5417.ギリシャの行方3



ギリシャ問題は、26日のトップ会談での最終折衝でも合意できず
、チプラス首相は、国民投票で債権団から提示された支援案を受け
入れるべきかどうかの判断を有権者に求める。その投票日が7月5
日であり、その日までIMFには6月末までの返済を延ばしてもらうよ
うである。

チプラス首相はテレビ演説で、債権団による提案は欧州の規則だけ
でなく、労働や平等、尊厳に関する基本的権利を脅かしているとし
た上で、「同提案はすべての関係者が納得できるものではなく、す
べての人々にとって屈辱となりかねない」と訴えた。

債権団は、チプラス政権が聖域とする年金や税制改革に合意し、実
施すれば凍結中の数十億ユーロの融資実施を約束するとともに、
2012年に言及していた金利減免や返済期限の延長などの債務軽
減策を検討するとの確約を再表明することも提案したもようだ。
だがギリシャ政府の当局者は、既存の支援策を5カ月間延長する債
権団の案は「全く不十分」として拒否した。

メルケル独首相とオランド仏大統領は26日、欧州連合(EU)首
脳会議の合間にチプラス首相と45分間ほど会談。痛みを伴う改革
案を受け入れる見返りに、11月までギリシャの必要資金を手当て
する債権団の「寛容な」提案を受け入れるよう説得に当たった。

ブリュッセルから帰国したチプラス首相は、対応を協議するため緊
急の閣議を招集し、国民投票を決めた。

債権団作成の極秘文書によると、国際通貨基金(IMF)が想定し
た最悪のシナリオ下においても、金利減免や返済期限延長などの軽
減措置を講じれば、ギリシャの債務はヘアカット(債務の元本削減
)を行なわなくとも、持続可能な水準にとどまると見込まれている
ことが分かった。

ということで、ユーロ圏財務相の中でも、ギリシャのデフォルトが
ユーロ圏離脱につながるかどうかをめぐり、意見が分かれているが
、ギリシャが債権団案を拒否しても、ユーロ離脱しなくても存続で
きることになる。

しかし、27日には、財務相は「プランB」を協議することになる。
ギリシャのデフォルトによる銀行や市場への影響を最小限にするた
めの方策が話し合われるようだ。
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ギリシャ来月5日に国民投票、首相「支援案の是非問う」
2015年 06月 27日 08:04 JST
[アテネ 27日 ロイター] - ギリシャのチプラス首相は27日
、債権団から提示された支援案をめぐり、受け入れの是非を問う国
民投票を7月5日に実施すると表明した。
チプラス首相はテレビ演説で、債権団による提案は欧州の規則だけ
でなく、労働や平等、尊厳に関する基本的権利を脅かしているとし
た上で、「同提案はすべての関係者が納得できるものではなく、す
べての人々にとって屈辱となりかねない」と訴えた。
パパス首相府相は、有権者は反対票を投じると確信していると語っ
た。
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ギリシャ合意の可能性「50%強」、プランBも視野
2015年 06月 27日 07:57 JST
[ブリュッセル/アテネ 26日 ロイター] - ギリシャのデフォ
ルト(債務不履行)回避へ向けた最後の折衝を翌日に迎えた26日
、ブリュッセルでは同国と債権団が水面下でぎりぎりの交渉を続け
た。
27日のユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は、1200GM
T(日本時間午後9時)から開催される。
債権団は、チプラス政権が聖域とする年金や税制改革に合意し、実
施すれば凍結中の数十億ユーロの融資実施を約束するとともに、
2012年に言及していた金利減免や返済期限の延長などの債務軽
減策を検討するとの確約を再表明することも提案したもようだ。
だがギリシャ政府の当局者は、既存の支援策を5カ月間延長する債
権団の案は「全く不十分」として拒否した。
ブリュッセルから帰国したチプラス首相は、対応を協議するため緊
急の閣議を招集した。
<「過度には楽観せず」>
メルケル独首相とオランド仏大統領はこの日、欧州連合(EU)首
脳会議の合間にチプラス首相と45分間ほど会談。痛みを伴う改革
案を受け入れる見返りに、11月までギリシャの必要資金を手当て
する債権団の「寛容な」提案を受け入れるよう説得に当たった。
チプラス首相はEU首脳会議後、記者団に対し「EU創設の原則は
民主主義、結束、平等、相互理解だ。脅しや最後通告には基づいて
いない」とし、債権団との対決姿勢を鮮明にした。
一方、メルケル首相は「われわれはギリシャに歩み寄った」とし、
「今度はギリシャが同様に歩み寄る番だ」と述べた。
ユンケル欧州委員長は、ギリシャに対し最後通告は行なっていない
とし、「(合意を)かなり楽観しているが、過度には楽観していな
い」と語った。
債権団は前日、ギリシャに融資実施の条件を示した。ギリシャ議会
が改革案を承認すれば、11月末まで4回にわけて総額155億ユ
ーロをギリシャに供給するという内容で、これには30日までに
18億ユーロの支援を実施することも含まれている。
融資総額はギリシャが向こう半年に手当てが必要な返済額をわずか
に上回る程度で、新たな資金は含まれていない。さらなる支援には
第3次支援プログラムが必要となり、現時点ではギリシャ、ドイツ
にとっては政治的に不可能な状況だ。
<プランB>
あるユーロ圏当局者によると、ギリシャは27日のユーロ圏財務相
会合で、債権団の修正案を受け入れるかどうか答えを求められる見
通し。
その当局者は、ギリシャが拒否した場合、財務相は「プランB」を
協議することになると指摘。ギリシャのデフォルトによる銀行や市
場への影響を最小限にするための方策が話し合われると述べた。
交渉に関わっているEU高官2人は、合意の可能性は「50%強」
と話した。
<ユーロ圏内でも意見分かれる>
ユーロ圏財務相の中でも、ギリシャのデフォルトがユーロ圏離脱に
つながるかどうかをめぐり、意見が分かれている。仮にギリシャが
離脱となれば、ユーロ加盟は撤回不可能との原則が損なわれる。
一方、ロイターが入手した債権団作成の極秘文書によると、国際通
貨基金(IMF)が想定した最悪のシナリオ下においても、金利減
免や返済期限延長などの軽減措置を講じれば、ギリシャの債務はヘ
アカット(債務の元本削減)を行なわなくとも、持続可能な水準に
とどまると見込まれていることが分かった。
ヘアカットの必要性がないと想定されていることは、ドイツ議員に
支援実施を承認するよう説得する重要な材料となる。
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ギリシャ残留にユーロ圏が尽力する理由−ドラギ発言が示唆
2015/06/26 09:52 JST
  (ブルームバーグ):ギリシャをユーロ圏に残留させるために
欧州がこれほど多くの時間と労力を費やす理由を理解するにはドラ
ギ欧州中央銀行(ECB)総裁の3年前の良く知られた発言を思い
出せば十分だろう。
欧州ソブリン危機のさなかの2012年7月にドラギ総裁はユーロ防衛
のために必要なあらゆる事を行うと述べた。この発言が強調したの
は一度メンバーになったら離脱できないというユーロ圏の大原則だ。
従って、国内総生産(GDP)がユーロ圏全体の2%未満でしかな
いギリシャが政策当局者にこれほどの影響を及ぼしているのは、ド
ラギ発言が根底から覆される恐れがあるためだと言えるだろう。こ
のおかげで、米オハイオ州よりも人口が少ないギリシャがデフォル
ト(債務不履行)やユーロ離脱のリスクから守られる可能性がある。
ラボバンク・インターナショナルのシニア市場エコノミスト、エル
ウィン・デフロート氏は「ユーロ圏の現状維持のため多くの政治的
資本が投じられている」と指摘。「実際にギリシャの離脱を許せば
、ある意味ではユーロ圏がもはや完全でも離脱不可能でもなく、変
わり得ると市場に示すことになる」と説明した。
更新日時: 2015/06/26 09:52 JST
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チプラス首相、26日に独仏首脳と協議へ=ギリシャ政府高官
2015年 06月 26日 17:54 JST
[ブリュッセル 26日 ロイター] - ギリシャ政府のある高官は
、チプラス首相が26日にドイツのメルケル首相、フランスのオラ
ンド大統領と会談することを明らかにした。
仏独首脳は定例の欧州連合(EU)首脳会談出席のためブリュッセ
ルに滞在している。
ユーロ圏の財務相は27日に再度ギリシャ問題について協議する予
定。
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