5387.海洋温度差発電



newscientist誌で、「20,000 megawatts under the sea: Oceanic 
steam engines」の特集をしていた。この海洋温度差発電の実用化プ
ラントは、日本が最初であることも知った。そこで調べると、夢の
扉で2013年に放送されている。

しかし、この放送の時は、この技術が重要な技術とは気がつかなか
ったが、Lockheed Martinがこの技術に本格的に取り組み、パイプを
安く作れるようにして、採算が合う状態にして、各所で発電を開始
するようである。世界が注目して実用化したようだ。

2013年3月、沖縄県久米島で、世界に先駆けて、あるプラントが運転
を開始した。それは、海の表層部の温かい海水と、深海の冷たい深
層水との温度差を利用してタービンを回し発電するという、「海洋
温度差発電」の実証プラント。
その発電ポテンシャルは高く、海洋エネルギーを最大限利用した場
合の発電量は、“原子力発電所25基分”にもなるという。この海洋
温度差発電の分野で、世界でもトップレベルの技術を誇るのが、佐
賀大学の池上康之だ。

使うのは、太陽の熱を蓄えた海水。CO2の排出はゼロで、昼夜を問わ
ず安定的に発電が可能。さらに、発電だけでなく、汲み上げた深層
水を水産養殖などに複合利用できるという、まさに、究極のエコ・
エネルギーシステム!
しかし、その研究は40年以上前に始まったが、これまで実用化には
至らなかった。

熱交換器など設備に多額のコストがかかり、採算が合わない―。各
国が相次いで研究を中止・・。そんな中、世界で唯一研究を続けた
のが、佐賀大学だった。
「できるわけがない」と学会で否定されても、池上たちは、決して
あきらめなかった。日本だけでなく、資源や水に乏しい世界の国々
をも救う技術だと信じていたから―。

『“できない”理由を探すのではなく、“できる”と思ってそのた
めの行動をとる』久米島のプラントは、海洋温度差による電気を生
み出し、実用化への大きな一歩を踏み出すことができるのか―。

佐賀大学の上原春男教授のグループが1994年にアンモニアと水の混
合媒体を冷媒に用いた「ウエハラサイクル」を発明した。従来のラ
ンキンサイクル(媒体に純アンモニアを用いる)と比較して50 - 70
%サイクル熱効率が向上し、実用レベルの効率を持つ海洋温度差発電
プラントを実現できるようになった。

すごい技術が生み出されても、注目して取り上げる企業がないと、
海外に持っていかれるという良い例でしょうね。

さあ、どうなりますか?



20,000 megawatts under the sea: Oceanic steam engines

コラム目次に戻る
トップページに戻る