5422.ギリシャの行方4



ギリシャ危機は、過去にも3回あり、EUは今までは影響が大きく
なるので、救済を真剣に検討した。しかし、今回はギリシャ金融崩
壊でも欧州の民間銀行には、ほとんど影響がなく、ECBやIMF
など公的機関の貸付に、民間銀行の貸付や投資資金が変化している。

このため、影響がないことで、ギリシャ国民の意思を尊重できるこ
とになる。そのギリシャでは、5日国民投票で緊縮案への賛否が拮
抗している。

もし、緊縮案に反対が多数になれば、ユーロ圏離脱になり、EUも
離脱することになる。

しかし、緊縮財政を緩和する方向でEU側と協議してきたチプラス
首相は、国民投票で「反緊縮」の世論が示されれば、債権団の譲歩
を引き出せると説明。1日のテレビ演説でも「国民投票で反対票を
投じることが、より良い合意に必要なステップとなる」と訴えた。

この演説は、国民をミスリードしているので、EU離脱の方向に国
民を誘導して、ギリシャを途上国化させかねない。国民の知識層は
おかしいと思えるが、貧困階層はチプラス首相の演説をまともに聞
いている。心配である。

まあ、行くところまで行くしかないですね。ユーロ圏財務相会議で
は、独ジョイブレ財務相はギリシャに妥協しないとしているので、
無条件に債権団案の受け入れか、否かである。

さあ、どうなりますか?

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高まる「ユーロ離脱」懸念=緊縮策で5日国民投票−賛否拮抗、予
断許さず−ギリシャ
 【アテネ時事】ギリシャのチプラス政権は5日、欧州連合(EU
)など債権団から課された緊縮財政の是非を問う国民投票を実施す
る。緊縮反対派が勝てば政権とEU側との関係悪化が決定的となり
、ユーロ圏からの離脱懸念がさらに強まる。賛否は拮抗(きっこう
)し、予断を許さない情勢だ。
 債権団との金融交渉が暗礁に乗り上げたギリシャは、6月末が期
限だった国際通貨基金(IMF)に対する債務15億ユーロ
(約2000億円)を支払えず、事実上のデフォルト(債務不履行
)に陥った。国内では資金枯渇を防ぐため6日まで銀行の営業が停
止され、国民の不満が高まっている。
 緊縮財政を緩和する方向でEU側と協議してきたチプラス首相は
、国民投票で「反緊縮」の世論が示されれば、債権団の譲歩を引き
出せると説明。1日のテレビ演説でも「国民投票で反対票を投じる
ことが、より良い合意に必要なステップとなる」と訴えた。
 地元紙が1日報じた調査機関プロラタによる調査結果では、銀行
が営業を停止した6月29日以降に緊縮策に「反対する」と答えた
人は46%と賛成の37%を上回った。一方、実施機関によっては
、賛成47%、反対33%という逆の結果もある。
 1月まで政権にあった最大野党新民主主義党(ND)の元顧問、
アテネ大学のイオアニス・カラコスタス教授(法律学)は、将来に
希望を持てない貧困層ほど緊縮策に反対する傾向があると指摘。ユ
ーロ離脱は国内経済に「致命傷を与える」と警告し、「貧困層は失
うものがないため過激な主張に走りやすい。チプラス政権はこうし
た人々に支持を求める危険な誤りを犯した」と指摘している。
(2015/07/02-01:20)
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ギリシャめぐる事態進展予想せず=ユーログループ議長
2015年 07月 2日 03:53 JST
[1日 ロイター] - ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデ
イセルブルム議長(オランダ財務相)は1日、ユーロ圏財務相はギ
リシャ政府から送付された提案について討議するとしながらも、ギ
リシャのチプラス首相のこの日のテレビ演説を受け、事態が進展す
る公算はほとんどないとの見方を示した。
チプラス首相は債権団に対し、一部の条件が変更されれば債権団側
の要請を受け入れるとの譲歩の姿勢を示したが、この日に行ったテ
レビ演説でギリシャは脅迫されているなどと発言。5日予定されて
いる国民投票で改革案を否決するよう訴え、反緊縮の姿勢をあらた
めて鮮明にした。

デイセルブルム議長はこれについて「ギリシャ側の提案について討
議はするが、(チプラス首相の)演説を受け、進展はほとんど得ら
れないと見ている」とし、「チプラス首相の最新の発言は実のとこ
ろ『反ユーロ圏」というこれまでのメッセージの繰り返しだった。
われわれはこうした発言を考慮に入れる」と述べた。
同議長の発言は、この日に行われたユーロ圏財務相による電話会議
前のもの。同電話会議はその後終了し、ギリシャ当局者によると、
5日の国民投票まで新たな会議は予定されていない。
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ギリシャ首相、条件付きで債権団の救済策受け入れの書簡
2015年07月01日(水)19時38分
[ロンドン 1日 ロイター] - ギリシャ政府当局者は、債権団が
示した改革案について、離島向け優遇税制を維持し、一部の年金改
革や軍事費削減を延期するなどの修正を加えた上で受け入れる意向
を示した。
チプラス首相は30日の債権団向け書簡で、支援プログラム延長や
新規救済融資と引き換えに受け入れる方針だと伝えた。
しかし、年金・労働市場改革は段階的な実施や今年の軍事支出削減
の縮小などの修正を求めている。
これに先立ち英フィナンシャル・タイムズ紙は、債権団が28日に
公表した改革案について、ギリシャのチプラス首相が条件付きでの
受け入れを書簡で表明したと報じた。
条件については、離島向け付加価値税優遇措置の維持、年金支給年
齢引き上げの延期などを求めている。
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ギリシャのIMF未返済、デフォルトでなく延滞
締め切りを過ぎても返済しないギリシャについて「延滞」と言い放
つ強弁
2015年7月1日(水)14時38分
[ウィーン 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会
メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は30日、ギリシャ
は同日期限を迎える国際通貨基金(IMF)融資を返済していない
とした上で、これはデフォルト(債務不履行)ではなく返済の遅延
に当たるとの認識を示した。
総裁は「IMF融資は返済されていない。これはすぐにデフォルト
とはならず、返済の遅延になる」と述べた。
またユーロ圏の改革案をギリシャが拒否すれば、同国はECBから
の流動性支援なしで対処しなければならず、極めて危険な局面に入
ると指摘した。
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ECB、ギリシャ銀向け緊急流動性支援枠を据え置き=報道官
2015年 07月 2日 05:22 JST
[フランクフルト 1日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理
事会はギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA)枠を現行
水準に据え置くことを決定した。ECB報道官が1日、明らかにし
た。
同報道官は「ギリシャの銀行に対するELA枠は現行水準に据え置
かれた」と述べた。
関係筋によると、ELA枠は前週末以来、約890億ユーロ(980
億ドル)に据え置かれている。
ECBはギリシャの銀行が一段と不安定になる状況は避けるため、
ELA枠の削減には踏み切らなかった。ただ、5日に実施される債
権団が要請する改革案の受け入れの是非を問うギリシャ国民投票を
前に、支援は最小限に抑えた格好だ。
ECBが理事会でギリシャに対するELAについて協議している間
も、ギリシャのチプラス首相はこの日のテレビ演説で5日の国民投
票で改革案に反対するよう訴え、反緊縮の姿勢をあらためて表明。
国民投票前に何らかの合意が得られる見込みはなくなったと見られ
ている。
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ギリシャ野党議員「政府はドラクマ復活を準備」 首相は否定
2015年 07月 1日 10:33 JST
[アテネ 30日 ロイター] - ギリシャの野党議員は30日の議
会で、政府が通貨ドラクマ復活に向けて準備を進めている、と述べ
た。これに対してチプラス首相は「空想に過ぎない」と強く否定し
た。
中道派野党ポタミのHaris Theoharis議員は「首相府では会計検査部
門のスタッフ数名が既にドラクマについての作業をしている」と指
摘。「政府はドラクマに戻る計画をしている」と語った。Theoharis
議員は、前政権で歳入庁のトップを務めていた。
Dimitris Stratoulis労働次官は、同議員の発言は有権者を脅かし
ている、と批判。政府の報道官は「空想に過ぎないだけでなく、無
責任極まりない行為だ」と語った。
ユーロ圏諸国からは、5日の国民投票でEUが求める財政緊縮策が
支持されなければ、ギリシャはユーロ圏を離脱することになる、と
の警告が相次いでいる。
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米政府、ギリシャ情勢を注視 交渉継続促す
2015年 07月 1日 11:54 JST
[ワシントン 30日 ロイター] - 米財務省は30日、ギリシャ
情勢を注視しているとする声明を発表した。その上で、ギリシャが
ユーロ圏にとどまったままで経済成長への軌道上に戻ることができ
るよう、関係国と諸機関に交渉の継続を促した。
財務省は「ギリシャがIMFへの債務返済を見送ったことで、延滞
問題に対処するためのIMFのプロセスが始まることになる」と指
摘。
「必要な経済改革と、債務の持続性達成に向け必要な資金を基に、
ギリシャがユーロ圏内で経済成長への道を進むことができるよう、
米国はすべての関係者に対して、交渉を続けるよう要請する」とし
ている。






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