5433.ギリシャへの不信



ギリシャは、ユーロ圏債務者案とほとんど同じ提案をしたが、残念
ながら、ギリシャへの不信感をユーロ圏首脳は持ち、そう簡単には
決着しない。

チプラス首相を信用できないという雰囲気である。合意した最終案
を国民投票に持ち込み、チプラス首相、自らが反対を主張し、そし
て、その反対が多数になると、今度は債権者案と同じような提案を
してくる。何を考えているのか、疑問視しているというのが、今の
ユーロ圏首脳たちである。

このため、より強い規制案が出ている。15日までに法案を議会で
通せという。法案を作る時間がないことで、ユーロ圏首脳は、ギリ
シャを追い出したいようであるが、自分たちが追い出したとは、言
いたくない。このため、ギリシャが悪いとしたいようである。

ドイツは、「一時的なユーロ圏離脱」を提案したが、これをユーロ
首脳たちは拒否した。自分たちがギリシャを追い出すということに
はしたくないということのようである。

最終場面も面白いですね。

まあ、どうなりますか?


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ユーロ圏首脳、ギリシャに15日夜までの改革案法制化を要求
2015年 07月 13日 05:00 JST
[ブリュッセル/アテネ 12日 ロイター] - ユーロ圏は12日
、ギリシャ問題をめぐり財務相会合に続き緊急首脳会議を開催した。
首脳会議では、ギリシャに対し、新たな金融支援に関する協議を開
始するために、今週中に主要な改革案を法制化するよう求めた。
首脳会議に先立ち開催された財務相会合(ユーログループ)の声明
案は、第3次支援交渉を開始するためには、ギリシャが税制や年金
制度の改革などの措置を15日夜までに法制化する必要があるとし
ている。
また、支援の条件を満たせなかった場合に一時的にユーロ圏から事
実上離脱させるというドイツ案も盛り込んだ。ただし、この文言は
カッコでくくられており、同意していない財務相がいるもようだ。
ユーロ圏からの一時的な離脱について、欧州連合(EU)の高官は
、違法であり、首脳会議の声明には盛り込まれないとの見方を示し
た。
首脳会議に出席するためブリュッセルに到着したギリシャのチプラ
ス首相は、欧州の結束維持に向け「さらなる誠実な妥協」を望むと
し「すべての当事者が望めば、今夜合意を達成できる」と述べた。
ギリシャ政府当局者によると、チプラス首相は首脳会議前にルー米
財務長官と電話で会談した。首相は、ギリシャはすでに合意を目指
す姿勢を示していると説明し、「実効性のある合意のためには、基
本的にギリシャ国民、そして国民がこの5年間に耐えてきたすべて
の事を尊重しなければならない」と述べたという。
一方、ドイツのメルケル首相は、支援協議を開始する状況にはない
との認識を示し「最も重要である信頼が失われてしまった。それは
、厳しい協議になることを意味する」と語った。
ユーログループの声明案について、あるギリシャ政府当局者は、「
来週までの資金ぐりのめども立たずに、このような措置をぎりぎり
になって要求してくるとは」と反発した。
当局筋によると、13日のユーログループでは、ギリシャへの緊急
金融支援の実施方法を検討する可能性がある。
ギリシャ政府当局者は、緊急首脳会議の合間にチプラス首相が、メ
ルケル首相、オランド仏大統領、トゥスクEU大統領と協議する見
通しを示した。
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ユーロ圏財務相はギリシャ支援で結論出ず、首脳会談に持ち越し
2015年 07月 13日 04:33 JST
[ブリュッセル 12日 ロイター] - ユーロ圏財務相は12日、
前日に続いて会合を開いたが、ギリシャが要請した期間3年の融資
を承認すべきか結論は出ず、首脳会議に判断を委ねることとなった。
欧州連合(EU)のトゥスク大統領は、ユーロ圏の首脳はギリシャ
問題で結論が出るまで協議を続けると述べた。12日に予定してい
たEU首脳会議は取りやめとなった。
ロイターが入手した財務相会合(ユーログループ)の声明案は、ギ
リシャへの第3次支援を検討する前に、同国は付加価値税引き上げ
、年金制度改革、企業破綻制度の見直し、統計局の独立性強化を法
制化する必要があるとしている。
ユーログループのデイセルブルム議長は首脳に提出した文書で「ユ
ーログループは新たな(支援)プログラムの協議を開始する土台が
まだできていないとの結論に達した」と説明した。
声明案によると、欧州中央銀行(ECB)が保有する債券が償還期
限を迎える20日までにギリシャは70億ユーロが必要で、8月半
ばに満期となる分も合わせると120億ユーロが必要になる。
しかし資金をどのように調達するかについて言及しておらず、EU
筋によると財務相会合ではつなぎ融資について合意できなかった。
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ギリシャの「一時的なユーロ圏離脱」、ドイツ政府が提案
2015年 07月 12日 12:45 JST
[ブリュッセル 11日 ロイター] - ドイツ政府は、新たな支援
を求めてギリシャが提出した改革案が改善されない場合、ギリシャ
を一時的にユーロ圏から離脱させて債務減免を行うことを提案して
いる。ロイターが入手した文書で明らかになった。
同文書は最初に独フランクフルター・アルゲマイネ紙(日曜版)が
報じたもので、ドイツ連立与党筋によると、メルケル首相、ガブリ
エル副首相、ショイブレ財務相の会談後にまとめられた。
文書はギリシャの改革案について「最も重要な改革分野」が欠けて
いるとし、「より持続可能な解決策が必要」と指摘。一段と厳しい
対策をギリシャに強いるか、一時的なユーロ圏離脱という「2つの
道」を提案している。
ただ、望ましい選択肢はギリシャが改革を実施してユーロ圏にとど
まることだという。
ショイブレ財務相は11日のユーログループ(ユーロ圏財務相会合
)で、新たな支援に向けた交渉を再開するにはギリシャの一段の措
置が必要と強調したが、複数の関係筋によると、ギリシャのユーロ
圏離脱という選択肢には触れなかった。
文書は、ギリシャが議会の支持を得て「迅速かつ大幅に」改革案を
改善させるためにできることを列挙。独立した信託会社に国有企業
や資産を移管しその売却益を債務返済に充てること、欧州委員会の
監督の下で行政改革を進めること、財政赤字削減が目標に届かなか
った場合に自動的な歳出削減を発動するため法を整備することを提
案している。
その上で、信頼性のある改革案がなければ「ギリシャは一時的なユ
ーロ圏離脱に関して迅速に協議の機会が与えられ、少なくとも今後
5年間にわたって必要であればパリクラブ(主要債権国会議)のよ
うな形で債務再編が可能になる」とした。パリクラブはソブリン債
務の再編を行うフォーラム。
ショイブレ財務相は10日、ギリシャは債務のヘアカット(元本削
減)が必要だが、ユーロ圏内では違法になると指摘していた。
文書はまた、ギリシャがユーロ圏を一時的に離脱しても欧州連合(
EU)にとどまり、技術・人道的支援を受けられるとしている。
あるEU当局者は一時的なユーロ圏離脱について、これまでにも浮
上した案で、法的かつ経済的に機能しないとして拒否されたと述べ
、否定的な見方を示した。



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