5408.ギリシャへ最終通告



「5398.独ショイブレ財務相はギリシャに妥協しない」で述べ
たように、EUは、ギリシャに年金削減と賃金削減の要求を取り下
げずに、決裂した。

その他事項にでは、欧州委員会は、ギリシャの支援協議において債
権団は同国に対し大幅な譲歩をしたようだが、キー部分での譲歩を
していない。

そして、欧州連合(EU)当局者によると、ギリシャが18日まで
に改革事項をめぐる新たな提案を提出しなければ、ユーロ圏はギリ
シャに対し欧州側の要求を受け入れるかユーロ圏を離脱するか、最
後通告を行う可能性があるという。

しかし、ギリシャ政府は、協議再開のために提案を再提出する見込
みはないと表明した。

ということは、ユーロ圏を離脱することになる。

しかし、変なのが、ギリシャのバルファキス財務相は、ユーロ圏離
脱は、同国の債務危機の合理的な解決策ではないとの見解を示し、
債務再編が唯一の方策だと指摘した。

ギリシャがユーロ圏から離脱する事態に至った場合、ショイブレ財
務相はギリシャを支援するかとの質問に対しては「ノー」と答えた
が、これは論理が一貫している。

金融市場はこうした混迷に反応し、アテネ株式市場のATG指数.ATG
はこの日の取引を前営業日終値比4.68%安で終了。ギリシャ2
年債利回りは3%ポイントを超えて上昇し、29.02%に達した。
ロイターが短期金融市場関係者を対象に実施した調査では、ギリシ
ャが年内にユーロ圏を離脱する確率は約30%と、前月の調査から
上昇している。

どちらにしても、ギリシャはデフォルトを選択して、ユーロ圏離脱
で進み、それを総選挙で国民が審判することになる。

チプラス首相が政権を追われないと、ユーロ圏残留ができないこと
は確かでしょうね。

さあ、どうなりますか?

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ギリシャ首相18日に訪ロ、ユーロ圏はこの日に最後通告の可能性
2015年 06月 16日 03:46 JST
[アテネ/ベルリン 15日 ロイター] - ギリシャ支援協議が難
航するなか、ギリシャのチプラス首相は18─20日にロシアを訪
問し、同国で開催される経済フォーラムに出席するほか、プーチン
大統領と会談する。
チプラス首相がロシア入りする18日には、ユーロ圏は財務相会合
を開催。欧州連合(EU)当局者によると、ギリシャがこの日まで
に改革事項をめぐる新たな提案を提出しなければ、ユーロ圏はギリ
シャに対し欧州側の要求を受け入れるかユーロ圏を離脱するか、最
後通告を行う可能性がある。
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ギリシャ支援協議、債権団すでに大幅譲歩=欧州委員会
2015年 06月 16日 01:31 JST
[ブリュッセル 15日 ロイター] - 欧州委員会は15日、ギリ
シャの支援協議において債権団はすでに同国に対し大幅な譲歩をし
たと主張し、債権団の要求はすべて有効で経済的にも理にかなって
いると説明した。
また、ギリシャが事実を歪めていると指摘、欧州委の立場を示した。
経済政策担当のアニカ・ブライトハルト報道官は、債権団から提出
された包括的提案は「ギリシャ国民や政府だけでなく、他の(ユー
ロ)加盟国の必要性も満たしている」と主張。「ハードルはすでに
大幅に下げられている。決して一方的な提案ではない」とした。
さらに、債権団が年金・賃金カットを要求したと、ギリシャ政界が
訴えていると指摘、事実に反するとした。
同氏はただ、ギリシャの年金制度は欧州で最もコストが高い一角を
占め、変革が必要と指摘。早期退職を段階的に廃止するなどして、
長期で財政的に持続可能なものにする改革の重要性を唱えた。
賃金についても同様の考えとし、「債権団が新たな賃金削減を求め
ているわけでない」と述べた。国内で失業が極めて高水準にある事
実を踏まえ、生産性や競争力に沿う形で、賃金が上昇するのが望ま
しいとの考えを示した。
このほか、シナス報道官は記者会見で「新しく関与すべき問題が発
生すれば、対応する準備はできている。欧州委は協議が進むよう、
仲介者として喜んで参加する」と述べた。
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ギリシャと債権団、ともに態度を硬化 「非常事態」に備える必要
2015年 06月 16日 06:55 JST
[アテネ/ブリュッセル 15日 ロイター] - ギリシャ債務問題
の打開に向けた協議が14日に物別れに終わったことを受け、ギリ
シャ側も債権団側も態度を硬化、15日にはドイツ出身のエッティ
ンガー欧州委員から「非常事態」に備える必要があるとの発言が飛
び出すなど、混迷は深まっている。
14日の協議が物別れに終わったことについて、ギリシャ政府はこ
の日、協議再開のために提案を再提出する見込みはないと表明。チ
プラス首相は、ギリシャの尊厳を守る責任があるとし、再建団側が
要求している一段の年金削減などを拒否する姿勢を鮮明にした。
欧州債権団との交渉が暗礁に乗り上げるなか、チプラス首相は18
─20日にロシアを訪問し、同国で開催される経済フォーラムに出
席するほか、プーチン大統領と会談する。
チプラス首相がロシア入りする18日には、ユーロ圏は財務相会合
を開催。欧州連合(EU)当局者は、ギリシャがこの日までに改革
事項をめぐる新たな提案を提出しなければ、ユーロ圏はギリシャに
対し欧州側の要求を受け入れるかユーロ圏を離脱するか、最後通告
を行う可能性があるとしている。
今月末に16億ユーロの国際通貨基金(IMF)融資が返済期限を
迎えるまであと2週間。この日もギリシャの銀行からの預金流出は
続き、銀行筋によると15日の流出額は約4億ユーロ(4億4900
万ドル)に達した。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はこの日に欧州議会で行った
証言で、ギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA)につい
て、支払い能力があり十分な担保を持つ限り続ける考えを表明。
ただ、「ギリシャ政府が市場から資金調達できない場合、財政ファ
イナンスの禁止規則を回避するために、ECB供給の流動性を使用
することはできない」とし、支援には制限が存在するとの認識も示
した。
こうしたなか、南ドイツ新聞(電子版)は、週内にギリシャ支援協
議が合意に達しない場合に備え、ユーロ圏がギリシャの銀行に対す
る資本規制導入を含む緊急対応策で合意したと報じた。
ギリシャ政府はこの報道を否定。ドイツ政府報道官は、報道内容を
確認も否定もできないとコメントしている。
ギリシャ支援をめぐる不透明感が一段と高まるなか、ドイツ出身の
エッティンガー欧州委員は、「ギリシャが非常事態に陥る恐れがあ
るため、緊急対策を準備しておく必要がある」と発言。
金融市場はこうした混迷に反応し、アテネ株式市場のATG指数.ATG
はこの日の取引を前営業日終値比4.68%安で終了。ギリシャ2
年債利回りは3%ポイントを超えて上昇し、29.02%に達した。
ロイターが短期金融市場関係者を対象に実施した調査では、ギリシ
ャが年内にユーロ圏を離脱する確率は約30%と、前月の調査から
上昇している。
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ギリシャの選択はデフォルトか妥協か、予想されるシナリオ
2015年06月15日(月)12時40分
[アテネ 12日 ロイター] - 対ギリシャ金融支援をめぐる協議
がこう着、着地点すら見えない状況となっている。融資実行の条件
である財政再建策で債権団との溝がなお埋まらず、ギリシャ政府は
デフォルト(債務不履行)・ユーロ圏離脱か、国民の怒りを覚悟の
上で債権団に妥協するか、まさに究極の選択に迫られている。以下
、今後予想されるギリシャ問題の展開をまとめた。
<シナリオ1:現行の支援策を延長、時間を稼ぐ>
ギリシャ政府が一定の妥協に合意し、6月末で失効する現行の支援
策を当面延長、時間稼ぎをする。債務減免や包括的な経済・財政改
革、第3次救済プログラムなど、最も困難な問題はとりあえず先送
りする。
その場合、18日のユーロ圏財務相会合の前には合意する必要があ
る。月末のデフォルトを回避するには、残された時間は1週間もな
い。
現行支援策の延長で合意しても、凍結中の72億ユーロの融資は実
行されない可能性がある。ただし、その場合でも、欧州中央銀行(
ECB)が短期債の発行上限を引き上げるなど、その他のルートを
通じた支援により当面の融資返済を乗り切ることができるかもしれ
ない。
<シナリオ2:協議決裂、デフォルトへ>
協議が完全に決裂し、ギリシャ政府は月末に控える国際通貨基金(
IMF)への16億ユーロの融資返済ができず、デフォルトとなる。
ギリシャ政府は債務返済よりも公務員給与や年金の支払いを優先さ
せる方針だが、政府は、両方を賄うだけの資金はないと明言してい
る。
融資を期日に返済できなくとも、30日間の猶予期間がある。しか
し返済ができなければ、銀行への取り付け騒ぎや資本規制など国内
経済が大混乱に陥ることは必至で、ユーロ圏からの離脱も現実味を
増す。
<シナリオ3:ギリシャが大幅に妥協、解散総選挙も>
資金枯渇を回避し、銀行と経済の崩壊を避けるべく、ギリシャのチ
プラス首相は大幅に妥協、債権団が要求する改革案を受け入れる。
そうなれば、最大500億ユーロの第3次支援策への道が開ける。
ただその場合、財政緊縮に疲弊した国民や、急進左派連合(SYR
IZA)内部からの激しい反発が予想される。チプラス首相は少な
くとも内閣改造に迫られ、解散総選挙や国民投票もあり得るかもし
れない。
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ギリシャ財務相、ユーロ圏離脱は「合理的な解決策ではない」=独紙
2015年06月15日(月)14時37分
[ベルリン 15日 ロイター] - ギリシャのバルファキス財務相
は、独ビルト紙とのインタビューで、ユーロ圏離脱は、同国の債務
危機の合理的な解決策ではないとの見解を示し、債務再編が唯一の
方策だと指摘した。
バルファキス財務相は「合理的な解決策という観点から『グレグジ
ット(Grexit)』を排除する」と述べた。ただし、どのような可能
性も排除できない、との見解も示した。
債務問題打開に向けた国際債権団との協議は14日、物別れに終わ
り、ギリシャは6月末が期限となる国際通貨基金(IMF)への
16億ユーロ(18億ドル)の返済資金を確保できず、債務不履行
(デフォルト)の危機が迫っている。
バルファキス財務相は、国際債権団との早期合意は可能との認識を
示すものの、ギリシャが債務を返済できる唯一の方法は債務再編で
あり、メルケル独首相が協議に参加する必要があると指摘した。
同相は「われわれはもうこれ以上の資金は必要としていない」と発
言。ドイツをはじめとするユーロ圏はすでにギリシャに「多すぎる
」資金を与えたとし、債務再編を志向する姿勢を示した。
債務再編での合意には直ちに「イエス」と答えるとし、債権団がヘ
アカット(債務元本の減免)を認めれば、ギリシャは今後支援を受
けないと述べた。
ギリシャは協議を再開する用意があるとしているが、年金削減や付
加価値税の引き上げには応じない姿勢を崩していない。
バルファキス財務相は、税率を引き上げれば、国民の納税意欲が減
退し、それだけ税収は減ると指摘した。
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ユーロ圏残留望むが対応はギリシャ次第=独政府報道官
2015年06月15日(月)19時02分
[ベルリン 15日 ロイター] - ドイツ政府報道官は、ギリシャ
のユーロ圏残留を望むが債権団と合意できるかはギリシャ政府次第
だと述べた。ギリシャがユーロ圏から離脱する事態に至った場合、
ショイブレ財務相はギリシャを支援するかとの質問に対しては「ノ
ー」と答えた。
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ギリシャは合意に努力、年金削減などには応じず=政府報道官
2015年06月15日(月)19時27分
[アテネ 15日 ロイター] - ギリシャ政府報道官は、債権団と
の協議が決裂したが依然として合意に向け努力しており、総選挙や
国民投票などの対応策は検討していないと述べた。
報道官は記者会見で「ギリシャ政府の唯一の計画は合意に至るとい
うことだ」と語った。
一方で「年金削減や基本消費財への付加価値税引き上げなど、緊縮
財政の悪循環を増幅させる策はとらない」とも述べ、債権団の要求
には応じない意向を示した。
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ギリシャ株と債券急落、交渉決裂でデフォルト懸念高まる
2015年06月15日(月)20時53分
[ロンドン 15日 ロイター] - 欧州株式市場では、債権団との
交渉決裂を受けてデフォルト懸念が高まりギリシャ株が売られ、同
国債利回りは急上昇している。株価は4月以来の安値に下落。特に
銀行株が売り込まれ、2営業日連続で10%以上の下げとなってい
る。
1000GMT(日本時間午後7時)現在で、ギリシャ株の主要指
数<.ATG>は5%下落し734ポイント。前週末12日には6%下落
していた。
同国の金融株指数<.FTATBNK>は10%下落、12日には12%下げ
ていた。
2年国債利回りは3%ポイント上昇の29%と2カ月ぶり高水準。
10年債利回りは12.6%に上昇し、4月27日以来の高水準を
付けた。ギリシャの社債利回りも上昇している。



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