5414.日本経済の行方



上場企業の業績が良く、株価はとうとう2001年ITバブル期の株
価を抜いてきた。この原因は円安による輸出企業の業績が過去最高
益になったことが大きい。

しかし、円安には負の側面もあり、国内産業や中小企業の業績は、
それほど良くない。輸出企業が国内での設備投資を加速してくれる
ことを願うしかないし、年金生活者の生活は物価高で苦しくなるこ
とが確実である。

ということで、国民の90%を占める中小企業、年金生活者は、所
得が増えないので、出費を切り詰めるしかないことになる。

我家でも夕食に高級な和牛ステーキはなくなり、赤みの米国産牛肉
になっている。そのうち、牛肉から鶏肉になる可能性も高い。全般
的に肉料理が減り、魚料理が増えている。近くに「角上魚類」があ
り、新鮮で美味しくて安いので、そちらの料理が増えている。

しかし、円安は120円台が定着して、大企業は国内消費が減るの
で、海外に輸出するしかない。このため、海外展開は盛んになって
きた。そして、円安が当分続くことも確かであり、この通貨安で日
本企業は、繁栄することになる。

その拠点である日本での研究開発が盛んになり、益々企業はイノベ
ーション力を高めるはずである。

当然、株価も上昇してくる。このため、貧富の差の拡大が気になる。
この解決には、税金による富の平均化が必要で、そのため課税強化
も必要になる。

財政再建には社会保障費の増加を抑制して、高所得者の課税強化を
行い、弱者への配慮をしながらプライマリー・バランスをプラスに
することが必要である。

課税効率が良いのは、企業利益を増大させて、企業からの法人税で
あり、このためには成長戦略が重要なのである。観光、農業、製造
業の発展も必要であるが、労働人口が減少しないように海外からの
留学生を積極的に日本に招いて、日本企業への就職を加速すること
である。

また、ブルーカラー層も人手不足になるので、FTAなどによる途上国
から移民を認める必要になると見る。

さあ、どうなりますか?


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増えない所得、出費を切り詰める日本人
消費者庁の調査で分かった「支出を減らす本当の理由」
上野 泰也
2015年6月23日(火)nikkeibp
 消費者庁は6月17日、6月の物価モニター調査(速報)を発表した
。この調査の目的は「原油価格や為替レートなどの動向が生活関連
物資等の価格に及ぼす影響、物価動向についての意識等を正確・迅
速に把握し、消費者等へのタイムリーな情報提供を行う」ことにあ
るとされており、速報性において優れている。
 6月速報は同月4〜8日に寄せられた全国・各年齢層の1235人分の回
答を集計した。速報取りまとめ後の回答は翌月の速報で前月の値に
反映させる扱いとなる。
 価格調査では、食料品のうちヨーグルト、食用油で、前月比の上
昇幅が大きかった。そして、今後3カ月で価格が上昇すると思う主な
品目として挙げられたのは、食パン、牛乳、食用油。いずれも円安
や原材料高を理由にメーカーが値上げを発表した品目である。
 逆に、今後3カ月で価格が下落すると思う主な品目として挙げられ
たのは、茶飲料、アイスクリーム、ビール。最も多い16.5%の回答
を集めたのが茶飲料である。
今後「前年より消費を減らす」が56.7%
 その理由は「過去数カ月において価格の下落を実感していて、今
後もその傾向が続くと思うから」「季節的に販売を増やすための特
売の機会が多くなるから」など。確かに、暑くなってくると2リット
ルのペットボトル入りの茶飲料やミネラルウォーターが、買い物客
を引きつけるための特売に用いられることが多い。
 さて、今回の調査で筆者が最も興味を抱いたのは、参考として掲
載されている「消費についての意識」である。「あなたの世帯の消
費への支出額を、今後3カ月の間について、去年の同期間と比べて、
どのようにしていこうと思っていますか」という質問に対する回答
分布は、「増やそうと思っている」が3.7%とごく少数である一方、
「特段増やそうとも減らそうとも思っていない」が38.4%。そして
、「減らそうと思っている」が56.7%で過半数を占めた(1.2%は無
回答)<図>。
「減らそうと思っている」を選んだ人にその理由をたずねたところ
(複数回答)、「所得が減ると思うから」が50.9%で過半数になっ
た。2013年10月の調査開始以降、この選択肢が常にトップである。
支出を減らそうとする本当の理由は、日銀が主張しているような「
デフレマインド」(値下がりを待って買い控えをしようとする心理
)ではないことが分かる。
 また、主要企業の春闘で2年連続ベアがついたことや夏のボーナス
の増額を盛り上げて伝えているマスコミ報道とは、まったく別の世
界で行われた回答であるかのようにも感じる。賃金の増加が大企業
の外にはあまり波及していないから、こうした回答になるのだろう。
 ちなみに、内閣府の消費動向調査においても、消費者意識指標「
雇用環境」と比べた場合の「収入の増え方」の水準の低さが、「ア
ベノミクス」の下で顕著になっている(当コラム5月26日「数字ばか
りが空回り、労働市場のお寒い現状」ご参照)。
 そして、支出を減らす理由として2番目に多かったのが、「支出に
回す額を減らして、貯蓄に回す額を増やそうと思うから」の41.0%
。これら上位2つが回答の大半を占め、第3位は「去年の同期間より
も必要な支出が減ると見込まれるから」(12.9%)である。
 回答した人の数は少ないものの、「増やそうと思っている」を選
択した理由も見ておきたい(複数回答)。トップになったのは「去
年の同期間よりも必要な支出が増えると見込まれるから」で、45.7
%。人生のステージによっては、こういうことになりがちである。
「所得が増えそう」という回答は連続で低下
 第2位が「物価が上昇することにより、普段購入しているモノ・サ
ービスの価格が上がると思うから」で、37.0%。デフレマインドから
インフレマインドへの転換を促している日銀にとって、この選択肢
への回答が多かったことは有利な材料だと言える。ただし、この回
答は2014年4月に63.8%まで増加した後は、減少基調で推移している。
 3番目が、「保有している金融資産・不動産等が値上がりすると思
うから」。株価の上昇を受けて17.4%に増加した(前月比+12.5%
ポイント)。だが、資産効果で消費が刺激される部分は、家計の株
式保有比率の低さゆえに、日本ではやはり限定的である。
 支出を増やそうとする理由の4番目にようやく「所得が増えると思
うから」が出てくるが、10.9%にすぎない。しかも3カ月連続で低下
している。
 今後の支出動向については、日銀が四半期ごとに行っている生活
意識に関するアンケート調査でも質問が設けられているが、こちら
は1年後を現在と比べた場合に増やすか、減らすかについてである。
2015年3月調査で、1年後の支出DI(回答比率「増やす」−「減らす
」)はマイナス48.1に低下した(前回調査比マイナス0.6ポイント)。
 一方、消費者庁の調査は今後3カ月間についてのものであり、日銀
の調査とはタイムスパンが異なっている。6月速報の数字から日銀の
調査にならって支出DI(回答比率「増やそうと思っている」−「減
らそうと思っている」)を計算すると、マイナス53.0になる。
 円安の再進行を受けて食品類の値上げ発表がほぼ連日行われてお
り、消費者のマインドをじわじわと圧迫している。物価モニターで
支出額を増やすかどうかの調査対象になった「今後3カ月」は、夏の
ボーナスが支給される時期と重なり合っている。
 ボーナス効果によって夏場に個人消費が勢いを増すことを政府・
日銀などは期待しているが、今回の物価モニター調査の結果は、そ
うした楽観シナリオに疑問符を突き付ける内容である。
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日経平均、次の大きな節目はいくらか
ITバブル時の高値2万0833円突破へ
東野 幸利 :国際テクニカルアナリスト 2015年06月24日TK
日経平均株価は23日の終値で2万0809円となり、再び年初来高値を更
新しました。ギリシャ債務問題の進展や、政府の成長戦略(素案)
に金融機関の持ち合い解消が言及されて金融株が上昇したことなど
が、主な株価上昇の背景のようです。
上昇相場は、いよいよ加速する?
これでハイテク株や通信株などが大相場を演じた、2000年のITバブ
ル時に付けた高値(2万0833円)に接近、24日はこの高値を15年ぶり
に抜く歴史的な日になる可能性が高まっています。
この2万0833円という価格は、2007年の高値1万8300円の次ぎに大き
な上値の壁といえるところで、もし上回ると、これからの株価の上
昇余地が一段と広がる見込みです。
あくまでも、日経平均ベースの話になりますが、昔風にいうと、「
IT相場以降、長い間塩付けになっていた株券がひと回転効いてくる
」ということです。そうなると、筆者の肌感覚では、上げ相場もい
よいよ加速の局面に入ってくることが予想されます。中期では1996
年の高値2万2666円が一つのメドになるかもしれません。
今後の短期的なポイントとしてあげておきたいのは、日米の経済指
標です。7月1日は、6月調査の日銀短観が午前8時50分に発表になり
ます。また、7月3日は米国の6月雇用統計の発表(日本時間21時半発
表)を迎えることになります。
日銀短観に話を戻しますと、前回の3月調査の日銀短観では、「大企
業製造業の業況判断DI」がプラス12と、前回調査から横ばいにとど
まりました。円安進行による輸出や収益の拡大を背景に景況感改善
を予想する向きが多かったのですが、特に自動車は中国向け輸出の
鈍化や国内販売の低迷などが企業の慎重姿勢につながる内容でした。
今回7月1日に発表予定の6月調査の予想も、横ばいのプラス12が見込
まれています。結果は比較的ぶれますが、最近、弱いのか強いのか
よくわからないトヨタ自動車株の反応が注目を集めそうです。
「これからも相場は強そうだ」と言える理由
一方、大企業非製造業の予想は、前回3月調査まで2期連続で改善。
原油安にともなうコスト低下が円安によるコスト増加の影響を上回
る好内容でした。訪日外国人客の旺盛な消費によって、小売がプラ
ス5と4期ぶりに改善したのも特徴でした。6月調査はプラス23と3期
連続で改善が予想されており、インバウンド関連株のこの先の動き
を決めるポイントになりそうです。
いずれにしても、ここ最近で運用成績がいまひとつのヘッジファン
ドなどの短期筋が、経済結果の良し悪しを受けて、相場の動き出す
方向にベットしてくる可能性が高いのも、相場加速の要因として挙
げられます。
一方、これから夏枯れ相場(市場が低迷し売買高が減少する傾向)
が到来します。歴史が示すように、やはり夏場は売買高が減少する
傾向があります。
例えば、東証1部の売買代金を2000年〜2014年までの15年間のデータ
を使い、各月1日あたりの平均売買代金をみると、1月〜6月までの1
兆6000億円に対して、7月〜8月は1兆3900億円程度まで落ち込む傾向
があります。絶対水準だけをみるとたいした減少ではありませんが
、一般的には売買高が増えるときは株高傾向、売買高が減少すれば
株価は低迷します。
特に今年は注目度が高い株主総会が集中する週に高値を更新したこ
とが特筆されます。企業のガバナンス意識の向上は、日本人が思っ
ている以上に海外投資家からの評価が高いようですが、株主総会の
後、海外投資家がどんな行動をとってくるかが需給面での相場のポ
イントです。
思い起こせば、2013年末にかけては、証券優遇税制の廃止による駆
け込み売りが増える代わりに、2014年開始のNISA(少額投資非課税
制度)対応で、国内の個人の買いがかなり盛り上がり、株価上昇に
拍車をかけるかたちとなりました。
しかしながら残念なことに、2014年に入ったとたん、海外投資家の
売りが出て相場は下落しました。株主総会を境に急に下落に転じる
ことはないと思いますが、海外投資家が夏休みをとる前に、利益を
確保する考えは「あり」だと思います。
とはいえ、崩れそうで崩れなかった欧米株式や為替の円安ドル高に
加え、ITバブル時に買った持ち株の評価損の改善や、新興株の上昇
を通じて投資家の強気マインドが強化されています。
「プチ小型株バブル相場」が始まった?
マザーズ指数は1000のフシを突破してきました。新規上場が再開し
たことで新興市場に資金流入が顕著です。米国でもNASDAQやラッセ
ル、バイオテクノロジー指数などの小型株を主体とする指数が史上
最高値を更新するなど、日本とよく似た現象が起きています。
実際、マザーズ市場の2004年〜2014年までの11年間の売買代金を調
べると、東証1部とは違い、6月に増加する傾向があり、7月も年間の
なかでは比較的高水準を維持することが多いようです。今年は6月22
日現在、6月の1日あたりの平均売買代金が1000億円(6月の11年平均
では600億円程度)まで増加してきており、出来高が株価に先行して
いる可能性が高そうです。もしかすると、「プチ小型株バブル相場
」の始まりのような局面とみています。
当然ながら、マザーズ市場もアベノミクス相場の恩恵を享受したわ
けですが、実は2013年5月以降は調整が続いていました。チャートの
話で恐縮ですが、東証マザーズ指数は2013年5月高値を起点に、2014
年1月高値を通る「上値抵抗ライン」(上値の壁となる線)をようや
く上抜け、「買いサイン」が点灯したところです。
それは2年間続いた「三角もち合い」(上値を結んだ線が切り下がり
、下値を結んだが切り上がることによって、2本の線が交差して三角
形の形状になること)を上抜けたことを意味し、これから再び上昇
相場が始まる可能性が高いと思われます。?
小型株物色の季節到来に加え、売買高の増加とチャートのフシ突破。
こんな見え過ぎた買いサインどおりに、相場の神様が動いてくれる
とはさすがに思っていません。しかし、ここから約3割高を目指すく
らいの強い相場が到来する可能性は十分あると見ています。






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