してきた議会議
長や一部の閣僚が法制化に反対しているほか、地元メディアは与党
議員40人余りがこれに追随していると伝え、与党内での調整が難
航しているもようです。
金融支援を必要とするギリシャは、期限の15日中に法案を可決で
きるかどうか、正念場を迎えています。
一方、議会の前の広場では、緊縮策を盛り込んだ構造改革を法制化
することに反対する抗議集会が開かれ、主催者の発表で1万人が参
加しました。
集会に参加した人たちは「これ以上の緊縮策はいらない」などとシ
ュプレヒコールを上げていましたが、突然、一部の参加者が火炎瓶
を投げ、これに警官隊が催涙弾で応戦して一時騒然としました。
地元のテレビは車が燃やされたり店の窓ガラスにひびが入ったりす
る被害を伝え、今後混乱が広がらないか懸念も出ています。
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IMF “ギリシャの巨額債務削減など必要”
7月15日 14時58分NHK
IMF=国際通貨基金は、ギリシャに対する金融支援について、巨
額の債務の削減などユーロ圏各国が踏み込んだ措置をとらなければ
ギリシャの財政は安定しないとする新たな分析を公表しました。
IMFは、14日、ギリシャに対するユーロ圏各国の金融支援につ
いて、新たな分析を公表しました。
この中では、2018年末までにユーロ圏各国による850億ユー
ロ、11兆円規模の金融支援が必要になると指摘しています。
IMFは、今月はじめには、ユーロ圏各国による金融支援を含め、
総額600億ユーロ余りの資金が必要だとする報告を公表していま
したが、新たな分析では、ギリシャの銀行の休業が経済に大きな打
撃を与えているなどとして、さらに多額の資金が必要だという見方
を明らかにしました。
一方、ユーロ圏各国は、ギリシャが抱える巨額の債務について、今
後の金融支援の協議で状況によっては返済期間を延長し、ギリシャ
の負担を軽減する措置などを検討する姿勢を示しています。
これについて、IMFは、新たな分析で「ユーロ圏各国が考える以
上の措置をとらなければ、ギリシャの財政は安定しない」と指摘し
、債務の元本の削減などを含め、ユーロ圏各国の踏み込んだ措置が
欠かせないという見方を示しました。
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欧州はギリシャへの理解を失いつつある=ユーログループ議長
2015年07月15日(水)07時13分
[アムステルダム 14日 ロイター] - ユーロ圏財務相会合(ユ
ーログループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は14日
、欧州はギリシャに対する理解を失いつつあるとの認識を示した。
議長はオランダ放送協会のニュース解説番組「ニュースアワー
(Nieuwsuur)」でのインタビュー(抜粋)で、個人的にギリシャが
必要な事柄に自ら支持を示すよう希望したものの、実際にはギリシ
ャ政府が状況を困難にしたと指摘した。
その上で「仮にギリシャ以外のユーロ圏18カ国でギリシャへの追
加資金提供の賛否を問う国民投票が実施されていたら、その結果は
もっと顕著で、反対票の割合はギリシャの60%を超えていただろ
う」と語った。
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ギリシャ議会、緊縮策採決で債権団の脅迫に屈するべきでない=議長
2015年 07月 15日 18:16 JST
[アテネ 15日 ロイター] - ギリシャ議会のゾイ・コンスタン
ドプールー議長は15日、議員らに対し、国内債権者の要求に応じ
る形で第3次支援交渉開始の条件となる緊縮措置を承認しないよう
呼び掛けた。緊縮策に対する採決はこの日午後実施される。
急進左派連合(SYRIZA)に所属するコンスタンドプールー議
長は、採決に先立ち「我が国の議会は、債権団による脅迫に屈して
はならない」と発言。「現状が極めて重大な段階にあることは十分
認識した上で、この脅迫が具体化することを阻止するのが議会の使
命だと考える」と述べるとともに、債権者らは議会の手続きを尊重
する必要があるとした。







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