5390.ギリシャの今後はどうなるのか?



ガーディアン紙の「Greek PM convenes emergency meeting of his 
bailout negotiation team」でチプラス首相は、EUの交渉団と交
渉を急げと指示したというが、年金削減、公務員賃金引き下げなど
はしないように交渉している。この条件を取り下げないとEUサイ
ドは合意にはいかない。

このため、ギリシャ政府は年金と賃金の2つは譲れないという国内
の勢力との関係で、そう簡単に条件を引き下げることができない。

しかし、ギリシャのチプラス首相は、近く国際債権団と実行可能な
解決策で合意できるとして、ユーロ圏からの離脱はしないとしてい
る。また、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長も26日、ギリ
シャへの金融問題に関して、「ギリシャのユーロ圏離脱は起こらな
い」と改めて強調した。

このため、ギリシャ政府は、ギリギリのタイミングでの条件取り下
げを行うことが、ほぼ、確実である。しかし、そのときはギリシャ
のチプラス首相は裏切り者になり、再度総選挙をしないと収まらな
いことになるのも、ほぼ確実である。

そして、EUとの交渉が難しいということを国民に知らせて、現状
の条件を飲むのか、ユーロ圏離脱に向かうのかの選択をするべきで
あろう。

と多くの人達が、そう予測しているし、最初に行ったのがドイツの
ジョイブレ財務相である。当事者の予想が一番正しいようである。

さあ、どうなりますか?


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ギリシャのユーロ圏離脱ない=欧州委員長
 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は
26日、ギリシャへの金融問題に関して、「ギリシャのユーロ圏離
脱は起こらない」と改めて強調し、追加支援をめぐる最終合意に楽
観的な見通しを示した。日本人記者団との会見で語った。
(2015/05/27-06:17)
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コラム:ギリシャ最良の道は「2度目の総選挙」
2015年 05月 26日 11:35 JST
Hugo Dixon
[ロンドン 25日 ロイター] - ギリシャが直面するシナリオは
どれも暗いが、最悪の事態を避けるチャンスはまだ残っている。そ
のためにはチプラス首相が口約束を実行に移すだけではなく、今年
2度目の総選挙に踏み切る必要がある。
今後3カ月間に国際通貨基金(IMF)と欧州中央銀行(ECB)
に対する一連の返済期限が到来することを踏まえれば、選挙のタイ
ミングを決めるのは難しいが、なんとか実行は可能だ。
ギリシャが踏み出すべき最初の重要な第一歩は、債権者と短期的な
合意を結ぶことによって72億ユーロの融資実行を可能とし、来月
支払い不能に陥るのを避けることだ。依然として債権者との意見の
隔たりが大きいことを考えれば、容易なことではないだろう。しか
しチプラス首相は合意を楽観視していると話しており、ついに譲歩
の用意ができたということかもしれない。
ギリシャが取り組むべき最重要課題は年金改革だ。同国の年金制度
にはいくつもの例外規定があるため、国民は公式な退職年齢に達す
る遥か前から支給を受け始めることができる。債権者はこの点で一
歩も譲るべきではない。
他方、ユーロ圏とIMFは労働改革については妥協に前向きな姿勢
を示した方がよい。競争力の向上をもたらした改革を後退させない
ようギリシャに迫るのは正しいが、労働者の保護措置の廃止をこれ
以上求める必要はない。
こうした短期的な交渉が合意にこぎつけたとしても、なお3つの疑
問が残る。チプラス首相は合意に対して急進左派連合(SYRIZA
)の支持を得られるだろうか。夏にかけて、あるいはより長期間に
わたる返済資金をどう調達するのか。そしてギリシャと債権者は、
さらなる改革と500億ユーロに及びそうな新規融資という、数年
単位の新たな合意を結ぶ覚悟があるのだろうか。
これらの疑問に答える最良の方法が、再び総選挙を実施することだ
。首相にとっては与党内の強硬派を一掃する手段となる上、長期的
な救済プログラムの交渉に対する国民の負託を確保できれば、債権
者側もギリシャは約束を守りそうだと信頼感を強めるだろう。その
結果、現在と将来いずれにおいても資金繰りが楽になる。
チプラス首相が総選挙に踏み切らない限り、債権者が彼の約束を信
じるのは難しいだろう。4カ月に及ぶ落胆続きの交渉を経た今、債
権者は首相が金だけ確保して改革を怠るのではないかと危惧してい
る。
ドイツを筆頭とするユーロ圏各国政府は、ギリシャ救済のための
500億ユーロ超の追加融資を議会に説得するのに苦心しそうだ。
IMFとしても追加融資の負担を背負いたくないわけで、IMFが
融資しないならドイツ議会を納得させられる見込みはまずない。
チプラス首相が総選挙を宣言し、国を救うためには妥協が必要だと
国民に訴えるなら、こうした状況に変化が生じる。国民がユーロ残
留を望み、反対派の足並みが乱れていることを考えれば、首相が過
半数を制する可能性は高いだろう。
今年2度目の総選挙を実施する最良のタイミングは7月だろう。債
権者と目先の合意に漕ぎつけ、長期プログラムの交渉はまだ本格化
していない時期だ。
このシナリオでは、首相は幾つかの不人気政策について債権者と合
意し、これについて議会の支持を求める。与党内の強硬派から造反
者が出そうなため、野党の協力が必要になる。債権者は既存の救済
プログラムの融資、残り72億ユーロを実行に移す。これだけでは
ギリシャは夏を乗り切れないため、ECBもギリシャ銀による政府
短期国債の追加購入を認める。
チプラス首相はこの時点で総選挙に踏み切る。1月の総選挙から1
年を経ていないため、首相はギリシャの法律に基づき与党から出馬
する候補者を選ぶことができる。つまり造反者は独自の極左政党を
好きに結成すればよいとして、彼らを追い出すことが可能なのだ。
総選挙が国民投票より望ましいのはこのためだ。ショイブレ・ドイ
ツ財務相はあらためて国民の負託を得る手段として国民投票を提唱
しているが、国民投票を実施しても国会議員の顔ぶれは変わらず、
首相は身動きが取れないだろう。
総選挙後には新たな救済プログラムの交渉が完了する可能性がある
。首相がより穏健な議員グループの後ろ盾を得れば、債権者は改革
の見返りとしての追加融資に前向きになるだけでなく、ギリシャの
巨額債務についてある程度の減免に合意しそうだ。現在実施してい
る利払い猶予の延長と、融資返済期限の延長によって。
おとぎ話のように聞こえるかもしれない。しかしこれは、最悪の結
末に至らない数少ないシナリオの一つだ。
*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見
解に基づいて書かれています)
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ギリシャとの交渉、IMFの関与不可欠=独財務省
2015年05月22日(金)19時59分
[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツ財務省のイェーガー報道
官は22日、ギリシャの改革をめぐる協議において国際通貨基金(
IMF)の関与は不可欠との考えを示した。ベルリンで開催した定
例会見での発言。
独ビルト紙はこの日、欧州委員会がギリシャの債務問題に関する特
別サミットをIMF抜きで開催しようとしているとの観測を報じて
いた。
独政府の広報担当者は、知る限りではそのような会議は予定されて
いないとして、報道内容を否定。ギリシャとの交渉にはIMFを含
むトロイカの3機関が全て関わるべきだと強調した。
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EU・IMFとの合意、10日以内に成立の見通し=ギリシャ政府
2015年 05月 22日 15:07 JST 
[アテネ 22日 ロイター] - ギリシャ政府報道官は22日、国
際支援再開の条件となる改革をめぐり、欧州連合(EU)・国際通
貨基金(IMF)と10日以内に合意できるとの見通しを示した。
6月の支払いについては、すべての履行を目指すと述べた。
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独首相、ギリシャに金融支援合意に向け債権団との取り組み要求 
2015年 05月 22日 16:42 JST
[リガ 22日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は22日、ギ
リシャは金融支援合意に向け債権団と集中的に取り組む必要があり
、多くの努力が求められている、との考えを示した。
メルケル首相とフランスのオランド大統領は21日深夜、ラトビア
の首都リガで開かれている欧州連合(EU)首脳会議の合間にギリ
シャのチプラス首相と会談した。
メルケル首相は記者団に対して、友好的で建設的なやりとりだった
が、ギリシャが債権団と一段と協力する必要があることは明らかだ
、と述べた。
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ギリシャ、近く債権団と実行可能な解決策で合意へ=首相
2015年 05月 22日 18:28 JST
[リガ 22日 ロイター] - ギリシャのチプラス首相は22日、
近く国際債権団と実行可能な解決策で合意できるとの認識を示した。
同首相は21日夜、ラトビアの首都リガで開かれているEU東方パ
ートナーシップ首脳会議で、ドイツのメルケル首相とフランスのオ
ランド大統領と会談した。
チプラス首相は記者団に「協議は非常に建設的だった。非常に良い
友好的な雰囲気だった」と発言。「過去の過ちを繰り返さず、長期
的かつ持続可能・実行可能な解決策で近く合意できると楽観してい
る」と述べた。




Greek PM convenes emergency meeting of his bailout negotiation team

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