5435.ユーロ圏首脳が合意したギリシャ新支援



ユーロ圏首脳会議は13日午前(日本時間同日夕方)、約17時間にわ
たる協議を終え、ギリシャ議会が15日までに財政改革案を法制化し
即時実行することを条件に、ギリシャへの金融支援を行うことで大
筋合意した。

ユーロ圏当局者は13日、第3次ギリシャ支援策をめぐる交渉は約
4週間を要する公算が大きいとの見方を示した。
改革法案の法制化をギリシャ議会が実行す
れば、15日、または16日にユーログループが電話会合を開催し
、財務相が自国の議会に承認を求めることが可能になると説明。そ
の後おそらく17日にも再度会合を開き、交渉開始を承認する段取
りになるとした。

欧州中央銀行(ECB)理事会は、13日に開く電話会合でギリシ
ャ向け緊急流動性支援(ELA)を現行水準に据え置く見通しだ。
ギリシャ政府は支援条件などの議会での可決を求められており、こ
のような状況で増額は見込めないという。

ということで、チプラス首相は、急進左派連合(SYRIZA)内
の反緊縮派を一掃する構えだ。
ギリシャ議会は先週末、欧州連合(EU)の新たな金融支援の条件
としてチプラス政権が提出した構造改革案に関する採決を行ったが
、野党の大半が賛成に回った一方、与党からは17人の「造反者」
が出た。この17人を追放するようである。

ということで、ギリシャ国民は、否と投票したが、銀行倒産という
地獄を見て、ユーロ圏離脱を諦め、ユーロに復帰することにしたが
、その代償は大きかったし、今後も苦難の道になる。

制度的な経済復活の道をEUも確立しないと、ユーロ通貨圏を維持
できなくなることは、目に見えたと思う。特にドイツの一人勝ちの
様相はおかしい。それを皆が思うとき、崩壊することになる。

もうすでに、イタリアのレンツィ首相は、強硬姿勢を崩さないドイ
ツに関し「イタリアはギリシャのユーロ圏離脱を望まない。ドイツ
にはこう言いたい。もうたくさんだ」と述べたように、徐々に気が
ついている。

さあ、どうなりますか?

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ギリシャ支援交渉に4週間必要、17日開始承認も=当局者
2015年 07月 14日 05:01 JST
[ブリュッセル 13日 ロイター] - ユーロ圏当局者は13日、
第3次ギリシャ支援策をめぐる交渉は約4週間を要する公算が大き
いとの見方を示した。
欧州安定メカニズム(ESM)の責任者、クラウス・レグリング氏
はユーロ圏財務相会合(ユーログループ)後の会見で「ギリシャに
とり時間が迫っていることは承知しているが、近道はない」と語っ
た。
ユーログループのデイセルブルム議長(オランダ財務相)は、4週
間でも一部では楽観的との指摘が出ていると述べた。
また債権団が求めている改革法案の法制化をギリシャ議会が実行す
れば、15日、または16日にユーログループが電話会合を開催し
、財務相が自国の議会に承認を求めることが可能になると説明。そ
の後おそらく17日にも再度会合を開き、交渉開始を承認する段取
りになるとした。
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ギリシャ支援、約11兆円に メルケル首相が会見 
2015/7/13 18:27 nikkei
 【アテネ=小滝麻理子】ユーロ圏首脳会議は13日午前(日本時間
同日夕方)、約17時間にわたる協議を終え、ギリシャ議会が15日ま
でに財政改革案を法制化し即時実行することを条件に、ギリシャへ
の金融支援を行うことで大筋合意した。ギリシャはユーロ圏にとど
まり、国際通貨基金(IMF)の関与とともに、財政再建を再び目
指す。
 会見したドイツのメルケル首相は、今後3年間の金融支援の規模
が約820億ユーロ(約11兆円)から860億ユーロになると説明。資本
規制の導入などで経営が悪化しているギリシャ銀行への資本注入も
進める。空港など約500億ユーロ相当の国有資産を外部ファンドを通
じて売却・民営化し、債務返済に充てる。ファンドはギリシャに拠
点を置く。
 メルケル氏は「ギリシャは信頼を回復しなければならない」と発
言。ギリシャ議会が年金や増税などの一連の財政改革を15日までに
法制化できるかを見極めて、支援再開する姿勢を強調した。ギリシ
ャのチプラス首相は「厳しい交渉だったが、今日の決断でギリシャ
の財政は安定し、回復できる」と述べた。
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情報BOX:ユーロ圏首脳が合意したギリシャ新支援への条件
2015年 07月 13日 19:29 JST
[ブリュッセル 13日 ロイター] - ユーロ圏首脳会議での第3
次ギリシャ支援に向けた合意事項の要旨。◎ギリシャは2016年
3月以降も国際通貨基金(IMF)支援を要請へ。
◎ギリシャは7月15日までに以下の施策を可決。付加価値税(V
AT)率の簡素化、広範な課税、年金削減、国家統計局の独立。
◎ギリシャは7月22日までに民事司法改革や欧州連合(EU)の
銀行破綻ルール実施を可決。
◎以下の改革について明確な日程を設定。
―大胆な年金改革
―製品市場の改革
―送電網の民営化
―団体交渉、ストライキ、集団解雇などの見直し
―不良資産への対応や政治的介入の阻止など金融セクターの強化
◎以下の措置を講じる。
―民営化や資産移管による独立基金で500億ユーロを設定。この
うち3分の2は、銀行の資本増強や債務削減に充当。
―行政コスト削減と政治的な影響力を抑制。7月20日までに最初
の提案
―主要法案を議会などに提示する前に債権団の承認を得る
これらの措置へのコミットメントは、協議開始への最低条件。
◎必要資金は820億―860億ユーロ。7月20日までに70億
ユーロ、8月半ばまでにさらに50億ユーロ必要で、早急な決定が
必要。
◎欧州安定メカニズム(ESM)の新プログラムには100億―
250億ユーロの銀行対策を含む。
◎債務の再構築(reprofiling)は可能だが元本は削減せず。
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ECB理事会、13日にギリシャ向け緊急支援を据え置きへ=関係筋
2015年 07月 13日 18:23 JST
[フランクフルト 13日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)
理事会は、13日に開く電話会合でギリシャ向け緊急流動性支援(
ELA)を現行水準に据え置く見通しだ。関係筋2人が明らかにし
た。ギリシャ政府は支援条件などの議会での可決を求められており
、このような状況で増額は見込めないという。
ある関係筋は「ギリシャ中銀総裁の要請に対し、理事会がELAを
増額しないのは確実だ」と述べた。
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ギリシャ首相、党内の反緊縮派一掃へ 改革案法制化に向け
ロイター2015年07月13日 06:53
[ブリュッセル/アテネ 12日 ロイター] - ギリシャ支援をめ
ぐる12日のユーロ圏会合で、15日夜までに主要な改革案を法制
化するよう求められたチプラス首相は、急進左派連合(SYRIZ
A)内の反緊縮派を一掃する構えだ。政府筋が明らかにした。
ギリシャ議会は先週末、欧州連合(EU)の新たな金融支援の条件
としてチプラス政権が提出した構造改革案に関する採決を行ったが
、野党の大半が賛成に回った一方、与党からは17人の「造反者」
が出た。
チプラス首相は、与党内の反緊縮派を一掃することで、改革に対す
るコミットメントをアピール、支援獲得への道筋をつける狙いがあ
る。
政府筋によると、最左翼のラファザニス・エネルギー相や、年金削
減に強く反対するストラトゥリス労働次官などが解任される見通し
だ。
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イタリア首相がドイツに「もうたくさんだ」…強硬姿勢に譲歩促す
2015.7.12 21:15sankei
 イタリアのレンツィ首相は、ギリシャ金融支援協議で強硬姿勢を
崩さないドイツに関し「イタリアはギリシャのユーロ圏離脱を望ま
ない。ドイツにはこう言いたい。もうたくさんだ」と述べ、合意に
向けてドイツに譲歩を促した。イタリア紙の報道をロイター通信が
12日報じた。
 イタリアは、ギリシャ支援問題でフランスなどと共に比較的柔軟
な姿勢を示している。ユーロ圏内の立場の相違を浮き彫りにした。
 レンツィ氏は、ギリシャのチプラス首相が提出した財政再建策は
「EU側が求めた内容に沿っている」と指摘し「われわれは絶対に
合意しなければならない。ほぼ全て譲歩したパートナーに恥をかか
せるのは考えられない」と語った。
 またロイターによると、ルクセンブルクのアッセルボルン外相は
ドイツ紙に「もしドイツがギリシャのユーロ圏離脱を求めるなら、
フランスと深い対立をもたらす。欧州にとって大惨事となる」と述
べた。(共同)
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